今回はモトリー・クルーのランキングを作成しました。
この記事では初期の名曲と破天荒なエピソードをご紹介しました。
このバンドは無軌道なキャラクターとは異なり、音楽面では高い水準で安定しています。
どれもHR/HMの醍醐味を堪能できる曲ばかりです。
- 1 1位「Kickstart My Heart」(アルバム:Dr. Feelgood)
- 2 2位「Dr. Feelgood」(アルバム:Dr. Feelgood)
- 3 3位「Home Sweet Home」(アルバム:Theatre Of Pain)
- 4 4位「Looks That Kill」(アルバム:Shout At The Devil)
- 5 5位「On With The Show」(アルバム:Too Fast For Love)
- 6 6位「Smokin’ In The Boys Room」(アルバム:Theatre Of Pain)
- 7 7位「Girls,Girls,Girls」(アルバム:Girls,Girls,Girls)
- 8 8位「Too Young To Fall In Love」(アルバム:Shout At The Devil)
- 9 9位「Take Me To The Top」(アルバム:Too Fast For Love)
- 10 10位「You’re All I Need」(アルバム:Girls, Girls, Girls)
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1位「Kickstart My Heart」(アルバム:Dr. Feelgood)
■曲名:Kickstart My Heart
■曲名邦題:キックスタート・マイ・ハート
■アルバム名:Dr. Feelgood(1989年)
■アルバム名邦題:ドクター・フィールグッド
■動画リンク:「Kickstart My Heart」
この曲は「Kickstart My Heart」つまり「俺の心を始動させる」という意味です。
「Kickstart」とは、バイクの始動方式のこと。
「Girls, Girls, Girls」のジャケットを見ても、やはり彼らは二輪が似合いますね。
この曲の歌詞を以下に要約します。
俺は心を始動させる
確かに俺はトラブルを抱えているが、ステージに立てばアドレナリンが身体を駆け巡る
俺たちは全てをロックに捧げてきたんだ
彼ら自身も自覚していたように、彼らはデビュー前からかなり素行に問題がありました。
彼らのウィキペディアに、こんな箇所がありました。
ドラッグやアルコール依存によるトラブル、事件事故、ゴシップに取りざたされることも非常に多い。
「多い」ではなく「非常に多い」なのですね。
加えて彼らはトラブルが多いだけでなく、内容的にもひどくて時には人が死んだり、死にかけたりなど生き死の問題になることさえありました。
2位「Dr. Feelgood」(アルバム:Dr. Feelgood)
■曲名:Dr. Feelgood
■曲名邦題:ドクター・フィールグッド
■アルバム名:Dr. Feelgood(1989年)
■アルバム名邦題:ドクター・フィールグッド
■動画リンク:「Dr. Feelgood」
このアルバムは彼らの最高傑作だと言われています。
勝因は2つあると思われます。
一つはプロデューサーにボブ・ロック(Bob Rock)を起用したこと。
ボブ・ロックの音づくりは、後にメタリカ(Metallica)の通称「ブラック・アルバム」を聞けばお分かりいただけると思います。
端的に言えば、ヘヴィでロックらしい厚みのある音。
彼の起用によって、モトリー・クルーの音楽に重量感が生まれました。
あともう1つは、メンバー全員がドラッグを絶って製作したこと。
ドラッグ漬けでも良い曲は生まれますが、概してアルバムの質にムラができやすいかもしれません。
本作が最高傑作だと言われているのは、曲の質が高水準で安定しているからです。
この記事では5作目までから各2曲選びました。
このアルバムは、以下の曲さえ選外になるほど名曲ぞろいです。
3位「Home Sweet Home」(アルバム:Theatre Of Pain)
■曲名:Home Sweet Home
■曲名邦題:ホーム・スウィート・ホーム
■アルバム名:Theatre Of Pain(1985年)
■アルバム名邦題:シアター・オブ・ペイン
■動画リンク:「Home Sweet Home」
バラードに良い曲が多いメタルの中でも屈指の名曲です。
この曲は夢を追い求めて家を出た男の話。
そして今夜、彼はなつかしい故郷に帰ろうとしています。
この曲は以下の事件を元にして書かれました。
ヴィンスが飲酒運転で起こした交通事故によりハノイ・ロックスのドラマーであるラズル (Razzle (musician)) が死亡。
その日ラズルはモトリー・クルーのメンバーからホーム・パーティに誘われましたが、彼はその日の内に帰らなければいけませんでした。
その帰路の途中、自動車事故でラズルは帰らぬ人となりました。
車を運転していたヴィンス・ニールは、激しく自分を責めたそうです。
このアルバムは「Theatre Of Pain」つまり「痛みの劇場」という意味。
「Theatre」がイギリス綴りなのは、ラズルがイギリス人だからです。
この曲でのヴィンスの歌が心を打つ背景には、こうした痛ましく悲しい事故がありました。
4位「Looks That Kill」(アルバム:Shout At The Devil)
■曲名:Looks That Kill
■曲名邦題:ルックス・ザット・キル
■アルバム名:Shout At The Devil(1983年)
■アルバム名邦題:シャウト・アット・ザ・デヴィル
■動画リンク:「Looks That Kill」
ここで当時のメンバー紹介をしておきましょう。
・ヴィンス・ニール (Vince Neil):ボーカル
・ミック・マーズ (Mick Mars):ギター
・ニッキー・シックス (Nikki Sixx):ベース
・トミー・リー (Tommy Lee):ドラム
彼らは全員アルコールとドラッグの中毒者でした
ミック・マーズ以外のメンバーは素行面にかなり問題があって、乱痴気騒ぎやパーティが大好きでした。
1つニッキー・シックスのエピソードをご紹介しましょう。
ヘロインの過剰摂取で、心臓が2分間停止した事がある。(中略)
しかし、周りは彼が死んだと思っており、家に沢山のマスコミが駆けつけていたため、バレないように裏口から家に入る。(中略)
ニッキーが最初にしたことは、留守番電話のメッセージを「やあ、こちらニッキー。死んじまったんで、家にはいません。」に変えることだった。(中略)
そしてバスルームに行き、電話から鳴っている「やあ、こちらニッキー。死んじまったんで、家にはいません」というメッセージを聞きながら、ヘロインを打ち、また気絶。
彼は死の淵から生還した後、二度とドラッグはしないと誓いましたが、舌の根が乾かぬその夜にこの有様です(笑)
5位「On With The Show」(アルバム:Too Fast For Love)
■曲名:On With The Show
■曲名邦題:オン・ウィズ・ザ・ショー
■アルバム名:Too Fast For Love(1981年)
■アルバム名邦題:華麗なる激情
■動画リンク:「On With The Show」
デビュー・アルバムの曲です。
この作品は他のアルバムとは音の質感と音楽性が異なるかもしれません。
一般に彼らはLAメタルに分類されることが多いように思います。
しかし典型的なLAメタルとも少し違うかもしれません。
典型的なLAメタルといえるのは「Shout At The Devil」ぐらいでしょうか。
このファースト・アルバムはグラム・ロック、全体としてはバッドボーイズ・ロックと呼んだ方がしっくりきます。
彼らは早弾きなどのヘヴィーメタルとは異なり、テクニカルな方向には進みませんでした。
私は少なくとも5作目までは、メンバーの自己主張が強いわりにまとまりのあるバンドだと感じます。
6位「Smokin’ In The Boys Room」(アルバム:Theatre Of Pain)
■曲名:Smokin’ In The Boys Room
■曲名邦題:スモーキン・イン・ザ・ボーイズ・ルーム
■アルバム名:Theatre Of Pain(1985年)
■アルバム名邦題:シアター・オブ・ペイン
※ジャケはシングルのもの
■動画リンク:「Smokin’ In The Boys Room」
この曲はカバーです。
原曲のリンクを貼っておきましょう。
Brownsville Station – Smokin’ in the Boy’s Room
モトリー・クルーには、ニッキー・シックスという優秀なソングライターがいました。
しかし彼らはカバー曲の選択も実に的確でした。
もう1曲ビートルズ(The Beatles)「ヘルター・スケルター(Helter Skelter)」のカバーもご紹介しましょう。
ちなみに彼らはエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)の「監獄ロック(Jailhouse Rock)もカバーしています。
その曲はヴィンス・ニールの退所祝いとしてカバーしたという説もありますが、それを裏付ける事実は私が知る範囲では出てきていません。
まあ彼らの場合はいかにもやりそうな感じはしますが。
7位「Girls,Girls,Girls」(アルバム:Girls,Girls,Girls)
■曲名:Girls,Girls,Girls
■曲名邦題:ガールズ、ガールズ、ガールズ
■アルバム名:Girls,Girls,Girls(1987年)
■アルバム名邦題:ガールズ、ガールズ、ガールズ
■動画リンク:「Girls,Girls,Girls」
彼らはセックス・ドラッグ&ロックンロールを地でいくバンドです。
むしろ彼らはそのパブリック・イメージを積極的に利用していた形跡があり、実際この曲名も「女、女、女」ですし。
ちなみにヴィンス・ニールとトミー・リーは、プライベートでの性行為の動画が流出しています。
パブリック・イメージに忠実な戦略のおかげか、この曲はシングルチャート12位を記録しました。
彼らは良くも悪くもそういうキャラとして広く認知されていて、何かあっても本国アメリカではまたかという感じらしいです。
あとスキャンダルではありませんが、彼らはド派手な演出を好むようですね。
ライブでは「ワイルド・サイド」でトミー・リーのドラムセットが360度回転、「ガールズ、ガールズ、ガールズ」ではメンバーがハーレーダビッドソンにまたがって登場するシーンが定番になった。
こういうところはエンターテイメントとして楽しいですね。
8位「Too Young To Fall In Love」(アルバム:Shout At The Devil)
■曲名:Too Young To Fall In Love
■曲名邦題:恋をするには若すぎる
■アルバム名:Shout At The Devil(1983年)
■アルバム名邦題:シャウト・アット・ザ・デヴィル
■動画リンク:「Too Young To Fall In Love」
このアルバムのジャケットは2種類あります。
もう一つのジャケはこちら。
発売後に悪魔主義と非難された結果、4人のジャケに差し替えられました。
当時のニッキーは黒魔術に傾倒していたようです。
実際この「Too Young To Fall In Love」の歌詞には「今、私はあなたを殺す」という一節があります。
ただニッキーは軽い気持ちだったようで、不可解な出来事が多発したことを受けて黒魔術から撤退しました。
ちなみに「Shout At The Devil」は「悪魔に叫ぶ」という意味ですが、スラングで「困難や危険に立ち向かう」という解釈もあるようです。
9位「Take Me To The Top」(アルバム:Too Fast For Love)
■曲名:Take Me To The Top
■曲名邦題:テイク・ミー・トゥ・ザ・トップ
■アルバム名:Too Fast For Love(1981年)
■アルバム名邦題:華麗なる激情
■動画リンク:「Take Me To The Top」
再度ファースト・アルバムの曲です。
1981年彼らはロサンゼルスで結成されました。
バンド名の「Mötley Crüe」は「Motley Crew」をもじったらしく「寄せ集めのメンバー」という意味のようです。
そのバンド名通り、彼らは雑誌広告でメンバー募集したり、オーデンションや友達のツテでメンバーを集めたようです。
当時ミック・マーズを除く3人は、まだ10代でした。
このファースト・アルバムでは、その若さが良い方向で作用しているように思います。
私は時々無性にこのアルバムを聞きたくなります。
完成度では後年の諸作にかないませんが、チープでピュアなロックンロールはかなり魅力的です。
このアルバムからもう1曲ご紹介しましょう。
10位「You’re All I Need」(アルバム:Girls, Girls, Girls)
■曲名:You’re All I Need
■曲名邦題:オール・アイ・ニード
■アルバム名:Girls, Girls, Girls(1987年)
■アルバム名邦題:ガールズ、ガールズ、ガールズ
■動画リンク:「You’re All I Need」
彼らはバラードの名曲が多いです。
バラードではボーカルの力量が問われますが、このバンドにはヴィンス・ニールがいました。
高音が美しいヴィンスの声質はバラード向きです。
さてこの記事では、ヴィンス・ニールが在籍していた「Dr. Feelgood」までを対象にしました。
その後ヴィンスはバンドから解雇され、6作目の「Mötley Crüe」では後任としてジョン・コラビ(John Corabi)が加入しました。
「Mötley Crüe」はかなり良い出来でしたが、私の耳が適応できていないせいか、モトリー・クルーという感じがしません。
音楽性も変わりましたし。
この記事ではモトリー・クルーが最もモトリー・クルーらしい、ヴィンスの在籍時に限定しました。
この時期の5作には、かなり音楽の振れ幅があります。
しかし私はどのアルバムにもモトリー・クルーらしさを感じます。
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