今回はクワイエット・ライオットのランキングを作成しました。
彼らはLAメタルを代表するバンドです。
ただ実力の割に、全盛期が短いバンドでした。
対象となったアルバムは3枚だけですが、どれも自信を持っておすすめできる曲ばかりです。
- 1 1位「Cum on Feel the Noize」(アルバム:Metal Health)
- 2 2位「Breathless」(アルバム:Metal Health)
- 3 3位「Sign of the Times」(アルバム:Condition Critical)
- 4 4位「Thunderbird」(アルバム:Metal Health)
- 5 5位「Stomp Your Hands, Clap Your Feet」(アルバム:Condition Critical)
- 6 6位「Metal Health (Bang Your Head)」(アルバム:Metal Health)
- 7 7位「Winners Take All」(アルバム:Condition Critical)
- 8 8位「Mama Weer All Crazee Now」(アルバム:Condition Critical)
- 9 9位「Main Attraction」(アルバム:QR III)
- 10 10位「Slave to Love」(アルバム:QR III)
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1位「Cum on Feel the Noize」(アルバム:Metal Health)
■曲名:Cum on Feel the Noize
■曲名邦題:カモン・フィール・ザ・ノイズ
■アルバム名:Metal Health
■アルバム名邦題:メタル・ヘルス〜ランディ・ローズに捧ぐ〜
■動画リンク:「Cum on Feel the Noize」
メタル屈指のアンセムといえる曲です。
スレイド(Slade)のカバー曲ですが、オリジナルを聞いたことがある方は少ないかもしれません。
ほとんど丸コピーであることが、お分かりいただけると思います。
「Cum on Feel the Noize」の「Cum」は「Come」のことでしょうから「さあ来いよ、ノイズを感じてくれ」みたいな感じでしょうか。
もっとワイルドになって騒ごうぜみたいな内容で、若者の享楽的な生き方を肯定しています。
スレイドというバンドは、グラム・ロックに分類されるバンドです。
グラム・ロックはそういう価値観の音楽でした。
クワイエット・ライオットはLAメタルのバンドで、LAメタルはグラムロックの流れを汲んでいますが、そのルーツが垣間見えます。
お勉強的な話はこのぐらいにして、それにしても気分が高揚する曲です。
彼らはこの曲によって、ロック史上に記憶されるバンドになりました。
2位「Breathless」(アルバム:Metal Health)
■曲名:Breathless
■曲名邦題:ブレスレス
■アルバム名:Metal Health
■アルバム名邦題:メタル・ヘルス〜ランディ・ローズに捧ぐ〜
■動画リンク:「Breathless」
「Cum on Feel the Noize」と並んで、私の大好きな曲です。
疾走するイントロからケヴィン・ダブロウ(Kevin DuBrow)の雄たけびへと続く流れを聞くと、いつもテンションが上がってしまいます。
シングルカットされていないのが、不思議なぐらいの名曲ではないでしょうか。
ちなみにこのアルバムは大ヒットしています。
ヘヴィメタルというジャンルでは最初期の全米1位獲得アルバムとして知られる[4]。
歴史的なアルバムなのですね。
当時メタルはごく一部のファンに支えられていたジャンルで、総合チャートで1位を獲得できるような音楽ではありませんでした。
しかしその先鞭をつけたのが、このアルバムです。
ただこのヒットを受けてダブロウは「俺たちのおかげで他のバンドが売れた」とあちこちで言って、随分不評を買ったようです。
そういう発言のせいで、今もダブロウを嫌うメタル・ファンがいます。
この曲がアルバムの1曲に甘んじているほど、アルバム自体はすばらしいんですけどね。
3位「Sign of the Times」(アルバム:Condition Critical)
■曲名:Sign of the Times
■曲名邦題:時代の証し(サイン・オブ・ザ・タイムス)
■アルバム名:Condition Critical
■アルバム名邦題:コンディション・クリティカル
■動画リンク:「Sign of the Times」
当時このバンドの中心は、ボーカルのケヴィン・ダブロウでした。
一時このバンドは「DuBrow」という彼の名前をバンド名にしていたぐらいです。
確かにメインソングライターであり、彼のボーカルはバンドの一番のセールス・ポイントでした。
彼のボーカルはダミ声なのですが、不思議と高音部が美しいです。
彼はロサンゼルスに生まれ、成長するとイギリスのハードロックに夢中になりました。
スレイドの「Cum on Feel the Noize」を取り上げたのも、そうした趣味からだと思われます。
彼はHR/HMでこそ映える天性の声質を持っていました。
ダブロウは、スティーヴ・マリオット(Steve Marriott)から影響を受けているそうですが、確かに少し共通点が感じられます。
4位「Thunderbird」(アルバム:Metal Health)
■曲名:Thunderbird
■曲名邦題:サンダーバード
■アルバム名:Metal Health
■アルバム名邦題:メタル・ヘルス〜ランディ・ローズに捧ぐ〜
■動画リンク:「Thunderbird」
このバンドは元々ランディ・ローズ(Randy Rhoads)を中心に結成されました。
ランディ・ローズは後にオジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)のバンドで名を上げたギタリストで、飛行機事故によって25歳の若さで命を落としています。
彼らはメジャーデビュー前に2枚のアルバムをリリースしましたが、ランディ・ローズがオジーに引き抜かれると、バンドは実質的に解散状態になりました。
しかしランディの死を受けて、ダブロウはバンドの再結成を決意し、このアルバムでメジャーデビューを果たしています。
アルバムの邦題に「ランディ・ローズに捧ぐ」とありますが、特にこの曲はランディに捧げられています。
歌詞はなかなか泣かせてくれますね。
何を言っても、もう終わったことだ
俺は生きるし、生き続ける
俺のことはかまわず、振り返るんじゃない
飛んでいきな
こんな感じです。
しかしランディ・ローズは、オジーとかダブロウのようなアクの強い男に愛された人なのですね。
ダブロウとのツーショット写真を見つけました。
微妙にランディが嫌がっている気がするのは、気のせいでしょうか。
5位「Stomp Your Hands, Clap Your Feet」(アルバム:Condition Critical)
■曲名:Stomp Your Hands, Clap Your Feet
■曲名邦題:撩乱のクワイエット・ライオット
■アルバム名:Condition Critical
■アルバム名邦題:コンディション・クリティカル
■動画リンク:「Stomp Your Hands, Clap Your Feet」
彼らはバッドボーイズ・ロックとメタルの間に生まれた鬼っ子的存在だと思います。
この曲などは特にそういう感じの曲かもしれません。
邦題が「撩乱のクワイエット・ライオット」となっていますが、「撩乱」とは「入り乱れる」という意味だそうです。
騒々しい彼らにぴったりの邦題ではないでしょうか。
彼らは「Cum on Feel the Noize」に代表されるように、パーティー・チューンがすばらしいバンドです。
私は時々無性に彼らを聞きたくなることがありますが、それは主に頭を空っぽにして楽しみたい時。
そういう時はこのバンドやトゥイステッド・シスター(Twisted Sister)、アンドリューW.K.(Andrew W.K.)などを引っ張り出してきます。
この曲なども、そういう時にうってつけではないでしょうか。
どちらにするか迷った同系統の曲を、もう1曲ご紹介しておきましょう。
悩み事を抱えている人は、この曲を大音量で聞いてみてはいかがでしょうか。
軽度の悩みなら吹き飛ぶと思います。
6位「Metal Health (Bang Your Head)」(アルバム:Metal Health)
■曲名:Metal Health (Bang Your Head)
■曲名邦題:メタル・ヘルス
■アルバム名:Metal Health
■アルバム名邦題:メタル・ヘルス〜ランディ・ローズに捧ぐ〜
■動画リンク:「Metal Health (Bang Your Head)」
このバンドのことを書くと、ついダブロウの話ばかりになりがちです。
しかしメタルの華はギターです。
このアルバムではカルロス・カヴァーゾ(Carlos Cavazo)がギターを担当しています。
イントロから、メタルらしいヘヴィーなリフがかっこいいですね。
2:48からは早弾きを披露しています。
当時のLAメタルシーンで彼はそれほど目立つ存在ではなかったかもしれませんが、実力派ギタリストであることは間違いありません。
ちなみにその後彼はラット(Ratt)に加入しています。
この時のベース、ルディ・サーゾ(Rudy Sarzo)も、後にオジーオズボーン・バンドやホワイトスネイク(Whitesnake)で活躍しています。
美形キャラでしたが、メタルらしい本格派ベーシストでした。
この曲でも土台を支え、骨太な骨格を与えています。
7位「Winners Take All」(アルバム:Condition Critical)
■曲名:Winners Take All
■曲名邦題:勝利の味(ウィナー・テイク・オール)
■アルバム名:Condition Critical
■アルバム名邦題:コンディション・クリティカル
■動画リンク:「Winners Take All」
曲名の「Winners Take All」は「勝者が全てを手に入れる」という意味です。
歌詞を読むとまさしくその通りの内容で、俺たちは勝者だから全てを手に入れると歌われています。
こんな美しい曲なのに、感情移入しにくいですね(苦笑)。
当時ダブロウはサクセス・ストーリーの真っ只中で、天狗になっていました。
しかしセカンド・アルバムが期待ほど売れなかったことで、彼は荒れに荒れました。
特にルディ・サーゾとの関係が悪化し、ライブのメンバー紹介で彼を紹介しないなど、子供じみた仕打ちをしていました。
その結果ルディはこのアルバムの後、バンドから脱退してしまいました。
その頃ドラムのフランキー・バネリ(Frankie Banali)との関係も悪化していたようです。
ただ当時ダブロウはバンドの中心人物でしたので、ダブロウが残る形となりましたが、次作が更に不振に終わると、今度はダブロウが解雇されることになりました。
解雇後ダブロウは心を入れ替え、メンバーと和解してバンドに復帰しましたが、2007年にコカインのオーバードーズで亡くなりました。
こうしたいざこざのせいか、実力の割には全盛期が短いバンドだったように思います。
アルバムタイトル「Condition Critical」は「状態は危機的」という意味ですが、バンドの内情そのものだったようです。
8位「Mama Weer All Crazee Now」(アルバム:Condition Critical)
■曲名:Mama Weer All Crazee Now
■曲名邦題:クレイジー・ママ
■アルバム名:Condition Critical
■アルバム名邦題:コンディション・クリティカル
■動画リンク:「Mama Weer All Crazee Now」
このアルバムがリリースされた時、誰もが思ったことがあります
それは恐ろしいほど、前作と同じ路線だということ。
似たようなバラードを入れたり、ジャケットも同じ鉄仮面ですし、アルバムまるごと前作と酷似しています。
極め付きは、前作と同じスレイドをカバーしていること。
多くの人が、ここまでやるかと思ったことでしょう。
すがすがしいほどの自己模倣っぷりですが、このスレイドのカバー曲が「Cum on Feel the Noize」より落ちるせいか、前作ほど売れませんでした。
ただ比較対象が悪いだけで、こちらも普通に良い曲だと思いますけどね。
収録曲は前作と同等でしたが、アルバムタイトル曲だけなぜかつまらないのも謎でした。
アルバムを聞いたことがある人にしか分からない話で申し訳ありませんが、興味のある人は、2枚のアルバムをチェックしてみてください。
9位「Main Attraction」(アルバム:QR III)
■曲名:Main Attraction
■曲名邦題:メイン・アトラクション
■アルバム名:QR III
■アルバム名邦題:QR3
■動画リンク:「Main Attraction」
このアルバムから大きく音楽性が変わりました。
私はこのアルバムをかなり後になって聞きました。
特に急いで買う必要がありませんでしたし、安く見つけたら買おうと思っていましたが、なかなか中古価格が下がりません。
しかし意外と評判がいいようですので、買ってみたところ驚きました。
なんとオープニングのこの曲は、シンセサイザーから始まっています。
ザ・フー(The Who)の「ババ・オライリィ(Baba O’Riley)」みたいなイントロがかっこいいです。
曲もポップになって、産業ロックになっていました。
おそらく売れ線を狙ったのだと思いますが、これがなかなか悪くありません。
大幅に音楽性が変わっても、質は前二作の水準をキープしています。
ただ前作より更に売上げが落ちました。
あまり売れなかったのに、内容が良いのですから、どおりで中古価格が下がらなかったわけです。
10位「Slave to Love」(アルバム:QR III)
■曲名:Slave to Love
■曲名邦題:スレイヴ・トゥ・ラヴ
■アルバム名:QR III
■アルバム名邦題:QR3
■動画リンク:「Slave to Love」
同じアルバムからの曲です。
ルディ・サーゾの代わりに加入したベーシストは、元ジェフリア(Giuffria)のチャック・ライト(Chuck Wright)です。
ジェフリアは産業ロックと呼ばれていましたから、このアルバムにうってつけの人材でした。
またシンセサイザー担当のジョン・パーデル(John Purdell)の加入は、このバンドに新たな魅力を加えました。
ギターのカルロス・カヴァーゾにいたっては、前二作より伸びやかな演奏をしていて、ギターだけでいえばこのアルバムが一番だと思います。
まさに産業ロック・シフトが完成したといえるでしょう。
また以前はダブロウが単独で書く曲が多かったのですが、このアルバムではほとんどの曲で共作になっています。
演奏面でも曲作りでも、全員で売ってやろうという気合が伝わってきます。
セールス的には惨敗に終わりましたが、それはファンが求めていた音楽性と違っていただけかもしれません。
この曲はその不遇なアルバムの中で、白眉といえる曲です。
ダブロウは次作「QR」の前に脱退し、代わりにポール・ショーティノ(Paul Shortino)が加入しました。
ポール・ショーティノは良いボーカリストですし、アルバムの出来もそれほど悪くありませんでした。
しかしダブロウの印象が強かったこともあり、その後バンドは低迷しています。
ただバンドは今もコンスタントにアルバムをリリースしているようですね。
売れている様子はありませんが、意外としぶとく生き残っているようです。
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