今回はT・レックスのランキングを作成しました。
彼らはマーク・ボラン(Marc Bolan)を中心とした、グラムロックの代表的なバンドです。
45-50年ほど経過した今でも、彼らの音楽は不思議な程色あせていません。
- 1 1位「Get It On」(アルバム:Electric Warrior)
- 2 2位「20th Century Boy」(アルバム:T.REX BEST HITS 21)
- 3 3位「Laser Love」(アルバム:T.REX BEST HITS 21)
- 4 4位「Metal Guru」(アルバム:The Slider)
- 5 5位「Telegram Sam」(アルバム:The Slider)
- 6 6位「Celebrate Summer」(アルバム:T.REX BEST HITS 21)
- 7 7位「Light of Love」(アルバム:Bolan’s Zip Gun)
- 8 8位「Born to Boogie」(アルバム:Tanx)
- 9 9位「Teenage Dream」(アルバム:Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August)
- 10 10位「Teen Riot Structure」(アルバム:Dandy In The Underworld)
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1位「Get It On」(アルバム:Electric Warrior)
■曲名:Get It On
■曲名邦題:ゲット・イット・オン
■アルバム名:Electric Warrior
■アルバム名邦題:電気の武者
■動画リンク:「Get It On」
彼らの前身はティラノザウルス・レックス(Tyrannosaurus Rex)、つまり恐竜のティラノザウルスの名前を冠したグループでした。
当初はマーク・ボランがアコースティック・ギターとボーカルを担当し、他にボンゴなどのパーカッションが入るだけのアシッドフォークのようなサウンドでした。
その後彼らは多彩なサウンドにシフトしています。
ティラノザウルス・レックス時代で、最も私が好きな曲をご紹介します。
T. Rex – Cat Black (The Wizard’s Hat)
この頃から中性的なフェロモンを感じますね。
前身バンドの頃から、彼らはイギリスで人気がありました。
しかし彼らの人気が世界に波及するには、この曲のヒットをを待たなければいけませんでした。
「Get It On」は後にパワー・ステーション(The Power Station)にカバーされています。
The Power Station – Get It On (Bang A Gong)
2位「20th Century Boy」(アルバム:T.REX BEST HITS 21)
■曲名:20th Century Boy
■曲名邦題:20センチュリー・ボーイ
■アルバム名:T.REX BEST HITS 21
■アルバム名邦題:T・レックス ベスト・ヒット21
■動画リンク:「20th Century Boy」
「20th Century Boy」という曲名を日本語にすると「20世紀少年」です。
その後この曲は、マンガの世界で知られるようになりました。
浦沢直樹のマンガ「20世紀少年」は大ヒットし、映画化もされました。
この曲は映画の主題歌に採用されていますが、そもそもマンガ名自体この曲から名付けられたそうです。
そのマンガでは主人公が若かった1970年代、ロックスターを目指していたという設定でした。
確かにこの煽情的な曲は、きらびやかな1970年代を象徴するにふさわしい曲です。
この曲は、冒頭からマーク・ボランのギターのリフがすばらしいですね。
3位「Laser Love」(アルバム:T.REX BEST HITS 21)
■曲名:Laser Love
■曲名邦題:レーザー・ラヴ
■アルバム名:T.REX BEST HITS 21
■アルバム名邦題:T・レックス ベスト・ヒット21
■動画リンク:「Laser Love」
この記事では改名後の時期を対象にしています。
やはりバンド編成になってからの方が、決定的な曲が多いように思いますし。
さてアーティストによっては、ベスト盤を集める必要がない人もいます。
しかし彼らについては、ベスト盤は必須かもしれません。
先程の「20th Century Boy」や「チルドレン・オブ・ザ・レボリューション(Children of the Revolution)」、この曲などオリジナル・アルバム未収録の名曲が多すぎます。
惜しくも選外となった「ホット・ラヴ(Hot Love)」も、そういう1曲。
たたベスト・アルバムでも、重要な曲が抜けているものも多いのでご注意ください。
私はこのベストの選曲が気に入っています。
4位「Metal Guru」(アルバム:The Slider)
■曲名:Metal Guru
■曲名邦題:メタル・グルー
■アルバム名:The Slider
■アルバム名邦題:ザ・スライダー
■動画リンク:「Metal Guru」
彼らについて語る時、プロデューサーのトニー・ヴィスコンティ(Tony Visconti)について触れておかなければなりません。
トニー・ヴィスコンティは、サウンド面のキーマンです。
私は以前からこの曲のサウンドが気になっていました。
オールディーズの影響があまりに濃厚すぎますから。
分厚いコーラスとストリングス、その他の楽器もボリュームたっぷりで、まるでフィル・スペクターのオマージュみたいです。
そこでトニー・ヴィスコンティについて調べたところ、彼はフィル・スペクターに影響を受けていることが判明しました。
T・レックスはイメージこそ新奇性がありましたが、音楽的には意外と古い時代を参照しているように思います。
その新旧のさじ加減が絶妙でした。
ちなみにこのアルバム・ジャケットは、リンゴ・スター(Ringo Starr)が撮影したと言われています。
しかし実際はトニー・ヴィスコンティが撮影したのが真相のようです。
5位「Telegram Sam」(アルバム:The Slider)
■曲名:Telegram Sam
■曲名邦題:テレグラム・サム
■アルバム名:The Slider
■アルバム名邦題:ザ・スライダー
■動画リンク:「Telegram Sam」
T・レックスには、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)と似たイメージ戦略があったように思います。
両者に共通するイメージを挙げると「宇宙」「中性的」「異質なスター性」といったところでしょうか。
ただT・レックスの方は、もう一つ付け加えるべきかもしれません。
それは独特の言葉のセンスです。
「Metal Guru」は「金属導師」ですし「Electric Warriorは「電気武者」
そしてこの曲は「電報サム」
金属と電気等の要素と人間的な言葉の組み合わせを好んでいるようです。
彼らは異質な印象を与えるイメージ戦略に長けていました。
6位「Celebrate Summer」(アルバム:T.REX BEST HITS 21)
■曲名:Celebrate Summer
■曲名邦題:セレブレイト・サマー
■アルバム名:T.REX BEST HITS 21
■アルバム名邦題:T・レックス ベスト・ヒット21
■動画リンク:「Celebrate Summer」
彼らは後期も良い曲が沢山ありますが、いかんせん取り上げられる機会がありません。
そこで今回は後期の曲を積極的にご紹介することにしました。
ちなみにこの曲は、1977年にリリースされた彼らのラスト・シングルです。
彼らの曲は古い音楽を想起させるものが少なくありませんが、この曲もエディ・コクラン(Eddie Cochran)あたりの匂いがします。
彼はこの曲を発表した後、事故によって命を落としました。
1977年にグロリア・ジョーンズが運転する車が街路樹に激突し、同乗していた彼は29歳で死去した。生前、「30歳まで生きられないだろう」と言っており、偶然だが30歳の誕生日の2週間前に死去した。
ちなみに30歳まで生きられないという話は、彼は若い頃パリにいた時、同棲していた魔女から言われたという説があります。
7位「Light of Love」(アルバム:Bolan’s Zip Gun)
■曲名:Light of Love
■曲名邦題:ライト・オブ・ラブ
■アルバム名:Bolan’s Zip Gun
■アルバム名邦題:ブギーのアイドル
■動画リンク:「Light of Love」
このアルバムと次作の「銀河系よりの使者(Futuristic Dragon)」は、最も不人気なアルバムかもしれません。
「Futuristic Dragon」からも、1曲ご紹介しておきましょう。
上の「Ride My Wheels」は「素敵なきみと愛のドライヴ」という微妙な邦題でした。
ご紹介したアルバム「Bolan’s Zip Gun」は、なぜか「ブギーのアイドル」ですし。
「ブギーのアイドル」が発売された当時、グラムロックが下火になってきていましたから、スベっているというか、空回りしている感じがしてしまいます。
この2作は、マークがブラック・ミュージックに最も接近した時期だと言われています。
確かにそう感じる部分もありますが、爬虫類的な声質のせいか、ソウル・ミュージックになりきれていません。
8位「Born to Boogie」(アルバム:Tanx)
■曲名:Born to Boogie
■曲名邦題:ボーン・トゥ・ブギー
■アルバム名:Tanx
■アルバム名邦題:タンクス
■動画リンク:「Born to Boogie」
彼の音楽はブギだと言われます。
ブギとは何かは、この曲を聞けば感覚的に分かっていただけるかもしれません。
さて彼らの最高傑作は「Electric Warrior」と「The Slider」のどちらかだと言われています。
この「Tanx」は「The Slider」の次作。
私はこのアルバムについて、随分もったいないことをしたなと思います。
まず上記2作では、1曲目が超強力です。
なにせ「Electric Warrior」は「Mambo Sun」ですし「The Slider」は「Metal Guru」ですから。
その点「Tanx」の1曲目「Tenement Lady」は、少し落ちるかもしれません。
もし彼らが同時期に発売したアルバム未収録シングル「20th Century Boy」を1曲目にしていたら、最高傑作だと言われたかもしれません。
1曲目以外内容は上記2作に負けていないと思います。
9位「Teenage Dream」(アルバム:Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August)
■曲名:Teenage Dream
■曲名邦題:ティーンエイジ・ドリーム
■アルバム名:Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow Or A Creamed Cage In August
■アルバム名邦題:ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー
■動画リンク:「Teenage Dream」
このアルバムも損をしているように感じます。
まずアルバムジャケットが怖すぎですし。
それに長すぎるアルバム名も「ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー」と名付けた担当者も相当苦戦したと思われます。
ちなみに「Zinc Alloy」とは「亜鉛合金」のことで、オリジナル・タイトルを正確に訳しても意味不明ですから。
ドラッグの影響かもしれませんが、後期はどこか歯車が狂い始めてきた感じがします。
音楽面では健闘していますが、こういった諸々の要因によって、必要以上に低迷した印象を与えているかもしれません。
さて今回はバラードが少ないですが、彼らはバラードにも名曲が多いです。
この曲以外では「ライフ・イズ・ア・ガス(Life’s a Gas)」や「レフト・ハンド・ルーク(Left Hand Luke and the Beggar Boys)」も、ほぼ同等の出来です。
10位「Teen Riot Structure」(アルバム:Dandy In The Underworld)
■曲名:Teen Riot Structure
■曲名邦題:十代の暴走
■アルバム名:Dandy In The Underworld
■アルバム名邦題:地下世界のダンディ
■動画リンク:「Teen Riot Structure」
彼らはこのラスト・アルバムで有終の美を飾ったかもしれません。
まずブラック・ミュージック色が後退し、昔のシンプルなブギに戻っています。
アルバムの出来も上々ですし。
このアルバムが発売されたのは1977年ですから、パンクの嵐が吹き荒れていた頃です。
当時彼らは、パンクに影響を与えた存在としてクローズアップされつつありました。
しかし再び上昇気流に乗った時、彼らはマークの死によって活動を停止することになりました。
ちなみに1997年、バンドのメンバーミッキー・フィン(Mickey Finn)が、Mickey Finn’s T. Rexと名乗り活動を続けたそうです。
その後2003年ミッキー・フィンが亡くなると、残ったメンバーがT.Rexとして活動しましたが、ファンから非難されてT.Rexと名乗るのを断念したのだとか。
さすがにマーク・ボラン不在でT.Rexを名乗るのは、無謀だったかもしれません。
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