今回はモット・ザ・フープルのランキングを作成しました。
このバンドは「グラム・ロック」を象徴するバンドです。
彼らはイエロー・モンキーを始めとした日本のバンドにも、多大な影響を与えています。
- 1 1位「All the Young Dudes」(アルバム:All the Young Dudes)
- 2 2位「The Golden Age of Rock ‘n’ Roll」(アルバム:The Hoople)
- 3 3位「Jerkin’ Crocus」(アルバム:All the Young Dudes)
- 4 4位「All the Way from Memphis」(アルバム:Mott)
- 5 5位「Sweet Jane」(アルバム:All the Young Dudes)
- 6 6位「Roll Away the Stone」(アルバム:The Hoople)
- 7 7位「Honaloochie Boogie」(アルバム:Mott)
- 8 8位「Marionette」(アルバム:The Hoople)
- 9 9位「Walkin’ with a Mountain」(アルバム:Mad Shadows)
- 10 10位「Sea Diver」(アルバム:All the Young Dudes)
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1位「All the Young Dudes」(アルバム:All the Young Dudes)
■曲名:All the Young Dudes
■曲名邦題:すべての若き野郎ども
■アルバム名:All the Young Dudes
■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども
■動画リンク:「All the Young Dudes」
この曲の歌詞は、無軌道で刹那的な若者の生き方を賛歌した曲です。
若者は大人からさげすまれたり、時には一晩中自殺を考えることもあるだろう。
でも俺たちは邪魔されるのはうんざり、好きにやらせてもらうぜというような内容です。
ただ当時ボーカルのイアン・ハンター(Ian Hunter)は33歳でしたから、年齢的にはギリギリだったかもしれません。
この曲は、彼らが解散するという噂を聞きつけたデヴィッド・ボウイが、プロデュースと曲の提供を申し出たそうです。
当初ボウイが提供しようとしたのは、名盤「ジギー・スターダスト」に収録予定だった「サフラジェット・シティ(Suffragette City)」。
しかしモット・ザ・フープルがその曲を断ったため、代わりこの曲が提供されたそうです。
この曲は彼らが待ち望んでいた初のシングルヒット(全英3位)となりました。
同曲はボウイのバージョンもあって、そちらも同じくすばらしい出来です。
「すべての若き野郎ども」というアルバム・タイトルは、ダムドの「地獄に堕ちた野郎ども」、中村一義の「すべてのバカき野郎ども」など「野郎どもシリーズ」の源流となっています。
2位「The Golden Age of Rock ‘n’ Roll」(アルバム:The Hoople)
■曲名:The Golden Age of Rock ‘n’ Roll
■曲名邦題:ロックンロール黄金時代
■アルバム名:The Hoople
■アルバム名邦題:ロックンロール黄金時代
■動画リンク:「The Golden Age of Rock ‘n’ Roll」
この曲の背景には「音楽が死んだ日」があると言われています。
「音楽が死んだ日」とはバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、J.P.”ビッグ・ボッパー” リチャードソンという、3人のロックンローラーを飛行機事故で亡くなった日のこと。
1959年2月3日のことでした。
ロックの歴史が後退した日だと言われています。
この曲を書いたイアン・ハンターは、当時20歳ぐらいでした。
それから年月が経過して、今や彼自身がスターとなり「今がロックンロールの黄金期だぜ」と宣言しているのですね。
彼らのロックンロール・ナンバー中でも最高の1曲でしょう。
ロックンロールの黄金期を体感できる曲です。
3位「Jerkin’ Crocus」(アルバム:All the Young Dudes)
■曲名:Jerkin’ Crocus
■曲名邦題:ジャーキン・クローカス
■アルバム名:All the Young Dudes
■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども
■動画リンク:「Jerkin’ Crocus」
この曲は、ミック・ラルフス(Mick Ralphs)によるギターのリフが聞きものです。
B級ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)みたいな感じがたまりません。
デビュー時には既に彼らはストーンズの影響を受けていました。
ただストレートにその影響を表した曲は意外と多くありません。
彼らがブレイクしたのは、ロックンロール・バンドとしての魅力をストレートに表現するようになってからです。
今回の記事はそんな曲をかき集めてみました。
4位「All the Way from Memphis」(アルバム:Mott)
■曲名:All the Way from Memphis
■曲名邦題:メンフィスからの道
■アルバム名:Mott
■アルバム名邦題:革命
■動画リンク:「All the Way from Memphis」
この頃イアン・ハンターは、こういうキャッチーな曲を書くようになっていました。
演奏面ではピアノが大きな役割を果たしています。
小気味良いピアノが、曲を終始リードしていますね。
弾いているのは、この時点ではまだ正式メンバーではなかったモーガン・フィッシャー(Morgan Fisher)。
この人はラヴ・アフェアー(Love Affair)というバンドのメンバーでした。
ちなみに彼は1985年に日本に移住して、数多くのCM曲やアーティストのアルバムに参加しています。
2:08ぐらいからのサックスも、パーティ・ロックンロールらしい陽気な気分を盛り上げてくれます。
5位「Sweet Jane」(アルバム:All the Young Dudes)
■曲名:Sweet Jane
■曲名邦題:スウィート・ジェーン
■アルバム名:All the Young Dudes
■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども
■動画リンク:「Sweet Jane」
この曲のオリジナルはヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)です。
私は作曲面が彼らの弱点だと思います。
しかしロックバンドとしてのポテンシャルは充分でした。
なにせあのデヴィッドボウイが、デビュー時からのファンだったぐらいですから。
今初期を聞き返しても、演奏面ではとても魅力的です。
しかし初期の彼らには決定的な曲がありませんでした。
アルバムはそれなりに売れていましたが、シングルは全然売れませんでした。
このアルバムのプロデュースを担当したボウイは、カバー曲と自分が提供した曲でその弱点を補っています。
6位「Roll Away the Stone」(アルバム:The Hoople)
■曲名:Roll Away the Stone
■曲名邦題:土曜日の誘惑
■アルバム名:The Hoople
■アルバム名邦題:ロックン・ロール黄金時代
■動画リンク:「Roll Away the Stone」
※アルバムバージョンとは若干違う箇所があります
こういうドラマティックな部分は、イアン・ハンターによるものです。
ただ初期から一緒にバンドを引っ張ってきたミック・ラルフスとは相容れませんでした。
ミック・ラルフスは前作の後すぐに脱退して、バッド・カンパニー(Bad Company)というブルージーでルーツ寄りのバンドを結成しています。
イアン・ハンター →モット・ザ・フープルに残留
ミック・ラルフス →バッド・カンパニー結成
渋いブリティシュ・ロックといった感じのバッドカンパニーのファースト・アルバムと、ドラマティックでギラギラしたこのアルバムは、同じ1974年に発売されています。
よくも水と油のような2人が、同じバンドに在籍していたなと思わずにはいられません。
ミック・ラルフスの脱退は残念ですが、それぞれが傑作を発表したので、結果的に正解だったかもしれません。
7位「Honaloochie Boogie」(アルバム:Mott)
■曲名:Honaloochie Boogie
■曲名邦題:ホナルーチ・ブギ
■アルバム名:Mott
■アルバム名邦題:革命
■動画リンク:「Honaloochie Boogie」
彼らは前作「All the Young Dudes」で世界的なヒットを記録しました。
このアルバムはその次作ですが、デヴィッド・ボウイのプロデュースではなく、セルフ・プロデュースです。
ボウイの後ろ盾がなくなったこのアルバムは、バンドにとって正念場だったことでしょう。
彼らはこのアルバム前に「Lay Down」というシングルを発表していますが、チャートにかすりもしませんでした。
昔の彼らを思わせるような、もう一歩足りない感じがする曲です。
彼はアルバムを完成させて、この曲をファースト・シングルとして発表したところ、全英シングルチャートで12位にまで上がりました。
彼らは正念場を、イアン・ハンターが書いたこの曲のヒットで乗り切りました。
ちなみに心配したボウイは、彼らに「ドライブ・イン・サタディ(Drive In Saturday)」という曲を提供しようと申し出たそうですが、バンド側が断ったそうです。
しかしボウイという人は、本当にいい人なのですね。
8位「Marionette」(アルバム:The Hoople)
■曲名:Marionette
■曲名邦題:マリオネットの叫び
■アルバム名:The Hoople
■アルバム名邦題:ロックン・ロール黄金時代
■動画リンク:「Marionette」
このアルバムは、曲の日本語タイトルが少しやりすぎな感じがします。
「Alice」 →「あばずれアリス」
「Born Late ’58」 →「あの娘はイカしたキャディラック」
そしてこの曲も
「Marionette」→「マリオネットの叫び」
それはともかく、彼らは派手なロックンロールが持ち味のバンドです。
しかしこの曲では構成が凝っていて、演劇っぽい要素も感じられます。
アリス・クーパー(Alice Cooper)あたりの影響を受けているかもしれません。
この曲の歌詞は、先生のあやつり人形になっている哀れな生徒の話です。
そういえばアリス・クーパーも、学校や先生をディスっていました。
9位「Walkin’ with a Mountain」(アルバム:Mad Shadows)
■曲名:Walkin’ with a Mountain
■曲名邦題:ウォーキン・ウィズ・ア・マウンテン
■アルバム名:Mad Shadows
■アルバム名邦題:マッド・シャドウズ
■動画リンク:「Walkin’ with a Mountain」
さて今回は彼らの時期を限定したランキングではありません。
イアン・ハンターとミック・ラルフスの2人が脱退して、残りメンバーだけでリリースしたアルバムからは除外しました。
そもそも音源を持っていません。
時期を絞っていないのにもかかわらず、選曲元となるアルバムが偏りました。
彼らはブレイクするまで、以下の4枚のアルバムを出しています。
「モット・ザ・フープル(Mott the Hoople)」
「マッド・シャドウズ(Mad Shadows)」
「ワイルドライフ(Wildlife)」
「ブレイン・ケイパーズ(Brain Capers)」
どれも悪くありませんが、これぞという曲がないように思いました。
私がブレイク後の名曲群に匹敵すると思ったのは、この曲だけです。
この曲は「華麗なる煽動者〜モット・ライブ(Live)」でも取り上げられていますが、私はこちらのオリジナルの方がいいと思いました。
10位「Sea Diver」(アルバム:All the Young Dudes)
■曲名:Sea Diver
■曲名邦題:潜水夫
■アルバム名:All the Young Dudes
■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども
■動画リンク:「Sea Diver」
この頃からイアン・ハンターの存在が大きくなってきました。
この人は湿り気を帯びた声質のせいか、不思議と人を惹きつけるところがあります。
この人は初期には、ボブ・デイラン(Bob Dylan)からの影響を感じさせました。
後期でも「Mott」に入っている「母になりたい(I Wish I Was Your Mother)」などで、その影響が残っています。
ただ一方でドラマティックに歌い上げる、初期デヴィッドボウイ型といえるパターンもあります。
この曲は後者を代表する曲。
ソロ・アルバムでも、この路線の曲を量産しています。
このアルバム前にバンドはじり貧で、一度は解散を決定しましたが、ボウイの支援を受けて撤回する有様でした。
しかしこのアルバムは起死回生のヒットとなりました。
この曲は神に救済を求めている内容で、彼の願いが通じた形です。
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