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モット・ザ・フープル(Mott The Hoople)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はモット・ザ・フープルのランキングを作成しました。

このバンドは「グラム・ロック」を象徴するバンドです。

彼らはイエロー・モンキーを始めとした日本のバンドにも、多大な影響を与えています。

 

1位「All the Young Dudes」(アルバム:All the Young Dudes)

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■曲名:All the Young Dudes
■曲名邦題:すべての若き野郎ども
■アルバム名:All the Young Dudes
■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども
■動画リンク:「All the Young Dudes」

この曲の歌詞は、無軌道で刹那的な若者の生き方を賛歌した曲です。

若者は大人からさげすまれたり、時には一晩中自殺を考えることもあるだろう。

でも俺たちは邪魔されるのはうんざり、好きにやらせてもらうぜというような内容です。

ただ当時ボーカルのイアン・ハンター(Ian Hunter)は33歳でしたから、年齢的にはギリギリだったかもしれません。

この曲は、彼らが解散するという噂を聞きつけたデヴィッド・ボウイが、プロデュースと曲の提供を申し出たそうです。

当初ボウイが提供しようとしたのは、名盤「ジギー・スターダスト」に収録予定だった「サフラジェット・シティ(Suffragette City)」。

しかしモット・ザ・フープルがその曲を断ったため、代わりこの曲が提供されたそうです。

この曲は彼らが待ち望んでいた初のシングルヒット(全英3位)となりました。

同曲はボウイのバージョンもあって、そちらも同じくすばらしい出来です。

「すべての若き野郎ども」というアルバム・タイトルは、ダムドの「地獄に堕ちた野郎ども」、中村一義の「すべてのバカき野郎ども」など「野郎どもシリーズ」の源流となっています。

 

2位「The Golden Age of Rock ‘n’ Roll」(アルバム:The Hoople)

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■曲名:The Golden Age of Rock ‘n’ Roll
■曲名邦題:ロックンロール黄金時代
■アルバム名:The Hoople
■アルバム名邦題:ロックンロール黄金時代
■動画リンク:「The Golden Age of Rock ‘n’ Roll」

この曲の背景には「音楽が死んだ日」があると言われています。

「音楽が死んだ日」とはバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、J.P.”ビッグ・ボッパー” リチャードソンという、3人のロックンローラーを飛行機事故で亡くなった日のこと。

1959年2月3日のことでした。

ロックの歴史が後退した日だと言われています。

この曲を書いたイアン・ハンターは、当時20歳ぐらいでした。

それから年月が経過して、今や彼自身がスターとなり「今がロックンロールの黄金期だぜ」と宣言しているのですね。

彼らのロックンロール・ナンバー中でも最高の1曲でしょう。

ロックンロールの黄金期を体感できる曲です。

 

3位「Jerkin’ Crocus」(アルバム:All the Young Dudes)

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■曲名:Jerkin’ Crocus
■曲名邦題:ジャーキン・クローカス
■アルバム名:All the Young Dudes
■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども
■動画リンク:「Jerkin’ Crocus」

この曲は、ミック・ラルフス(Mick Ralphs)によるギターのリフが聞きものです。

B級ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)みたいな感じがたまりません。

デビュー時には既に彼らはストーンズの影響を受けていました。

ただストレートにその影響を表した曲は意外と多くありません。

彼らがブレイクしたのは、ロックンロール・バンドとしての魅力をストレートに表現するようになってからです。

今回の記事はそんな曲をかき集めてみました。

 

4位「All the Way from Memphis」(アルバム:Mott)

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■曲名:All the Way from Memphis
■曲名邦題:メンフィスからの道
■アルバム名:Mott
■アルバム名邦題:革命
■動画リンク:「All the Way from Memphis」

この頃イアン・ハンターは、こういうキャッチーな曲を書くようになっていました。

演奏面ではピアノが大きな役割を果たしています。

小気味良いピアノが、曲を終始リードしていますね。

弾いているのは、この時点ではまだ正式メンバーではなかったモーガン・フィッシャー(Morgan Fisher)。

この人はラヴ・アフェアー(Love Affair)というバンドのメンバーでした。

ちなみに彼は1985年に日本に移住して、数多くのCM曲やアーティストのアルバムに参加しています。

2:08ぐらいからのサックスも、パーティ・ロックンロールらしい陽気な気分を盛り上げてくれます。

 

5位「Sweet Jane」(アルバム:All the Young Dudes)

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■曲名:Sweet Jane
■曲名邦題:スウィート・ジェーン
■アルバム名:All the Young Dudes
■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども
■動画リンク:「Sweet Jane」

この曲のオリジナルはヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)です。

私は作曲面が彼らの弱点だと思います。

しかしロックバンドとしてのポテンシャルは充分でした。

なにせあのデヴィッドボウイが、デビュー時からのファンだったぐらいですから。

今初期を聞き返しても、演奏面ではとても魅力的です。

しかし初期の彼らには決定的な曲がありませんでした。

アルバムはそれなりに売れていましたが、シングルは全然売れませんでした。

このアルバムのプロデュースを担当したボウイは、カバー曲と自分が提供した曲でその弱点を補っています。

 

6位「Roll Away the Stone」(アルバム:The Hoople)

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■曲名:Roll Away the Stone
■曲名邦題:土曜日の誘惑
■アルバム名:The Hoople
■アルバム名邦題:ロックン・ロール黄金時代
■動画リンク:「Roll Away the Stone」
※アルバムバージョンとは若干違う箇所があります

こういうドラマティックな部分は、イアン・ハンターによるものです。

ただ初期から一緒にバンドを引っ張ってきたミック・ラルフスとは相容れませんでした。

ミック・ラルフスは前作の後すぐに脱退して、バッド・カンパニー(Bad Company)というブルージーでルーツ寄りのバンドを結成しています。

イアン・ハンター →モット・ザ・フープルに残留
ミック・ラルフス →バッド・カンパニー結成

渋いブリティシュ・ロックといった感じのバッドカンパニーのファースト・アルバムと、ドラマティックでギラギラしたこのアルバムは、同じ1974年に発売されています。

よくも水と油のような2人が、同じバンドに在籍していたなと思わずにはいられません。

ミック・ラルフスの脱退は残念ですが、それぞれが傑作を発表したので、結果的に正解だったかもしれません。

 

7位「Honaloochie Boogie」(アルバム:Mott)

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■曲名:Honaloochie Boogie
■曲名邦題:ホナルーチ・ブギ
■アルバム名:Mott
■アルバム名邦題:革命
■動画リンク:「Honaloochie Boogie」

彼らは前作「All the Young Dudes」で世界的なヒットを記録しました。

このアルバムはその次作ですが、デヴィッド・ボウイのプロデュースではなく、セルフ・プロデュースです。

ボウイの後ろ盾がなくなったこのアルバムは、バンドにとって正念場だったことでしょう。

彼らはこのアルバム前に「Lay Down」というシングルを発表していますが、チャートにかすりもしませんでした。

昔の彼らを思わせるような、もう一歩足りない感じがする曲です。

彼はアルバムを完成させて、この曲をファースト・シングルとして発表したところ、全英シングルチャートで12位にまで上がりました。

彼らは正念場を、イアン・ハンターが書いたこの曲のヒットで乗り切りました。

ちなみに心配したボウイは、彼らに「ドライブ・イン・サタディ(Drive In Saturday)」という曲を提供しようと申し出たそうですが、バンド側が断ったそうです。

しかしボウイという人は、本当にいい人なのですね。

 

8位「Marionette」(アルバム:The Hoople)

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■曲名:Marionette
■曲名邦題:マリオネットの叫び
■アルバム名:The Hoople
■アルバム名邦題:ロックン・ロール黄金時代
■動画リンク:「Marionette」

このアルバムは、曲の日本語タイトルが少しやりすぎな感じがします。

「Alice」 →「あばずれアリス」
「Born Late ’58」 →「あの娘はイカしたキャディラック」

そしてこの曲も
「Marionette」→「マリオネットの叫び」

それはともかく、彼らは派手なロックンロールが持ち味のバンドです。

しかしこの曲では構成が凝っていて、演劇っぽい要素も感じられます。

アリス・クーパー(Alice Cooper)あたりの影響を受けているかもしれません。

この曲の歌詞は、先生のあやつり人形になっている哀れな生徒の話です。

そういえばアリス・クーパーも、学校や先生をディスっていました。

 

9位「Walkin’ with a Mountain」(アルバム:Mad Shadows)

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■曲名:Walkin’ with a Mountain
■曲名邦題:ウォーキン・ウィズ・ア・マウンテン
■アルバム名:Mad Shadows
■アルバム名邦題:マッド・シャドウズ
■動画リンク:「Walkin’ with a Mountain」

さて今回は彼らの時期を限定したランキングではありません。

イアン・ハンターとミック・ラルフスの2人が脱退して、残りメンバーだけでリリースしたアルバムからは除外しました。

そもそも音源を持っていません。

時期を絞っていないのにもかかわらず、選曲元となるアルバムが偏りました。

彼らはブレイクするまで、以下の4枚のアルバムを出しています。

「モット・ザ・フープル(Mott the Hoople)」
「マッド・シャドウズ(Mad Shadows)」
「ワイルドライフ(Wildlife)」
「ブレイン・ケイパーズ(Brain Capers)」

どれも悪くありませんが、これぞという曲がないように思いました。

私がブレイク後の名曲群に匹敵すると思ったのは、この曲だけです。

この曲は「華麗なる煽動者〜モット・ライブ(Live)」でも取り上げられていますが、私はこちらのオリジナルの方がいいと思いました。

 

10位「Sea Diver」(アルバム:All the Young Dudes)

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■曲名:Sea Diver
■曲名邦題:潜水夫
■アルバム名:All the Young Dudes
■アルバム名邦題:すべての若き野郎ども
■動画リンク:「Sea Diver」

この頃からイアン・ハンターの存在が大きくなってきました。

この人は湿り気を帯びた声質のせいか、不思議と人を惹きつけるところがあります。

この人は初期には、ボブ・デイラン(Bob Dylan)からの影響を感じさせました。

後期でも「Mott」に入っている「母になりたい(I Wish I Was Your Mother)」などで、その影響が残っています。

ただ一方でドラマティックに歌い上げる、初期デヴィッドボウイ型といえるパターンもあります。

この曲は後者を代表する曲。

ソロ・アルバムでも、この路線の曲を量産しています。

このアルバム前にバンドはじり貧で、一度は解散を決定しましたが、ボウイの支援を受けて撤回する有様でした。

しかしこのアルバムは起死回生のヒットとなりました。

この曲は神に救済を求めている内容で、彼の願いが通じた形です。

 

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