今回はマイケル・シェンカー・グループのランキングを作成しました。
このバンドはマイケル・シェンカーのギターが聞きものです。
彼のギターは、リスナーの心に火を点けます。
「神」と呼ばれているのも、伊達ではありません。
またゲイリー・バーデン(Gary Barden)の作曲における貢献も過小評価できません。
- 1 1位「Armed and Ready」(アルバム:The Michael Schenker Group)
- 2 2位「Cry for the Nations」(アルバム:The Michael Schenker Group)
- 3 3位「Red Sky」(アルバム:Built to Destroy)
- 4 4位「Rock My Nights Away」(アルバム:Built to Destroy)
- 5 5位「Looking for Love」(アルバム:M.S.G.)
- 6 6位「Into the Arena」(アルバム:The Michael Schenker Group)
- 7 7位「Never Trust a Stranger」(アルバム:M.S.G.)
- 8 8位「I’m Gonna Make You Mine」(アルバム:Built to Destroy)
- 9 9位「Dancer」(アルバム:Assault Attack)
- 10 10位「Captain Nemo」(アルバム:Built to Destroy)
- 11 関連記事
- 12 記事一覧
- 13 他ブログ・SNS等
1位「Armed and Ready」(アルバム:The Michael Schenker Group)
■曲名:Armed and Ready
■曲名邦題:アームド・アンド・レディ
■アルバム名:The Michael Schenker Group
■アルバム名邦題:神(帰ってきたフライング・アロウ)
■動画リンク:「Armed and Ready」
ファースト・アルバムの1曲目に収録された名刺代わりの1曲です。
まず強力なリフから始まります。
ファースト・アルバムなのに「神」というアルバム名を付けるのは、何事かと思われるかもしれません。
そう思う方は、サブ・タイトルが「帰ってきたフライング・アロウ」であることにご注目ください。
彼は元々スコーピオンズ(Scorpions)のギタリストでした。
その後UFOで確固たる名声を確立してから、満を持して自分のグループを結成しました。
「フライング・アロウ」とは、彼のトレードマークである「フライングVを持った奴」という意味です。
ヒプノシスによるジャケットでは歯科みたいな場所に座っていて、どういう神だという感じもしますが(笑)
1:56からの熱いギタープレイは、古いロックンロールのような熱があります。
熱さとドライブ感が魅力の曲です。
2位「Cry for the Nations」(アルバム:The Michael Schenker Group)
■曲名:Cry for the Nations
■曲名邦題:クライ・フォー・ザ・ネイションズ
■アルバム名:The Michael Schenker Group
■アルバム名邦題:神(帰ってきたフライング・アロウ)
■動画リンク:「Cry for the Nations」
この曲はドン・エイリー(Don Airey)のセンチメンタルなキーボードから始まります。
その後爆発音が鳴ったところから、本編がスタートします。
マイケルのギターは絶好調で、特に2:30からのサステインを利かせたプレイが絶品ですね。
このアルバムのプロデューサーは、ロジャー・グローヴァー(Roger Glover)。
ドン・エイリーと同じくディープ・パープル(Deep Purple)とレインボー(Rainbow)に在籍し、ベーシストとして活躍した人です。
しかし彼はプロデューサーとしての方が有名かもしれません。
ロジャーは1970年代中ばから、多くのハードロック名盤のプロデューサーを務めました。
バランス感覚にすぐれていて手堅い仕事をする一方、アーティストの魅力を引き出すことに長けています。
このアルバムには良い曲ぞろいですが、それ以上にアルバム全体の構成が魅力です。
最初の3曲でたたみかけたと思ったら「ビジョー・プレジュレット(Bijou Pleasurette)」という叙情的な傑作インストで一息。
The Michael Schenker Group – Bijou Pleasurette
そしてアルバムのラストは、初期レインボーを思わせる重厚な「ロスト・ホライズンズ(Lost Horizons)」で締めくくっています。
このアルバムは彼らの最高傑作と言われますが、ロジャーの貢献はかなり大きいと感じます。
3位「Red Sky」(アルバム:Built to Destroy)
■曲名:Red Sky
■曲名邦題:レッド・スカイ
■アルバム名:Built to Destroy
■アルバム名邦題:限りなき戦い
■動画リンク:「Red Sky」
マイケルはアルバム・ジャケットで、車にフライングVを叩きつけています。
アルバム名は「Built to Destroy」は「破壊するためにつくられた」という意味。
フライングVは、変形ギターの一種です。
写真のフライングVはハーフ・ホワイト/ハーブ・ブラックですが、それがマイケル・シェンカー・モデルの特徴です。
弾きやすさとか音の良さを犠牲にして、ステージ映えを追求したのだとか。
私も弾いたことがありますが、かなり弾きにくかった印象があります。
デメリットが多いのにそれなりに普及しているのは、この人の影響が大きいと思われます。
私も「Into the Arena」を弾いてみたぐらいですから。
4位「Rock My Nights Away」(アルバム:Built to Destroy)
■曲名:Rock My Nights Away
■曲名邦題:ロック・マイ・ナイツ・アウェイ
■アルバム名:Built to Destroy
■アルバム名邦題:限りなき戦い
■動画リンク:「Rock My Nights Away」
ボーカルのゲイリー・バーデンは、前作「Assault Attack」の後解雇されました。
しかし後任のグラハム・ボネット(Graham Bonnet)が脱退すると、再びこのアルバムで復帰しています。
ボーカリストとしてゲイリーの評価は散々ですが、作曲の才能は高く評価されています。
この曲などは、いかにもゲイリーらしい曲かもしれません。
ゲイリーと共作したアンディー・ナイ(Andy Nye)のキーボードは、ヴァン・ヘイレン(Van Halen)の「ジャンプ(Jump)」を思い起こさせますが、こちらの方が先です。
3:08からのマイケルのギターは、私が最も好きな演奏の1つ。
いつもフェードアウトする最後の1音まで、耳を凝らして聞いています。
さてこのアルバムは、2つのバージョンがあります。
今回はオリジナルのUKバージョンで統一していますが、人によってはUSバージョンが良いという人もいることでしょう。
UKバージョンとUSリミックスバージョンでは印象が異なるので、これから買う予定の方は両方のバージョン入りのCDをおすすめします。
5位「Looking for Love」(アルバム:M.S.G.)
■曲名:Looking for Love
■曲名邦題:ルッキング・フォー・ラヴ
■アルバム名:M.S.G.
■アルバム名邦題:神話
■動画リンク:「Looking for Love」
セカンド・アルバムの選曲です。
このアルバムは前作からプロデューサーが変わり、ロン・ネヴィソン(Ron Nevison)が担当しています。
彼はキッス(Kiss)やハート(Heart)などを担当してきた人で、売れ線ハードロックを得意としています。
またドラムも代わり、なんとコージー・パウエル(Cozy Powell)が加入しました。
コージーは、HR/HM系のドラマーとしては頂点の1人です。
ただ軽めのサウンドが特徴のロン・ネヴィソンとは相性が良くありませんでした。
コージー・パウエルでなくてもよさそうな曲が多く、この作品で彼が機能したかは微妙かもしれません。
ただキャッチーな路線は、この曲を筆頭として成功した部分もあります。
もう1曲同系統の曲をご紹介しておきましょう。
Michael Schenker Group – Ready to Rock
幾分こじんまりとしていますが、最も親しみやすいアルバムだと思います。
6位「Into the Arena」(アルバム:The Michael Schenker Group)
■曲名:Into the Arena
■曲名邦題:イントゥ・ジ・アリーナ
■アルバム名:The Michael Schenker Group
■アルバム名邦題:神(帰ってきたフライング・アロウ)
■動画リンク:「Into the Arena」
この曲はインストなのでこの順位にしましたが、本来は1位でもおかしくありません。
まず最初からザックザックとしたギターが最高です。
中盤からは変幻自在のプレイを披露していますが、そのマイケルを的確にサポートしているのが、ドラムのサイモン・フィリップス(Simon Phillips)。
彼はジェフ・ベックなどとの共演で知られている人で、本来はHR/HMの人ではありませんが、この曲ではそれが吉と出ています。
サイモンのドラム・ソロの後、マイケルは復活の狼煙を上げています。
2:38からのギターは聞きどころ満載です
その後はマイケルの十八番、泣きのギターが炸裂していますし。
もしかしたらこの曲は、現代版のベートーベン第九なのかもしれません。
7位「Never Trust a Stranger」(アルバム:M.S.G.)
■曲名:Never Trust a Stranger
■曲名邦題:ネヴァー・トラスト・ア・ストレンジャー
■アルバム名:M.S.G.
■アルバム名邦題:神話
■1動画リンク:「Never Trust a Stranger」
ゲイリー・バーデンは今回ご紹介した4枚の内、3枚でボーカルを務めています。
しかし彼のボーカルは、散々な評価をされています。
曰く歌が下手、音域が狭い、そもそも不安定等々。
ファンからだけでなく、マイケルはインタビューでも度々そうした質問をされるらしいのですが、毎回律儀にゲイリーをフォローしています。
しかしこの曲を聞くとゲイリーの歌もそう悪くないと思います。
確かに彼は上手いシンガーではありませんが、このグループでは機能していました。
ゲイリーは音域は狭いかもしれませんが、その狭さの中で一生懸命熱唱する時、リスナーにエモーショナルな感情を喚起します。
それがマイケルの情熱的で感情を揺さぶるギターと、方向性がぴったり合っていました。
この曲でも2:38から、マイケルの狂おしいギターに胸が一杯になります。
ヘヴィ・メタルやハード・ロックでは、技術が高い人が評価されやすいかもしれません。
しかし普通のロック・バンド基準でいえば、ゲイリーより歌が下手な人はいくらでもいますからね。
8位「I’m Gonna Make You Mine」(アルバム:Built to Destroy)
■曲名:I’m Gonna Make You Mine
■曲名邦題:メイク・ユー・マイン
■アルバム名:Built to Destroy
■アルバム名邦題:限りなき戦い
■動画リンク:「I’m Gonna Make You Mine」
今回は4枚のオリジナル・アルバムを対象にしました。
この時期では、他に以下のようなライブ・アルバムがあります。
「飛翔伝説〜M.S.G.武道館ライヴ(One Night at Budokan)」
「ロック・ウィル・ネヴァー・ダイ(Rock Will Never Die)」
内容的にはどちらも良いと思いますが、どうしても聞き慣れたオリジナル・アルバムの方でおすすめしたくなります。
さてマイケル・シェンカーの悲願は、アメリカでの成功です。
先程ご紹介した「Built to Destroy」2つのバージョンも、元々はアメリカ向きにリミックスしたことが、混乱の原因でした。
結局マイケルはその後一度バンドを解散させ、ロビン・マコーリー(Robin McAuley)と組んでマッコーリー・シェンカー・グループ(McAuley Schenker Group)を結成しています。
新グループは、更にアメリカを意識しています。
1曲だけご紹介しておきましょう。
McAuley Schenker Group – Love Is Not A Game
良い曲ですがアメリカナイズされたように感じます。
そもそも泣きのギターを得意とするマイケルは、アメリカ向きではなかったような気もしますが。
9位「Dancer」(アルバム:Assault Attack)
■曲名:Dancer
■曲名邦題:ダンサー
■アルバム名:Assault Attack
■アルバム名邦題:黙示録
■動画リンク:「Dancer」
このアルバムでは、ゲイリーからボーカルが変わりました。
レインボーやアルカトラズ(Alcatrazz)などで知られるグラハム・ボネットがボーカルに就任しました。
当初はデイヴィッド・カヴァデール(David Coverdale)も候補だったようですが、マイケルがボネットを希望したのだとか。
他のメンバーでは残念ながら、コージー・パウエルが脱退してしまいました。
マイケル・シェンカー、グラハム・ボネット、コージー・パウエルという三巨人そろい踏みいにはならなかったのですね。
ただスポーツでも同じですが、バンドの場合どれほどメンバーが豪華でも、そのまま音楽に質に直結しない場合があります。
私はファースト・アルバム時のメンバーが、最もまとまりが良いように思いますが。
さてこのアルバムは前作の反省からか、全体に甘さ控えめになっています。
私としては歓迎したい変化ですが、楽曲の魅力は前2作より落ちるかもしれません。
10位「Captain Nemo」(アルバム:Built to Destroy)
■曲名:Captain Nemo
■曲名邦題:キャプテン・ネモ
■アルバム名:Built to Destroy
■アルバム名邦題:限りなき戦い
■動画リンク:「Captain Nemo」
「Into the Arena」の続編的なインストゥルメンタル・ナンバーです。
今回改めて彼のギターを聞きまくって思ったのは、思ったほどテクニカル偏重ではないということ。
現代のメタル系ギタリストは、テクニックでは猛者ぞろいです。
マイケルの演奏にも速弾きがありますが、純粋な速さだけでいえば彼以上の人は沢山いると思います。
しかしそれにもかかわらず、マイケル・シェンカーは神に違いありません。
よくメタル系ギターで確かに上手いけれど、プレイが無機質に聞こえることがあります。
マイケルの演奏にはそういうギタリストにはない、有機的なエモーションを感じます。
彼のプレイには作為がなく、天衣無縫なところが魅力です。
そんな彼のギタープレイを味わえるのがこの曲。
マイケル・シェンカー・グループは、このアルバムの後に解散することになりました。
アルバム邦題に「限りなき戦い」と付けた担当者は、少し気まずい思いをしたかもしれません(笑)
ただ13年後の1996年には再結成して「リトゥン・イン・ザ・サンド(Written in the Sand)」をリリースしています。
関連記事
■ジューダス・プリースト(Judas Priest)の名曲名盤10選
記事一覧
他ブログ・SNS等
■このブログの「トップページ」に戻る
※お気に入りに登録をお願いいたします!
■おとましぐらの音楽ブログ(サブブログ)
※オピニオン記事、企画色の強い記事を連載しています
■note(ジャンル別おすすめ曲一覧)
※選りすぐりの名曲を1曲単位でご紹介しています
■おとましぐらXアカウント
※フォローをお願いいたします!