今回はゴメスのランキングを作成しました。
この記事では玄人受けするこのバンドについて、できるだけ分かりやすく魅力を伝えたいと考えながら書きました。
また彼らの音楽性の大きな変化についても触れています。
この記事では便宜上順位を割り振っていますが、リリース順に曲を配置しました。
- 1 1位「Love Is Better Than A Warm Trombone」(アルバム:Bring It On)
- 2 2位「Get Myself Arrested」(アルバム:Bring It On)
- 3 3位「Rhythm & Blues Alibi」(アルバム:Liquid Skin)
- 4 4位「Getting Better」(アルバム:Abandoned Shopping Trolley Hotline)
- 5 5位「Sound Of Sounds」(アルバム:In Our Gun)
- 6 6位「Sweet Virginia」(アルバム:Split the Difference)
- 7 7位「Catch Me Up」(アルバム:Split the Difference)
- 8 8位「Cry On Demand」(アルバム:How We Operate)
- 9 9位「Airstream Driver」(アルバム:A New Tide)
- 10 10位「Options」(アルバム:Whatever’s on Your Mind)
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1位「Love Is Better Than A Warm Trombone」(アルバム:Bring It On)
■曲名:Love Is Better Than A Warm Trombone
■曲名邦題:ラヴ・イズ・ベター・ザン・ア・ワーム・トロンボーン
■アルバム名:Bring It On(1998年)
■アルバム名邦題:ブリング・イット・オン
■動画リンク:「Love Is Better Than A Warm Trombone」
彼らはイギリス出身のバンドです。
イギリスのバンドはアメリカに比べて、ブームやムーヴメントから派生するバンドが多いように感じます。
彼らがデビューしたのは1998年ですから、ブリットポップ・ブームの終焉期でした。
そんな節目の時期、彼らは老成したこのアルバムでデビューしました。
このアルバムはブルースやフォークなどの断片を、現代に再構築したところが魅力でした。
当時ブリットポップの次に何が来るのだろうとシーンをウォッチしていた人は、彼らの音楽に当惑したかもしれません。
新しい動きを期待して聞いてみたら、一聴若者向きではなさそうなバンドが出てきたのですから。
ただ曲によっては、現代的な要素を感じさせました。
多くの人はこの古さと新しさの内、どちらが彼らの本質なのだろうと思ったかもしれません。
2位「Get Myself Arrested」(アルバム:Bring It On)
■曲名:Get Myself Arrested
■曲名邦題:ゲット・マイセルフ・アレステッド
■アルバム名:Bring It On(1998年)
■アルバム名邦題:ブリング・イット・オン
■動画リンク:「Get Myself Arrested」
彼らのデビュー・アルバムは、マーキュリー賞を受賞したことが話題になりました。
マーキュリー賞は音楽業界で働く人が選考した、すぐれたアルバムに授与される賞。
アーティストの知名度やジャンル関係なく選ばれます。
そうした業界人からのお墨付きは、彼らにとって大きな意味を持っていたと思われます。
なぜなら彼らの音楽は地味ですし、決して売れ線の音楽といえませんでしたから。
加えて日本では評価されにくい音楽だったかもしれません。
当時日本の洋楽誌は海外の影響が受ける傾向がありましたから、この受賞は日本で好意的に迎えられる追い風になったと思います。
時に音楽ジャーナリズムは可能性を秘めたアーティストの後押ししてくれます。
3位「Rhythm & Blues Alibi」(アルバム:Liquid Skin)
■曲名:Rhythm & Blues Alibi
■曲名邦題:リズム&ブルース・アリバイ
■アルバム名:Liquid Skin(1999年)
■アルバム名邦題:リキッド・スキン
■動画リンク:「Rhythm & Blues Alibi」
当時彼らの音楽について、ベック(Beck)と比較されることがありました。
以下の曲を聞けば、そう思われるのもご理解いただけると思います。
ただ彼らはベックほど確信犯的ではなく、トリックスターでもありませんでした。
またベックほど切り口が鮮やかではなく、キャッチーでもポップでもスタイリッシュでもありません。
表層をクリエイティブに切り貼りする感じもありません。
しかしそうした表面的な印象は、彼らの魅力の裏返しにすぎませんでした。
彼らの魅力は表面ではなく深層にあります。
この曲はこのバンドで屈指の名曲ですが、ともすればあっさり聞き流してしまいがちかもしれません。
ただ繰り返し聞いて初めて良さに気付く、ジワジワくるスルメ曲です。
彼らの音楽は渋好みで少し玄人向けかもしれません。
4位「Getting Better」(アルバム:Abandoned Shopping Trolley Hotline)
■曲名:Getting Better
■曲名邦題:ゲッティング・ベター
■アルバム名:Abandoned Shopping Trolley Hotline(2000年)
■アルバム名邦題:アバンダンド・ショッピング・トロリー・ホットライン
■動画リンク:「Getting Better」
ビートルズの同名曲のカバー・ソングです。
さてこのアルバムはシングルのB面曲、スタジオ録音のアウトテイク、コンピレーションの曲などが収録された未発表音源集です。
こういう編集盤はオリジナル・アルバム以上に、理解の手がかりになることがあります。
たとえば以下の曲は、当時の彼らにしては異色のポップな曲ですし。
また「Getting Better」のカバーを聞くと、彼らはアメリカの古いソフト・サイケに似たセンスを感じます。
あと曲によってはアシッド・フォークっぽいところもありますね。
彼らの音楽にはそうした古いアメリカの音楽を、現代に蘇らせたようなところがあります。
5位「Sound Of Sounds」(アルバム:In Our Gun)
■曲名:Sound Of Sounds
■曲名邦題:サウンド・オブ・サウンズ
■アルバム名:In Our Gun(2002年)
■アルバム名邦題:イン・アワ・ガン
※動画はシングルバージョンです
■動画リンク:「Sound Of Sounds」
このバンドには、3人のボーカリストと4人のソングライターがいます。
特にボーカルはかなり人によってかなり声質が違いますが、それと同時に誰がボーカルでも良いような感じもします、
このバンドは誰か1人の個性に依存している感じがしません。
それでいてゴメスというバンド全体をつくり上げているように思います。
各自が少しずつ異なりながら、全員でゴメスの音楽をつくり上げているワン・フォー・オールな感じ。
その点ではティーンエイジ・ファンクラブ (Teenage Fanclub)に似たところがあるかもしれません。
そういう彼らのたたずまいについて、私はトラヴィス(Travis)と少し似ているように感じます。
つまりメンバー各自に匿名性があって、それでもバンドとしての個性が感じられ、常に質の高い作品を安定して届けてくれる絶大なる信頼感がある。
それぞれの意図を丁寧にすり合わせて、全員で音楽をつくり上げている感じがします。
6位「Sweet Virginia」(アルバム:Split the Difference)
■曲名:Sweet Virginia
■曲名邦題:スウィート・ヴァージニア
■アルバム名:Split the Difference(2004年)
■アルバム名邦題:スプリット・ザ・ディファレンス
■動画リンク:「Sweet Virginia」
このアルバムは変化がありました。
そもそもプロデューサーにチャド・ブレイク(Tchad Blake)を起用した時点で、変化を求めていたことは明らかです。
ゴメスはデビュー以来ずっとセルフ・プロデュースでした。
チャド・ブレイクは、ルーツ音楽とエクスペリメンタルの両面を合わせ持ったこのバンドと相性の良い人選だったかもしれません。
チャドは尖った音響を取り入れることに長けていて、ルーツ・ロックに変化をもたらすことができる人でした。
チャドは技術面の強味があるプロデューサーなので、彼の招聘はバンドにとって良い経験になったかもしれません。
以下の曲には特にチャドの影響を感じます。
このアルバムは従来の殻を打ち破る転換点になりました。
7位「Catch Me Up」(アルバム:Split the Difference)
■曲名:Catch Me Up
■曲名邦題:キャッチ・ミー・アップ
■アルバム名:Split the Difference(2004年)
■アルバム名邦題:スプリット・ザ・ディファレンス
■動画リンク:「Catch Me Up」
前述した通り、彼らはこのアルバムで変化しようとしていました。
中でも随分変わったなと思ったのが、ポップで弾けたこの曲です。
しかも相当すばらしい出来です。
大変失礼ながら、私はこういう曲も書けるのだなと思いました。
ただ私は彼らにポップになることを求めていたかといえば、微妙だったかもしれません。
むしろゴメス特有の世界が失われるのなら変化しなくていいとさえ。
しかしそんな私の心配は杞憂だったようですね。
彼らはこの後更にポップになりましたが、楽曲志向が強まり質は落ちませんでした。
8位「Cry On Demand」(アルバム:How We Operate)
■曲名:Cry On Demand
■アルバム名:How We Operate(2006年)
■アルバム名邦題:ハウ・ウィ・オペレイト
■動画リンク:「Cry On Demand」
彼らはいつまでも評論家受けのままではいたくなかったのかもしれません。
初期の彼らの音楽は、少々分かりにくいところがあります。
しかし次第に霧が晴れるように、彼らの音楽は明快になっていきました。
初期の彼らの音楽は雰囲気イケメンみたいなものだったかもしれません。
そうでないと初期の彼らが売れたことが説明つかないように思います。
メディアの後押しがあったとはいえ、そもそもそれほど売れそうな音楽ではありませんでしたし。
しかしその後は誰が聞いても良いと思える曲が増えました。
彼らは自分たちの分かりにくさを好意的に評価するよう、リスナーに強いたくなかったのかもしれません。
初期の特徴だったブルース色は減退し、メロディで勝負している曲が増えました。
その結果このアルバムはアメリカで売れて、新たなリスナーを獲得しました。
9位「Airstream Driver」(アルバム:A New Tide)
■曲名:Airstream Driver
■アルバム名:A New Tide(2009年)
■アルバム名邦題:ニュー・タイド
■動画リンク:「Airstream Driver」
これほどベスト盤的選曲に向いていないバンドは珍しいかもしれません。
私はこの記事を書きながら、アルバムの中で光る曲が多い中、1曲抜き出すのは難しいと感じました。
彼らの曲の真価は、アルバムを通して聞いて初めて判断できるかもしれません。
しかも特に初期の彼らの音楽は遅効性で、聞き込まないと良し悪しの判断が難しいです。
正直私も聞き込みが足りないのではないかという不安を抱えながらこの記事を書きました。
ただそれは初期限定の話ですが。
いつも私は記事でそのバンドの最高傑作をご紹介しています。
しかし彼らの作品は高い水準で一定しているため、最高傑作を決めるのは容易なことではありません。
読者の方の好みにゆだねたい思います。
10位「Options」(アルバム:Whatever’s on Your Mind)
■曲名:Options
■アルバム名:Whatever’s on Your Mind(2011年)
■アルバム名邦題:ホワットエヴァーズ・オン・ユア・マインド
■動画リンク:「Options」
彼らはイギリスのバンドですが、当初からアメリカ志向が強かったようです。
この曲などは、ついにここまで来たかと思うほどアメリカらしさを感じます。
とても自然体で音楽をやっているのが伝わってきますね。
初期の彼らはこんな地味で、正直こんなつかみどころがないバンドがよく売れたなと思いました。
魅力のコアがつかみにくく、良いのは明らかですが言葉で説明するのは容易なことではありません。
彼らの個性とは一体何だろうと思われるかもしれません。
ただ常に彼らは質の高い音楽を生み出し続けました。
彼らは分かりやすさや強い個性ではなく、音楽の質の高さそのもので勝負しているように感じます。
最後にもう1曲ご紹介して、この記事を終えたいと思います。
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