今回はラッシュのランキングを作成しました。
彼らはプログレッシヴ・ハードロック(プログレ・ハード)を代表するバンドです。
この記事では、初期から1981年の「Moving Pictures」までを対象に選曲しました。
卓越した演奏力と世界観が魅力のバンドです。
- 1 1位「The Spirit of Radio」(アルバム:Permanent Waves)
- 2 2位「Overture(The Temples of Syrinx)」(アルバム:2112)
- 3 3位「YYZ」(アルバム:Exit…Stage Left)
- 4 4位「Freewill」(アルバム:Permanent Waves)
- 5 5位「Limelight」(アルバム:Moving Pictures)
- 6 6位「Bastille Day」(アルバム:Caress Of Steel)
- 7 7位「Closer to the Heart」(アルバム:A Farewell To Kings)
- 8 8位「Anthem」(アルバム:All the World’s a Stage)
- 9 9位「Fly by Night」(アルバム:Fly By Night)
- 10 10位「La Villa Strangiato」(アルバム:Hemispheres)
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1位「The Spirit of Radio」(アルバム:Permanent Waves)
■曲名:The Spirit of Radio
■曲名邦題:スピリット・オブ・レイディオ
■アルバム名:Permanent Waves
■アルバム名邦題:パーマネント・ウェイヴス
■動画リンク:「The Spirit of Radio」
彼らの曲で最も有名な曲ですが、最大のヒット曲ではありません。
彼らには「ニュー・ワールド・マン(New World Man)」というシングル・チャート1位を獲得した曲があります。
一応そちらも引用しておきましょう。
一方今回1位に推した「The Spirit of Radio」は、最高位が22位です。
私は音楽仲間と「The Spirit of Radio」の話をしたことはありますが「New World Man」のことが話題になった記憶がありません。
そのあたりはヒット曲と人気曲の違いといえるかもしれません。
「New World Man」も良い曲だと思いますが。。。
彼らはこのアルバムから短い曲が増え、ポップ路線に移行しました。
彼らのような硬派バンドがポップになると、古参ファンから不満の声が噴出するものですが、そうはなりませんでした。
パンチラ効果もあったかもしれませんが(笑)
確かにとてもポップな曲ですが、演奏力が際立った傑作だと思います。
2位「Overture(The Temples of Syrinx)」(アルバム:2112)
■曲名:Overture(The Temples of Syrinx)
■曲名邦題:序曲(シリンクスの寺院)
■アルバム名:2112
■アルバム名邦題:西暦2112年
■動画リンク:「Overture(The Temples of Syrinx)」
彼らの最高傑作は「Permanent Waves」「Moving Pictures」の内のどれかだと言われています。
しかし初期も聞き逃せません。
前作までの彼らはセールスが低迷し、組曲や大曲をやらないよう、レコード会社から圧力がかけられました。
もし会社に歯向かって売れなかったら、彼らは契約を失うことになったはずです。
しかし彼らは次作のこのアルバムで、20分超えの組曲をアルバムのA面に持ってきました。
「武士は食わねど高楊枝じゃ」と彼らが言っていたかどうか知りませんが、音楽ではそう言っています。
ただその結果このアルバムは、カナダのアルバム・チャート5位を記録しました。
彼らは意地を通して、道を切り開いたようです。
3位「YYZ」(アルバム:Exit…Stage Left)
■曲名:YYZ
■曲名邦題:YYZ
■アルバム名:Exit…Stage Left
■アルバム名邦題:ラッシュ・ライヴ〜神話大全
■動画リンク:「YYZ」
この曲のオリジナルは「Moving Pictures」に収録されていますが、私はこのライブ・バージョンの方が良い出来だと思います。
ためしに2:21から始まるニール・パート(Neil Peart)のドラムソロを聞いてみてください。
ドラム・ソロは退屈だと思っている人は、少なくないかもしれません。
実際私もそう思うことがありますし。
しかしこのドラム・ソロはいかがでしょうか。
ちなみにニールのドラムセットは、かなり大がかりです。
「要塞」とも俗称される、ありとあらゆる打楽器類[10]を並べたドラムセットを使用しており、テリー・ボジオとともにその先駆者として知られる。
一番の聞きどころは5:32から、白熱のドラムソロが終わって、アレックス・ライフソン(Alex Lifeson)のギターが飛び出す瞬間です。
いやあ演奏力があるってことは、本当にすばらしいですね。
4位「Freewill」(アルバム:Permanent Waves)
■曲名:Freewill
■曲名邦題:フリーウィル
■アルバム名:Permanent Waves
■アルバム名邦題:パーマネント・ウェイヴス
■動画リンク:「Freewill」
彼らは3人編成ですから、スリーピースのバンドということになります。
しかし彼らの音楽を聞くと、本当に3人だけなのかと思ってしまいます。
時にはキーボードが入ることもありますが、キーボードなしでも3人だけの演奏とは思えません。
とにかく3人全員が、存在感ありすぎです。
彼らの編成は、リード・ボーカル、リード・ギター、リード・ベース、リード・ドラムと表記した方がいいかもしれません。
本来地味な役割のベースでさえ、存在感がありまくりですし。
たとえばこの曲の3:04からをお聞きください。
強者3人による肉弾戦みたいな演奏が繰り広げられています。
5位「Limelight」(アルバム:Moving Pictures)
■曲名:Limelight
■曲名邦題:ライムライト
■アルバム名:Moving Pictures
■アルバム名邦題:ムーヴィング・ピクチャーズ
■動画リンク:「Limelight」
このアルバムは「トム・ソーヤ(Tom Sawyer)」から始まる前半4曲が聞きものです。
この曲はその中の1曲。
このアルバムは、前作のポップ路線を継承しています。
この曲は産業ロック一歩手前みたいな曲かもしれません。
当時良質な産業ロック・バンドは、こっそり変拍子を曲に忍ばせたりなどして、ささやかな自己主張をしていました。
しかしラッシュの場合は、より大胆にテクニカルな演奏を曲に組み込んでいました。
たとえばこの曲の2:38からをお聞きください。
この頃の彼らは玄人受けと聞きやすさを両立した、不思議な存在だったように思います。
6位「Bastille Day」(アルバム:Caress Of Steel)
■曲名:Bastille Day
■曲名邦題:バスティーユ・デイ
■アルバム名:Caress Of Steel
■アルバム名邦題:鋼の抱擁
■動画リンク:「Bastille Day」
彼らはハードロックとプログレッシブ・ロックの中間みたいなバンドだと言われていました。
過去形にしたのは、その後音楽性が変化したからです。
彼らは「シグナルズ(Signals)」から、サウンドが変化しました。
いわゆるポリス(The Police)化と呼ばれる、モダンでクリアーなサウンドに移行しました。
それ以降にも好きな曲はありますが、やはり私は「Moving Pictures」までが全盛期だと思っています。
さてこの曲は、初期の特徴であるプログレッシヴなハードロック・ナンバー。
後半の展開が少し凝っています。
とにかくアイデアを詰め込みたいようですが、そこに魅力を感じたら、彼らの虜の一歩手前です。
7位「Closer to the Heart」(アルバム:A Farewell To Kings)
■曲名:Closer to the Heart
■曲名邦題:クローサー・トゥ・ザ・ハート
■アルバム名:A Farewell To Kings
■アルバム名邦題:フェアウェル・トゥ・キングス
■動画リンク:「Closer to the Heart」
ライブの定番曲です。
ライブの合唱バージョンもご紹介しておきましょう。
この曲ではゲディー・リー(Geddy Lee)の歌が聞きものです。
彼のボーカルは高音にクセがあって、好き嫌いが分かれるかもしれません。
彼の声質がお好きな方は、パヴロフス・ドッグ(Pavlov’s Dog)というバンドもお聞きになってみてください。
ちなみに私はゲディー・リーのボーカルが大好きです。
この曲などは、クセのある美しいボーカルを堪能するのにうってつけです。
8位「Anthem」(アルバム:All the World’s a Stage)
■曲名:Anthem
■曲名邦題:心の賛美歌
■アルバム名:All the World’s a Stage
■アルバム名邦題:世界を翔るロック
■動画リンク:「Anthem」
演奏力の高いバンドは、ライブに名盤が多いように思います。
彼らも例に漏れずライブに名演が多く、スタジオ録音より出来が良いケースも少なくありません。
この曲は1975年の「Fly by Night」に収録されていました。
彼らは翌年「2112」が売れると、すかさずレコード会社はこのアルバムをリリースしました。
売れた余波を受けて過去の曲をライブ盤として発売し、これまでの投資を回収すると共に、次作まで人気を維持しようというわけです。
スーパートランプ(Supertramp)が売れた後も、同じことがありました。
しかしこのアルバムについては、そうしたビジネスの思惑を超えて有意義だったかもしれません。
このアルバムは後のどのライブよりも、ラフな演奏が収録されていますから。
後年の完成度が高いライブより、粗削りな彼らを堪能することができます。
9位「Fly by Night」(アルバム:Fly By Night)
■曲名:Fly by Night
■曲名邦題:フライ・バイ・ナイト
■アルバム名:夜間飛行
■アルバム名邦題:Fly By Night
■動画リンク:「Fly by Night」
彼らはファースト「閃光のラッシュ(Rush)」でデビューしました。
彼らはレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)に影響を受けて結成されたバンドです。
その影響が残っている「ファインディング・マイ・ウェイ(Finding My Way)」という曲をご紹介します。
その路線はこのセカンド・アルバムにも受け継がれましたが、変化の兆しも感じます。
この曲などは、ウェストコースト・ロックのようにさわやかですし。
ちなみにニール・パートが参加したのは、このセカンド・アルバムから。
彼らは作曲をゲディー・リーとアレックス・ライフソンが担当し、作詞をニール・パートが担当しています。
その勝利の方程式は、このアルバムから始まりました。
10位「La Villa Strangiato」(アルバム:Hemispheres)
■曲名:La Villa Strangiato
■曲名邦題:ラ・ヴィラ・ストランジアート
■アルバム名:Hemispheres
■アルバム名邦題:神々の戦い
■動画リンク:「La Villa Strangiato」
この曲の主役は、ギターのアレックス・ライフソンです。
彼のギターはテクニカルなだけではなく、伸びやかで多彩なフレーズが特徴です。
ためしに2:25からをお聞きください。
効率が求められる現代の曲に慣れた耳で聞くと、冗長に感じられる曲かもしれません。
確かに出だしがもったいぶっていますし、無駄に思えるパートがあると感じるのも分からなくもありませんし。
しかしダレているように思える箇所も、次の山場に向けて必要な緩和の時間だったりします。
その意味でオールド・ロックならではの妙味を堪能するのに、うってつけの曲かもしれません。
それを踏まえて聞けば、適度に見せ場が織り込まれた9:35は、決して長く感じないと思います。
少し分厚い古典小説の傑作を読むような感覚で聞いていただければと思います。
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