今回はメタリカのランキングを作成しました。
ファースト・アルバムから2008年ぐらいまでの幅広い期間を対象にしました。
そのためアルバム1枚につき、1曲に限定しています。
どれも強烈な印象を残す曲ばかりです。
- 1 1位「Battery」(アルバム:Master of Puppets)
- 2 2位「Enter Sandman」(アルバム:Metallica)
- 3 3位「One」(アルバム:…And Justice for All)
- 4 4位「Fuel」(アルバム:Reload)
- 5 5位「Creeping Death」(アルバム:Ride the Lightning)
- 6 6位「Whiplash」(アルバム:Kill ’em All)
- 7 7位「All Nightmare Long」(アルバム:Death Magnetic)
- 8 8位「Ain’t My Bitch」(アルバム:Load)
- 9 9位「Frantic」(アルバム:St. Anger)
- 10 10位「It’s Electric」(アルバム:Garage Inc.)
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1位「Battery」(アルバム:Master of Puppets)
■曲名:Battery
■曲名邦題:バッテリー
■アルバム名:Master of Puppets
■アルバム名邦題:メタル・マスター
■動画リンク:「Battery」
私はこのサード・アルバムが、彼らの最高傑作だと思っています。
メタルの歴史においても、燦然と輝く傑作だといえるでしょう。
他にもアルバム・タイトル曲や「ディスポーザブル・ヒーローズ(Disposable Heroes)」など有名曲、人気曲ぞろいですし。
この曲はアコースティック・ギターから始まっています。
このイントロは、前作の冒頭を飾った名曲「ファイト・ファイヤー・ウィズ・ファイヤー(Fight Fire with Fire)」の発展形だと思われます。
その後37秒からの様式といえる展開は、いつ聞いても胸が熱くなりますね。
その後1:06からは、スラッシュに移行しています。
こうした静と動の対比と緩急は、メタルの醍醐味だと思います。
2位「Enter Sandman」(アルバム:Metallica)
■曲名:Enter Sandman
■曲名邦題:エンター・サンドマン
■アルバム名:Metallica
■アルバム名邦題:メタリカ
■動画リンク:「Enter Sandman」
このアルバムの前作では、曲が少し複雑になりました。
当時私は、これ以上複雑にならないといいなと思っていました。
しかし彼らはこのアルバムで、真逆のシンプルな方向に舵を切りました。
この頃の音楽はメタルというより、グランジとかヘヴィ・ロックと言った方がしっくりきます。
その変化は、彼らの新たな魅力を引き出しました。
このアルバムのキーマンは、ジェームス・ヘットフィールド(James Hetfield)です。
彼はリフ・マスターと呼ばれ、以前から重要な存在でした。
しかしこのアルバムでは、更に重要性が増しています。
この曲では、強烈にグルーヴするギターがたまりません。
3位「One」(アルバム:…And Justice for All)
■曲名:One
■曲名邦題:ワン
■アルバム名:…And Justice for All
■アルバム名邦題:メタル・ジャスティス
■動画リンク:「One」
このアルバムでは、プログレッシヴ・ロックとメタルの中間みたいな曲が増えました。
その最大の成果が、この曲です。
7分超えと長い曲ですが、演奏や展開に工夫があってあきさせません。
前半の静かな展開もすばらしいですが、この曲の聞きどころは後半です。
特に5:47からのカーク・ハメット(Kirk Hammett)の早弾きは、この曲のハイライトといえるでしょう。
このギターソロは、以下のように評価されています。
カーク・ハメットによるギター・ソロは、『Guitar World』誌が選出した50グレイテスト・ギター・ソロで7位に達した[13]。
この曲は、「ジョニーは戦場へ行った」という映画にインスパイアされたそうです。
4位「Fuel」(アルバム:Reload)
■曲名:Fuel
■曲名邦題:フューエル
■アルバム名:Reload
■アルバム名邦題:リロード
■動画リンク:「Fuel」
彼らの歴史は「ブラック・アルバム」と呼ばれる「Metallica」以前と以後とに分かれます。
「ブラック・アルバム」は売れに売れ、世界で3000万枚も売れました。
次作のこのアルバムも同じくヘヴィ路線で、セールス的にも好調でした。
ただ出来は、前作ほどではなかったかもしれません。
「ブラック・アルバム」ほど圧倒的な完成度があれば、評価せざるを得なかったと思います。
しかし同じ路線でも質が低下すると、やはり昔の方が良かったと思ってしまいます。
それは当時私が感じていたこと。
自戒を込めて言えば、私は過去の幻影を追い求めすぎていたように思います。
ただ当時からこの曲だけは大好きでした。
当時私はしたり顔で「Fuel」は良いねみたいなことを言っていました。
5位「Creeping Death」(アルバム:Ride the Lightning)
■曲名:Creeping Death
■曲名邦題:クリーピング・デス
■アルバム名:Ride the Lightning
■アルバム名邦題:ライド・ザ・ライトニング
■動画リンク:「Creeping Death」
当時彼らは、スラッシュ四天王に数えられていました。
ただしスラッシュ一辺倒のバンドではありません。
例えばこの曲と以下の曲は、スラッシュではない傑作です。
彼らはNWOBHMから強く影響を受けています。
NWOBHMとは「ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル(New Wave Of British Heavy Metal)」の略で、1970年代後半に現れた新しいメタルの潮流です。
デビュー時のアイアン・メイデン(Iron Maiden)みたいなイメージでしょうか。
この曲を聞くと、彼らはNWOBHMの流れを汲んでいることが分かります。
6位「Whiplash」(アルバム:Kill ’em All)
■曲名:Whiplash
■曲名邦題:ウィップラッシュ
■アルバム名:Kill ’em All
■アルバム名邦題:キル・エム・オール
■動画リンク:「Whiplash」
この時期のメンバーをご紹介しておきましょう。
ジェイムズ・ヘットフィールド(James Hetfield):ボーカル、リズムギター
カーク・ハメット(Kirk Hammett)リードギター
クリフ・バートンCliff Burton):ベース
ラーズ・ウルリッヒ(Lars Ulrich):ドラムス
この頃の彼らは、今とベースが違います。
クリフ・バートン(Cliff Burton)は、ベースでありながら、変幻自在なプレイが特徴の人でした。
以下の曲では、歪んだ音で才気あふれる演奏をしています。
彼は事故で亡くなりましたが、とても惜しまれる人でした。
またデビュー前に脱退していますが、メガデス(Megadeth)のデイヴ・ムステイン(Dave Mustaine)も在籍していました。
当時のバンドには、突出した才能が集結していたのですね。
そんな彼らはこの時期、スラッシュ・メタルに夢中でした。
初期の彼らは粗削りなところが魅力です。
7位「All Nightmare Long」(アルバム:Death Magnetic)
■曲名:All Nightmare Long
■曲名邦題:オール・ナイトメア・ロング
■アルバム名:Death Magnetic
■アルバム名邦題:デス・マグネティック
■動画リンク:「All Nightmare Long」
私はこのアルバムを聞いた時、久しぶりに興奮しました。
彼らの作品は「ブラック・アルバム」以降、ボブ・ロック(Bob Rock)がプロデュースしてきました。
しかしこのアルバムでは、リック・ルービン(Rick Rubin)に交代しています。
リック・ルービンは、彼ら本来の魅力を引き出しました。
たとえばこの曲をお聞きください。
初期を思わせるスラッシュ・ナンバーです。
「ブラック・アルバム」以降離れた人は、このアルバムで再入門してはいかがでしょうか。
8位「Ain’t My Bitch」(アルバム:Load)
■曲名:Ain’t My Bitch
■曲名邦題:エイント・マイ・ビッチ
■アルバム名:Load
■アルバム名邦題:ロード
■動画リンク:「Ain’t My Bitch」
今聞き返すとこのアルバムは、昔ほど悪い出来とは感じません。
音楽性を広げようという意図も、ある程度成功していますし。
ただ曲の出来が玉石混交かもしれません。
元々は「Reload」と合わせて、2枚組でリリースされる予定でした。
しかし別々の作品としてリリースすることにしたようです。
私は2枚を1枚にまとめて、もう少し曲をしっかり詰めたら、傑作になっていたと思います。
プロデュースを担当したボブ・ロックは、才能のある人です。
しかし「St. Anger」ではメンバーが思い付きでドラムの音を軽くしたのを、そのまま採用したこともありました。
当時バンドに必要だったのは、ダメ出しできる人だったかもしれません。
9位「Frantic」(アルバム:St. Anger)
■曲名:Frantic
■曲名邦題:フランティック
■アルバム名:St. Anger
■アルバム名邦題:セイント・アンガー
■動画リンク:「Frantic」
このアルバムは発売当時、初期の彼らが戻ってきたと評判でした。
確かに速い曲が増えて、昔のメタル路線に戻ったといえるでしょう。
しかしそれに水を差したのが、ドラムの録音でした。
たとえばこの曲をお聞きください。
ドラムの音が、少し軽く感じないでしょうか。
ブリキの太鼓叩いているような感じですし、妙に重心が高いように感じます。
残響部分をカットしてほしかったような気もしますし。
もちろん曲とか演奏も重要ですが、彼らのような音楽は、音の肌ざわりが重要かもしれません。
この曲は最後にドラムソロで終わります。
演奏自体はすばらしいのに、もったいないと思ってしまいます。
せっかくご紹介したのに、不満ばかり書いてしまいました。
ただその欠点を補って余りあるほど楽曲はすばらしく、充分おすすめできる曲だと思いました。
10位「It’s Electric」(アルバム:Garage Inc.)
■曲名:It’s Electric
■曲名邦題:イッツ・エレクトリック
■アルバム名:Garage Inc.
■アルバム名邦題:ガレージ・インク
■動画リンク:「It’s Electric」
最後にカバー曲をご紹介します。
このカバー・アルバムでは、彼らが影響を受けたバンドの曲を取り上げています。
選曲は少し偏っていて、モーターヘッド(Motörhead)とダイアモンド・ヘッド(Diamond Head)との曲が多め。
この曲はダイアモンド・ヘッドのカバーです。
私はこの曲をこれぞ傑作だと、言い張るつもりはありません。
ただカバー・アルバムだと期待せずこんな曲があったら、うれしく感じると思います。
そこで最後に配置してみました。
このアルバムがリリースされたのは、1998年です。
「Reload」がリリースされた翌年で、悩んで方向性を模索していた時期でした。
私はこの曲のピュアなハードロックぶりが、とてもほほえましく思います。
彼らは「ハードワイアード…トゥ・セルフディストラクト(Hardwired… to Self-Destruct)」でも、こんな曲をカバーしています。
Metallica – Ronnie Rising Medley
彼らはオリジナル曲よりもカバー曲の方が、楽しそうに演奏しているように感じるのは、私の気のせいでしょうか。
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