今回はアリス・クーパーのランキングを作成しました。
彼の音楽は少々とっつきにくい部分もありますが、それは魅力の裏返しかもしれません。
この記事では比較的聞きやすい曲を中心に選曲してみました。
少しクセの強い人ですが、その分ハマる人はハマる音楽だと思います、
- 1 1位「School’s Out」(アルバム:School’s Out)
- 2 2位「No More Mr. Nice Guy」(アルバム:Billion Dollar Babies)
- 3 3位「How You Gonna See Me Now」(アルバム:From the Inside)
- 4 4位「Department of Youth」(アルバム:Welcome To My Nightmare)
- 5 5位「Be My Lover」(アルバム:Killer)
- 6 6位「Beautiful Flyaway」(アルバム:Easy Action)
- 7 7位「Desperado」(アルバム:Killer)
- 8 8位「Cold Ethyl」(アルバム:Welcome To My Nightmare)
- 9 9位「You and Me」(アルバム:Lace & Whiskey)
- 10 10位「I’m Always Chasing Rainbows」(アルバム:Goes to Hell)
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1位「School’s Out」(アルバム:School’s Out)
■曲名:School’s Out
■曲名邦題:スクールズ・アウト
■アルバム名:School’s Out
■アルバム名邦題:スクールズ・アウト
■動画リンク:「School’s Out」
学校が夏休みに入る前の喜びを歌った曲です。
この曲の主人公がどんな生徒なのかは、アルバム・ジャケットを見るとお分かりいただけるかもしれません。
学校の机に落書きをしていますね。
かなり学校に退屈しているのでしょう。
ちなみにこのアルバムは以下の仕様が話題になりました。
女性の読者様におかれましては、不快に思われたら申し訳ありません。
この曲は10代の若者の強い支持を受けて、シングルチャートで5位を記録しました。
2位「No More Mr. Nice Guy」(アルバム:Billion Dollar Babies)
■曲名:No More Mr. Nice Guy
■曲名邦題:ノー・モア・ミスター・ナイス・ガイ
■アルバム名:Billion Dollar Babies
■アルバム名邦題:ビリオン・ダラー・ベイビーズ
■動画リンク:「No More Mr. Nice Guy」
曲名を意訳すると「ナイス・ガイなんてまっぴらごめんだぜ」です。
俺は清潔感のある男ではないし、ほとんど病気ともいえるほど卑猥な男だと。
彼が思い描いていたセルフ・イメージは、学校やモラルから逸脱した不良に違いありません。
しかし仲間の多い陽キャではなさそうです。
実際この曲では友達がいないことを告白しています。
つまり彼は不良でしたが、独りぼっちで孤立した嫌われ者、アウトサイダーでした。
ただ彼は好感を持たれようとは思っていなかったと思われます。
その代わりに彼は、社会に点在し孤立している社会不適合者の共感を得ようとしたかもしれません。
時にロックは社会のはみ出し者たちの受け皿になることがあります。
3位「How You Gonna See Me Now」(アルバム:From the Inside)
■曲名:How You Gonna See Me Now
■曲名邦題:時が流れても
■アルバム名:From the Inside
■アルバム名邦題:閉ざされた世界
■動画リンク:「How You Gonna See Me Now」
この人の音楽は乱調や不整合をうまく活用しているのが特徴です。
彼はフランク・ザッパ(Frank Zappa)のレーベル、Straight Recordsからデビューしました。
実際彼のデビュー・アルバム「プリティーズ・フォー・ユー(Pretties For You)」は良い作品ですが、決して耳障りは良くありません。
ただフリー・ジャズの演奏者が保守的なジャズの名盤を生み出すことがあるように、そうした人が乱調や不整合に頼らず良い音楽を生み場合があります。
このアルバムもその1つ。
このアルバムはAORのディスクガイドにも掲載されています。
ただアルバム・ジャケットは相変わらずで、デビルマンみたいですが。
このアルバムからもう1曲ご紹介しておきましょう。
Alice Cooper – Inmates (We’re All Crazy)
4位「Department of Youth」(アルバム:Welcome To My Nightmare)
■曲名:Department of Youth
■曲名邦題:デパートメント・オブ・ユース
■アルバム名:Welcome To My Nightmare
■アルバム名邦題:悪夢へようこそ
■動画リンク:「Department of Youth」
「アリス・クーパー」という名前には2つの意味があります。
1つはバンド名で、もう1つはソロ・アーティスト名です。
バンドとソロどちらも同じ名前というのは、かなりまぎわらしいかもしれません。
しかもその名前もまた問題です。
アリス・クーパーの名は、若い頃に見た夢に出てきた魔女の名前からとったというエピソードが有名だが、真相は、可愛らしい女の子の名前を付けて実際の音楽とのギャップを狙ったものである
アリス・クーパーという芸名は、英語圏では女性の名前を意味します。
つまり男性なのに女性の名前を冠したバンド名でデビューして、ソロ活動でも男性が女性の名前を名乗って活動しているようなもの。
私の違和感がお分かりいただけるかもしれません。
このアルバムから彼はソロ・アーティスト、アリス・クーパーとして活動を始めました。
5位「Be My Lover」(アルバム:Killer)
■曲名:Be My Lover
■曲名邦題:ビー・マイ・ラヴァー
■アルバム名:Killer
■アルバム名邦題:キラー
■動画リンク:「Be My Lover」
この記事で最も選曲に迷ったアルバムです。
「俺の回転花火(Under My Wheels)」など良い曲が多すぎますね。
このアルバムはジョニー・ロットン(Johnny Rotten)に大きな影響を与えたことで知られています。
ジョン・ライドンはアリス・クーパーが「セックス・ピストルズに最も大きなインスピレーションを与えた」と語っており、本作を「歴史上最も偉大なロックン・ロール・アルバム」と評している[10]。
保守的な人の神経を逆なでする反社会的なところに共感したのかもしれません。
自分と似たアウトサイダーの匂いを嗅ぎつけたのでしょうか。
アルバム名からして「Killer」つまり「殺人者」ですし。
私は「Be My Lover」のギターのリフを聞くと、いつもルー・リード(Lou Reed)やヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)っぽいと感じます。
6位「Beautiful Flyaway」(アルバム:Easy Action)
■曲名:Beautiful Flyaway
■曲名邦題:ビューティフル・フライアウェイ
■アルバム名:Easy Action
■アルバム名邦題:イージー・アクション
■動画リンク:「Beautiful Flyaway」
初期2作はその後と比べて、それほどロック色は強くありません。
しいていえばアート・ロックっぽい感じがします。
その過渡期の様子はこの曲を聞くとお分かりいただけるかもしれません。
彼が今のスタイルを確立するのは、次作から盟友ボブ・エズリン(Bob Ezrin)に加わって、ロック色が強くなってからです。
あと1曲今のスタイルを確立するきっかけとなった代表曲をご紹介しておきましょう。
初期3作は出来こそ悪くありませんが、入門者向きではないので多くの曲選外にしました。
そうした中このセカンド・アルバムから比較的聞きやすい「Beautiful Flyaway」1曲だけご紹介してみました。
7位「Desperado」(アルバム:Killer)
■曲名:Desperado
■曲名邦題:無法者
■アルバム名:Killer
■アルバム名邦題:キラー
■動画リンク:「Desperado」
アリス・クーパーの最高傑作は「Killer」「School’s Out」「Billion Dollar Babies」「Welcome To My Nightmare」あたりが有力候補です。
随分多いと思われるかもしれません。
彼は作品の質がかなり安定しています。
今回対象外とした後年も「トラッシュ(Trash)」などのヒット作がありますし。
彼は野球でいえば、荒れ球が多いのに勝ち星が多く長くに渡って活躍する投手に似ています。
中でもこのアルバムは絶好調で、時々内角をエグり緩急を織り込みながらたたみかけてきます。
この曲は緩急の「緩」に当たる曲。
個人的にも大好きな曲です。
8位「Cold Ethyl」(アルバム:Welcome To My Nightmare)
■曲名:Cold Ethyl
■曲名邦題:コールド・エセル
■アルバム名:Welcome To My Nightmare
■アルバム名邦題:悪夢へようこそ
■動画リンク:「Cold Ethyl」
この人のジャンル分けは、少し難しいかもしれません。
ウィキペディアでは、以下のような記載がありました。
その幻想的かつ創造的なパフォーマンスは「ショック・ロック」とも形容された。
ただ上記の分類は音楽的なカテゴライズではありません。
ハード・ロック、グラム・ロックと表現する方もいますが、私はどちらの分類もしっくりきません。
この曲はグラム・ロックっぽいかもしれまえんが、彼の存在について私はフランク・ザッパに少し似ているような気がします。
彼の音楽はジャンル分けを拒否するというか、はみ出す部分が多いですし、孤立したところが魅力だと思います。
9位「You and Me」(アルバム:Lace & Whiskey)
■曲名:You and Me
■曲名邦題:ユー・アンド・ミー
■アルバム名:Lace & Whiskey
■アルバム名邦題:レースとウイスキー
■動画リンク:「You and Me」
この記事ではこの人の魅力を広く伝えることを重視しています。
ただ彼の良さは毒を含んでいるところ。
もし海外の友人が来日して、お寿司を食べたいと言ったとします。
それでお寿司屋さんに連れて行った時、わさびの加減をどうするでしょうか。
私なら最初はワサビ少な目にして、それで大丈夫そうなら普通のわさび量で注文します。
今回私はそんな感じで、毒少な目の曲を選びました。
ただ分かっているファンの方からしたら余計なことと思われかねず、少々後ろめたいと感じますが。
この曲を選んだ時、私はそんなことを考えていました。
来日した外国人の友人を思ってわさびを少な目にするのも、単なるこちらの思い込みかもしれません。
もしこの記事の曲を気に入った方は、アルバム単位で聞くとより毒の存在が感じられると思います。
毒が一番美味しいと思えてきたら、更にハマるかもしれません。
10位「I’m Always Chasing Rainbows」(アルバム:Goes to Hell)
■曲名:I’m Always Chasing Rainbows
■曲名邦題:虹を追いつづけて
■アルバム名:Goes to Hell
■アルバム名邦題:アリス・クーパー地獄へ行く
■動画リンク:「I’m Always Chasing Rainbows」
最後に自分なりにこの人の魅力をまとめてみたいと思います。
まず先程述べたように薬味の役割をはたす毒、アート志向と演劇性。
悪趣味、アクの強さをテコに訴えかける力の強さ。
大衆相手ではなく、時々ポツリと点在し孤立しているはみ出し者に近づきながらも適度に距離を取り、その安心感をもって結果的に寄り添う。
その距離感を設ける際、乱調や不整合、毒などが重要な役割をはたしているのかもしれません。
後年彼は分かりやすい曲が増えました。
しかしそれらの時期の曲においても、今回の期間にあった毒という薬味が利いているように思います。
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