今回はリンキン・パークのランキングを作成しました。
このバンドは最初の2枚以降に、かなり音楽性が変化しています。
音楽的な振れ幅が大きく、これが同じバンドかと思うようなところがあります。
しかし彼らは試行錯誤を繰り返した後に、全く違う音楽性で再び傑作アルバムをつくりあげました。
また試行錯誤の時期も、挑戦作はあっても失敗作はありません。
変わり続けた彼らの珠玉の名曲をご堪能ください。
- 1 1位「In the End」(アルバム:Hybrid Theory)
- 2 2位「Breaking The Habit」(アルバム:Meteora)
- 3 3位「Faint」(アルバム:Meteora)
- 4 4位「Papercut」(アルバム:Hybrid Theory)
- 5 5位「Good Goodbye (featuring Pusha T and Stormzy)」(アルバム:One More Light)
- 6 6位「Numb」(アルバム:Meteora)
- 7 7位「Bleed It Out」(アルバム:Minutes to Midnight)
- 8 8位「Invisible」(アルバム:One More Light)
- 9 9位「Blackout」(アルバム:A Thousand Suns)
- 10 10位「Numb/Encore」(アルバム:Collision Course)
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1位「In the End」(アルバム:Hybrid Theory)
■曲名:In the End
■曲名邦題:イン・ジ・エンド
■アルバム名:Hybrid Theory
■アルバム名邦題:ハイブリッド・セオリー
■動画リンク:「In the End」
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世界に衝撃を与えたファーストアルバムからの選曲です。
彼らがデビューした頃、ミクスチャー・ロックでは既に先行する偉大なバンドが沢山ありました。
新しいバンドの椅子が残っているのだろうかという時、彼らが登場しました。
しかしこのバンドは後発にもかかわらず、いきなりビッグ・セールスを記録しました。
彼らが衝撃だったのは、楽曲の出来の良さ、そしてツインボーカルが自然に融合していることでした。
それを世界に印象付けたのがこの曲です。
まずイントロのピアノに導かれて、チェスター・ベニントン(Chester Bennington)のボーカルが始まります。
それに絡むマイク・シノダ(Mike Shinoda)のラップのなんとすばらしいこと!
私は当時、その融合の完成度の高さに驚きました。
ミクスチャー・ロックにおけるラスボスみたいな曲だったかもしれません。
2位「Breaking The Habit」(アルバム:Meteora)
■曲名:Breaking The Habit
■曲名邦題:ブレイキング・ザ・ハビット
■アルバム名:Meteora
■アルバム名邦題:メテオラ
■動画リンク:「Breaking The Habit」
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セカンドアルバムからの選曲です。
セカンドアルバムはファーストアルバムの路線を踏襲しながら、音楽性に幅が出てきました。
ファーストアルバムでは激しい面が強調されていましたが、このアルバムではラウド一辺倒ではない音楽的な成熟が見られます。
このアルバムではアレンジや楽曲の幅がより多彩になりました。
それを代表するのがこの曲です。
そうした変化をうかがわせる部分があります。
歌詞に「なぜ叫ばなければいけないのか分からない」という箇所がありますが、確かにこの曲はシャウトに頼った曲ではありません。
それにも関わらず最高の曲です。
ちなみに曲名の「Breaking The Habit」とは「習慣をぶち壊す」という意味です。
その後彼らはどんどん変わっていきますが、その予兆みたいなものを感じさせてくれる曲です。
ちなみにこの曲のプロモーションビデオは、とても高品質なアニメ作品です。
見ごたえがあるので、曲を知っている方もぜひご覧になってみてください。
3位「Faint」(アルバム:Meteora)
■曲名:Faint
■曲名邦題:フェイント
■アルバム名:Meteora
■アルバム名邦題:メテオラ
■動画リンク:「Faint」
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この曲はイントロのカッコよさは、彼らの楽曲の中でも屈指の出来です。
まずストリングスから始まり、その後始まるドラムのカッコよさといったらもう言葉がありません。
その後ドライブするギターが始まると、リスナーは熱狂の渦に叩き込まれてしまいます。
マイク・シノダのラップが始まってからも、ストリングスがループで使われていますが、そこも本当にすばらしい。
その後チェスターの全力のシャウト。
こんな後先考えないシャウトでいいのかと思ってしまいます。
後で触れますが彼は心に傷を抱えていて、それゆえか彼のシャウトはまっすぐに響いてきます。
私は彼のシャウトに癒しを感じます。
4位「Papercut」(アルバム:Hybrid Theory)
■曲名:Papercut
■曲名邦題:ペイパーカット
■アルバム名:Hybrid Theory
■アルバム名邦題:ハイブリッド・セオリー
■動画リンク:「Papercut」
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今回彼らをご紹介するにあたって、改めてチャートを調べてみました。
基本的にアルバムは1位ばかりですが、シングルチャートでは意外と順位が上がっていません。
私も彼らはアルバム単位で聞きますし、どの曲がシングルかはあまり考えて聞いていません。
特に最初の2枚は名曲だらけなので、シングルを買う意味が分からないと思ってしまいます。
そう考えている人が多いせいか「In the End」以外のシングルがほぼ不発なのに、このアルバムは全世界で3000万枚も売れました。
ちなみにこのアルバムは2000年に発売されたにも関わらず、2001年に世界で一番売れたアルバムとなり、2002年にも年間売上5位を記録しています。
その間シングルが次々とリリースされていました。
ただシングルがそれほどヒットしていないことから考えると、シングルなんか買っていられない、アルバムでどっぷり浸ってやるぜという感じではないでしょうか。
そんなアルバムの1曲目がこれです。
まあこんな曲が1曲目だったら、アルバムを買った方が手っ取り早いと思うのも当然かもしれません。
5位「Good Goodbye (featuring Pusha T and Stormzy)」(アルバム:One More Light)
■曲名:Good Goodbye (featuring Pusha T and Stormzy)
■曲名邦題:グッド・グッドバイ
■アルバム名:One More Light
■アルバム名邦題:ワン・モア・ライト
■動画リンク:「Good Goodbye (featuring Pusha T and Stormzy)」
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いきなり曲調が変わります。
この曲は2017年の作品からの選曲です。今の時点では最新作ということになります。
彼らは最初に2枚でモンスターアルバムを出した後、様々な試行錯誤をしています。
私はその時期のアルバムも決して悪い出来だと思いませんが、同時に傑作とは言い難いと感じています。
正直なところ、もう初期のような傑作は無理ではないかと思っていました。
しかし彼らはまさかの復活を遂げました。
はっきり言ってこのアルバムは、最初の2枚に匹敵する出来です。
個々の楽曲の出来は最初の2枚の方が上ですが、アルバムトータルで聞くと、このアルバムのすばらしさにうなります。
ちなみに今回のランキングでは2曲しか選曲していませんが、このアルバムは全曲がこのレベルの曲ばかりです。
過去の作品の影を違う音楽性で振り払った、バンドの底力を感じさせてくれる作品です。
6位「Numb」(アルバム:Meteora)
■曲名:Numb
■曲名邦題:ナム
■アルバム名:Meteora
■アルバム名邦題:メテオラ
■動画リンク:「Numb」
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このアルバムの中でも最大のヒット曲です。
ちなみにアルバム名の「Meteora」とは、ギリシャにある大きな岩の上に建てられた修道院のことです。
たまたま旅行雑誌で特集されていたのを見つけて、そのイメージでこのアルバムをつくりあげたそうです。
参考にまで、彼らをインスパイアーした修道院の写真を掲載しておきましょう。
曲名の「Numb」とは、心がマヒしてもう何も感じない状態のことです。
この曲の歌詞では、自分に価値を感じることができない男性の心象風景が歌われています。
自己肯定感を得られず、もう何も感じることができない。おそらく俺は失敗するだろうと歌われています。
先程の写真はとても美しいですが、一方でギリギリの場所での生活は、常に恐怖と隣り合わせかもしれません。
この曲もまたギリギリのところで生まれたような美しい音楽だと思います。
7位「Bleed It Out」(アルバム:Minutes to Midnight)
■曲名:Bleed It Out
■曲名邦題:ブリード・イット・アウト
■アルバム名:Minutes to Midnight
■アルバム名邦題:ミニッツ・トゥ・ミッドナイト
■動画リンク:「Bleed It Out」
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彼らはこのサードアルバムで音楽性が変わりました。
私なりの言い方をすれば「普通のロック」っぽっくなったように思います。
最初に2枚はミクスチャー・ロックですが、このアルバムはそれほどミクスチャーではありません。
この後彼らは「ア・サウザンド・サンズ(A Thousand Suns)」「リヴィング・シングス(Living Things)」「ザ・ハンティング・パーティー(The Hunting Party)」あたりで、様々な音楽を試していました。
ハードではないHIPHOP系、エレクトロ色が強い曲、叙情的なバラード、そしてこの曲のようなストレートなロックっぽい曲など、バラエティに富んでいます。
こうした試行錯誤期の彼らを楽しむコツは、過去と比較せず、純粋に曲を楽しむことかもしれません。
この曲は初期の曲と比べるとシンプル過ぎるかもしれませんが、実に爽快なバーストナンバーだと思います。
8位「Invisible」(アルバム:One More Light)
■曲名:Invisible
■曲名邦題:インヴィジブル
■アルバム名:One More Light
■アルバム名邦題:ワン・モア・ライト
■動画リンク:「Invisible」
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現時点でのラストアルバムからの選曲です。
先程申し上げたように、このアルバムでは少し路線が変わっています。
まさかのバラード中心ですが、これが本当にすばらしい出来です。
しかしこの歌をもう聞くことができません。
このアルバムの後、ボーカルのチェスター・ベニントンが、自らの手で命を絶ってしまったからです。
彼はこのバンドの創立時のメンバーではなく、オーデションに合格して加入しました。
ちなみに他のオーデション参加者は、チェスターの歌を聞いて、彼には適わないと帰ってしまったそうです。
チェスターの歌に焦点が当てられたこのアルバムでは、そのすばらしいボーカルをたっぷり堪能することができます。
しかしその才能にもかかわらず、チェスターは常にトラウマに苦しんできました。
彼は貧しく不安定な家庭環境に育ち、性的虐待を受けいじめを受けるという、辛い過去を背負っていました。
彼らの名前を広く知らしめた「In the End」では、彼の心の内が垣間見える箇所があります。
その曲の歌詞では彼はこう歌っています。
俺はがんばってきたけれど、もうどうでもいいと感じ始めている。しかし俺は必死にがんばってきた。そのことを忘れないでくれ。
その一方でチェスターは難航を極めたファーストアルバムのレコーディングの間中ずっと、他のメンバーを励ましていたそうです。
彼の残した音楽はこれからも聴き継がれていくでしょう。
彼の歌の後に続くピアノの美しさには、心打たれる響きがあります。
9位「Blackout」(アルバム:A Thousand Suns)
■曲名:Blackout
■曲名邦題:ブラックアウト
■アルバム名:A Thousand Suns
■アルバム名邦題:ア・サウザンド・サンズ
■動画リンク:「Blackout」
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4枚目のアルバムからの選曲です。
このアルバムは、最初の2曲がインタールード風で正式な曲ではありません。
3曲目からようやく普通の曲が始まると、また短いインストが始まります。
このアルバムは一般にあまり評価が高くありませんが、不評の原因はそういうところにもあるかもしれません。
このアルバムはスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)でいえば、アドア(Adore)みたいなアルバムです。
つまりハードな側面が抑え気味で、少しポップでエレクトロな側面のあるアルバムです。
スマパンと違うのはHIPHOP的なところですが、このアルバムでは若干スリルが欠けているように感じられます。
とはいっても個々の曲は決して悪い出来ではありません。
その中でこの曲は特にすばらしいです。
ちょっともったいぶったイントロから、その後マイクシノダのラップが始まり、その後チェスターのシャウトが爆発しています。
こころなしか初期の曲より少し音圧が軽めかもしれません。
ピアノの響きを含めて少しダークな中で、チェスターのシャウトが映える名曲です
10位「Numb/Encore」(アルバム:Collision Course)
■曲名:Numb/Encore
■曲名邦題:ナム/アンコール
■アルバム名:Collision Course
■アルバム名邦題:コリジョン・コース
■動画リンク:「Numb/Encore」
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先程取り上げた「Numb」のバージョン違いです。
こちらではジェイ・Z(Jay-Z)のラップが大きくフィーチャーされていますが、そのためオリジナルとはかなり印象が異なります。
ジェイ・Zの存在感が大きすぎて、ランキングに入れるか迷いましたが、単純に楽しい曲だと思い取り上げてみました。
しかしあえて言わせてもらえば、やはりオリジナルのバージョンの方がすばらしいです。
ジェイ・Zも健闘しているとは思いますが、このバンドではチェスター・ベニントンに適わないのは仕方ありません。
ただどちらの出来も良いので、同じ曲で二度楽しめます。
精神的に重くなる曲が続いたので、最後に少し心を軽くしていただければと思います。
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