今回はエルトン・ジョンのランキングを作成しました。
彼はエヴァーグリーンな曲を書ける人です。
特に1970年代の彼は、時を超えて聞き継がれる名曲をいくつも残しました。
この記事ではバーニー・トーピン(Bernie Taupin)とコンビを組んでいた全盛期の曲を取り上げました。
- 1 1位「Goodbye Yellow Brick Road」(アルバム:Goodbye Yellow Brick Road)
- 2 2位「Your Song」(アルバム:Elton John)
- 3 3位「Someone Saved My Life Tonight」(アルバム:Captain Fantastic & the Brown Dirt Cowboy)
- 4 4位「Crocodile Rock」(アルバム:Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player)
- 5 5位「Bennie and the Jets」(アルバム:Goodbye Yellow Brick Road)
- 6 6位「Are you ready for love」(アルバム:The Complete Thom Bell Sessions)
- 7 7位「Daniel」(アルバム:Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player)
- 8 8位「Rocket Man」(アルバム:Honky Chateau)
- 9 9位「Part-Time Love」(アルバム:A Single Man)
- 10 10位「Don’t Let the Sun Go Down on Me」(アルバム:Caribou)
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1位「Goodbye Yellow Brick Road」(アルバム:Goodbye Yellow Brick Road)
■曲名:Goodbye Yellow Brick Road
■曲名邦題:グッバイ・イエロー・ブリック・ロード
■アルバム名:Goodbye Yellow Brick Road(1973年)
■アルバム名邦題:黄昏のレンガ路
■動画リンク:「Goodbye Yellow Brick Road」
曲名の「黄色いレンガの道」とは「都会の道」のこと。
その道を歩いていけば、やがて成功や富が手に入るとされています。
その言葉は、小説や映画で有名な「オズの魔法使い(The Wonderful Wizard of Oz)」に由来しています。
この曲の主人公は、都会から離れて本来の自分に戻れる田舎に帰りたいようですね。
ジャケットを見ると、がれきの向こうに豊かな田園風景が広がっています。
当時エルトンは人気の絶頂期にありました。
アルバムやシングルを出せば、大ヒットは約束されたようなもの。
この曲の歌詞は、エルトンの作詞パートナーであるバーニー・トーピンが、エルトンに忠告した内容だと言われています。
つまり「お前は成功のために音楽をやっているのか。そうでないなら一度原点に戻ってみてはどうだだろう」と。
ちなみにバーニーは電気が通っていない田舎の出身で、エルトンとは17歳の頃からの友達です。
エルトンはその意を汲んだようで、この曲名をアルバム・タイトルにしました。
2位「Your Song」(アルバム:Elton John)
■曲名:Your Song
■曲名邦題:僕の歌は君の歌
■アルバム名:Elton John(1970年)
■アルバム名邦題:僕の歌は君の歌
■動画リンク:「Your Song」
彼がスターの仲間入りをしたのは、このセカンド・アルバムからです。
プロデューサーのガス・ダッジョン(Gus Dudgeon)、作詞パートナーのバーニーから成る鉄壁の布陣による最初のヒット曲です。
発売時は「パイロットにつれていって(Take Me to the Pilot)」がA面で「Your Song」はB面曲でした。
聞き比べられるよう、A面のリンクを貼っておきましょう。
Elton John – Take Me To The Pilot
当時はラジオが大きな影響力を持っていて、アーティストはDJに好まれそうな曲をシングルカットしていました。
そのあたり様子は、クイーン(Queen)の大ヒット映画「ボヘミアン・ラプソディ(Bohemian Rhapsody)」でも描かれていましたね。
ところがこのシングルを聞いたラジオDJは、B面の「Your Song」ばかりを放送したそうです。
そのせいか今では「Your Song」の方がA面扱いになりました。
3位「Someone Saved My Life Tonight」(アルバム:Captain Fantastic & the Brown Dirt Cowboy)
■曲名:Someone Saved My Life Tonight
■曲名邦題:僕を救ったプリマドンナ
■アルバム名:Captain Fantastic & the Brown Dirt Cowboy(1975年)
■アルバム名邦題:キャプテン・ファンタスティック
■動画リンク:「Someone Saved My Life Tonight」
デビュー当時エルトンには女性の婚約者がいました。
しかし彼は結婚に消極的だったようです。
そんなある日彼が友人のロング・ジョン・ボルドリー(Long John Baldry)に悩みを打ち明けたところ、結婚を止めた方がいいとアドバイスされたそうです。
ちなみにエルトン・ジョンという名前は芸名ですので、本名ではありません。
「エルトン」は、後にソフト・マシーン(Soft Machine)で活躍したエルトン・ディーン(Elton Dean)から、「ジョン」はロング・ジョン・ボルドリーから取られています。
エルトンはそのアドバイスを受けて、婚約を破棄することにしました。
この曲名を直訳すると「今夜誰かが僕の人生を救った」です。
婚約者の女性はお気の毒と思いますが、当時エルトンは自殺を考えるほど悩んでいたそうですから、仕方なかったようにも思います。
4位「Crocodile Rock」(アルバム:Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player)
■曲名:Crocodile Rock
■曲名邦題:クロコダイル・ロック
■アルバム名:Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player(1973年)
■アルバム名邦題:ピアニストを撃つな!
■動画リンク:「Crocodile Rock」
ピアノマンとしての面目躍如たる曲です。
曲名を直訳すると「ワニ・ロック」。
初めて聞いた思春期の頃の私は、この曲について少し気恥ずかしく感じていました。
ただ心の片隅では良い曲だと気付いていましたが(笑)
さてこの曲は、主人公が「Crocodile Rock」という架空のヒット・ソング懐かしく思い出すという設定の曲です。
若い頃は「Crocodile Rock」を聞いて、彼女がドレスを着ていれば、最高の金曜日の夜になったものだと。
つまりこの曲ではそのヒット曲と同じ曲名にして、架空のヒット曲を実在の曲にしたのですね。
そういう凝った設定がおもしろいです。
5位「Bennie and the Jets」(アルバム:Goodbye Yellow Brick Road)
■曲名:Bennie and the Jets
■曲名邦題:ベニーとジェッツ (やつらの演奏は最高)
■アルバム名:Goodbye Yellow Brick Road(1973年)
■アルバム名邦題:黄昏のレンガ路
■動画リンク:「Bennie and the Jets」
このアルバムは2枚組にもかかわらず曲の質が高く、彼の最高傑作と言われています。
他にも「Saturday Night’s Alright for Fighting」と「風の中の火のように(Candle in the Wind)」が収録されていますし。
その2曲はリンクだけ貼っておきましょう。
Elton John – Saturday Night’s Alright (For Fighting)
Elton John- Candle In The Wind
今回はそれらの曲を差し置いて、洗練されたこの曲を選んでみました。
彼にしては少々異色の曲かもしれません。
実際この曲は他とは違う評価をされていて、エルトンにとって初めてソウル・チャートのトップ40入りしました。
少しベニー・シングス(Benny Sings)を思わせる曲かもしれません。
6位「Are you ready for love」(アルバム:The Complete Thom Bell Sessions)
■曲名:Are you ready for love
■曲名邦題:恋にご用心
■アルバム名:The Complete Thom Bell Sessions(1989年)
■アルバム名邦題:コンプリート・トム・ベル・セッションズ
■動画リンク:「Are you ready for love」
この時期エルトンは音楽業界に疲弊していて、ほぼ引退に近い状態でした。
曲は制作していましたが、完成までこぎつけられませんでした。
そこで行き場の失った曲を、当時破竹の勢いだったトム・ベル(Thom Bell)に依頼して完成させたのが、この6曲入りミニ・アルバムです。
もう1曲ご紹介しましょう。
Elton John – Country Love Song
エルトン作品のクレジットに、トム・ベルやM.F.S.B.などの名前があるとは、いささか不思議な感じがしますね。
ちなみにこの曲は後にクラブでヒットし、30年近く経過して1位を記録しています。
古くからのリスナーはピンとこないかもしれませんが、現在この曲は彼の代表曲の1つです。
7位「Daniel」(アルバム:Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player)
■曲名:Daniel
■曲名邦題:ダニエル
■アルバム名:Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player(1973年)
■アルバム名邦題:ピアニストを撃つな!
■動画リンク:「Daniel」
この曲は歌詞に注目です。
この曲の主人公が慕う兄は、ベトナム戦争で視力を失ってしまいました。
戦争から帰還した兄は英雄扱いされ、弟は自慢の兄だと尊敬しています。
しかし兄はそうした喧噪を避けるかのように自国を去り、今スペインに旅立とうとしています。
おそらく戦争の悲惨さを訴えた歌詞だと思われますが、直接的な表現は使われていません。
兄がいなくなることを寂しがる弟の視点から描写することによって、間接的にそのメッセージを伝えています。
「僕にとってあなたは、今も大空に輝く星のような存在だよ」という弟の言葉が、なんとも切なく響きますね。
バーニー・トーピンの歌詞はエルトンの音楽において、とても重要な役割をはたしていました。
この曲などは歌詞というよりも短編小説に近いかもしれません。
その歌詞にふさわしいメロディを提供したエルトンもさすがです。
8位「Rocket Man」(アルバム:Honky Chateau)
■曲名:Rocket Man
■曲名邦題:ロケット・マン
■アルバム名:Honky Chateau(1972年)
■アルバム名邦題:ホンキー・シャトー
■動画リンク:「Rocket Man」
この曲の主人公は、家族から離れて寂しい思いをしている宇宙飛行士。
彼は宇宙飛行士としての名声よりも、1人の家庭人、父親としての幸せを望んでいるようです。
バーニーの歌詞を読むと、ある種の価値観やメッセージを感じることがあります。
それは「いくら成功したり名声を得たとしも、本来の自分らしくあることが大切だ」というもの。
そしてその価値観は、エルトンも共有していると思われます。
そうでなければ長年パートナーシップを結びません。
思いを共有するシンガー兼作曲家と作詞家の出会いが、全盛期のエルトン・マジックを生みました。
ちなみにエルトンは同性愛者だということは有名な話です。
念の為申し上げると、バーニーの恋愛対象は女性だけなので、2人はそういう関係ではありません。
9位「Part-Time Love」(アルバム:A Single Man)
■曲名:Part-Time Love
■曲名邦題:パート・タイム・ラヴ
■アルバム名:A Single Man(1978年)
■アルバム名邦題:シングル・マン
■動画リンク:「Part-Time Love」
このアルバムの前、エルトンに大きな変化がありました。
全盛期を支えたガス・ダッジョンとバーニー・トゥピンが、エルトンの元から離れています。
このアルバムの前にエルトンは引退宣言しました。
その後活動を再開したこのアルバム・ジャケットでは、トレードマークの派手サングラスはなく素の姿をさらしています。
髪の薄さを隠すためと揶揄された帽子を被り、見晴らしの良い場所にポツンと1人たたずむエルトン。
ジャケットに書かれている文字は「独身男 エルトン・ジョン」
この捨て身の自虐的なセンスは、いかにも英国的ではないでしょうか。
プロデュースは、エルトン自身とクライヴ・フランクス(Clive Franks)です。
作詞はゲイリー・オズボーン(Gary Osborne)と組んでいますが、やはりバーニーとは比べるべくもありません。
10位「Don’t Let the Sun Go Down on Me」(アルバム:Caribou)
■曲名:Don’t Let the Sun Go Down on Me
■曲名邦題:僕の瞳に小さな太陽
■アルバム名:Caribou(1974年)
■アルバム名邦題:カリブ
■動画リンク:「Don’t Let the Sun Go Down on Me」
私は若い頃この曲の良さが分かりませんでした。
ただ長くて地味な曲だと感じていて、このアルバムも全盛期の中で一段落ちるように感じました。
しかし今回先入観を排除して聞き返したところ、初めて良さが理解できたように思います。
この曲はジワる曲なのですね。
とかく若い頃は即効性のある曲に飛びつきがちかもしれません。
一方この曲はピークまでがとても長く、曲が盛り上がりを見せるのは2分過ぎから。
長い年月が経過した今、ようやく私もこの曲の良さを理解できるようになりました。
しかしそれと引き換えに、自分が若くなくなったという事実を突きつけられているような気もしますが。
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