今回はコーンのランキングを作成しました。
彼らほど強烈なインパクトを与えるバンドは、極めて稀かもしれません。
時に攻撃性の矛先は、自分の内側に向かうこともあります。
ラストの曲は、ロックの歴史で最も感情を揺さぶる曲の1つだと思います。
心に深刻な傷を負った人は、ここまで振り切らなければいけないのかと感じさせる曲です。
- 1 1位「Twist」(アルバム:Life Is Peachy)
- 2 2位「Chi」(アルバム:Life Is Peachy)
- 3 3位「Blind」(アルバム:Korn)
- 4 4位「Play Me」(アルバム:Take A Look In The Mirror)
- 5 5位「Here to Stay」(アルバム:Untouchables)
- 6 6位「Falling Away from Me」(アルバム:Issues)
- 7 7位「Right Now」(アルバム:Take A Look In The Mirror)
- 8 8位「Reclaim My Place」(アルバム:Follow The Leader)
- 9 9位「Got the Life」(アルバム:Follow The Leader)
- 10 10位「Daddy」(アルバム:Korn)
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1位「Twist」(アルバム:Life Is Peachy)

■曲名:Twist
■曲名邦題:ツイスト
■アルバム名:Life Is Peachy(1996年)
■アルバム名邦題:ライフ・イズ・ピーチィ
■動画リンク:「Twist」
いつも1位にする曲は、万人受けする曲を選ぶようにしています。
わざわざ訪問してくれたリスナーを限定したくありませんから。
ただこのバンドは普通のバンドとは違って、ある種の適性が問われるような気がします。
適性がない場合は好きになれないというより、生理的に無理と感じるかもしれません。
後でご紹介するバンド名の由来を知ると尚更。
一方適性があった場合は人生の必需品みたいな音楽になる、そういう類の極端な音楽です。
この曲はその踏み絵代わりとしてご用意させていただきました。
アルバムの冒頭を飾る49秒という短い曲です。
もっと聞いてみたいと思った方だけ、2曲目以降にお進みください。
2位「Chi」(アルバム:Life Is Peachy)

■曲名:Chi
■曲名邦題:カイ
■アルバム名:Life Is Peachy(1996年)
■アルバム名邦題:ライフ・イズ・ピーチィ
■動画リンク:「Chi」
アルバム名は「Life Is Peachy」つまり「人生は桃色」という意味です。
この音楽のどこが「桃色」なのかと思わないでもありません。
おそらく何かの悪ふざけだと思われます。
ちなみにこの曲「Chi」はこういう逸話を持った曲です。
2トラック目の “Chi” はデフトーンズの元ベーシストである故Chi Cheng(チ・チェン)のファーストネームに由来するものであり、当初彼はこの曲を「レゲエだ」と評したので、遊びの意味合いも込めてこのタイトルになった。
他にも女性器の言葉を伏字にした曲名もありますし。
初期の彼らは悪ふざけと悪趣味に彩られていました。
そういえばアルバム・ジャケットも不穏な感じがしますね。
3位「Blind」(アルバム:Korn)

■曲名:Blind
■曲名邦題:ブラインド
■アルバム名:Korn(1994年)
■アルバム名邦題:コーン
■動画リンク:「Blind」
ファースト・アルバムの曲です。
彼らは元々L.A.P.D.というバンド名で結成されました。
その後Creepというバンド名に変わり、更にメンバー・チェンジを経た後、今のバンド名でデビューしています。
ちなみにコーンというバンド名には、以下のような由来があります。
バンド名はトウモロコシの英称 “Corn” に由来し、「とあるゲイのカップルが、お互いの局部を愛撫し合っているときに一方が脱糞し、もう一方の口にコーン入りの大便をぶちまけた」という話を知っている人間に対し「コーン!!」と言うと気分を害したのでこの名前にした。
そもそも自分のバンドに、そんな名前を付けたいものでしょうか。
バンド名の由来を知ると、ある種あきらめが付くというか、聞く側も覚悟が決まります。
またこの曲は「Blind」つまり「盲目」という名前の曲です。
この曲の主人公は危険な状態に置かれていますが、周囲の人は誰も気付いていません。
終いには自分も盲目みたいだと歌っています。
彼らの音楽は攻撃的ですが、その攻撃性は外側以上に内側に向かっているように思います。
4位「Play Me」(アルバム:Take A Look In The Mirror)

■アーティスト名:Korn (featuring Nas)
■アーティスト名カナ:コーン (フィーチャリング Nas)
■曲名:Play Me(2003年)
■曲名邦題:プレイ・ミー
■アルバム名:Take A Look In The Mirror
■アルバム名邦題:テイク・ア・ルック・イン・ザ・ミラー
■動画リンク:「Play Me」
この曲はNasと共演しています。
彼らにはHIPHOPの曲がありますが、メンバーにはラッパーもターンテーブリストもいません。
基本的には普通のロック・バンドの編成です。
そこで時々アイス・キューブ(Ice Cube)などに客演を要請しています。
しかしこの曲ではNasがカッコよすぎますね。
ゴリゴリしたギターのリフを背負って、圧巻のパフォーマンスを披露しています。
彼らはヘヴィー・メタルと言われることもありますが、私はラウド・ロックという言葉の方がしっくりきます。
ラウド・ロックはメタルと違って、HIPHOPと相性の良いバンドが多いですから。
この曲はモダンなヘヴィーネスを備えた名曲だと思います。
5位「Here to Stay」(アルバム:Untouchables)

■曲名:Here to Stay
■曲名邦題:ヒア・トゥ・ステイ
■アルバム名:Untouchables(2002年)
■アルバム名邦題:アンタッチャブルズ
■動画リンク:「Here to Stay」
彼らは音楽の振れ幅が大きいバンドです。
ファンは新作がリリースされる度、期待と不安を抱えながらCDを手に取ることになります。
私は正直このアルバムは好みではありません。
ここで私の立ち位置をはっきりさせておきましょう。
私は初期のコーン派で、ポップな曲は好みではありません。
私は彼らの音楽について、音楽というより音圧を聞きたい人です。
このアルバムも普通のバンドと比べると充分質は高いですが、このバンドにはどうしても期待してしまいます。
このアルバムでは、以下の曲も大好きです。
このアルバムは、この2曲で元がとれたと思いました。
6位「Falling Away from Me」(アルバム:Issues)

■曲名:Falling Away from Me
■曲名邦題:フォーリング・アウェイ・フロム・ミー
■アルバム名:Issues(1999年)
■アルバム名邦題:イシューズ
■動画リンク:「Falling Away from Me」
この曲は音圧でゴリゴリと押すだけではない、ミステリアスな雰囲気を持った曲です。
私は基本的にポップな曲が好きです。
ただ上質な激辛料理に砂糖をぶち込むような甘さは求めていません。
この曲のように甘さではなく、味付けで工夫してくれるのは大歓迎ですが。
このアルバムは全体的にダークな魅力があって、バンドがいい感じに成熟してきたように思います。
突出した曲こそ少ないのですが、アルバムを通して聞いた時充実感が残ります。
初期2枚では、プロデューサーのロス・ロビンソン(Ross Robinson)が良い仕事をしていました。
一方路線変更したこのアルバムは、ブレンダン・オブライエン(Brendan O’Brien)がプロデュースしています。
ギターの音圧に頼らない新たな魅力を発見した点では、大成功だと思います。
7位「Right Now」(アルバム:Take A Look In The Mirror)

■曲名:Right Now
■曲名邦題:ライト・ナウ
■アルバム名:Take A Look In The Mirror(2003年)
■アルバム名邦題:テイク・ア・ルック・イン・ザ・ミラー
■動画リンク:「Right Now」
彼らの最高傑作は、最初の4枚の内のどれかだと言われてます。
私は最初の2枚が特に好みです。
しかし3枚目と4枚目が最高傑作という人がいても何ら不思議はありません。
「Untouchables」は少し落ちるかもしれませんが、この6枚目では再びハードなサウンドを引っさげて戻ってきました。
私はこの作品を、最初の2枚と並んで最高傑作の候補に挙げたいと思います。
他にもシングルカットされた、以下の曲もすばらしいですし。
私はヘッド(Head)を中心としたギター・サウンドが好きです。
ヘッド脱退後の「See You On The Other Side」や「Untitled」は、正直あまり聞く気になりません。
8位「Reclaim My Place」(アルバム:Follow The Leader)

■曲名:Reclaim My Place
■曲名邦題:リクレイム・マイ・プレイス
■アルバム名:Follow The Leader(1998年)
■アルバム名邦題:フォロー・ザ・リーダー
■動画リンク:「Reclaim My Place」
このサード・アルバムの頃、彼らは既に大御所のような存在感がありました。
他のバンドやシーンに与える影響が大きく、新作が出るとすぐに買わなければと感じさせるバンドでした。
このアルバム名には、以下のような意味が込められています。
アルバム名の意味は「リーダーに続け」。
Kornのまね事をするフォロワー・バンドたちに嫌気がさしたバンドが、作風を変えつつこのようなタイトルや、アルバムアートワークに描かれる「少女が崖に飛び出す」というイラストを描くことで、「危険な自分たちの賭けにお前たちフォロワーはついて来られるか?」といった挑発と、嫌味を表現することとした。
過激な表面だけを真似ても意味がないと言いたいのでしょう。
実際彼らはアルバム毎にスタイルを変えていて、ある意味毎回博打をしています。
その冒険的な姿勢は、トッド・マクファーレンが書いたアルバム・ジャケットがよく表しています。
このアルバムは前2作と打って変わって、ハード/ラウド一辺倒のサウンドから脱皮しました。
ハード色こそ減退しましたが、音楽性の幅を広げつつもスリルは維持しています。
9位「Got the Life」(アルバム:Follow The Leader)

■曲名:Got the Life
■曲名邦題:ガット・ザ・ライフ
■アルバム名:Follow The Leader(1998年)
■アルバム名邦題:フォロー・ザ・リーダー
■動画リンク:「Got the Life」
このバンドで1、2争う有名曲です。
彼らにしてはメジャーでポップ路線の曲ですが、これがなかなか良い仕上がりです。
初期2作のアルバムは、負のオーラに満ち満ちていました。
しかしこの曲では少し様子が変わったようです。
主人公は「人生を手に入れた(Got the Life)」と繰り返し歌っています。
このバンドの中心人物は、ボーカルのジョナサン・デイヴィス(Jonathan Davis)。
過去の呪われた記憶にさいなまれてきた男です。
その彼が音楽で成功を収め、自分の人生を手に入れたようですね。
10位「Daddy」(アルバム:Korn)

■曲名:Daddy
■曲名邦題:ダディ
■アルバム名:Korn(1994年)
■アルバム名邦題:コーン
■動画リンク:「Daddy」
この曲でジョナサンは、子供の時にレイプされた経験を語っています。
彼は小児性愛の男の餌食にされたようです。
彼はそのことを両親に打ち明けましたが、両親は真剣に取り合ってくれませんでした。
その時の怒りと悲しみは心の傷として深く刻まれ、その後の彼の人生に大きな影を落としました。
この曲の後半でジョナサンは、実際に泣き叫んでいます。
アルバムのラストを飾る曲 “Daddy” は性的虐待などに関するジョナサン自身の家族問題について綴った曲。
バンド結成20周年を記念する1stアルバム再現ツアーまで、ジョナサンの精神的負担を考慮して過去ライブで3回しか演奏されていなかった。
その時ジョナサンが演奏中泣き崩れてしまいまともに歌えなかったため、いずれも完奏せずに終わっている。
人前で泣き叫ぶことについて、いかがなものかと思う方もいるかもしれません。
しかし私は思います、どうしようもない時は泣いたり叫べばいいと。
なりふりかまわず癒されなければいけない時があるものです。
もし毒を吐き出すことができなかったら、毒はそのまま残ってしまい、蓄積すると致命傷になってしまうかもしれません。
彼らの音楽は毒を含んでいますが、時に毒を癒すのもまた毒。
そして誰かが癒される瞬間に立ち会うことで、聞いているこちら側が癒されることもあると思います。
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