今回はオレンジ・ジュースのランキングを作成しました。
彼らはネオアコのバンドとして知られています。
しかし彼らの魅力はそれだけではありません。
ネオアコ特有のキラキラ感とソウルの味わい深さを合わせ持ったバンドです。
- 1 1位「Tender Object」(アルバム:You Can’t Hide Your Love Forever)
- 2 2位「Dying Day」(アルバム:You Can’t Hide Your Love Forever)
- 3 3位「L.O.V.E. Love」(アルバム:You Can’t Hide Your Love Forever)
- 4 4位「Craziest Feeling」(アルバム:Texas Feve)
- 5 5位「Falling and Laughing」(アルバム:You Can’t Hide Your Love Forever)
- 6 6位「Flesh Of My Flesh」(アルバム:Rip It Up)
- 7 7位「Poor Old Soul (Part 2)」(アルバム:The Glasgow School)
- 8 8位「Lean Period」(アルバム:The Orange Juice)
- 9 9位「A Place in My Heart」(アルバム:Texas Feve)
- 10 10位「Rip It Up」(アルバム:Rip It Up)
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1位「Tender Object」(アルバム:You Can’t Hide Your Love Forever)
■曲名:Tender Object
■曲名邦題:テンダー・オブジェクト
■アルバム名:You Can’t Hide Your Love Forever
■アルバム名邦題:ユー・キャント・ハイド・ユア・ラヴ・フォーエヴァー
■動画リンク:「Tender Object」
このアルバムは私にとって神棚盤です。
普段は崇め奉るばかりで聞きませんし、聞く時は相応の理由が必要です。
ネオアコには名盤の類が少なくないとはいえ、このアルバムに比肩しうるのは、アズテック・カメラ(Aztec Camera)の「ハイ・ランド、ハード・レイン(High Land, Hard Rain)」ぐらいかもしれません。
中でも最も私が好きなのはこの曲。
特にこの曲から始まる3曲の流れがすばらしすぎます。
この記事では1位からその3曲を順番に並べてみました。
きっとアーティストは、様々なことを考えて曲の並び順を考えているはず。
実際この3曲の順番に私は必然性を感じます。
ベスト盤が物足りないと感じる原因は、曲の並び順が味気ないことにもあるように思います。
2位「Dying Day」(アルバム:You Can’t Hide Your Love Forever)
■曲名:Dying Day
■曲名邦題:ダイイング・デイ
■アルバム名:You Can’t Hide Your Love Forever
■アルバム名邦題:ユー・キャント・ハイド・ユア・ラヴ・フォーエヴァー
■動画リンク:「Dying Day」
先程の話の続きです。
私は一部の例外を除いてメドレー形式の曲が好きではありません。
長いメドレーになると、どうしても好きな箇所が決まってきます。
しかしメドレーの途中の1曲を聞きたくても、そこだけ頭出しして聞くのがなかなか難しい。
苦手なのは、そんな理由だったりします。
ただその一方で個々に独立した曲であっても、この並びはすごいと感じることも。
たとえば他の例では、ザ・ヴァーヴ (The Verve)の「ビター・スウィート・シンフォニー(Bitter Sweet Symphony)」から「ソネット(Sonnet)」への流れも大好きです。
どうやら私はある曲の終わりが印象的な場合、その高揚感が損なわれないまま穏やかに引き継がれる展開が好きなようです。
良いエンディングで高揚した余韻にひたっていたら、次にはまた違うタイプで、しかも極上の曲でたたみかけてくることの幸せ。
メドレーが苦手な私でも、この3曲をメドレーのように聞いています。
3位「L.O.V.E. Love」(アルバム:You Can’t Hide Your Love Forever)
■曲名:L.O.V.E. Love
■曲名邦題:L.O.V.E.(ラヴ)
■アルバム名:You Can’t Hide Your Love Forever
■アルバム名邦題:ユー・キャント・ハイド・ユア・ラヴ・フォーエヴァー
■動画リンク:「L.O.V.E. Love」
最強3曲の締めは、アル・グリーンの名曲のカバーです。
原曲をご紹介しておきましょう。
原曲へのリスペクトを感じさせるカバーっぷりに心を打たれます。
彼らはネオアコを代表するバンドです。
しかし同時に彼らはソウル・ミュージックからも影響を受けていました。
彼らはファースト・アルバムがリリースされる前に、5枚のシングルをリリースしていました。
初期の曲を聞く限り、本来はギターポップのバンドだったかもしれません。
しかしその後彼らはソウル色を強め、この頃にはブラック・ミュージックが持つコクとまろやかさをうまく消化していました。
4位「Craziest Feeling」(アルバム:Texas Feve)
■曲名:Craziest Feeling
■曲名邦題:クレイジエスト・フィーリング
■アルバム名:Texas Feve
■アルバム名邦題:テキサス・フィーヴァー
■動画リンク:「Craziest Feeling」
前作「Rip It Up」で彼らは、1980年代らしいポップ路線に移行しました。
「Rip It Up」はアルバム・タイトル曲が8位とヒットしたものの、アルバムの売り上げは前作「You Can’t Hide Your Love Forever」に及びませんでした。
実際メンバーもこの「Rip It Up」路線には不満があったようです。
そのせいか続くこのミニ・アルバムでは、再度非売れ線にシフトしました。
この曲でもおおよそ商業的とは言い難い変名のジム・フィータス(Jim Foetus)と共作し、彼のギターが暴れ回っています。
おそらく途中に入るトークも彼だと思われます。
この曲の魅力の半分は、ジムのギターにあるかもしれません。
同じアルバムからもう1曲ご紹介しましょう。
5位「Falling and Laughing」(アルバム:You Can’t Hide Your Love Forever)
■曲名:Falling and Laughing
■曲名邦題:フォーリング・アンド・ラフィング
■アルバム名:You Can’t Hide Your Love Forever
■アルバム名邦題:ユー・キャント・ハイド・ユア・ラヴ・フォーエヴァー
■動画リンク:「Falling and Laughing」
彼らの前身バンドは、ニュー・ソニックス(Nu-Sonics)です。
その後彼らはオレンジ・ジュースと改名し、ポストカード・レコーズ(Postcard Records)からデビューしました。
この曲はアルバム・バージョンですが、以前に粗削りなシングル・バージョンでリリースされていました。
ポストカードはネオアコを象徴するレーベルです。
ポストカードはオレンジ・ジュースだけでなく、アズテック・カメラやジョセフK(Josef K)などの曲もリリースしていました、
ちなみにポストカードは、ドラム猫のキャラクターがよく知られています。
このアルバムは、フリッパーズ・ギターの2人にも強く影響を与えたことでも知られています。
6位「Flesh Of My Flesh」(アルバム:Rip It Up)
■曲名:Flesh Of My Flesh
■曲名邦題:フレッシュ・オブ・マイ・フレッシュ
■アルバム名:Rip It Up
■アルバム名邦題:リップ・イット・アップ(キ・ラ・メ・キ・トゥモロー)
■動画リンク:「Flesh Of My Flesh」
このアルバムの評価は人によってかなり異なります。
ネオアコ・ファンはファーストを好む傾向があって、この作品を良く思っていない人が少なくありません。
実は私もその1人でした。
私はデビュー・アルバムの「You Can’t Hide Your Love Forever」が彼らの最高傑作と信じて疑いません。
次点は「Texas Feve」。
当時の私はこのセカンド・アルバムについて、ネオアコではなくなってとても残念だと感じていました。
しかし今回久しぶりに聞き直したところ、思っていたほど悪くないと思いました。
ネオアコではなく、ブルー・アイド・ソウルの作品として聞けばそれほど悪くありません。
7位「Poor Old Soul (Part 2)」(アルバム:The Glasgow School)
■曲名:Poor Old Soul (Part 2)
■曲名邦題:ア・オールド・ソウルア・オールド・ソウル(パート 2)
■アルバム名:The Glasgow School
■アルバム名邦題:グラスゴー・スクール
■動画リンク:「Poor Old Soul (Part 2)」
この曲は隠れ名曲枠としてご紹介しました。
この編集盤では、アルバム・デビュー前のシングルを聞くことができます。
ちなみにこの曲を含めた初期の曲は、ボックスセットの「Coals to Newcastle」にも収録されています。
ボックスセットでは「The Glasgow School」にも収録されていない、以下のようなバージョンもありますし。
Orange Juice – I Can’t Help Myself (Kid Jensen BBC Session ’82)
そのボックスセットも、未発表曲の全てを網羅しているわけではありません。
しかし彼らをコンプリートしたい方にはとっては、おそらく最短距離となるボックスセットだと思います。
そこまで追いかけなくていいと思う方は、この「The Glasgow School」の方をどうぞ。
こちらもデビュー前の彼らの実像を知ることができる、すばらしいコンピレーションです。
8位「Lean Period」(アルバム:The Orange Juice)
■曲名:Lean Period
■曲名邦題:リーン・ピリオド
■アルバム名:The Orange Juice
■アルバム名邦題:ザ・オレンジ・ジュース
■動画リンク:「Lean Period」
彼らのラスト・アルバムです。
この頃バンド内には解散の気配が漂っていました。
前作のミニ・アルバムの後、マルコム・ロス(Malcolm Ross)とデヴィッド・マクライモント(David McClymont)が脱退しました。
つまりギターとベースを失ったことになります。
彼らはエドウィン・コリンズのワンマン・バンドと思われがちです。
しかしファーストではギターのジェームズ・カーク(James Kirk)が、演奏のみならずソングライティング面でも大きな貢献をしていました。
セカンド以降は、代わりに加入したマルコム・ロスがその穴を埋めました。
またデヴィッド・マクライモントのベースは、このバンドの売りの1つでしたし。
ただこの頃になると、アルバム・ジャケットもエドウィン・コリンズ1人ですし、いつソロに移行してもおかしくなかったように思います。
今作で彼らは有終の美を飾りました。
9位「A Place in My Heart」(アルバム:Texas Feve)
■曲名:A Place in My Heart
■曲名邦題:ア・プレイス・イン・マイ・ハート
■アルバム名:Texas Feve
■アルバム名邦題:テキサス・フィーヴァー
■動画リンク:「A Place in My Heart」
彼らはとかくネオアコの文脈ばかりで語られがちです。
しかしスタイル・カウンシル(The Style Council)の「コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ(Confesstions of a Pop Group)」のように、ホワイト・ソウルの文脈でも評価されています。
ホワイト・ソウルの魅力はR&Bの影響を受けつつも黒さに傾きすぎず、センス良くまとめ上げるところにあります。
またエドウィン・コリンズの甘美なボーカルは、ホワイト・ソウルにも向いていました。
彼の声にはエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)にも似た独特の色気がありますね。
ソウルはボーカルに魅力がないとどうにもなりません。
さてこのアルバムは、デニス・ボーヴェル(Dennis Bovell)がプロデュースしています。
音を聞くかぎり、デニス・ボーヴェルらしさは感じませんが。
アルバム・ジャケットにイルカのおもちゃがあるのは、ファーストのファンにはうれしいです。
10位「Rip It Up」(アルバム:Rip It Up)
■曲名:Rip It Up
■曲名邦題:リップ・イット・アップ
■アルバム名:Rip It Up
■アルバム名邦題:リップ・イット・アップ(キ・ラ・メ・キ・トゥモロー)
■動画リンク:「Rip It Up」
この曲は彼らのシングルで唯一のトップテン・ヒットです。
彼らには他にトップ40ヒットはありません。
つまり一般的にはこの曲が彼らの代表曲ということになります。
私は1980年らしいアレンジに違和感があるのでこの順位にしましたが、楽曲的には充分ランクイン相当だと思います。
彼らはヒットチャートをにぎわせたバンドではありません。
しかし彼らはインディポップ・シーンのみならず、フランツ・フェルディナンド(Franz Ferdinand)など多くの後進バンドに影響を与えました。
ネオアコは日本独自のジャンルです。
海外ではネオアコのバンドとしてではなく、より広範に影響を与える存在となりました。
私のように彼らをネオアコのバンドとして聞いてきた身としては、ついネオアコ的側面にも注目されてほしいと思ってしまいますが。
それでも彼らがきちんと評価されているのは素直にうれしいものです。
ネオアコがお好きな方は、以下の関連記事をチェックしてみてください。
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