今回はデス・キャブ・フォー・キューティーのランキングを作成しました。
このバンドはとにかくメロディが魅力的です。
ポップな曲と沁みる曲のバランスを考え、彼らの魅力が伝わるよう選曲してみました。
こういう音楽に適性のある人は、一生ものの曲が見つかると思います。
- 1 1位「Soul Meets Body」(アルバム:Plans)
- 2 2位「The Sound of Settling」(アルバム:Transatlanticism)
- 3 3位「Codes and Keys」(アルバム:Codes and Keys)
- 4 4位「Company Calls」(アルバム:We Have the Facts and We’re Voting Yes)
- 5 5位「I Will Follow You into the Dark」(アルバム:Plans)
- 6 6位「A Movie Script Ending」(アルバム:The Photo Album)
- 7 7位「Long Division」(アルバム:Narrow Stairs)
- 8 8位「President of What?」(アルバム:Something About Airplanes)
- 9 9位「The Ghosts of Beverly Drive」(アルバム:Kintsugi)
- 10 10位「Transatlanticism」(アルバム:Transatlanticism)
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1位「Soul Meets Body」(アルバム:Plans)
■曲名:Soul Meets Body
■曲名邦題:ソウル・ミーツ・ボディ
■アルバム名:Plans
■アルバム名邦題:プランズ
■動画リンク:「Soul Meets Body」
通算5作目となるメジャー・デビュー・アルバムです。
以前はバースーク・レコード(Barsuk Records)というインディ・レーベルに在籍していました。
その後評価が高まると、大手のアトランティック・レコーズ(Atlantic Records)から声がかかりました。
その第一弾がこのアルバム。
大手レコード会社との契約は、インディ・バンドにとって諸刃の剣です。
デスキャブとよく比較されるナダ・サーフ(Nada Surf)も、大手では実力を発揮できませんでした。
大手レコード会社は口出しが多く、バンドの魅力を損なってしまうケースも少なくありません。
そんな中彼らは、こんな静かな曲ばかりのアルバムをリリースしました。
このアルバムは全米アルバムチャートで、4位まで駆け上がっています。
この曲はシングルカットされ、60位を獲得しました。
彼らが今の地位を築く礎になった曲だと思います。
2位「The Sound of Settling」(アルバム:Transatlanticism)
■曲名:The Sound of Settling
■曲名邦題:ザ・サウンド・オブ・セトゥリング
■アルバム名:Transatlanticism
■アルバム名邦題:トランスアトランティシズム
■動画リンク:「The Sound of Settling」
彼らはデビュー時、ローファイなインディ・ポップ・バンドでした。
おそらくビルト・トゥ・スピル(Built to Spill)あたりとファンが被っていたと思います。
今回はこのバンドを初めて聞く人を想定して、ポップな曲を多めにしました。
ただ彼らの音楽の核は、地味な部分にあるかもしれません。
このアルバムでも、後半の地味な曲を好むファンも少なくないと思います。
私もその一人。
特に私はラストの「A Lack of Color」が大好きで、時々無性に聞きたくなることがあります。
Death Cab for Cutie – A Lack of Color
しかしそれでも「The Sound of Settling」のようなポップな曲が流れると、気分が上がるものです。
彼らの魅力をまるごと、じっくり味わいたいアルバムです。
3位「Codes and Keys」(アルバム:Codes and Keys)
■曲名:Codes and Keys
■曲名邦題:コーズ・アンド・キーズ
■アルバム名:Codes and Keys
■アルバム名邦題:コーズ・アンド・キーズ
■動画リンク:「Codes and Keys」
私はこの曲のイントロを聞くと、いつも必ず以下の曲を思い出します。
J.D. Souther – You’re Only Lonely
少し似ている程度ですが、改めて彼らがアメリカのバンドだと思い起こさせてくれます。
ただし彼らのバンド名は、イギリスのバンド、ボンゾ・ドッグ・バンド(Bonzo Dog Band)の曲名に由来しています。
バンド名はビートルズの映画『マジカル・ミステリー・ツアー』に登場する英国ジャズ/ロック/コメディ集団のボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドがパフォーマンスした曲名に由来。日本語名「かわいい子には死の車を」。
その曲をご紹介しておきましょう。
Death-Cab For Cutie – The Bonzo Dog Doo-Dah Band
ちなみに「Death Cab For Cutie」とは「かわいこちゃんには死のタクシーを」という意味です。
4位「Company Calls」(アルバム:We Have the Facts and We’re Voting Yes)
■曲名:Company Calls
■曲名邦題:カンパニー・コールズ
■アルバム名:We Have the Facts and We’re Voting Yes
■アルバム名邦題:ウィ・ハヴ・ザ・ファクツ・アンド・ウィーア・ヴォーティング・イエス
■動画リンク:「Company Calls」
彼らの最高傑作は「Transatlanticism」「Plans」のどちらかだと言われています。
確かにその2枚は全人類必聴の文化遺産盤です。
しかしこのアルバムも最高傑作の候補に加えていいかもしれません。
この曲単体でも充分すばらしいですが、アルバムの中では少し浮き気味です。
では他の曲はどうかというと、1曲ご紹介しておきましょう。
上の「405」はひっかかりがありませんし、普通の曲だと感じるかもしれません。
「Company Calls」より「405」の方が良いと感じた方は、インディ・ポップに適性がある人だと思います。
どちらもすばらしい曲に変わりはありませんが。
5位「I Will Follow You into the Dark」(アルバム:Plans)
■曲名:I Will Follow You into the Dark
■曲名邦題:アイ・ウィル・フォロー・ユー・イントゥ・ザ・ダーク
■アルバム名:Plans
■アルバム名邦題:プランズ
■動画リンク:「I Will Follow You into the Dark」
このバンドのメイン・ソングライターとボーカルは、ベン・ギバード(Ben Gibbard)です。
この曲はベン・ギバード色が強い曲といえるかもしれません。
シングルカットされている曲なのですが、よくこんな地味でシンプルな曲を選んだものですね。
この曲はヒットしませんでした。
しかしそれでもいいと思います。
万人向けでなくても、ファンの信頼を高める曲だと思いますから。
ちなみにこのアルバムのボーナストラックには、ティーンエイジ・ファンクラブ(Teenage Fanclub)の傑作「スタート・アゲイン(Start Again)」のカバーが収録されています。
このCDを買う時はその曲が入っているか、チェックしてみてください。
私はつまらないボーナストラックを飛ばす手間を省くため、あえてボーナスなし盤に買い直すことがあります。
しかし時々こういう聞き逃せないボートラもあります。
6位「A Movie Script Ending」(アルバム:The Photo Album)
■曲名:A Movie Script Ending
■曲名邦題:ア・ムービー・スクリプト・エンディング
■アルバム名:The Photo Album
■アルバム名邦題:ザ・フォト・アルバム
■動画リンク:「A Movie Script Ending」
このアルバムではドラムのネイザン・グッド(Nathan Good)が脱退し、代わりにマイケル・ショア(Michael Schorr)が加入しました。
マイケルの加入によって、バンド・サウンドが強化されました。
このアルバムには「ウイ・ラフ・インドアーズ(We Laugh Indoors)」という、マイケルのドラムが目立つ曲が収録されています。
このバンドをエモだと言う人がいます。
確かにこのアルバムではドラムが強化されて、静と動の対比が明確になりました。
ローファイなバンドが、メジャーで勝負できる体制が整ったといえるでしょう。
このアルバムの時点では、まだ売れていませんでした。
しかしこの作品は、後の成功に繋がる起点になったように思います。
無理やりサッカーで例えると、こんな感じでしょうか。
起点のパス:「The Photo Album」
決定的なスルーパス:「Transatlanticism」
ゴール:「Plans」
この3作の流れは、本当に見事でした。
7位「Long Division」(アルバム:Narrow Stairs)
■曲名:Long Division
■曲名邦題:ロング・ディヴィジョン
■アルバム名:Narrow Stairs
■アルバム名邦題:ナロー・ステアーズ
■動画リンク:「Long Division」
彼らは「Plans」でブレイクしました。
このアルバムはその次作です。
彼らはこのアルバムから、多彩なサウンドに変化しました。
変化の主導権を握ったのはベン・ギバードかもしれません。
彼はザ・ポスタル・サーヴィス(The Postal Service)というバンドもやっています。
そちらはデスキャブとは異なり、大胆にエレクトロニクスを導入していて、すばらしい成果を挙げています。
一方本体のデスキャブの方では、電子音の活用が中途半端な感じがします。
バンドとして完成されているため変化への対応が難しくなる、イノベーションのジレンマみたいな状況なのかもしれません。
確かにこの曲も演奏がとても魅力的ですし、この良さが失われるのはもったいない感じもします。
8位「President of What?」(アルバム:Something About Airplanes)
■曲名:President of What?
■曲名邦題:プレジデント・オブ・ホワット?
■アルバム名:Something About Airplanes
■アルバム名邦題:サムシング・アバウト・エアプレインズ
■動画リンク:「President of What?」
デビュー・アルバムの曲です。
このバンドは元々ベン・ギバードのソロ・プロジェクトとして結成されました。
その時期の曲は当時カセットテープでリリースされましたが、後年CD化されています
そのアルバム「ユー・キャン・プレイ・ジーズ・ソングス・ウィズ・コーズ(You Can Play These Songs with Chords)」から、ザ・スミス(The Smiths)のカバー曲をご紹介しましょう。
Death Cab for Cutie – This Charming Man
その後正式デビューとなったこのアルバムでは「You Can Play These Songs with Chords」の曲が再録音されました。
デビュー時の彼らは、イギリス色が強かったようです。
時系列で彼らの音楽を追いかけていくと、次第にアメリカっぽい作風に変化したことが分かります。
9位「The Ghosts of Beverly Drive」(アルバム:Kintsugi)
■曲名:The Ghosts of Beverly Drive
■曲名邦題:ザ・ゴースツ・オブ・ビヴァリー・ドライヴ
■アルバム名:Kintsugi
■アルバム名邦題:金継ぎ
■動画リンク:「The Ghosts of Beverly Drive」
このアルバムでは大きな変化がありました。
ギター担当でデビュー以来ずっとプロデュースもしていた、クリス・ウォラ(Chris Walla)が脱退しました。
クリスはバンド外の活動でも、プロデューサーとして高く評価されています。
このバンドはベンの歌と曲を、クリスが活かすことで最大の成果を挙げてきました。
しかしこのアルバムでは初めて外部からプロデューサーを招きました。
背景には人間関係が悪化があると思われます。
ちなみにアルバム名の「Kintsugi」とは、日本語の「金継ぎ」のこと。
「金継ぎ」とは割れてしまった陶器などを、金などで補修再生する技術を指す言葉です。
壊れる前とは違った、違う魅力を持った状態で再生しているといえるかもしれません。
彼らはバンドの分裂を前向きにとらえて、バンドを再生しようとしたようですね。
10位「Transatlanticism」(アルバム:Transatlanticism)
■曲名:Transatlanticism
■曲名邦題:トランスアトランティシズム
■アルバム名:Transatlanticism
■アルバム名邦題:トランスアトランティシズム
■動画リンク:「Transatlanticism」
さて最後にとっておきの曲をご紹介します。
本来は1位にふさわしい、リスナーの心の奥底に爪跡を残す曲です。
少し長い曲ですが、ライブでも最後に演奏されることが多いため、この位置にしました。
このバンドの最大の魅力は、ベンの歌です。
彼の歌はとにかく沁みますね。
この曲目当てにライブに行く人も少なくないそうですが、気持ちが分かります。
さて今回取り上げた期間以降も彼らは順調です。
「サンキュー・フォー・トゥデイ(Thank You for Today)」「アスファルト・メドウズ(Asphalt Meadows)」と充実作ばかり。
これからも注目していきたいバンドです。
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