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フジファブリック(Fujifabric)の名曲名盤12選【代表曲・隠れた名曲】

今回はフジファブリックのランキングを作成しました。

この記事では志村正彦時代に限定して選曲しました。

志村正彦は決して器用なボーカリストではありませんでしたが、同時に彼ほどグッとくるシンガーはほぼいません。

どれもこれもみんなハートで聞きたい曲ばかりです。

 

1位「若者のすべて」(アルバム:TEENAGER)

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■曲名:若者のすべて
■アルバム名:TEENAGER(2008年)
■動画リンク:「若者のすべて」

このバンドの代表曲です。

作詞者の志村正彦曰く、「夏の終わりの最後の花火大会が終わった後の切なさや虚しさなど、感傷的になり考えてしまう所を歌った曲」。(中略)

曲中にある「花火」は、志村の地元である山梨県の河口湖で上がる花火をイメージしている。

若者のすべて (フジファブリックの曲) ウィキペディア

ちなみに志村正彦は山梨県富士吉田市の出身で、バンド名は結成時のメンバー、渡辺隆之の実家が経営する「富士ファブリック株式会社」から取られています。

彼がイメージしたであろう河口湖の花火大会の写真を掲載しておきましょう。

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河口湖花火リフレクション

富士山を背景に、花火と湖面の色合いがとても美しいですね。

この花火を見ながら聞くと、より曲を堪能できるかもしれません。

 

2位「陽炎」(アルバム:フジファブリック)

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■曲名:陽炎
■アルバム名:フジファブリック(2004年)
■動画リンク:「陽炎」

ファースト・アルバムの曲です。

デビュー時のメンバーをご紹介をしておきましょう。

・志村正彦:ボーカル、ギター
・山内総一郎:ギター
・金澤ダイスケ:キーボード
・加藤慎一:ベース
・足立房文:ドラム

すぐに消えてしまうはかないものについて歌った曲です。

最初はスローで始まりますが、45秒からメランコリーを抱えて疾走していますね。

消え去るのをただ黙って待つのではなく、短い間だからこそ必死に生きようとしているかのようです。

その情熱を表現しているのが、金澤ダイスケのピアノ。

試しに2:54からを聞いてみてください。

続いて3:54からのピアノの入り方、その後も4:17からの演奏は、本来ピアノが打楽器だということを改めて思い知らせてくれる名演です。

最後にピアノだけが残る演出は、見事「陽炎」とは何か表現しています。

この曲のライブ動画を見つけたので、興味のある方はぜひお聞きください。

フジファブリック – 陽炎(2004年12月ライブ)

 

3位「クロニクル」(アルバム:CHRONICLE)

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■曲名:クロニクル
■アルバム名:CHRONICLE(2009年)
■動画リンク:「クロニクル」

この曲はじっくり歌詞を味わいたい曲です。

一部を引用しておきましょう。

気にしないで 今日の事は いつか時が 忘れさせるよ(中略)

誰か出会って そして泣いて 忘れちゃって 忘れちゃって

君は僕の事を 僕は君の事を どうせ忘れちゃうんだ
そう悩むのであります

クロニクル(作詞:志村正彦)

彼は自分のことを忘れられてしまうことを悲しく思っているようですね。

志村は自分を忘れてほしくないのでしょう。

同時に彼はそう願っても忘れられる運命を悟っているのかもしれません。

しかしファンはそう簡単に志村のことを忘れられるでしょうか。

ご存知の方も多いと思いますが、この曲を書いた志村正彦は、もうこの世にはいません。

しかし今でも熱心な志村ファンは沢山います。

ちなみにジャケットは志村が、犬を被った写真です。

顔が見えないので、志村の写真を掲載しておきましょう。

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志村正彦とわたし

志村正彦と彼の歌は、そう簡単に忘れられないかもしれません。

 

4位「桜の季節」(アルバム:フジファブリック)

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■曲名:桜の季節
■アルバム名:フジファブリック(2004年)
■動画リンク:「桜の季節」

彼らは2000年に結成されました。

最初は解散したり再結成したり不安定でしたが、2002年にインディーズから「アラカルト」というアルバムでデビューしました。

その後何度かのメンバー・チェンジを経て、このメジャー・デビューの前ようやくメンバーが固まりました。

この曲は「桜の季節」というタイトルですが、実際シングルとして発売されたのは2004年4月14日という桜の季節。

しかしプロデューサーの片寄明人は、曲の仕上がりに悔いが残ったそうです。

桜の時期に間に合わせるために、時間が足りなかったのかもしれません。

プロデューサーの片寄明人曰く「個人的にもっと行けたはずだと悔いを残してしまうこととなった」とのこと。後に1stアルバム収録時の再レコーディングで雪辱を果たす事となる。

桜の季節 ウィキペディア

デビューアルバムでも片寄明人はプロデュースを担当することになりました。

アルバム・バージョンでは、ピアノが大きくフィーチャーされています。

再挑戦と試行錯誤の結果、デビュー・アルバムの1曲目を飾るにふさわしい曲に仕上がりました。

リベンジは成功したようですね。

特に3:50からの志村のシャウトとリリカルなピアノに胸を突かれます。

 

5位「Bye Bye」(アルバム:MUSIC)

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■曲名:Bye Bye
■アルバム名:MUSIC(2010年)
■動画リンク:「Bye Bye」

2009年12月24日志村正彦は、自宅のパソコンの前冷たくなった状態をマネージャーに発見されました。

享年29歳。

死因は不明とされています。

自殺説も囁かれましたが、それは事実ではありません。

体調不良や不整脈による突然死が有力な説のようです。

さてこのアルバムは、志村正彦の死後リリースされました。

この流れで「Bye Bye」という曲名だと、意味深な感じがするかもしれません。

しかしこの曲は、元々パフィーに提供した楽曲のセルフ・カバー。

いわゆる失恋ソングなのですが、別れてもなお相手の幸せを祈り、やせ我慢して前を向き別れを告げようとしています。

明るくさわやかな別れの曲ですが、だからこそ失恋のダメージの深さがうかがえます。

彼の死後もバンドは継続することになりました。

その後も残ったメンバーが充実した活動をしていることが、せめてもの救いかもかもしれません。

 

6位「銀河」(アルバム:FAB FOX)

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■曲名:銀河
■アルバム名:FAB FOX(2005年)
■動画リンク:「銀河」

このアルバムは、冒頭から激しいロック・ナンバーでたたみかけてきます。

同じアルバムからもう1曲「モノノケハカランダ」をご紹介しておきましょう。

フジファブリック – モノノケハカランダ

同時期の曲では、ヒット曲「蒼い鳥」もいいですね。

このアルバムにはこういう激しい曲が多いのですが、どれも名曲ぞろいです。

その中で私が一番好きなのが、この「銀河」。

こういうロック系の曲になると、山内総一郎の存在感が一層際立ちます。

彼は高校卒業後、スタジオ・ミュージシャンとして活動していたそうです。

この曲を聞けば、実力者であることは明らかですね。

2:51からのいなたいギターソロは、バンドを強烈にグルーヴさせる名演です。

 

7位「星降る夜になったら」(アルバム:TEENAGER)

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■曲名:星降る夜になったら
■アルバム名:TEENAGER(2008年)
■動画リンク:「星降る夜になったら」
※動画はライブ・バージョンです

この曲はシングルカットされていません。

シングルになった「Surfer King」「パッション・フルーツ」もすばらしいですが、私はこの曲の方が好きです。

このアルバムでは、少し変化がありました。

前作では1曲だけ、山内総一郎が作曲していました。

しかしこのアルバムでは山内総一郎が書いた曲が3曲、志村正彦と他のメンバーの共作が2曲収録されています。

この曲も志村正彦と金澤ダイスケの共作ですし。

金澤ダイスケはバンドの実力を備えたキーボード奏者です。

ちなみに金澤氏の妻はスーパーフライ(Superfly)。

彼らはメンバー全員の総合力で勝負できるバンドで、実際に志村正彦の死後も人気を維持しています。

 

8位「バウムクーヘン」(アルバム:CHRONICLE)

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■曲名:バウムクーヘン
■アルバム名:CHRONICLE(2009年)
■動画リンク:「バウムクーヘン」

このアルバムでは、全曲の作詞作曲を志村正彦が担当しています。

同じアルバムから、もう1曲ご紹介しておきましょう。

フジファブリック – Sugar!!

このアルバムは、志村在籍時で最もパーソナルなアルバムかもしれません。

この曲でも以下のような箇所があります。

言葉では伝えられない

僕の心は臆病だな

怖いのは否定される事

バウムクーヘン(作詞:志村正彦)

彼は言葉だけでは伝えられないから、音楽という形で伝えようとしました。

彼は自分の音楽が否定されることを恐れています。

彼は常にそうした恐怖を抱えていたのかもしれません。

志村正彦は曲づくりに没頭するあまり睡眠時間を削ったり、ずっと食べなくても平気で、食べたとしても主食がフリスクみたいな人です。

もちろんそんなことで大丈夫なわけがありません。

無謀な生活をしていた彼は表現中毒者だったのかなと思います。

常に自分を追い込み駆り立て表現しなければ、いてもたってもいられなかったのだと。

生きることと表現のバランスを、もう少し考えてくれていたらと思わないでもありません。

しかし同時にそうした表現への執着の強さこそが、曲に永遠の命を吹き込んだようにも思います。

ある種の献身性と捨て身が不可分となりごちゃまぜになった結果、こういう名曲が生まれました。

 

9位「茜色の夕日」(アルバム:FAB FOX)

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■曲名:茜色の夕日
■アルバム名:FAB FOX(2005年)
■動画リンク:「茜色の夕日」

バンド結成初期に書かれた曲です。

この曲はインディ・デビュー前のデモテープの段階で既に書かれていましたが、メジャー・デビュー後に再録音されました。

志村正彦は、奥田民生にあこがれて音楽を始めたそうです。

ファンなら皆知っている有名な話ですし、奥田民生も知っていたと思います。

確かにこの曲を聞くと、飄飄とした中に情感をにじませるところは民生ゆずりかもしれません。

以下の曲も、民生イズムを感じる名曲です。

フジファブリック – Birthday

一方の奥田民生も、志村をこう評していました。

「いやぁ、やっぱりなんか、
とにかく、その、個性っていうんですか」

「まぁ、代わりのいない感じというか。
強烈に持ってましたから」

「曲にしても、声にしても」

「すごい才能の塊でしたよ。うん」

奥田民生から見た志村正彦というアーティスト

自分の影響を公言する表現者が一流の域に達するのは、さぞかしうれしいものでしょう。

奥田民生は志村が死んだ直後、突如ライブでこの曲を歌い出しました。

しかし民生は感極まって涙声になり、ついに途中で歌えなくなってしまいました。

事情を知っているであろう観客も泣いている人が多く、歌ってくれと民生を声援で後押しし、どうにか震える声で歌い切ったのだそうです。

民生は愛弟子を失った師匠みたいな心境だったのかもしれません。

 

10位「赤黄色の金木犀」(アルバム:フジファブリック)

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■曲名:赤黄色の金木犀
■アルバム名:フジファブリック(2004年)
■動画リンク:「赤黄色の金木犀」

今回このバンドの魅力を伝えようと、記事を書く前に少し考えました。

しかし私の文章力と語彙力では、なかなか説明が難しいように思いました。

ここから先では、少しとりとめのないことを書くかもしれません。

もしかしたら彼らの魅力は、高校時代の仲の良い友達のバンドみたいなものかもしれません。

着飾らない音楽仲間を応援したくなる感じに近いといいますか。

その友達のバンドが、たまたますごい才能を持っていたみたいな感じがします。

彼らはリスナーとパーソナルな関係性をつくるようなところがあります。

すごいとか圧倒される音楽ではなく、思い入れを抱かせる音楽かもしれません。

 

11位「ロマネ」(アルバム:TEENAGER)

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■曲名:ロマネ
■アルバム名:TEENAGER(2008年)
■Spotifyリンク:「ロマネ」

まず「ロマネ」とはどんな意味だろうと思いました。

高級ワインの「ロマネ・コンティ」が有名ですが、その「ロマネ」は「ローマ人」という意味なのだそうです。

歌詞を理解する上で、何か手がかりになればと思って調べましたが、あまり関係なかったかもしれません。

歌詞にもワインが出てきますが、ロマネ・コンティは一番安いものでも100万円以上するので、おそらく違うワインを飲んでいたのでしょう。

またこの曲のリフは、多くの方が聞いたことがあると思います。

歌詞にもクイーン(Queen)の「ウィ・ウィル・ロック・ユー(We Will Rock You)」とあって、自らネタばらしをしていますし。

一応オリジナルのリンクを貼っておきましょう。

Queen – We Will Rock You

2:36から山内総一郎は不敵にもつんざくようなギターを弾いています。

 

12位「眠れぬ夜」(アルバム:MUSIC)

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■曲名:眠れぬ夜
■アルバム名:MUSIC(2010年)
■動画リンク:「眠れぬ夜」

志村正彦は決して上手いボーカリストではありません。

どちらかというと、下手な部類だといってもいいでしょう。

しかし上手いとか下手とかそんなことは、彼の魅力を語る時には全く関係ありません。

私は基本的に上手い人が好きですが、同時に上手いだけの人ならいくらでもいることを知っています。

大切なのはどれだけ人の心を動せるかではないか。

志村正彦は、その大切で特別な何か、魂を揺り動かせる人でした。

このアルバムは、志村の死後の音源を完成させた遺作。

おそらくこれから歌を練り上げる前の音源だったと思われますが、そのせいかいつも以上に歌が荒いです。

しかしここでは技術論は必要ありません。

無骨な魂が無骨な歌となっているのを、ただ黙って味わうのみ。

人一倍ナイーヴな青年が常軌を逸して音楽にのめり込んだ結果、音程が不安定とか上ずりがちという弱点は反転し、今も語り継がれるエバーグリーンな名曲の数々が爆誕しました。

 

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