今回はサニーデイ・サービスのランキングを作成しました。
この記事では最初の解散時までの時期に限定して選曲しました。
ここでは私が単純に好きな曲を選びましたが、その他のおすすめ曲は文中にリンクを貼っています。
10曲全て1位にしたいほど名曲ばかりです。
- 1 1位「青春狂走曲」(アルバム:東京)
- 2 2位「NOW」(アルバム:サニーデイ・サービス)
- 3 3位「スロウライダー」(アルバム:MUGEN)
- 4 4位「土曜日と日曜日」(アルバム:Best Flower -B side collection-)
- 5 5位「星を見たかい?」(アルバム:サニーデイ・サービス)
- 6 6位「素敵じゃないか」(アルバム:若者たち)
- 7 7位「魔法」(アルバム:LOVE ALBUM)
- 8 8位「雨の土曜日」(アルバム:愛と笑いの夜)
- 9 9位「夢見るようなくちびるに」(アルバム:MUGEN)
- 10 10位「さよなら! 街の恋人たち」(アルバム:24時)
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1位「青春狂走曲」(アルバム:東京)
■曲名:青春狂走曲
■アルバム名:東京(1996年)
■動画リンク:「青春狂走曲」
彼らの作品で最も有名なのは、このアルバムだと思います。
人気の一端は「東京」というアルバム・タイトルと、桜のアルバム・ジャケットという組み合わせにあるかもしれません。
東京は大都会で、人の繋がりも空疎でといったイメージをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
しかし実際に住んでみると、当然ながら誰もが様々なことを感じながら、日々楽しかったり悲しかったりして暮らしています。
このアルバムでは、そうした東京に住む人の揺れ動くセンチメントをすくい上げています。
たとえば以下の歌詞。
そっちはどうだい うまくやってるかい
こっちはこうさ どうにもならんよ
今んとこまあ そんな感じなんだ
青春狂走曲(作詞:曽我部恵一)
どうやらこの曲の主人公は、電話で友人とこんな会話をしているようですね。
この曲の主人公は悪戦苦闘している様子。
上京した頃の私も、電話でこんなことを言ったことがあるような気がします。
サウンド面では、並木静のオルガンが効果的です。
2位「NOW」(アルバム:サニーデイ・サービス)
■曲名:NOW
■アルバム名:サニーデイ・サービス(1997年)
■動画リンク:「NOW」
彼らの最高傑作については、「東京」かこのアルバムを挙げる声が多いかもしれません。
初期の集大成みたいな作品で、良い曲がずらりとそろっています。
私は「虹の午後に」という曲も好きですが、選外になってしまったのでリンクを貼っておきましょう。
彼らの記事を書こうと思った時、かなり選曲が難航するだろうと思いました。
悩んだ末最終的には好みに全振りでいいと迷いをぶっちぎり、明日選んだら全曲入れ替わるかもしれないけれど、今の気分ではこれだと開き直って選曲しました。
「baby blue」が選外になったことについても言い訳はしません。
そもそも根本の問題は、良い曲が多すぎることです。
好みの曲が見つかったら、ぜひアルバム単位で聞き狂ってほしいです。
3位「スロウライダー」(アルバム:MUGEN)
■曲名:スロウライダー
■アルバム名:MUGEN(1999年)
■動画リンク:「スロウライダー」
彼らの後期はサウンド面で工夫がみられました。
ロックっぽかったりクラブ・サウンドを導入した曲は、意外と曽我部恵一が書く曲と合っていました。
この曲はギターがかっこいいです。
どうやらデモ・テープ音源のギターをそのまま使ったようですが、それが大正解だったかもしれません。
曽我部恵一のギターは、スタジオ・ミュージシャンの演奏とは違います。
特にテクニック的にすぐれているとは思いません。
しかしこの曲がそうであるように、この人のギターはヨレたセンスが味わい深いです。
味わいの人、曽我部恵一の魅力は歌や曲づくりだけでなく、ギターにもよく表れています。
4位「土曜日と日曜日」(アルバム:Best Flower -B side collection-)
■曲名:土曜日と日曜日
■アルバム名:Best Flower -B side collection-(2001年)
■動画リンク:「土曜日と日曜日」
※シングル「スロウライダー」のB面バージョン
最初に聞いた時は、内容の良さに驚きました。
このアルバムは未発表曲とB面の曲を収録した、いわばアウトテイク集みたいなものです。
しかし内容的にはオリジナル・アルバムと比べても、なんら遜色はありません。
「恋人の部屋」や「テーマ」など、なぜスタジオ・アルバムに収録されていないのかと驚く曲ばかりです。
「テーマ」については、リンクを貼っておきましょう。
その中でランクインした「土曜日と日曜日」は、彼らの曲でも屈指の名曲だと思います。
彼らには「Best Sky」というベスト盤がありますが、本来はそちらに収録されるべきではないでしょうか。
B面曲という理由でこの作品をスルーしている方は、ぜひこの機会に聞いてみてください。
5位「星を見たかい?」(アルバム:サニーデイ・サービス)
■曲名:星を見たかい?
■アルバム名:サニーデイ・サービス(1997年)
■動画リンク:「星を見たかい?」
このバンドを好きな人は、センチメンタルなメロディが好きなのかもしれません。
感傷的な曲にちょっとした焦燥感が加わった時、彼ら特有の化学反応が生まれています。
たとえばこの曲などは、その一例かもしれません。
加えて私は彼らのヨレた感じも好きです。
たとえばお気に入りのTシャツが、着すぎてヨレてきたけれど、むしろ愛着が増したみたいな感じ。
今回の選曲に際して、ちょっとしたジレンマがありました。
地味に咲く曲の方が個人的に愛着が湧きますが、改めて選曲してみると、目立った曲を選んでしまうというような。
この曲は地味な曲の代表といえるかもしれません。
ちなみにこの頃彼らは、売れないことに悩んでいたそうです。
なんで売れないのだろうと。
しかしその割にこのアルバム・ジャケットは、あまりにも地味すぎないでしょうか(笑)
売れた今となっては、むしろそれが好ましく感じたりしますが。
6位「素敵じゃないか」(アルバム:若者たち)
■曲名:素敵じゃないか
■アルバム名:若者たち(1995年)
■動画リンク:「素敵じゃないか」
デビュー当時の彼らは、はっぴいえんど・フォロワーと言われていました。
はっぴいえんどをご存じない方は、以下の記事をおすすめいたします。
はっぴいえんどは、日本語のロックを確立したバンドです。
そういえばくるりのファースト「さよならストレンジャー」にも、はっぴえんどの影響を感じます。
サニーデイについて語る時には、はっぴいえんどと同じく歌詞について触れておかねばなりません。
この曲の出だしを引用しておきましょう。
星の光る夜に二人出かけて
風の落ちる晩はただただお喋り
恋の終わる
その朝まで
みじかい月明かりの時間の下でいよう
素敵じゃないか(作詞:曽我部恵一)
この歌詞の主人公は、いつか今の幸せが終わることを予感しています。
しかし夜が更けるまで気付かないようにして、少しの間今の幸せを大切にしようと。
はかないものに対する曽我部恵一の感受性を感じさせる曲です。
引用部2行目はとても詩的な表現ですね。
7位「魔法」(アルバム:LOVE ALBUM)
■曲名:魔法
■アルバム名:LOVE ALBUM(2000年)
■動画リンク:「魔法」
このアルバムは、一旦解散する前のラスト・アルバムです。
この時期の彼らは空中分解寸前でした。
特にドラムの丸山晴茂はほとんどレコーディングに姿を見せず、そのせいか打ち込みの曲が増えました。
ただこの曲のクレジットには丸山晴茂の名前がありますし、PVにもドラムを叩いているシーンがありますが、実際彼が叩いているのかは分かりません。
その代わりに、スギウラム(SUGIURUMN)によるクラブ・サウンドの導入と、矢野誠のストリングス・アレンジがこの曲を彩っています。
この後この作品のリミックス・アルバム「PARTY LOVE ALBUM」とライブ・ミニ・アルバム「FUTURE KISS」がリリースされ、バンドは解散することになりました。
少し遅れて「FUTURE KISS」を聞いた時私は、サニーデイは終わってしまったのだなと、しみじみ思ったことを記憶しています。
しかしその10年後の2010年、彼らは再結成し「本日は晴天なり」を発表しました。
再結成したバンドにはべースでラーメン王子の田中貴だけでなく、ドラムの丸山晴茂も参加していました。
8位「雨の土曜日」(アルバム:愛と笑いの夜)
■曲名:雨の土曜日
■アルバム名:愛と笑いの夜(1997年)
■動画リンク:「雨の土曜日」
このアルバムからは「白い恋人」と「サマー・ソルジャー」がシングルカットされました。
しかし私はこの曲の方が好みです。
前作「東京」は小春日和を感じさせる曲が多かったのですが、次作のこちらは少し暗い色合いの曲が増えたように感じます。
それには当時の事情が影響しています。
『愛と笑いの夜』は、付き合ってた子と別れたことがテーマになっていて。(中略)
曲作りは1週間ほどだったという。「一気に書き上げたよね。別れたショックから立ち直らないうちに書いちゃおうと思って、“おいしい”って」
当時の曽我部恵一は失恋直後だったのですね。
その中でこの曲は、ギターポップにも通じる明るさがあります。
開き直って書いたことが吉と出た曲ではないでしょうか。
9位「夢見るようなくちびるに」(アルバム:MUGEN)
■曲名:夢見るようなくちびるに
■アルバム名:MUGEN(1999年)
■動画リンク:「夢見るようなくちびるに」
私はこの曲を聞くと、いつも大瀧詠一っぽいなと感じます。
サウンド面もそうですが、曲名にもそんな感じがしないでしょうか。
前作「24時」は、長くシリアスな曲や実験色の強い曲が散見されました。
彼らはそのレコーディング時に相当消耗したらしく、その反動で今作ではポップなアルバムにしようとしたそうです。
他には「江ノ島」なども良い曲ですね。
私は「東京」「サニーデイ・サービス」は傑作すぎて、気軽に聞けないと思うことがあります。
良い音楽は聞く時には心の準備というか、決心みたいなものが必要かもしれません。
しかしこのアルバムは肩の力が抜けていて、もっと気軽に聞くことができます。
私は普段使いのサニーデイとして重宝しています。
10位「さよなら! 街の恋人たち」(アルバム:24時)
■曲名:さよなら! 街の恋人たち
■アルバム名:24時(1998年)
■動画リンク:「さよなら! 街の恋人たち」
彼らのアルバムの中で、最も人気がないアルバムかもしれません。
確かに最初の1枚にはおすすめできません。
長い曲や実験色が強い曲が多く、全体的に少し重い作品に仕上がっています。
さてすぐれたソングライターには、2種類のタイプがあるように思います。
あまり考えなくとも職人的にポンポンと良い曲を量産するタイプと、葛藤を抱えてもがきながら書くタイプ。
曽我部は後者のタイプのように思います。
このアルバムには「ぼくは死ぬのさ」という、サニーデイ史上最大の冒険作も入っています。
また10分超え大曲「24時のブルース」など聞きごたえがある曲も。
そんな中で私が一番好きなのがこの曲。
彼らの初期の魅力は、ある種の焦燥感や切迫感にあるように思います。
彼らの曲には曽我部恵一の葛藤が反映されているような感じがします。
優れたソングライターというだけでは、こういう刺さる曲は生まれません。
この曲のサビのメランコリーな展開などは、絶品としかいいようがありません。
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