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ノイ!(NEU!)の名曲名盤10選【代表曲・ポップな曲限定】

今回はノイ!のランキングを作成しました。

このバンドはジャーマン・プログレやクラウト・ロックと分類されることが多いです。

彼らは実験色の強い曲もありますが、とてもポップな一面を備えています。

今回はポップな側面に焦点を当てました。

 

1位「Hallogallo」(アルバム:Neu!)

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■曲名:Hallogallo
■曲名邦題:ハロガロ
■アルバム名:Neu!
■アルバム名邦題:ノイ!
■動画リンク:「Hallogallo」

この曲はノイ!の代表曲です。

「NEU」というバンド名は「新しい」という意味。

つまり「新しい音楽をつくり出そう」というコンセプトを持っていたようです。

このアルバムは1972年に発売されましたが、当時はサザン・ソウルの曲が1位を獲得したり、シンガーソングライターなども人気でした。

ちなみにディープ・パープル(Deep Purple)の「マシン・ヘッド(Machine Head)」も、この年のリリース。

そんな中でこの曲は、かなり新しく感じられる音楽だったと思います。

ちなみにこの曲は当時西ドイツで、3万5千枚売れたそうですね。

商業音楽としては多くない枚数かもしれませんが、この種の音楽としては異例のセールスだったと思います。

 

2位「Fur Immer(Forever) 」(アルバム:Neu!2)

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■曲名:Fur Immer(Forever)
■曲名邦題:フュア・インマー
■アルバム名:Neu!2
■アルバム名邦題:ノイ!2
■動画リンク:「Fur Immer(Forever) 」

ファースト・アルバムは一部で熱狂的に支持されました。

賞賛の声は、ほぼ「Hallogallo」に集中していたようです。

それに気をよくした彼らは「Hallogallo」のようなタイプの曲を増やし、セカンド・アルバムをリリースしました。

このようにひたすら同じリズムを刻む彼らのドラムは「ハンマービート」と呼ばれています。

単調な演奏に思えるかもしれませんが、その単調さに価値があります。

そのリズムの上でギターなどの上ものが変化していきますので、意外と飽きずに聞くことができます。

言葉だけで説明すると、どこが良いのかと思われるかもしれません。

実際に聞かないと理解できないと思います。

この曲は10分を超えていますが、繰り返されるドラムの演奏を聞いているとハイな気分にならないでしょうか。

彼らのハンマービートは、機械的な反復なのに、不思議と人間らしさが感じられます。

人力テクノみたいな魅力を持つ曲です。

 

3位「Isi」(アルバム:Neu!’75)

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■曲名:Isi
■曲名邦題:イージー
■アルバム名:Neu!’75
■アルバム名邦題:ノイ!75
■動画リンク:「Isi」

ノイ!の作品では、最初の2枚ばかりが名盤と言われがちです。

しかし私が聞き返すことが多いのは「Neu!’75」と「Neu!’86」の方。

ポップで聞きやすくなった為、硬派なファンからはあまり良い評価ではないようですが、たとえばこの曲などはいかがでしょうか。

この曲はシングルカットもされています。

ドラムが単調なパターンを刻むのは従来通りですが、上もののピアノがより音楽的になってきています。

当時ドラムのクラウス・ディンガー(Michael Rother) は、ギター・キーボードのミヒャエル・ローター(Michael Rother)との関係が悪化していました。

その為彼らはそれぞれ主導権を握った曲を持ち寄って、どうにかこのアルバムを完成させました。

こちらはミヒャエル・ローター側の曲です。

 

4位「Good Life」(アルバム:Neu!’86)

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■曲名:Good Life
■曲名邦題:グッド・ライフ
■アルバム名:Neu!’86
■アルバム名邦題:ノイ!86
■動画リンク:「Good Life」

エレクトロ・ポップ(エレポップ)といっても良さそうな曲です。

ボーカル入りの曲ですが、シンセサイザーの音色が少しおかしく感じられるかもしれません。

シンセの音が分厚すぎますし、ポップな演出が過剰すぎるせいかもしれませんが。

そのむせ返る濃厚なポップ風味と薄っぺらい感じの録音のせいもあってか、ポップな毒みたいなものを感じます。

このアルバムがリリースされた1980年代中盤は、エレポップがヒットチャートを席巻していました。

あまり指摘されませんが、エレポップの一部のバンドは、ジャーマン・プログレの流れを汲んでいます。

たとえばユーリズミックス(Eurythmics)は、このアルバムも手掛けているコニープランク(Conny Plank)のプロデュースでデビューしました。

当時人気だったエレポップのアルバムを聞くと、意外とダークだったり、実験的な面が垣間見える時があります。

彼らはシングルでは聞きやすい曲をリリースしつつも、アルバムに毒を忍ばせていたのですね。

その源流にあたるノイ!にも、ポップな毒があることを確認できる曲です。

 

5位「Drive (Grundfunken)」(アルバム:Neu!’86)

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■曲名:Drive (Grundfunken)
■曲名邦題:ドライヴ(グルントフンケン)
■アルバム名:Neu!’86
■アルバム名邦題:ノイ!86
■動画リンク:「Drive (Grundfunken)」

この曲では昔のようにハンマービートをやっています。

昔と違うのは、上に乗っている音が整理されているところです。

当時の私は過激な曲を評価しがちでしたので、ポップになると失望することがありました。

当初私はこのアルバムに失望しましたが、聞き返す内にこの曲が耳に留まりました。

買ったアルバムが失敗だった場合、お金を無駄にしたとは思いたくない為、良いところを探そうとすることはないでしょうか。

私はこの曲を入り口にして、アルバムの良さが分かってきました。

この曲は過去と比べるとスリルは減少していますが、聞きやすい魅力があります。

「Hallogallo」よりも、カーズ(The Cars)あたりと同じ感覚で聞いた方がいいのかもしれません。

 

6位「Hero」(アルバム:Neu!’75)

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■曲名:Hero
■曲名邦題:ヒーロー
■アルバム名:Neu!’75
■アルバム名邦題:ノイ!75
■動画リンク:「Hero」

この曲はクラウス・ディンガー色の強い曲です。

デヴィッド・ボウイ(David Bowie)のファンなら、ノイ!がベルリン時代のボウイに影響を与えたことをご存知かもしれません。

ちなみにボウイの名作「Heroes(英雄夢語り)」のタイトルは、この曲から取られています。

音楽的にもその頃のボウイに近い感じがしますし。

また破れかぶれな歌い方が、ニュー・ウェイヴのボーカルスタイルに酷似しています。

実際この曲は、ニュー・ウェイヴやポスト・パンクなどのバンドに影響を与えています。

影響力の広範さに関しては「Hallogallo」と双璧といえる曲かもしれません。

 

7位「E-Musik」(アルバム:Neu!’75)

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■曲名:E-Musik
■曲名邦題:エー・ムジーク
■アルバム名:Neu!’75
■アルバム名邦題:ノイ!75
■動画リンク:「E-Musik」

2人はデビュー時にはやりたいことが一致していたようですが、本来の持ち味は水と油です。

大まかに表現すると、激しく混乱した音楽を好むクラウス・ディンガーと、アンビニエントでより音楽的な豊かさを好むミヒャエル・ローターという対比になるかもしれません。

初期はミヒャエル・ローターもサイケデリックなギターを弾くことがありました。

しかしその後彼は、音楽的に成熟した方向へと向かいます。

この曲は前半はクラウス・ディンガーらしいハンマービート、後半はミヒャエル・ローターらしいアンビニエントで終わります。

2人とお互いに譲らずといった感じがしますね。

ただ2人には組み合わせの妙があって、全く別々な方向を向いてすれ違いまくりながらも、このようなオフバランスな名曲を生み出すことがあります。

 

8位「Neuschnee」(アルバム:Neu!2)

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■曲名:Neuschnee
■曲名邦題:ノイシュネー
■アルバム名:Neu!2
■アルバム名邦題:ノイ!2
■動画リンク:「Neuschnee」

この曲は同じアルバムに「Neuschnee78」という似た曲があります。

つまり同じアルバムに「Neuschnee」「Neuschnee78」という別々の曲が収録されています。

まぎわらしいですね。

この曲は同じアルバムに収録されている「Fur Immer(Forever) 」に似た曲調です。

私はイントロや間奏が良い曲は、そのまま続いてほしいと思うことがあります。

彼らの曲は、そんな私の願望を叶えてくれている感じがします。

彼らの音楽は情緒に訴えかけるものではありません。

聞いているとハイになってくるとか、生理的に心地よいとかそういう類のものです。

食料ではなく薬みたいなものに近いかもしれません。

 

9位「La Bomba (Stop Apartheid World-Wide!) 」(アルバム:Neu!’86)

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■曲名:La Bomba (Stop Apartheid World-Wide!)
■曲名邦題:ラ・ボンバ(ストップ・アパルトヘイト・ワールドワイド!)
■アルバム名:Neu!’86
■アルバム名邦題:ノイ!86
■動画リンク:「La Bomba (Stop Apartheid World-Wide!) 」

彼らは「Neu!’75」の後一度解散しますが、その後1985~86年に再度レコーディングを行いました。

その時のレコーディングにローターが手を加え、2010年に発売したのがこのアルバム。

さてこの曲を聞くと、あまりにポップで驚くかもしれません。

しかしよく聞くと、表面はキラキラしていても、彼ららしい実験的な部分が見え隠れしています。

「La Bomba」という曲名の通り、ところどころ悪ふざけみたいな感じで「ラ・ボンバ」と歌っています。

サウンド・コラージュ風のストレンジな音も差し込まれていますね。

先程の「Good Life」のように、ポップになればなるほど毒が浮かび上がる毒ポップの名曲だと思います。

 

10位「Quick Wave Machinelle」(アルバム:Neu! 4)

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■曲名:Quick Wave Machinelle
■曲名邦題:機械的な波
■アルバム名:Neu! 4
■アルバム名邦題:ノイ!4
■動画リンク:「Quick Wave Machinelle」

このアルバムは「Neu! 4」という幻のアルバムからの選曲です。

先程述べたように、彼らは解散後に再結集しましたが、結局アルバムを完成させることができませんでした。

その時の録音はお蔵入りになったはずでしたが、クラウス・ディンガーがローターに許可をとらず、勝手にリリースしてしまいました。

それがこのアルバムです。

その後2人は裁判で争うことになり、結果的にローターがこのアルバムの権利を獲得し、発売されたのが「Neu!’86」。

要するに「Neu! 4」と「Neu!’86」は同じ音源を元だということになります。

同じ音源についてクラウス・ディンガーが完成させたのが「Neu! 4」、ミヒャエル・ローターが完成させたのが「Neu!’86」です。

ただ一部収録曲が異なりますし、曲の長さや曲の印象もかなり違う印象を受けますので、全く別ものと考えた方がいいかもしれません。

この曲はクラウス・ディンガー側のアルバムの曲ですが、演奏はミヒャエル・ローターだと思われます。

2人は音楽性の相違によって解散しました。

しかし私などは違ったままでも継続してほしかったと思ってしまいます。

 

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