今回はオフコースのランキングを作成しました。
ただし初期に限定して選曲しています。
売れていない時期の曲ばかりですが、今でも聞く価値のある曲ばかりだと思います。
- 1 1位「秋の気配」(アルバム:JUNKTION)
- 2 2位「眠れぬ夜」(アルバム:ワインの匂い)
- 3 3位「別れの情景(1)」(アルバム:この道をゆけば / オフ・コース・ラウンド2)
- 4 4位「愛の唄」(アルバム:ワインの匂い)
- 5 5位「夏の終り」(アルバム:FAIRWAY)
- 6 6位「潮の香り」(アルバム:JUNKTION)
- 7 7位「ワインの匂い」(アルバム:ワインの匂い)
- 8 8位「心さみしい人よ」(アルバム:FAIRWAY)
- 9 9位「よみがえるひととき」(アルバム:オフ・コース1 / 僕の贈りもの)
- 10 10位「歌を捧げて」(アルバム:SONG IS LOVE)
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1位「秋の気配」(アルバム:JUNKTION)
■曲名:秋の気配
■アルバム名:JUNKTION
■動画リンク:「秋の気配」
彼らは季節を取り上げた曲が多いように思います。
しかも夏まっただ中とか秋まっただ中ではなく、前後のうつろいに注目する傾向があります。
この曲は「秋の気配」ですが、「夏の終り」も同じ時期を題材にしているかもしれません。
この曲では季節の移り変わりに、別れの予感を重ね合わせています。
AH 嘘でもいいから
微笑むふりをして
僕の精一杯の優しさを
あなたは受けとめる筈もない
こんなことは今までなかった
ぼくがあなたから離れていく秋の気配(作詞:小田和正)
2人はまだ別れてはいないようです。
しかし彼女はもう微笑む気遣いもなく、男性は2人の関係が終わったのだと悟っている様子が伺えます。
4行目を読むと、男性はかなり辛辣な視線を彼女に向けていますね。
さてこの曲の舞台は、横浜港の見える丘公園です。
写真を引用しておきましょう。
上の写真を見てお聞きください。
2位「眠れぬ夜」(アルバム:ワインの匂い)
■曲名:眠れぬ夜
■アルバム名:ワインの匂い
■動画リンク:「眠れぬ夜」
この曲は西城秀樹のバージョン方が有名かもしれません。
そちらもリンクを貼っておきましょう。
この曲は当初バラードでしたが、プロデューサーの武藤敏史が、強引にアップテンポに変更したそうです。
それまでのアルバム『僕の贈りもの』[注 2]と『この道をゆけば』[注 3]に足りなかったものは何か。それはオフコースの場合、無条件に、理屈ぬきに誰もが楽しめるような曲や、シンプルな曲が少なすぎたのではないだろうか、と僕は判断したわけである。
武藤氏の判断は英断だったと思います。
そのおかげで西城秀樹にカバーされ、オフコースのバージョンも48位を獲得したのですから。
当時鳴かず飛ばずだった彼らにとって、起死回生の1曲になりました。
3位「別れの情景(1)」(アルバム:この道をゆけば / オフ・コース・ラウンド2)
■曲名:別れの情景(1)
■アルバム名:この道をゆけば / オフ・コース・ラウンド2
■動画リンク:「別れの情景(1)」
この曲は「秋の気配」と同じく、恋人関係が冷えていく様子が歌われています。
この曲にはパート2もあって、そちらもなかなかの名曲です。
彼らには純粋な喜びを歌った曲もありますが、人生の負の側面を歌った曲が少なくありません。
別れ、心が冷めていく様子、眠れない夜など。
そのせいか、彼らの音楽は暗いと呼ばれることがあります。
ただ昔は暗い=悪みたいな発想が強すぎたかもしれません。
もちろんそんなことは、音楽の価値とは別問題です。
今こそ彼らの音楽は、色眼鏡なしで評価されるべき時かもしれません。
4位「愛の唄」(アルバム:ワインの匂い)
■曲名:愛の唄
■アルバム名:ワインの匂い
■動画リンク:「愛の唄」
彼らの全盛期は「愛を止めないで」と「さよなら」という2大ヒットで始まったと言われています。
この記事ではその直前までを対象にしました。
ともあれその2曲は傑作です。引用しておきましょう。
なぜこの記事でその時期を含めなかったか、2つ理由があります。
1つは前期だけで良い曲が10曲以上あること。
もう1つの理由は、全盛期の曲は多くの人が知っているので、改めてご紹介しなくてもよさそうだと思ったからです。
今回この記事では、初期のオフコースの魅力を訴えたいと思いました。
もちろん「Three and Two」「We are」を筆頭に、その後もすばらしい作品が沢山あります。
5位「夏の終り」(アルバム:FAIRWAY)
■曲名:夏の終り
■アルバム名:FAIRWAY
■動画リンク:「夏の終り」
今回取り上げた時期は、小田和正と鈴木康博のデュオの時代です。
彼らは次作から清水仁・大間ジロー・松尾一彦の3人が加わり、バンド編成になりました。
このアルバムの時点で3人は正式メンバーではなかったものの、既にレコーディングには参加していました。
さて「Off Course」というバンド名は、小田和正が在籍していた野球チームの名前「Of Course」から取られたそうです。
当時小田和正は早稲田大学で建築学を学んでおり、音楽と建築どちらの道に進む相当悩んだようです。
結局彼は音楽の道を選びました。
ちなみに「f」1つ増えた「Off Course」は「もちろん」ではなく「道を外れて」という意味です。
そしてこのアルバムの名前は、「FAIRWAY」。
「FAIRWAY」とは、ゴルフ場で短く芝生が刈られた場所でのことで、安定してプレイできる場所のこと。
武藤敏史によれば「78年春より、オフコースはいよいよ爆発するぞという確実な手ごたえを感じ始めた僕らは、もうCMだなんだと売るための小細工は一切必要ない。
あとはただ音楽のフェアウェイを進んでいけばいいのだ、という考えをそのまま生かしてこのアルバムのタイトルも生まれた」[1]と振り返っている。
実際このアルバムは、初めてアルバム・チャートでトップテン入りを果たしています。
道を外れて音楽業界に飛び込んだ彼らは、この作品でフェアウェイをキープできることを証明しました。
6位「潮の香り」(アルバム:JUNKTION)
■曲名:潮の香り
■アルバム名:JUNKTION
■動画リンク:「潮の香り」
この曲は鈴木康博の曲です。
作詞作曲ボーカル、全て彼が担当しています。
今回は小田和正の曲を多めに取り上げましたが、実際分かりやすい名曲は小田和正の方が多いかもしれません。
ただアルバムを通して聞くと、鈴木康博の存在が必要不可欠であることが分かります。
鈴木康博の曲には派手さこそありませんが、独特の味わい深さがあります。
2人の優れたソングライターがいたことが、彼らの成功の要因でした。
鈴木康博が抜けた後にリリースされた「The Best Year of My Life」を聞いた時、鈴木氏の影響の大きさを感じたものでした。
この曲は実に鈴木康博らしい曲です。
このアルバムでは「恋人よ、そのままで」もすばらしい曲です。
7位「ワインの匂い」(アルバム:ワインの匂い)
■曲名:ワインの匂い
■アルバム名:ワインの匂い
■動画リンク:「ワインの匂い」
彼らの曲は五感で訴えかけてきます。
その点に関しては2人に共通する資質で、実際先程の「潮の香り」も匂いがテーマですし。
他にも予感だとか気配だとか、情景を描写した曲が多いように思います。
五感を駆使してつくられた曲は、リスナーの五感にも訴えてくるものです。
はじめてこの曲を聞いた時の私は、ワインを飲んだことはありませんでしたが、憂いと背中合わせの甘美な大人の世界があることを予期しました。
このアルバムの1曲目は、雨の音から始まりますが、つくづくイメージを喚起させるのですね。
さて今回は初期を対象にしました。
私はこのアルバムは全期間を通じて、最高傑作だと思っています。
初期の彼らはアメリカのバンド、ブレッド(Bread)にも似た上質なセンチメントが魅力でした。
8位「心さみしい人よ」(アルバム:FAIRWAY)
■曲名:心さみしい人よ
■アルバム名:FAIRWAY
■動画リンク:「心さみしい人よ」
彼らを語る時、プロデューサーの武藤敏史の存在が大きかったように感じます。
先程述べたように、武藤氏の提案でアップテンポに変更した「眠れぬ夜」が小ヒットしました。
同名のアルバムは62位を記録し、それ以降34位→21位→16位、そしてこのアルバムは8位と順調にステップアップしています。
また彼らの人気が高まる過程で「SELECTION 1973-78」というベスト盤が、とても大きな役割を果たしました。
そのベスト・アルバムについても、2人は興味を示さなかったようですが、武藤氏はこう主張しました。
これだけたくさんの良い曲があるのだから、この辺でベスト・アルバムを作っておいたほうがいいのじゃないか。
ベスト・アルバムをまず聴いてもらえれば、それがファンの人にとって、オリジナル・アルバムへと戻っていく通過点になるのではないか
武藤氏はオフコースがブレイクする上で、大きな貢献をしたと思います。
9位「よみがえるひととき」(アルバム:オフ・コース1 / 僕の贈りもの)
■曲名:よみがえるひととき
■アルバム名:オフ・コース1 / 僕の贈りもの
■動画リンク:「よみがえるひととき」
誰かに彼らの音楽を紹介する時、よく私はキリンジを引き合いに出しています。
どちらも2人の優れたソングライター・コンビですが、それだけではありません。
ひねった作曲や意外と毒を含んだ歌詞。
そして両者ともポール・ウィリアムズ(Paul Williams)の影響を感じます。
ポール・ウィリアムズは、カーペンターズに多くの楽曲を提供した人です。
初期のオフコースのピアノに明らかにカーペンターズっぽいですし、メロディは少しポール・ウィリアムズっぽいかもしれません。
コーラスはどう聞いてもポール・ウィリアムズの音楽です。
実際彼らはカーペンターズの大ファンで「愛の唄」は英語版のデモテープを作成し、リチャード・カーペンター(Richard Carpenter)に送ったとのこと。
キリンジもポール・ウィリアムズの影響が色濃いため、自然と両者は似ている感じがします。
先程ご紹介した「心さみしい人よ」も、キリンジっぽいと思いますし。
小田和正と堀込泰行の声質も、少し似ていないでしょうか。
一般的にこのアルバムでは、アルバム・タイトル曲や「水曜日の午後」が人気です。
後者だけリンクを貼っておきましょう。
10位「歌を捧げて」(アルバム:SONG IS LOVE)
■曲名:歌を捧げて
■アルバム名:SONG IS LOVE
■動画リンク:「歌を捧げて」
最後に個人的に好きな曲をご紹介します。
この曲は前半だけならば、私は選びません。
この曲は後半2:13からが聞きものです。
後半の歪んだ木漏れ日フォークみたいな箇所は、オフコースの音楽の最高の瞬間の一つかもしれません。
この部分は次のアルバム「JUNKTION」の1曲目「INVITATION」のイントロでも、同じメロディが使われていました。
次のアルバムに連続性を持たせたのですね。
私などはこの部分だけで1曲仕上げてほしいと思ってしまいますが。
今回は全盛期以前の時期を対象にしました。
もしこのランキングの記事が気に入ったら、それ以降もチェックしていただければと思います。
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