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カーラ・ブレイ(Carla Bley)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はカーラ・ブレイのランキングを作成しました。

この記事では彼女の魅力を、なるべく分かりやすくお伝えようと思い選曲しました。

彼女の初期を中心に選曲しました。

才女という言葉がとても似合う人です。

 

1位「Sing Me Softly of the Blues」(アルバム:Dinner Music)

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■曲名:ブルースをそっと歌って
■曲名邦題:Sing Me Softly of the Blues
■アルバム名:Dinner Music
■アルバム名邦題:ディナー・ミュージック
■動画リンク:「Sing Me Softly of the Blues」

アート・ファーマー(Art Farmer)の名演で知られている曲です。

このアルバムには、スタッフ(Stuff)のメンバーが多数参加しています。

当時前衛色が強かったカーラとソウルフルなスタッフとは、意外に相性が良いように感じました。

特にこの曲などは、スタッフの作品にカーラが客演しているような趣きがありますし。

プレイヤーとしての彼女は、主にピアノとオルガンを演奏しています。

わざわざ「プレイヤーとしての」と書いたのは、演奏家としての側面は彼女の魅力の一部にすぎないことから。

この曲では超一流スタジオ・ミュージシャン集団であるスタッフに混じって、彼女はオルガンを弾いています。

しかし彼女のオルガンはその中で、かなり印象的なプレイをしていますね。

彼女の全容は演奏だけでは計れませんが、プレイヤーとしても一流でした。

 

2位「Blunt Object」(アルバム:Live!)

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■曲名:Blunt Object
■曲名邦題:ブラント・オブジェクト
■アルバム名:Live!
■アルバム名邦題:ライヴ! (艶奏会)
■動画リンク:「Blunt Object」

この記事では前衛的と言われる彼女の音楽を、なるべく分かりやすくご紹介しようと思いました。

彼女には分かりやすいポップな曲も少なくありません。

たとえばこの曲です。

各プレイヤーのソロ演奏はどれもすばらしい出来で、聞きごたえ充分です。

テーマが2分近くあるので少し冗長ですが、それがなければ1位に推したいぐらいでした。

アヴァンギャルドなリスナーにも日和ったと思われず、それどころかシリアスなファンをも魅了する何かがあります。

パンク・ファンから見たスクイーズ(Squeeze)にも似た愛すべき感じを。

さて若い頃の私は「艶奏会」というアルバム邦題が親父ギャグのようで、あまり好きになれませんでした。

しかしこのアルバム・ジャケットを見ると、仕方ないのかもしれません(笑)

 

3位「More Brahms」(アルバム:Sextet)

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■曲名:More Brahms
■曲名邦題:モア・ブラームス
■アルバム名:Sextet
■アルバム名邦題:モア・ブラームス
■動画リンク:「More Brahms」

彼女は作曲家として高く評価されています。

その才能を証明するのがこの曲。

1位にした「Sing Me Softly of the Blues」と並ぶ、彼女の有名曲です。

しかし彼女の書く曲のメロディは、それほど分かりやすいわけではありません。

また下世話だったり、ヒット性のあるメロディを書く人でもありませんでした。

知的であってもアブストラクトすぎず、人間的な体温を失わない曲を書く人でした。

この曲もメロディが美しいだけでなく含蓄に富み、聞く度に味わい深さが増してきます。

そういう曲をもう1曲ご紹介しておきましょう。

Carla Bley – Lawns

この記事は入門者向けに書きましたので、選外とした曲です。

私の好みだけで選んだら、この曲も上位にランクインします。

 

4位「Joyful Noise」(アルバム:Heavy Heart)

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■曲名:Joyful Noise
■曲名邦題:ジョイフル・ノイズ
■アルバム名:Heavy Heart
■アルバム名邦題:ヘヴィ・ハート
■動画リンク:「Joyful Noise」
※音量が大きいので、少しボリュームを下げてお聞きください

次作「ナイト・グロウ(Night-Glo)」と並び、かなり聞きやすいアルバムです。

彼女の音楽は、ジャンル分けが難しいかもしれません。

この時期の彼女の音楽は、フュージョン/クロスオーヴァーだと思われます。

全キャリアを振り返ると、ジャズやロックっぽい曲も散見されます。

メンバーの編成も多彩で、小編成からビッグバンドまで多種多様。

この曲では、スティーブ・スレイグル(Steve Slagle)のフルートが大活躍しています。

彼女はチューバやトロンボーンなど低音域の楽器を好む傾向がありますが、この曲のようにフルートが目立つ曲も。

彼女はフリージャズに分類されることがあります。

私はその分類にためらいを覚えますが、自由な音楽であることは間違いありません。

「Joyful Noise」という曲名も、実に彼女らしいと思います。

 

5位「Reactionary Tango (In Three Parts)」(アルバム:Social Studies)

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■曲名:Reactionary Tango (In Three Parts)
■アルバム名:Social Studies
■アルバム名邦題:ソーシャル・スタディズ
■動画リンク:「Reactionary Tango (In Three Parts)」

私は彼女が参加しているリベレーション・ミュージック・オーケストラ(Liberation Music Orchestra)が大好きです。

しかし今回は取り上げません。

チャーリー・ヘイデン(Charlie Haden)の特集を書く時にも取り上げるつもりはありません。

いずれリベレーション・ミュージック・オーケストラの単独記事を書きたいと思っています。

その代りにリベレーション・ミュージック・オーケストラらしいこの曲を選びました。

リベレーション・ミュージック・オーケストラの音楽は、メッセージ色が強いのが特徴でした。

そもそもカーラ・ブレイもこんな活動をしていた人です。

マイケル・マントラーと共に、「ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ・アソシエーション」を設立、商業主義からのミュージシャンの保護、自由化に多大な貢献を為した。

カーラ・ブレイ ウィキペディア

このアルバム名は「社会科」という意味です。

アルバム・ジャケットからすると、社会を学ぼうという意味でしょうか。

ただ本があまりに分厚すぎますが(笑)

いまだ彼女の中には社会はどのようにあるべきかという、問題意識があるのかもしれません。

ちなみに「Reactionary Tango」とは「保守的な」という意味。

私の妄想ですが、アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)が書いた「リベルタンゴ(Libertango)」という曲を意識しているかもしれません。

 

6位「Ida Lupino」(アルバム:Dinner Music)

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■曲名:Ida Lupino
■曲名邦題:アイダ・ルピノ
■アルバム名:Dinner Music
■アルバム名邦題:ディナー・ミュージック
■動画リンク:「Ida Lupino」

この記事では、デビュー・アルバムから1987年の「Sextet」までを対象にしました。

以降もスティーヴ・スワロウ(Steve Swallow)との「デュエッツ(Duets)」や「ザ・ヴェリー・ビッグ・カーラ・ブレイ・バンド(The Very Big Carla Bley Band)」など、すぐれた作品を連発しています。

また彼女は様々な共同名義作品や編集盤など、ソロ名義以外でも活躍しています。

しかしそれらも除外せざるを得ませんでした。

彼女の代表作「ヨーロピアン・ツアー 1977(European Tour)」からも曲をご紹介できなかったほど。

本当に良い曲が多すぎますね。

この曲ではエリック・ゲイル(Eric Gale)のギターが聞きものです。

音のアタックが強めのエイモス・ギャレット(Amos Garrett)といった感じのメロウな名演です。

 

7位「The Lord Is Listenin’ to Ya, Hallelujah!」(アルバム:Live!)

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■曲名:The Lord Is Listenin’ to Ya, Hallelujah!
■曲名邦題:ハレルヤ!
■アルバム名:Live!
■アルバム名邦題:ライヴ! (艶奏会)
■動画リンク:「The Lord Is Listenin’ to Ya, Hallelujah!」

教会音楽家の父親の手ほどきで音楽の基礎を学び、その後はアカデミズムとは無縁で、ほとんど独学で通した。

カーラ・ブレイ ウィキペディア

独学で音楽を学ぶのは容易なことではありません。

99%の人は、基礎から指導された方が効率的に音楽を習得できると思います。

しかし1%ぐらい、いやもっともっと少ない中にはその例外がいます。

カーラ・ブレイはその中に含まれる才女で、天才と呼ぶべき一握りの人です。

彼女に関しては、バークリーで楽理を学ばなくても良かったかもしれません。

私はバークリー出身のアーテイストも好みますが、その一方で意外と画一的なところがあると思っています。

どことなく個性を育てる場ではないような気が。。。

一方家庭で親しんだであろう教会音楽は、その後の彼女の中にしっかり息づいています。

思えばスタッフと共演した時の相性の良さも、彼女の中に教会音楽というルーツがあったからかもしれません。

このアルバムは「Dinner Music」と並ぶ、彼女の最高傑作に推したい作品です。

もう1曲ご紹介しておきましょう。

Carla Bley – Time and Us

 

8位「Útviklingssang」(アルバム:Social Studies)

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■曲名:Útviklingssang
■アルバム名:Social Studies
■アルバム名邦題:ソーシャル・スタディズ
■動画リンク:「Útviklingssang」

彼女はピアノやオルガンの演奏、作曲、編曲で、すぐれた才能を発揮しています。

しかし一番突出した才能は音楽監督としての側面かもしれません。

この時期の彼女は名盤、快作ぞろいです。

しかし意外にもメンバーが固定されていません。

メンバーが替わっても、高水準の音楽を維持していました。

思えばマイルス・デイヴィス(Miles Davis)にもこういうことがありました。

その人の土俵に上がると、それだけで潜在能力を引き出されるような。

プレイヤーに対する目利き能力とポテンシャルを引き出す力。

この時期の彼女は、それがマイルス並みのように感じます。

この曲のカルロス・ワード(Carlos Ward)のサックスを聞くと、そんなことを感じました。

 

9位「I Hate To Sing」(アルバム:I Hate To Sing)

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■曲名:I Hate To Sing
■曲名邦題:歌うのなんて好きじゃない
■アルバム名:I Hate To Sing
■アルバム名邦題:歌うのなんて好きじゃない
■動画リンク:「I Hate To Sing」

彼女の音楽は喜怒哀楽、人間のすべてを表現しています。

スケールの大きな音楽だといえるでしょう。

たとえばこの1曲だけでフェリーニの映画を見ているような、人間の一生が表現されているように感じます。

しかし一方で彼女は華のある存在で、ヒップな面をも備えていました

彼女はコンテンポラリーなジャズを象徴する存在でした。

当時のスパイク・リー(Spike Lee)やHIPHOPと、そうかけ離れた音楽ではありません。

加えて彼女の音楽にはユーモアがありました。

この曲では「歌うのなんか嫌い」としながらも、ボーカルが入っています(笑)

彼女のスタイリッシュでポップなたたずまいは、存在自体がポップアートのような。

難解さや政治的な主張を含みながらも、遊び心にあふれ自由な空気があり、時に優雅ですらある。

彼女の音楽の根本には、自由な彼女のマインドがあるように思います。

 

10位「End of Rawalpindi」(アルバム:Escalator Over The Hill)

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■曲名:End of Rawalpindi
■曲名邦題:エンド・オブ・ラワルピンディ
■アルバム名:Escalator Over The Hill
■アルバム名邦題:エスカレーター・オーヴァー・ザ・ヒル
■動画リンク:「End of Rawalpindi」

ファースト・アルバムの曲です。

この記事の中ではかなり異色で、最初か最後にしか置けないような曲です。

アルバム全体としては。前衛的なロック・オペラみたいな感じ。

この作品は詩人ポール・ヘインズ(Paul Haines)との共同名義のアルバムです。

今回の記事の趣旨は、彼女の魅力を分かりやすく伝えること。

この曲はそこから少し逸脱しますが、すばらしすぎる曲なのでご紹介せざるを得ませんでした。

この曲の乱調の美は特筆に値します。

アルバム全体の出来もすばらしく、ジャズ・ロックがお好きな方におすすめです。

同じアルバムから、もう1曲ご紹介しておきましょう。

Carla Bley – Businessmen

最後に選んだ「End of Rawalpindi」は、ジョン・マクラフリン(John McLaughlin)
のギターがすさまじいです。

まさに鬼神の所業。

ジョン・マクラフリンは、当時のカーラ・ブレイに少し似た資質を持っていたかもしれません。

 

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