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スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)の名曲名盤10選【定番・隠れた名曲】

今回はスマパンのランキングを作成しました。

このバンドは、グランジというジャンルに分類されることが多いのですが、私は少し違和感を覚えます。

グランジはもう少し無造作な音楽だと思いますが、このバンドはかなり異なるのではないかと思うからです。

ビリー・コーガン(Billy Corgan)というビジョンを持ったリーダーがいたおかげで、トータルで完成度の高い世界をつくりあげています。

グランジにしては、スケール感のある楽曲も多いのも特徴の1つです。

私は単にオルタナロックバンドと考えていますす。

今回のランキングは、これからスマパンの魅力を知っていただきたく際の手引きになればと思っております。

少しだけ珍しい曲もご紹介していますので、玄人の方もぜひチェックしてみてください。

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1位「1979」(アルバム:Mellon Collie and the Infinite Sadness)

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■曲名:1979
■曲名邦題:1979
■アルバム名:Mellon Collie and the Infinite Sadness
■アルバム名邦題:メロンコリーそして終りのない悲しみ
■動画リンク:「1979」
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今回ランキングを作成するにあたり、このアルバムから2曲だけに制限しました。

そうでもしないと、このアルバムの曲で埋め尽くされてしまうからです。

私は本来、2枚組アルバムというものがあまり好きではありません。

たいていの場合質が落ちる曲があって、1枚にまとめたら良かったと思うことが多いからです。

しかしこのアルバムは質が高い曲がそろっていますので、むしろ2枚組で良かったと思います。

唯一の欠点は、聞く前に少し気合が必要であることと、聞き終わった後に充実感を伴った疲労を感じることぐらいでしょうか。

2位の「Tonight, Tonight」とどちらの曲を1位にしてもいいのですが、イントロの衝撃度が決め手になりました。

ところで「1979」とはどういう意味を持つ年なのでしょうか。

1979年はビリー・コーガンが12歳の頃ということです。

大人への入り口にさしかかる少し手前の時期といえるかもしれません。

ところがこの曲からうかがえるのは、無情な世界を達観している冷徹な目線です。

「僕たちは分かっていない。いずれ僕らの骨が塵になった後にどこで休めるのか。きっと忘れられ大地に吸収されるだけなのだろう」という内容です。

老成した子供、そして年をとっても世界になじめないでいる大人に刺さる曲だと思います。

 

2位「Tonight, Tonight」(アルバム:Mellon Collie and the Infinite Sadness)

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■曲名:Tonight, Tonight
■曲名邦題:トゥナイト・トゥナイト
■アルバム名:Mellon Collie and the Infinite Sadness
■アルバム名邦題:メロンコリーそして終りのない悲しみ
■動画リンク:「Tonight, Tonight」
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先程申し上げたように、このアルバムは2枚組で発売されました。

アルバム名邦題は比較的素直に翻訳されていますが、かっこいいタイトルですね。

感傷的な気持ち、そして悲しみが永遠に続くのではないかという恐れ、そういう世界観を持ったアルバムということです。

思春期の若者にとって、かなり強烈なイメージかもしれません。

悲観的な見方だと思うでしょうか。

しかしこの曲では、そんな時代をどう生きたらいいか、ビリーがメッセージを伝えてくれています。

「君は自信がなく、確信を持って生きてはいない。それは知っている。しかし今夜だけは、信じてほしい。人は変わることができるということを」という内容です。

このアルバムは2枚組で2時間を超える対策です。

そのハンデを超えて、この作品は全世界で1000万枚以上の大ヒットを記録しました。

それだけの求心力のあるテーマを持ったアルバムだったのですね。

彼らが訴えているのは音楽というより、ある種の物語であり、映像のない映画みたいなものだと思います。

もしこのアルバムをまだ持っていなくて、これから買おうという人は、歌詞が読めるように国内盤を買うことをおすすめいたします。

 

3位「Today」(アルバム:Siamese Dream)

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■曲名:Today
■曲名邦題:トゥデイ
■アルバム名:Siamese Dream
■アルバム名邦題:サイアミーズ・ドリーム
■動画リンク:「Today」
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彼らが一躍ブレイクしたセカンドアルバムからの選曲です。

このアルバムも2曲だけに制限をしました。

理由は先程と同じく、このアルバムには良い曲が多すぎるからです。

「天使のロック(Cherub Rock)」「武装解除(Disarm)」「奇人U.S.A.(Geek U.S.A)」「マヨネーズ(Mayonaise)」といった珠玉の作品を、残念ながらランキング外にせざるを得ませんでした。

このバンドの強みは、ビリーのソングライティング能力の高さです。

そうした名曲だからけのこのアルバム中で、最もポップな魅力を放っているのがこの曲です。

歌詞も彼らにしてはとてもポジティブな内容で「今日は最高の日で、明日が待ち遠しい」と歌われています。

その前向きなところが受けたのか、この曲は世界的にヒットを記録して、彼らの名声を高めました。

冒頭で私は彼らがグランジと呼ばれることに違和感があると書きましたが、この曲は少しグランジっぽいところがあります。

曲調がニルヴァーナに似ています。

それもそのはず、このアルバムはニルヴァーナ(Nirvana)の「ネヴァーマインド(Nevermind)」を担当した、ブッチ・ヴィグ(Butch Vig)がプロデュースを務めています。

この人はソニック・ユース(Sonic Youth)などのプロデュースでも有名な人で、ギターの音の録り方に特徴があります。

私はこのアルバムの大ヒットに、プロデュースの貢献がとて大きいと思っています。

 

4位「The Everlasting Gaze」(アルバム:Machina/The Machines of God)

■曲名:The Everlasting Gaze
■曲名邦題:ジ・エヴァーラスティング・ゲイズ
■アルバム名:Machina/The Machines of God
■アルバム名邦題:マシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド
■動画リンク:「The Everlasting Gaze」
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この曲はギターのリフを堪能する曲です。

この曲でジェームス・イハ(James Iha)は、まがまがしくすばらしいリフを提供しています。

ご存知の方も多いと思いますが、彼は日系アメリカ人で、日本名では井葉吉伸といいます。

外見はほぼ日本人ですが、日本語を話すことができません。

曲の話に戻すと、まずイントロの段階で勝負ありですね。

この不吉なリフは歌詞の内容とも呼応しています。

歌詞は死を恐れる人が「あなたは私が死んでいないことをご存知ですよね」と何度も聞いて確認しているという内容です。

不条理な演劇みたいなテーマの曲でしょうか。

リフだけで名曲ですが、この曲の一番の聞きどころは他にもあります。2:47のところです。

ビリー・コーガンが爬虫類ボイスでアカペラで歌っていますが、私はここがツボにはまりました。

このアルバムは、彼らのラストアルバムです。

このアルバムの前からバンドには亀裂ができていて、特にビリー・コーガンとダーシー・レッキー(D’arcy Wretzky)の関係が修復不可能になったようです。

このアルバムを最後にダーシーが脱退して、バンドはほどなくして解散することになりました。

 

5位「Perfect」(アルバム:Adore)

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■曲名:Perfect
■曲名邦題:パーフェクト
■アルバム名:Adore
■アルバム名邦題:アドア
■動画リンク:「Perfect」
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このアルバムは隠れファンが多いようです。

私も悪いアルバムとは思いませんが、正直聞く回数は他のアルバムよりも少ないです。

このアルバムはジミー・チェンバレン(Jimmy Chamberlin)が、不祥事によって脱退していた時期のアルバムです。

このバンドはメンバーの実力が拮抗していたことや、その個性のバランスが魅力だったのですが、そのバランスが崩れてしまった感じがします。

とはいえニュー・ウェイヴっぽい方向で試行錯誤をしていたのは、とても興味深いです。

この曲などは彼らの中でも屈指のポップな曲で、ポップな時のキュアー(The Cure)みたいなところがあります。

この曲は付き合っていた恋人が、どうせ別れるのだから、完璧に別れようという内容です。

今度会う時は見知らぬ他人として会おう。我々はもっと自由であるべきだからと。

実はこの時期、バンド内は相当不安定だったようです。

次作「Machina/The Machines of God」のレコーディング前に、既に解散することが決まっていたとも言われています。

このアルバムでは、ダーシーやイハの演奏が引っ込み気味ですが、彼らは解散後ビリーが結成したズワン(Zwan)には参加していません。

スマパンはビリーとジミーのズワン組と、ダーシーとイハなどのソロ活動組へと枝分かれしました。

そういうバンドのその後を思えば、とても意味深な曲です。

 

6位「Stand Inside Your Love」(アルバム:Machina/The Machines of God)

■曲名:Stand Inside Your Love
■曲名邦題:スタンド・インサイド・ユア・ラヴ
■アルバム名:Machina/The Machines of God
■アルバム名邦題:マシーナ/ザ・マシーンズ・オブ・ゴッド
■動画リンク:「Stand Inside Your Love」
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このアルバムは麻薬問題で逮捕されたジミー・チェンバレンが復帰したアルバムです。

メンバーがそろったことで、彼ららしい音楽に回帰しています。

その独特の世界観はサードアルバムの頃ぐらいから、独特な映像とのセットで表現されることが多くなってきました。

たとえばこの動画では、グロテスクなのか美しいのか分からない映像が続きます。

また前作の「Adore」のアルバムジャケットも、少し演劇っぽい感じでしたね。

ちなみに「Machina」とはラテン語で機械のことです。

その後に「The Machines of God」という「神の機械」という言葉が続いています。

どうやら少し古い時代の摩訶不思議な機械じかけみたいなイメージの言葉のようです。名画「天井桟敷の人々」みたいな感じでしょうか。

歌詞では恋人に対して「あなたは永遠に私のものだ」という、倒錯した愛をテーマにしています。

彼らの世界はどことなくアントニー&ザ・ジョンソンズ (Antony & the Johnsons)の世界に似ているような気がします。

もしアントニー&ザ・ジョンソンズについてご興味のある方は、別記事を書いています。

もしよかったらお読みください。

Antony & the Johnsons「Fistful of Love」(アルバム:I am a Bird Now)

 

7位「Quiet」(アルバム:Siamese Dream)

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■曲名:Quiet
■曲名邦題:クワイエット
■アルバム名:Siamese Dream
■アルバム名邦題:サイアミーズ・ドリーム
■動画リンク:「Quiet」
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彼らの特徴はビリー・コーガンという強力なリーダーがありながら、各メンバーの個性がいかんなく発揮されていることです。

まるで黒澤明という大監督の下で、クセや個性が強い俳優が、スクリーンを飛び出さんばかりの活躍をしていたのと少し似ています。

たとえばこの曲は演奏の魅力なくして成立しません。

特にジェイムズ・イハのトニー・アイオミ(Tony Iommi)ばりのリフが、この曲の魅力を一段も二段も引き上げています。

ダーシー・レッキーのベースもイハと呼吸が合っていて、地をはうこの重低音は本当にたまりません。

ダーシーのベースはテクニックで聞かせたりファンキーなプレイとかではありませんが、腹が据わっていてドスがきいている、男前なベースを弾く人です。

才人ジミー・チェンバレンもいつも通り快調です。

個性が強い面々が同じ方向を向いた時に、この曲のような名曲が生まれます。

この重心の低さは病みつきになりそうですね。

ただこの曲の歌詞はこんな爆音の曲なのに「とても静かです」という真逆のタイトルが付けられています。

彼らの曲名は1語だけシンプルで、印象深いタイトルが多いように思います。

 

8位「Daydream」(アルバム:Gish)

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■曲名:Daydream
■曲名邦題:デイドリーム
■アルバム名:Gish
■アルバム名邦題:ギッシュ
■動画リンク:「Daydream」
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この曲がランキングインしているのは少し意外かもしれません。

この曲はファーストアルバムからで、珍しくダーシーがボーカルをとっています。

曲の半ばあたりまでは、それほどすばらしいとは思えません。むしろ普通の曲です。

ただ中盤以降にアレンジがチェンバーロック風になって、その後一旦曲が途絶えて、違うメロディで始まります。

私は中盤からがすばらしいと思います。

ファーストアルバムのことを、サイケデリックなアルバムと言う人がいます。

確かにチェロやヴィオラも入っていて、最初からこのバンドが普通のロックバンドとは違う方向を目指していたことが分かります。

改めてファーストアルバムを聞き返すと、その後のアルバムに繋がっていない、途絶えた系譜の曲が見つかります。

この曲もその1つで、もっとこういう路線の曲をやってほしかったと思います。

特にダーシーのボーカルは、もう少し活かしても良かったのではないでしょうか。

最後の方でダーシーのボーカルはとても生々しく響き、一瞬PJ ハーヴェイ(PJ Harvey)あたりを思わせてくれます。

サウンドがアシッドフォークっぽく耽美的なのも私好みです。

魅力的な未完成といった感じの曲です。

 

9位「I Am One」(アルバム:Gish)

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■曲名:I Am One
■曲名邦題:アイ・アム・ワン
■アルバム名:Gish
■アルバム名邦題:ギッシュ
■動画リンク:「I Am One」
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私はジミーチェンバレンがこのバンドで果たしていた役割は、とても大きいと思っています。

彼のドラムは、このバンドの要だったと思います。

それがよく分かるのがこの曲です。

もうイントロのドラムだけで、このバンドのグルーヴを支配しているのが彼だということがまる分かりです。

ジミーはもともとジャズ畑出身であったことは有名な話ですが、それにしてはロック系のドラマーとして完成されています。

この曲はファーストアルバムからの曲ですが、この時点で既にこの演奏ですからね。

ジミーの演奏のどこがすごいのか、なかなか表現が難しいです。

丸太のような腕で叩いているような豪快なタイプでもないし、おかずの入れ方にそれほど特徴があるわけでもありません。

しかしこの曲でよく分かるようにセンスが良く、芯をとらえている感じの演奏です。

そこに黒子に徹して重低音に特化したダーシーのベースが重なる時、このバンド独特のグループが生まれています。

 

10位「Glass」(アルバム:Machina II/The Friends & Enemies Of Modern Music)


※ジャケットは「Machina/The Machines of God」を掲載しています

■曲名:Glass
■曲名邦題:グラス
■アルバム名:Machina II/the friends & enemies of modern music
■アルバム名邦題:マシーナII
■動画リンク:「Glass」

この曲は「Machina II/The Friends & Enemies Of Modern Music」というアルバムからの選曲です。

名前の通り「Machina/The Machines of God」の続編です。

「The Friends & Enemies Of Modern Music」とは「現代音楽の友と敵」という意味です。

これはどういう意味でしょうか。

このアルバムはCDとして発売されず、ダウンロードのみで提供されています。しかも無料配信です。

ビリー・コーガンによるとレコード会社にもうけさせるぐらいなら、無償提供した方がいいと思ったらしいです。

「敵」とはレコード会社のことかもしれませんが、「友」とは誰のことでしょうか。

この時既にダーシーは脱退していました。

ダーシーは「女優になるため」に脱退しましたが、その後健康状態を崩したり、いくつかの事件で逮捕されるなど、女優でも音楽であまりうまくいっていないようです。

イハは解散前にすばらしいソロアルバムを発表したり、ファッションブランドを立ち上げたり、いくつかのバンドに参加したりなどしています。

ビリーとジミーは「ズワン」という別バンドを結成しますが、1枚だけで解散して、ビリーはソロ活動に移行しています。

その後ビリーとジミーだけで2007年にスマパンを再結成していますが、こうした経緯をふまえると「友」とはジミーのことだったかもしれませんね。

再結成後のアルバムについて、私は以前ほどの興奮を覚えませんでしたので、対象外とさせていただきました。

このダウンロードのみの曲は、私のような昔ながらのファンにとって、最後の輝きだったかもしれません。

 

番外編「Bye June」(アルバム:Pisces Iscariot Deluxe Edition)

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■曲名:Bye June
■曲名邦題:バイ・ジューン
■アルバム名:Pisces Iscariot[Deluxe Edition] ■アルバム名邦題:パイシーズ・イスカリオット(デラックス・エディション)
■動画リンク:「Bye June」
■Amazon:このアルバムについて、他のレビューを読みたい方はこちらから

最後にアルバム未収録曲を集めたアルバムから取り上げます。

私はこの曲をEP「LULL」に収録されていたことで知っていましたが、その後「Pisces Iscariot」という2枚組の未発表曲集にも収録されました。

「Pisces Iscariot」は1枚ものと、2枚組のデラックス・エディションがありますが、この曲は後者にしか収録されていません。

このアルバムは「Siamese Dream」の頃のアルバム未収録曲を中心に収録されています。

しかしアルバムの質もオリジナルアルバムとして考えても良いぐらいの出来です。

もし「Siamese Dream」が2枚組だったら、もう1枚のアルバムはこんな感じだったかもしれないと思ったりもします。

この曲は極私的には名曲だと思っていますが、ランキングに入れるのはどうかと思い、番外編として選曲させていただきました。

おそらく気軽につくった曲だと思いますが、思いのほか良い出来です。

音楽性としてはジェイムスイハの傑作ファーストアルバムのような、聞きやすくてポップな曲です。

身長192cmで童顔スキンヘッドであるビリー・コーガンは、その後オペラ座の怪人のように仁王立ちしていましたが、まだこの頃は髪もありましたし、このようなナイーヴさを残していました。

彼らは演奏力も魅力なバンドですが、シンプルに仕上げたこの曲もなかなかすばらしいです。

彼らの素の魅力を味わえるデザート的逸品です。

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