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モノクローム・セット(The Monochrome Set)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はモノクローム・セットのランキングを作成しました。

このバンドは聞く人を選ぶかもしれませんので、まずは1曲目を聞いてみてください。

この記事では最初の解散までの期間を対象に選曲しました。

アルバム・バージョンではない曲もありますので、予めご了承ください。

 

1位「The Jet Set Junta」(アルバム:Eligible bachelors)

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■曲名:The Jet Set Junta
■曲名邦題:夕陽のジェット・セット・ジュンタ
■アルバム名:Eligible bachelors
■アルバム名邦題:エリジブル・バチュラーズ(独身貴族)
■動画リンク:「The Jet Set Junta」

彼らで一番有名な曲です。

イギリスのインディー・チャートで19位を記録しています。

彼らは日本でネオアコやギターポップに分類されることが多いですが、海外ではインディ・ポップに分類されることが多いかもしれません。

ただ彼らの音楽はかなり独特で、ロカビリーやサーフ・ロック色が強いのが特徴です。

またエンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)の西部劇みたいな要素もありますし。

この曲は「夕陽のジェット・セット・ジュンタ」という邦題が付けられていますが、そのあたりをふまえてのネーミングだと思われます。

「夕陽のガンマン」みたいな(笑)

ヒットしたせいか、この曲にはオフィシャルのMVがあります。

動画では全身黒で統一したファッションがかっこいいです。

 

2位「The Ruling Class」(アルバム:Eligible bachelors)

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■曲名:The Ruling Class
■曲名邦題:支配階級願望
■アルバム名:Eligible bachelors
■アルバム名邦題:エリジブル・バチュラーズ(独身貴族)
■動画リンク:「The Ruling Class」

こちらもロカビリーっぽい曲です。

しかし彼らはロカビリーを取り入れるのが上手ですね。

もう少しでネオ・ロカビリーと分類してもいいぐらいかもしれません。

彼らはイギリスのバンドですが、イギリスといえば階級社会です。

ただこの曲の内容はかなり倒錯的です。

この曲の登場人物の2人、貴族と使用人はSMプレイをしていますが、使用人がSで貴族がMみたいですね。

つまり日常の階級とは逆転しているということ。

そうした変態的世界を、さわやかに歌い上げています(笑)

彼らの音楽にあるバッドテイストやひねりは、ある種の人にはたまらないようです。

 

3位「Love Goes Down the Drain」(アルバム:Strange Boutique)

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■曲名:Love Goes Down the Drain
■曲名邦題:恋はアップ・アンド・ダウン
■アルバム名:Strange Boutique
■アルバム名邦題:ストレンジ・ブティック
■動画リンク:「Love Goes Down the Drain」

彼らの母体は1976年に結成されたB-サイズ(B-Sides)というバンドで、その後2つのバンドに枝分かれしました。

1つはアダム・アント(Adam Ant )を中心とした、アダム&ジ・アンツ(Adam & the Ants)。

もう1つはビド(Bid)を中心としたモノクローム・セット(The Monochrome Set)。

ビドと並ぶ重要人物レスター・スクェア(Lester Square)は、最初アダム・アントのバンドいましたが、その後ビドと合流しました。

このアルバムは、1980年に発売されたデビュー作です。

この頃は後に比べると、性急で鋭角なサウンドが魅力でした。

アルバム・ジャケットも、ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)やゴス系のバンドみたいでたまりません。

 

4位「Wallflower」(アルバム:The Lost Weekend)

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■曲名:Wallflower
■曲名邦題:ウォールフラワー
■アルバム名:The Lost Weekend
■アルバム名邦題:ロスト・ウィークエンド
■動画リンク:「Wallflower」

彼らの最高傑作は「Strange Boutique」「Eligible bachelors」「Lost Weekend」のどれかだと思います。

個人的には「Eligible bachelors」を推します。

しかし最初の1枚には、このアルバムがいいかもしれません。

このアルバムは初期に比べて聞きやすくなりましたし、曲のバラツキも少ないです。

この曲と並ぶ以下の人気曲も入っていますし。

The Monochrome Set – Jacob’s Laddert

アルバムタイトル「Lost Weekend」は、ビリー・ワイルダーの映画「失われた週末(The Lost Weekend)」から取られたかもしれません。

さて「Wallflower」という曲名は、パーティで誰にも相手にされず一人ポツンと壁に張り付いている人のこと。

地味な女の子をやゆしている歌詞は、正直私はあまり好きではありません。

 

5位「The Mating Game」(アルバム:Eligible bachelors)

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■曲名:The Mating Game
■曲名邦題:メイティング・ゲーム
■アルバム名:Eligible bachelors
■アルバム名邦題:エリジブル・バチュラーズ(独身貴族)
■動画リンク:「The Mating Game」

先程申し上げたように、私はこのアルバムを一番高く評価しています。

今回このアルバムから4曲選びましたが、他にも「魔の13日(On the 13th Day)」など捨てがたい曲があってご紹介しきれません。

私がこのアルバムが好きなのは、私が最初にはまったのが、「Westminster Affair」のせいかもしれません。

有名な編集盤「Westminster Affair」は、このアルバムの曲がメインでした。

選曲が偏りすぎていると感じるほどに。

特に最初の2枚「Strange Boutique」「Love Zombies」からの曲が少なすぎます。

そこで今回は修正版「Westminster Affair」を意識して選曲してみました。

私なりのベスト盤をつくろうと意識して選曲してみました。

文中でリンクした曲を含めると、私が考えるベスト盤選曲となります。

 

6位「The Weird, Wild and Wonderful World of Tony Potts」(アルバム:Love Zombies)

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■曲名:The Weird, Wild and Wonderful World of Tony Potts
■曲名邦題:トニー・ポッツの不思議な世界
■アルバム名:Love Zombies
■アルバム名邦題:ラブ・ゾンビーズ
■動画リンク:「The Weird, Wild and Wonderful World of Tony Potts」

セカンド・アルバムの曲です。

この曲ではメンバーのトニー・ポッツが取り上げられています。

トニーポッツは映像担当のメンバー。

イメージ戦略の中核的存在だったと思われます。

音楽そのものを除けば、彼らは少しこじれた側面があります。

たとえばそれは悪趣味であったり、ストレンジな世界観といえるかもしれません。

この曲は「The Weird, Wild and Wonderful World of Tony Potts」という曲名です。

直訳すると「奇妙、ワイルドですばらしいトニーポッツの世界」

私は彼らの歌詞の世界が今一つ入り込めません。

誤解を恐れずにいえば、読んでいて居心地が悪いのです。

ただ一方で音楽や「The Jet Set Junta」の映像のようなスタイリッシュなところは大好きです。

私はこのバンドについて、アンビバレントな感情を抱いています。

 

7位「Expresso」(アルバム:Strange Boutique)

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■曲名:Expresso
■曲名邦題:エスプレッソ
■アルバム名:Strange Boutique
■アルバム名邦題:ストレンジ・ブティック
■動画リンク:「Expresso」

ファースト・アルバムの曲です。

このバンドの毒が一番音楽に表れているアルバムかもしれません。

彼らはネオ・アコースティック、いわゆるネオアコに分類されることが多いように思います。

そういえばこのアルバムの「グッバイ・ジョー(Goodbye Joe)」は、トレイシー・ソーン(Tracey Thorn)にカバーされていました。

しかし私は若干違和感を感じます。

ネオアコに分類できるかどうか微妙な立ち位置は、ザ・スミス(The Smiths)と似ているかもしれません。

ザ・スミスとモノクローム・セットは、毒と個性が強すぎて、そうしたカテゴライズになじまないような感じがします。

ネオアコからはみ出る異端で孤高の存在感が似ています。

ただこの曲などを聞くと、ネオアコに分類したくなるのも分からないでもありませんが。

 

8位「I’ll Scry Instead」(アルバム:Eligible bachelors)

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■曲名:I’ll Scry Instead
■曲名邦題:僕が薙ぐ
■アルバム名:Eligible bachelors
■アルバム名邦題:エリジブル・バチュラーズ(独身貴族)
■動画リンク:「I’ll Scry Instead」

このバンドはギターのレスター・スクェアなしでは成立しません。

彼はマカロニ・ウェスタンなギターを披露したかと思えば、こうしたギタポっぽいけれど、どこかしらストレンジなプレイもあります。

彼のギターはサウンド面の要で「レスター・リープス・イン(Lester Leaps In)」という彼の名を冠したインスト曲もあります。

おそらく「Lester Leaps In」という曲名は、レスター・ヤング(Lester Young)の名前に由来すると思われますが。

ただ私はインストより、ボーカル曲の方が彼の良さが際立つように感じます。

The Monochrome Set – The Man with the Black Moustache

今回ランクインした「I’ll Scry Instead」は、脇に回ったギターがすばらしいサポートをしています。

 

9位「Eine Symphonie Des Grauens」(アルバム:Volume, Contrast, Brilliance… Vol.1)

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■曲名:Eine Symphonie Des Grauens
■曲名邦題:戦慄のシンフォニー
■アルバム名:Volume, Contrast, Brilliance… Vol.1
■アルバム名邦題:ボリューム、コントラスト、ブリリアンス
■動画リンク:「Eine Symphonie Des Grauens」

このアルバムは編集盤です。

ラフ・トレード(Rough Trade)時代のシングル、別テイク、未発表曲、ラジオ音源、ビドのソロ曲などが収録されていて、ファンならずとも見過ごせない作品です。

このアルバムが好評であったため「ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス…VOL.2(Volume, Contrast, Brilliance…Vol.2)」という続編もリリースされました。

続編からも1曲ご紹介しておきましょう。

The Monochrome Set – Cilla Black

内容は悪くないどころか極上といえる2枚です。

彼らはラフ・トレードからシングル・デビューしましたが、この頃はチェリー・レッド(Cherry Red)でした。

ベスト盤を出したいけれど、初期の権利はDindiscにあるので、こうしたリリースになったのではないかと推測しています。

 

10位「Avanti(Ten Don’t for Honeymooners)」(アルバム:Westminster Affair)

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■曲名:Avanti(Ten Don’t for Honeymooners)
■曲名邦題:アバンテ
■アルバム名:Westminster Affair
■アルバム名邦題:ウエストミンスター・アフェアー
■動画リンク:「Avanti(Ten Don’t for Honeymooners)」

この作品は初期のすばらしい曲が入っていませんので、ベスト・アルバムとはいえません。

このアルバムはよくベスト盤と紹介されていますが、私は違うと思います。

そういう問題意識から、この記事を書いたわけですが。。。

さて最後にこのバンドの中心人物、ビドについて触れておきましょう。

彼はこのバンドのボーカルで、メイン・ソングライターという大黒柱。

彼はアメリカ人とインド人のハーフで、コーナーショップ(Cornershop)のティジンダー・シン(Tjinder Singh)と同じくイント系の人です。

そのせいかこのバンドには異国っぽいところがあります。

しかし同時に彼はキンクス(The Kinks))っぽい英国センスも備えていました。

この曲にもキンクスっぽいトラジコメディな哀愁を感じます。

本当にセンスの塊みたいなバンドだと思います。

 

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