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スライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & The Family Stone)の名曲名盤10選【代表曲・隠れ名曲】

今回はスライ&ザ・ファミリー・ストーンの名曲を取り上げます。

この記事では「Stand!」以降のアルバムから選曲しました。

とかく後期のアルバムはスルーされがちですが、そうしたアルバムからも選曲してみました。

やはりスライは巨大な才能の持ち主です。

1位「Family Affair」(アルバム:There’s a Riot Goin’ On)

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■曲名:Family Affair
■曲名邦題:ファミリー・アフェア
■アルバム名:There’s a Riot Goin’ On(1971年)
■アルバム名邦題:暴動
■動画リンク:「Family Affair」

この曲は彼らの曲という枠を超えて、音楽の歴史にそびえ立つマスターピースです。

しかし当初スライ・ストーン(Sly Stone)は、シングルカットに難色を示したと言われています。

荒廃した家庭をテーマにした歌詞を気にしたのかもしれません。

マネージャーとプロデューサーが説得をして、どうにかシングル発売にこぎつけたそうです。

さてチープなリズムボックスにオフ気味のボーカルが絡むこの曲は、かなり特異な内省的ファンクです。

2:17のところで、スライは誰に向けているのか分からない叫び声をあげていますね。

生々しい音の感触そのものを味わたい曲かもしれません。

 

2位「If You Want Me to Stay」(アルバム:Fresh)

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■曲名:If You Want Me to Stay
■曲名邦題:イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ステイ
■アルバム名:Fresh(1973年)
■アルバム名邦題:フレッシュ
■動画リンク:「If You Want Me to Stay」

この曲はミーシャ・パリス(Mica Paris)を始めとする多くのアーティストがカバーしています。

Mica Paris – Stay

この曲は演奏が聞きものです。

私はラスティ・アレン(Rusty Allen)のベースラインが耳から離れません。

ゴリっとしていてクールに地べた這う中から、時々どう猛さを垣間見せるベースラインは鳥肌必至です。

シンシア・ロビンソン(Cynthia Robinson)によるトランペットも、とても良いアクセントになっていますね。

 

3位「Everyday People」(アルバム:Stand!)

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■曲名:Everyday People
■曲名邦題:エヴリデイ・ピープル
■アルバム名:Stand!(1969年)
■アルバム名邦題:スタンド!
■動画リンク:「Everyday People」

ピアノと女性コーラスが印象的な曲です。

楽曲の魅力という点ではこの曲が一番かもしれません。

この曲で彼は民族など様々な垣根を越えていこうと訴えています。

スライは「そういうのじゃなくて、普通に人間っていうのじゃだめかい?」と問いかけています。

このメッセージは後にアレステッド・ディベロップメント(Arrested Development)らに継承されました。

聞くと心が解放されたような気分になります。

 

4位「Runnin’ Away」(アルバム:There’s a Riot Goin’ On)

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■曲名:Runnin’ Away
■曲名邦題:ランニン・アウェイ
■アルバム名:There’s a Riot Goin’ On(1971年)
■アルバム名邦題:暴動
■動画リンク:「Runnin’ Away」

先程の曲とは打って変わって、かなり後ろ向きな曲です。

この振れ幅の大きさが、スライという人間を表しているかもしれません。

この曲は遠くへ逃げる場面を歌った曲です。

実際この時のスライは、やらなければいけないことから逃げていました。

約束期限から1年も過ぎていているのに、バンドのメンバーに会おうとすらしません。

1人で屋根裏に閉じこもり、だらだら過ごし、気が向いた時に宅録に近い形でレコーディングしていました。

しかし遅れに遅れたこのアルバムは大ヒットしましたから、結果的に良い結果になったようです。

 

5位「Say You Will」(アルバム:Small Talk)

5位「Say You Will」(アルバム:Small Talk)

■曲名:Say You Will
■曲名邦題:セイ・ユー・ウィル
■アルバム名:Small Talk(1974年)
■アルバム名邦題:スモール・トーク
■動画リンク:「Say You Will」

このアルバムは過小評価されています。

確かに比較的に地味なアルバムだと思います。

しかしこのアルバムでスライは、ある疑問に答えてくれました。

つまりそれまでの彼は異常にテンションが高かったり、サウンドが革新的だったしたけれど、素のスライはどうなんだろうということ。

結果は、普通の状態でも才能あることを証明してくれました。

むしろこのアルバムは、彼のアルバムの中で最も楽曲の粒がそろっています。

天才シェフが気軽につくった、まかない料理のような良さがありました。

 

6位「Stand!」(アルバム:Stand!)

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■曲名:Stand!
■曲名邦題:スタンド!
■アルバム名:Stand!(1969年)
■アルバム名邦題:スタンド!
■動画リンク:「Stand!」

このアルバムの特徴はソウルとファンクとロックが一体となっていること。

ドラマティックな高揚感もまた魅力です。

この頃の彼らは先行シングルの「Everyday Peopleル」が大ヒットした後。

スライは時代の寵児として登りつめようとしていました。

この時期反戦運動の高まりを背景に、人々は連帯を求めていました。

その時代の空気と一体化し、その熱狂ぶりを鮮やかに切り取ったのがこの曲です。

2:17ぐらいから曲調が変わるところで、私はいつも鳥肌が立ってしまいます。

 

7位「Somebody’s Watching You」(アルバム:Stand!)

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■曲名:Somebody’s Watching You
■曲名邦題:サムバディズ・ウォッチング・ユー
■アルバム名:Stand!(1969年)
■アルバム名邦題:スタンド!
■動画リンク:「Somebody’s Watching You」

上の曲と同じアルバムの曲です。

スライは時々こういうかわいらしい曲を書きますね。

歌詞の冒頭から「かわいい、かわいい、かわいい、まるで絵画みたい」と始まっていますし。

この曲も「Runnin’ Away」と同じく前向きな気持ちにさせてくれます。

コーラスとスライが掛け合いで歌っていますが、バックの演奏に様々な音が入っています。

この曲はサニーデイ・サービスもカバーしました。

SUNNY DAY SERVICE – SOMEBODY’S WATCHING YOU (FUTURE KISS Live)

 

8位「In Time」(アルバム:Fresh)

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■曲名:In Time
■曲名邦題:イン・タイム
■アルバム名:Fresh(1973年)
■アルバム名邦題:フレッシュ
■動画リンク:「In Time」

カミソリのような演奏の切れ味を味わいたい曲です。

特にドラムを叩いたアンディ・ニューマーク(Andy Newmark)の鬼神のような活躍は半端ありません。

彼の演奏はスネアとハイハットに特徴があって、タメがあるのにシャープです。

またここでもラスティ・アレンのベースが、ドラムのすき間を縫うように、ファンキーなフレーズを差し込んできます。

楽曲ではなく演奏を聞く曲かもしれません。

この時リズム隊は魔法がかっていて、本人たちでさえこのマジックを再現できませんでした。

 

9位「Remember Who You Are」(アルバム:Back on the Right Track)

9位「Remember Who You Are」(アルバム:Back on the Right Track)

■曲名:Remember Who You Are
■曲名邦題:リメンバー・フー・ユー・アー
■アルバム名:Back on the Right Track(1979年)
■アルバム名邦題:スライ・バック!!
■動画リンク:「Remember Who You Are」

8位までが本来のスライのすごさを味わえる曲です。

便宜上順位を付けましたが、どれも必聴の曲ばかりで順位は関係ありません。

ここからは全盛期を過ぎた時期の曲をご紹介したいと思います。

スライの最後の輝きは1974年の「スモール・トーク」だと思いますが、ここでは1979年のアルバムからご紹介します。

たった5年しか経過していないと思われるかもしれません。

しかしこのアルバムの前、既に彼は無残なアルバムを2枚残しています。

今回選曲するのに改めて聞きなおしましたが、改めて低迷期であることを再確認しました。

しかしこの曲などは、なかなかの掘り出し物ではないでしょうか。

 

10位「That’s Lovin’ You」(アルバム:High on You)

10位「That’s Lovin’ You」(アルバム:High on You)

■曲名:That’s Lovin’ You
■曲名邦題:ザッツ・ラヴィン・ユー
■アルバム名:High on You(1975年)
■アルバム名邦題:ハイ・オン・ユー
■動画リンク:「That’s Lovin’ You」

この曲も9位と同じく低迷期の曲です。

カラ元気っぽいジャケットを見ると、気まずい感じがしてしまいます。

低迷時代のスライの楽しみは輝きを感じない曲の中から、時々キラリと光る曲を見つけることかもしれません。

この曲は名曲とは言えませんが、なかなかの佳曲だと思います。

全盛期のスライとは異なる凡庸さと背中合わせの安定感みたいなものを感じます。

 

番外編「Dance to the Music」(アルバム:Dance to the Music)

番外編「Dance to the Music」(アルバム:Dance to the Music)

■曲名:Dance to the Music
■曲名邦題:ダンス・トゥ・ザ・ミュージック
■アルバム名:Dance to the Music(1968年)
■アルバム名邦題:ダンス・トゥ・ザ・ミュージック
■動画リンク:「Dance to the Music」

最後にもう1曲だけご紹介します。

今回の記事は「Stand!」以降のアルバムに限定しました。

しかしこの曲だけ、それ以前のセカンド・アルバムから選曲しました。

この前ファースト・アルバムでのスライは、完成度こそ低いものの、可能性を感じさせる何かがありました。

未完の怪物のような。

そのポテンシャルが初めて結実したのが、セカンド・アルバムの冒頭に収められたこの曲です。

やっぱりスライは怪物だったと思ってこの記事を読み終えていただきたいと思い、あえて最後に追加させていただきました。

 

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