今回はリック・ジェームスのランキングを作成しました。
彼は破天荒な生き方を反映した、スリリングな音楽を生み出しました。
基本的には、ファンク・ミュージックといえるでしょう。
しかし彼の尖った才気によって、バイタルで躍動感あふれるファンクになっています。
- 1 1位「Super Freak」(アルバム:Street Songs)
- 2 2位「Cop N Blow」(アルバム:Bustin’ Out of L Seven)
- 3 3位「Mary Jane」(アルバム:Come Get It!)
- 4 4位「Dance Wit’ Me」(アルバム:Throwin’ Down)
- 5 5位「Big Time」(アルバム:Garden of Love)
- 6 6位「Love Gun」(アルバム:Fire It Up)
- 7 7位「Mary -Go- Round」(アルバム:Garden of Love)
- 8 8位「Bustin’ Out (On Funk)」(アルバム:Bustin’ Out of L Seven)
- 9 9位「Fire It Up」(アルバム:Fire It Up)
- 10 10位「You and I」(アルバム:Come Get It!)
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1位「Super Freak」(アルバム:Street Songs)
■曲名:Super Freak
■曲名邦題:スーパー・フリーク
■アルバム名:Street Songs
■アルバム名邦題:ストリート・ソングス
■動画リンク:「Super Freak」
この曲はMCハマー(MC Hammer)の「ユー・キャント・タッチ・ディス(U Can’t Touch This)」元ネタとして有名です。
そちらもご紹介しておきましょう。
MC Hammer – U Can’t Touch This
少し似ているというより、激似といえるかもしれません。
当然リックはハマーを訴え「U Can’t Touch This」の共作者と認められました。
その後「U Can’t Touch This」は、1990年のグラミー賞を受賞しました。
授賞式ではハマーとリック、そしてリックの共作者のアロンゾ・ミラー(Alonzo Miller)の3人が壇上に上がったようです。
裁判で争った両者の間には、微妙な空気が流れていたかもしれません。
このアルバムには他にも以下の人気曲も収録されていて、彼の最高傑作と言われています。
Rick James – Give It to Me Baby
2位「Cop N Blow」(アルバム:Bustin’ Out of L Seven)
■曲名:Cop N Blow
■曲名邦題:コップ・N・ブロー
■アルバム名:Bustin’ Out of L Seven
■アルバム名邦題:バスティン・アウト・オブ・L・セブン
■動画リンク:「Cop N Blow」
私が一番好きな曲です。
リックのファンクは、ロックっぽいところが特徴かもしれません。
この曲はその個性を象徴する曲で、ほぼリフといえる程ギターが活躍しています。
3:12からのギターソロも聞きものですし。
ただリックの基本は、ファンク・ミュージックです。
ただ彼のファンクはノリ一辺倒ではなく、アレンジの妙味が味わえます。
この曲も5分という長さの中に、様々なアイデアが盛り込まれていて、個別には言及しきれません。
彼のサウンド・クリエイターとしての才能を感じる1曲です。
3位「Mary Jane」(アルバム:Come Get It!)
■曲名:Mary Jane
■曲名邦題:メリー・ジェーン
■アルバム名:Come Get It!
■アルバム名邦題:カム・ゲット・イット!
■動画リンク:「Mary Jane」
彼は元々ニール・ヤング(Neil Young)が在籍していたマイナー・バーズ(Mynah Birds)というバンドの一員でした。
しかし20代はソロデビューできず、1978年にようやくデビューにこぎつけました。
その時彼は30歳になっていましたから、遅咲きの部類だったと思います。
ちなみにニール・ヤングは1945年生まれで、リックが1948年生まれですから、ほぼ同年代なのですね。
さてこの曲はベースの演奏がおもしろいです。
チョッパーなのか、よく分かりません。
弾いた後に少しミュートしているような感じがしますし。
トリッキーなベース・プレイが、この曲をより魅力的にしています。
4位「Dance Wit’ Me」(アルバム:Throwin’ Down)
■曲名:Dance Wit’ Me
■曲名邦題:ダンス・ウィズ・ミー
■アルバム名:Throwin’ Down
■アルバム名邦題:スローイン・ダウン
■動画リンク:「Dance Wit’ Me」
彼の全盛期は1980年代だと言われています。
有名曲「Super Freak」を収録した「Street Songs」は、1981年にリリースされています。
彼はその勢いのまま翌年1982年に、このアルバムを発表しました。
この作品はアルバム・トータルでは、前作を上回る傑作に仕上がっています。
ただこのアルバムには、一つ気になることがあります。
ためしに以下の曲を聞いてみてください。
Rick James – She Blew My Mind (69 Times)
どちらの曲も、露骨に「Super Freak」っぽいですね(笑)
それはともかくご紹介した「Dance Wit’ Me」は、ロイ・エアーズ(Roy Ayers)のヴィブラフォンが聞きものです。
この時期までが、彼の全盛期といえるかもしれません。
5位「Big Time」(アルバム:Garden of Love)
■曲名:Big Time
■アルバム名:Garden of Love
■動画リンク:「Big Time」
彼はデビュー時から、セールス面では好調でした。
しかしこのアルバムで急ブレーキがかかりました。
アルバム・チャートで最高位が83位ですから、危機感を持ったことは想像に難くありません。
そもそも彼の魅力は危険な香りだと思います。
その点このアルバムはスローの曲が増えて、インパクトに欠けていたかもしれません。
彼はモータウン(Motown)傘下のレーベルに所属していました。
そのため「モータウンの異端児」と言われていました。
モータウンというレーベルは、プロモーション戦略にすぐれています。
思うようなセールスが得られなかった場合は綿密に対策を講じて、確実に実行するレーベルです。
その徹底度合いが半端ありません。
このアルバムの次作は、大ヒットした「Street Songs」です。
どうやらレーベル側は、人畜無害のイメージで売るのをあきらめて、本来のワイルドなイメージに方針転換したようです。
6位「Love Gun」(アルバム:Fire It Up)
■曲名:Love Gun
■曲名邦題:ラヴ・ガン
■アルバム名:Fire It Up
■アルバム名邦題:ファイアー・イット・アップ
■動画リンク:「Love Gun」
リックはマルチインストゥルメンタリストで、様々な楽器を演奏することができました。
ギター、ベース、キーボード、ドラムどれも演奏可能です。
しかしリックは自分で演奏せず、バンドに指示を与えていたと思われます。
当時彼のバックは、ストーン・シティ・バンド(The Stone City Band)が担当していました。
先程私はロックっぽい要素は、リックの意向だと書きました。
なぜそう言えるかというと、ストーン・シティ・バンド名義のアルバムは、ロック色が強くないからです。
ちなみにマルチ奏者のリックは、ベースが本職の人でした。
ストーン・シティ・バンドのベーシストは、オスカー・アルストン(Oscar Alston)という人です。
彼が一番リックからの圧を受けていたかもしれません(笑)
しかしこの曲の4:13からのベースをお聞きください。
オスカーはリックの期待に充分応えています。
7位「Mary -Go- Round」(アルバム:Garden of Love)
■曲名:Mary -Go- Round
■アルバム名:Garden of Love
■動画リンク:「Mary -Go- Round」
彼のファンクは「パンク・ファンク(Punk Funk)」と呼ばれています。
とはいっても、彼の音楽はパンクっぽいファンクではありません。
おそらくパンクと時代的に被っていたこともあり、ストリートの香りがするファンクみたいなニューアンスだと思います。
ちなみに彼は私生児として生まれ、スラム街で育ちましたから、ストリート感覚は自然と身に付いています。
今回は私の好みを反映して、ラフなファンク・ナンバーが多めになりました。
1曲ぐらいバラードも選ぼうと思いましたが、枠が足りなくなりました。
スローを1曲だけご紹介しておきましょう。
このアルバムはワイルドな側面は抑え気味ですが、バラードに佳曲がそろっています。
8位「Bustin’ Out (On Funk)」(アルバム:Bustin’ Out of L Seven)
■曲名:Bustin’ Out (On Funk)
■曲名邦題:バスティン・アウト
■アルバム名:Bustin’ Out of L Seven
■アルバム名邦題:バスティン・アウト・オブ・L・セブン
■動画リンク:「Bustin’ Out (On Funk)」
※シングル・バージョン
彼の音楽的なルーツの1つは、Pファンクだと思われます。
その影響は多くの曲に感じますが、この曲はその一例といえるでしょう。
パーラメントのカバー曲だと言われたら信じてしまいそうです。
さて1980年代にはPファンクの流れから、3人の偉大なアーティストが生まれました。
ザップ(Zapp)のロジャー・トラウトマン(Roger Troutman,)とリック、そしてプリンス(Prince)です。
リックは一時期、プリンスのライバルだと言われていました。
デビューしたのも同じ1978年ですし、音楽的にも似た部分があったように思います。
途中まではリックが優勢で、1980年にプリンスはリックのライブの前座を務めています。
しかしその後プリンスは時代をけん引する存在になり、対照的にリックは失速し始めました。
9位「Fire It Up」(アルバム:Fire It Up)
■曲名:Fire It Up
■曲名邦題:ファイアー・イット・アップ
■アルバム名:Fire It Up
■アルバム名邦題:ファイアー・イット・アップ
■動画リンク:「Fire It Up」
彼が失速した原因は2つあります。
一つはドラッグの問題です。
1984年にはオーバードーズの状態を発見され、入院する騒ぎがありました。
麻薬は彼の健康をむしばみ、次第に音楽活動も停滞していきました。
もう1つの原因は、打ち込みの導入です。
その最初のアルバム「コールド・ブラッデッド(Cold Blooded)」はまだしも、その次作の「グロウ(Glow)」では質の低下が明らかでした。
1980年代特有のチープなシンセサイザーとも、相性が良くなかったように思います。
先程から彼の魅力は、危険な香りや躍動感だと書きました。
しかしテクノロジーの導入によって、それらの良さが失われたかもしれません。
さてご紹介した「Fire It Up」は、まだ彼が人力ファンク一筋だった頃の曲です。
この曲には1970年代の大人数ファンクの魅力が凝縮されていますね。
ブーツィー・コリンズ(Bootsy Collins)っぽい魅力を持った曲だと思います。
10位「You and I」(アルバム:Come Get It!)
■曲名:You and I
■曲名邦題:ユー・アンド・アイ
■アルバム名:Come Get It!
■アルバム名邦題:カム・ゲット・イット!
■動画リンク:「You and I」
※シングル・バージョン
この曲はファースト・シングルですが、シングルチャートで13位を記録しています。
かなり幸先の良いスタートではないでしょうか。
一方後年の彼は、問題続きでした。
特に1990年代以降は、様々な暴力事件やレイプなどの犯罪を犯し、刑務所に服役しています。
ドラッグによる健康状態も深刻で、ついに以下のような結末を迎えました。
2000年代には再評価の気運が高まるが、2004年8月6日、ロサンゼルスの自宅で呼吸不全による心不全により死亡しているのが見つかる。
糖尿病を始めとする様々な病気に罹患して健康状態も極度に悪化していたようであり、血中からはコカインや睡眠薬等9種類もの薬物が検出された。56歳没。
最後に当時の恋人、ティナ・マリー(Teena Marie)とのデュエット・ソングをご紹介します。
Teena Marie ft. Rick James – I’m Just A Sucker For Your Love
リック名義の曲ではありませんが、全盛期のすごさが分かる名曲です。
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