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テレンス・トレント・ダービー(Terence Trent D’Arby)の名曲名盤10選【代表曲】【サナンダ・マイトレイヤ(Sananda Maitreya)】

今回はテレンス・トレント・ダービーのランキングを作成しました。

後に彼はサナンダ・マイトレイヤ(Sananda Maitreya)と改名しました。

この記事では改名前、つまりデビューから4枚目までのアルバムを対象にしています。

マイケル・ジャクソン(MichaelJackson)を除くと、当時全盛期だったプリンス(Prince)に肉薄できたのは、唯一この人ぐらいです。

神に最も近づいたことを証明する名曲の数々を、ぜひご堪能ください。

1位「Billy Don’t Fall」(アルバム:Neither Fish Nor Flesh)

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■曲名:Billy Don’t Fall
■曲名邦題:ビリー,僕には恋しないでくれ
■アルバム名:Neither Fish Nor Flesh(1989年)
■アルバム名邦題:N.F.N.F.
■動画リンク:「Billy Don’t Fall」

この曲が1位とは意外に思われるかもしれません。

しかし私にとってテレンスといえばこの曲です。

今回ディスコグラフィーを確認して初めて知りましたが、この曲はシングルカットされていたのですね。

しかし順位は付いていませんので、ヒットはしていないようです。

このぐらい良い曲だと、セールスの裏打ちは必要ありませんが。

内省的な曲が多いセカンド・アルバムの中で、比較的ポップな曲の1つです。

この曲の短所は自意識過剰なところですが、それもこの人なりの個性だと思います。

 

2位「If You Let Me Stay」(アルバム:Introducing The Hardline According to)

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■曲名:If You Let Me Stay
■曲名邦題:イフ・ユー・レット・ミー・ステイ
■アルバム名:Introducing The Hardline According to(1987年)
■アルバム名邦題:T.T.D.
■動画リンク:「If You Let Me Stay」

彼のデビュー・シングルです。

上のオフィシャル動画での彼は、ため息が出そうなぐらいカッコいいですね。

ルックスだけでなくパーフォーマンスにも目を引くものがあって、顕著にスター性を感じます。

当時人気アーティストのMVには、振付師が付いていたと思われます。

多くの人に対して広く効率的にアピールするために、パフォーマンスの質を上げようとしたはず。

しかしこの動画のかっこよさは、そういう作為的なものではありません。

奔放で、無軌道で、動きに切れがあって、遊び心もふんだんにあって、そうした彼の自由なふるまいを余すところなく伝えている動画です。

 

3位「Do You Love Me Like You Say?」(アルバム:Symphony or Damn)

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■曲名:Do You Love Me Like You Say?
■曲名邦題:ドゥ・ユー・ラヴ・ミー・ライク・ユー・セイ?
■アルバム名:Symphony or Damn(1993年)
■アルバム名邦題:シンフォニー・オア・ダム
■動画リンク:「Do You Love Me Like You Say?」

彼は前作のセールスの不振を受けて追い詰められていたと思います。

なにせファースト・アルバムは各国で軒並み1位を記録しましたが、このセカンドはまさかの最高位61位です。

この時その屈辱から3年半が経過していました。

デビュー時の彼はインタビューなどで、自分の才能について強気な発言を連発していました。

しかしセカンド・アルバムの失速で、その彼のプライドは相当傷いたと思われます。

そして雪辱を誓った彼は、満を持してこのサード・アルバムを発表しました。

アルバム。タイトルはこの曲の歌詞からとられていますが、直訳すると「交響曲かクソか」。

悲壮な決意のほどが伝わってきますね。

そしてこの曲はアルバムのファースト・シングルです。

曲名は「あなたは言うほど、僕を愛しているの?」という意味です。

ファンに向けた彼のメッセージだったかもしれません。

 

4位「Read My Lips (I Dig Your Scene)」(アルバム:Vibrator)

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■曲名:Read My Lips (I Dig Your Scene)
■曲名邦題:リード・マイ・リップス
■アルバム名:Vibrator(1995年)
■アルバム名邦題:バイブレーター
■動画リンク:「Read My Lips (I Dig Your Scene)」

彼はアメリカで一発屋に近い評価をされているようです。

確かにアルバムを発表するたびに順位が50位ぐらい下がって、ついにこのアルバムは最高で178位というジリ貧になりました。

しかもなぜ売れなくなったのか原因が不明です。

シングル向きのヒット性の高い曲もありますし、音楽の質も高水準をキープしていましたから。

もしかしたらこの世界は、挑戦的で濃密な彼の音楽を消化しきれなかったのかもしれません。

この後ついに彼は夢のお告げをによりサナンダ・マイトレイヤ(Sananda Maitreya)と改名しました。

彼は改名後も良い音楽をつくり続けています、

 

5位「To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly」(アルバム:Neither Fish Nor Flesh)

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■曲名:To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly
■曲名邦題:誰かを深く知るということは,誰かを思いやりのある心で理解するということ
■アルバム名:Neither Fish Nor Flesh(1989年)
■アルバム名邦題:N.F.N.F.
■動画リンク:「To Know Someone Deeply Is to Know Someone Softly」

一般的にこのセカンド・アルバムは失敗作だと言われています。

確かにセールス的に惨敗でしたし、当時私の周囲でも失望の声が挙がりました。

しかしこのアルバムは人を選ぶところはあるものの、音楽の質は前作以上だと思います。

私はこのアルバムが彼の最高傑作と思えるほど。

このアルバムが不評だったのは、内省的な曲が増えたからだと思われます。

その中の1曲が、シングルカットされたこの曲。

彼は「誰かを深く理解するということは、誰かをそっと理解すること」という曲名のこの曲をシングルにしました。

ちなみに彼はこのアルバムの1曲目で、自分自身について以下のように述べています。

「僕を定義することはできない。なぜなら僕は得体の知れない存在だからだ」。

 

6位「This Side of Love」(アルバム:Neither Fish Nor Flesh)

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■曲名:This Side of Love
■曲名邦題:歪められた愛
■アルバム名:Neither Fish Nor Flesh(1989年)
■アルバム名邦題:N.F.N.F.
■動画リンク:「This Side of Love」

セカンド・アルバムの曲です。

ロック色の強いこの曲はレニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)に似た感じがします。

曲名を直訳すると「愛のこちら側」。

こちら側とは何かと思ったら、「我々は愛について否定的な側にいる」という歌詞から始まっています。

精神的に不安定なようですね。

このアルバムの制作時、彼はビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の「ペット・サウンズ(Pet Sounds)」を聞き狂っていたそうです。

「ペット・サウンズ」もブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)が、精神的に不安定だった頃の作品でした。

テレンスはどこか危うい魅力を感じさせる人でした。

 

7位「Dance Little Sister」(アルバム:Introducing The Hardline According to)

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■曲名:Dance Little Sister
■曲名邦題:ダンス・リトル・シスター
■アルバム名:Introducing The Hardline According to(1987年)
■アルバム名邦題:T.T.D.
■動画リンク:「Dance Little Sister」

彼は様々な楽器を演奏できるマルチ・プレイヤー。

マルチ・プレイヤーの何が有利かというと、その人のやりたいことを隅々まで反映させやすいということです。

しかし一方でこだわりが強すぎると、独りよがりな音楽になりがちという負の側面が出てきます。

またダイナミズムを失い、こじんまりとしがちで、密室っぽくなる傾向があります。

セカンド・アルバムの密室っぽさには、そうした背景があるかもしれません。

他の例ではレニー・クラヴィッツのファースト・アルバムも、同じように密室っぽいです。

 

8位「Penelope Please」(アルバム:Symphony or Damn)

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■曲名:Penelope Please
■曲名邦題:ペネロープ・プリーズ
■アルバム名:Symphony or Damn(1993年)
■アルバム名邦題:シンフォニー・オア・ダム
■動画リンク:「Penelope Please」

曲名にある「Penelope」とはギリシア神話に出てくるユリシーズの妻のことで、貞淑な女性のイメージとのこと。

この曲では17歳のテレンスらしき男性が、ある女性に誘いをかけています。

ただその女性はクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)が出演するテレビ番組を見たくて、家に帰りたがっている模様。

クリッシー・ハインドは、プリテンダーズ(The Pretenders)の女性ボーカルです。

しかもそのクリッシー・ハインドは、この曲にコーラスで参加しています。

恋の邪魔をする存在として歌われたクリッシー・ハインドは、どういう気持ちだったでしょうね。

テレンスなりの一風変わった尊敬の表し方だと思いますが。

 

9位「She Kissed Me」(アルバム:Symphony or Damn)

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■曲名:She Kissed Me
■曲名邦題:シー・キスド・ミー
■アルバム名:Symphony or Damn(1993年)
■アルバム名邦題:シンフォニー・オア・ダム
■動画リンク:「She Kissed Me」

この「Symphony or Damn」の時彼はセールス的にリベンジしようとしていました。

特に前半のロック色が強い曲は、強い印象を残す曲ばかり。

たとえばこの曲も攻めた力強い作品に仕上がっています。

彼は大胆な行動をいとわず、自ら人生を切り開いていくタイプだと思われます。

彼はニューヨークのマンハッタンで生まれました。

成長した彼はボクシングの道に進むために、アメリカ軍に入団しました。

その後彼は軍隊とボクシングに興味を失い、ドイツに渡ってバンドに加入したり、その後イギリスに渡ってソロ・デビューしています。

この曲にもそうした彼のバイタリティや推進力を感じます。

 

10位「Wishing Well」(アルバム:Introducing The Hardline According to)

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■曲名:Wishing Well
■曲名邦題:ウィッシング・ウェル
■アルバム名:Introducing The Hardline According to(1987年)
■アルバム名邦題:T.T.D.
■動画リンク:「Wishing Well」

彼のデビュー・アルバムは5曲ものシングルヒットを生み、この曲は全米1位を獲得しています。

シングル以外にも「イフ・ユー・オール・ゲット・トゥ・ヘヴン(If You All Get to Heaven)」とか「レッツ・ゴー・フォワード(Let’s Go Forward)」のような名曲が目白押しですし。

名曲ばかりの中で、この曲はいい意味での軽さが魅力です。

確かに最大のヒット曲ですが、この曲が彼の代表曲かといったら、少し違うような気がしないでもありません。

ただその後彼が本当に自分がやりたい音楽を始めた時失った気軽さみたいなものが、この曲にあるような気がします。

この人は音楽の才能に恵まれていました。

彼が良い音楽を生み出そうとリキんだ時、大衆が消化するにはいささか重めの音楽になったような気がします。

私は彼が気負った音楽の方が好きですが。

記事の最後は、極上のパンケーキのようなこの曲で締めてみました。

 

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