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ウルトラヴォックス(Ultravox)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はウルトラヴォックスのランキングを作成しました。

この記事ではジョン・フォックス時代とミッジ・ユーロ時代、その両方を対象にしました。

便宜上順位は割り振っていますが、いつもとは異なってリリース順に配置しています。

音楽性は変わりましたが、彼らは違った魅力を打ち出しました。

 

1位「The Wild, The Beautiful and the Damned」(アルバム:Ultravox!)

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■曲名:The Wild, The Beautiful and the Damned
■曲名邦題:ワイルド・ビューティフル&ダムド
■アルバム名:Ultravox!
■アルバム名邦題:ウルトラヴォックス!
■動画リンク:「The Wild, The Beautiful and the Damned」

デビュー・アルバムの曲です。

この頃はジョン・フォックス(John Foxx)がバンドの主導権を握っていました。

彼はアートスクール出身で、グラフィック・デザインの分野で大学で講師をするなど、多彩な才能を持った人でした。

また彼は文学にも興味を持ち、特にJ・G・バラードに傾倒していたようです。

おそらくJ・G・バラードの世界観は、彼らの音楽にも影響を与えていたと思います。

さてこの曲のタイトルは「The Wild, The Beautiful and the Damned」。

おそらくF・スコット・フィッツジェラルドの小説「美しく呪われし者(The Beautiful and Damned)」から名付けられたアルバム名だと思われます。

J・G・バラードとF・スコット・フィッツジェラルド、どちらも退廃的な作風の作家でした。

ジョン・フォックスはその曲名に「The Wild」と付け加えました。

まるで俺たちは「美しく呪われているけれど、ワイルドだぜ」と言わんばかりです。

 

2位「I Want to Be a Machine」(アルバム:Ultravox!)

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■曲名:I Want to Be a Machine
■曲名邦題:マシーンになりたい
■アルバム名:Ultravox!
■アルバム名邦題:ウルトラヴォックス!
■動画リンク:「I Want to Be a Machine」

彼らは様々なアーティストから影響を受けていました。

サウンド的にはジャーマン・ロック、ロキシー・ミュージック、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響が感じられる(ファースト・アルバムの音楽性はジョン・フォックス自身が影響を受けたと公言しているニューヨーク・ドールズや同時代のパブロックにも通じている)。

ウルトラヴォックス ウィキペディア

このアルバムでは「Satday Night in the City of the Dead」はニューヨーク・ドールズ(New York Dolls)、「Slip Away」はロキシー・ミュージック(Roxy Music)、この曲はジョン・ケイル(John Cale)からの影響でしょうか。

ただその影響をこの水準で消化したのはさすがとしか言いようがありません。

アルバム・ジャケットも、パンクとグラムロック、クラウトロックらしさが同居しているように思います。

さてこの記事では1アルバム2曲までに制約したので、選外となりましたが以下の曲も必聴です。

Ultravox! – My Sex

 

3位「ROckWrok」(アルバム:Ha!-Ha!-Ha!)

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■曲名:ROckWrok
■曲名邦題:ロックロック
■アルバム名:Ha!-Ha!-Ha!
■アルバム名邦題:HA! HA! HA!
■動画リンク:「ROckWrok」

彼らの音楽はポストロックだと言われます。

ポストロックとは、従来のロックやパンクの定型に当てはまらない時に使われる言葉。

その点を踏まえて「ROckWrok」という曲名について、私の推測を述べたいと思います。

この曲は聞いての通り、とてもロックらしい曲です。

当時は普通のロックがクールではないと思われていました。

ただこの曲はデヴィッド・ボウイ(David Bowie)のロックンロール・ナンバーに少し似たロック・ナンバーです。

「ROckWrok」を「RockWrok」としなかったのは、この曲はロックだけど、普通のロックとは少し違うと主張したかったのかもしれません。

彼らは言葉の細部にこだわります。

たとえばこの頃のバンド名は「Ultravox!」でしたが、その背景にはこういう理由がありました。

初期の名義である「Ultravox!」の「!」はドイツの音楽グループ「Neu!」へのオマージュであり(サード・アルバム『システム・オブ・ロマンス』の頃より「!」が省略された)

ウルトラヴォックス ウィキペディア

 

4位「Hiroshima Mon Amour」(アルバム:Ha!-Ha!-Ha!)

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■曲名:Hiroshima Mon Amour
■曲名邦題:ヒロシマ・モナムール
■アルバム名:Ha!-Ha!-Ha!
■アルバム名邦題:HA! HA! HA!
■動画リンク:「Hiroshima Mon Amour」

アルカトラス(Alcatrazz)に同名曲がありますが、違う曲です。

ためしにYoutubeで「Hiroshima Mon Amour」と検索したら、現時点ではアルカトラスの方が上位に出てきました。

それはともかく「Hiroshima Mon Amour」とは「ヒロシマ、私の恋人」という意味です。

アラン・レネ監督の同名の映画からタイトルを引用したと思われます。

その映画では日本を訪れたフランス人女性がと日本人が、つかの間刹那的な恋に落ちるという物語でした。

この曲はシンセサイザーが魅力です。

彼らはパンクやグラムロックからの影響を色濃く感じさせます。

しかしこの曲のようにヨーロッパらしいデカダンスの香りがする曲も聞きもの。

その2つの要素が違和感なく同居していることが、このバンドの魅力でした。

彼らはイギリスのバンドです。

シンセサイザーが目立つ曲では、ヨーロピアンで退廃的な香りがしました。

 

5位「Slow Motion」(アルバム:Systems of Romance)

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■曲名:Slow Motion
■曲名邦題:スロー・モーション
■アルバム名:Systems of Romance
■アルバム名邦題:システム・オブ・ロマンス
■動画リンク:「Slow Motion」

このアルバムは、ジョン・フォックス時代の最高傑作だと言われています。

前2作とは異なりクラウトロックを代表するプロデューサー、コニー・プランク(Conny Plank)を起用しました。

また前作の後に、ギターのスティーヴィー・シアーズ(Stevie Shears)が脱退しました。

そのせいか更にキーボードに重点を移したように感じます。

バンド名から(!)が取れたことも含めて、彼らは変化を望んでいたように思います。

ギター以外でもダークなサウンドが多く、そのあたりはコニー・プランクの貢献かもしれません。

サウンドの低音部は、後のEDMへの影響を感じます。

このアルバムは日本のアーテイストにも影響を及ぼしました。

YMOの細野晴臣は『システム・オブ・ロマンス』を聴いてセカンド・アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』のベース音を録音し直したという逸話もある。

ウルトラヴォックス ウィキペディア

 

6位「Quiet Men」(アルバム:Systems of Romance)

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■曲名:Quiet Men
■■曲名邦題:クワイエット・メン
■アルバム名:Systems of Romance
■アルバム名邦題:システム・オブ・ロマンス
■動画リンク:「Quiet Men」

新加入のロビン・サイモン(Robin Simon)によるギターのカッティングが印象的な曲です。

ただその背後で常にキーボードが鳴っているのが、この時期の彼ららしいと思います。

キーボード・ソロもかなり目立っていますし。

このアルバムはこの種の音楽としては、これ以上ないほどの完成度でした。

ただこのアルバムは内容の充実度に反して、全く売れませんでした。

ジョン・フォックス時代の3枚はどれも傑作でしたが、どれもことごとくヒットしていません。

その結果彼らはアイランド・レコード(Island Records)との契約を失い、ジョン・フォックスはバンドを脱退しました。

しかしこの初期3作は当時のシーンに大きな影響力を与えました。

彼らはゲイリー・ニューマン(Gary Numan)など、多くのアーティストに大きな影響を与えたように思います。

その後ジョン・フォックスはソロ・アルバム「Metamatic」を発表し、アルバムチャートで18位を記録しました。

John Foxx – No One Driving

またジョン・フォックス脱退後のバンドは、次作「Vienna」が3位大ヒットしました。

ジョン・フォックスの脱退は大変残念ですが、その後の結果としては両者とも吉と出たようです。

 

7位「New Europeans」(アルバム:Vienna)

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■曲名:New Europeans
■曲名邦題:ニュー・ヨーロピアンズ
■アルバム名:Vienna
■アルバム名邦題:ヴィエナ
■動画リンク:「New Europeans」

このアルバムからジョンフ・ォックスに代わって、ミッジ・ユーロ(Midge Ure)が加入しました。

彼らはクリサリス・レコード(Chrysalis Records)から再出発することになりました。

その変化はバンドの音楽性に大きな影響を与えました。

その変化はテクノポップとかニューロマンティック等々、人によって表現が異なるかもしれません。

基本的にはポップで聞きやすくなったといえます。

この曲は日本でサントリー角瓶のCM曲として使用されました。

Ultravox – Original Japanese TV Advertisement For Suntory Whiskey

上のCM曲のナレーションも引用しておきましょう。

男の人生の半分は 女のものかもしれない
日本の女性が きれいになりましたね

なんとなく昭和を感じる広告文です。

 

8位「Vienna」(アルバム:Vienna)

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■曲名:Vienna
■曲名邦題:ヴィエナ
■アルバム名:Vienna
■アルバム名邦題:ヴィエナ
■動画リンク:「Vienna」

ジョン・フォックス時代との違いを最も感じさせる、ミッジ・ユーロ時代の曲です。

ヒット性が高い曲だと思いますが、実際2位を記録しました。

ウルトラヴォックスを好きな人には2種類に分かれるかもしれません。

1つはジョンフォックス時代が好きな人で、もう1つはミッジ・ユーロ時代が好きな人。

とかくジョン・フォックス派の人は、ミッジ・ユーロ時代を酷評しがちかもしれません。

私はどちらかというとジョン・フォックス派です。

しかしミッジ・ユーロ時代も決して嫌いではありません。

この記事はジョン・フォックス時代6曲、ミッジ・ユーロ時代4曲の選曲ですが、自分の中ではそのぐらいの割合です。

自戒を込めて言えばある音楽好きになれない場合、わざわざ嫌いと言う必要はありません。

自分の感想にすぎないのに主語を大きくするのは、不要な分裂を招くだけだと思います。

私も自らの理解力不足で好きになれない場合も少なくありませんし。

 

9位「We Stand Alone」(アルバム:Rage in Eden)

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■曲名:We Stand Alone
■曲名邦題:ウィ・スタンド・アローン
■アルバム名:Rage in Eden
■アルバム名邦題:エデンの嵐
■動画リンク:「We Stand Alone」

ポップ路線転換後、2作目からの曲です。

更にポップになりましたが、これがまた悪くありません。

この頃の中心人物ミッジ・ユーロは、元々セックス・ピストルズ(Sex Pistols)のメンバーだったグレン・マトロック(Glen Matlock)が結成した、リッチ・キッズ(Rich Kids)のメンバー。

リッチ・キッズはパンクから出てきましたが、ポップっぽいところがありました。

その後彼はシンセポップ・バンド、ヴィサージ(Visage)に参加しました。

タイプの異なるバンドを渡り歩いた不思議な経歴の人かもしれません。

その後ウルトラヴォックス参加後の変化を考えると、彼はポップな音楽に好きな人だと分かります。

この曲は引き続きコニー・プランクがプロデュースしたこともあって、硬質なサウンドはある程度維持されています。

 

10位「Reap the Wild Wind」(アルバム:Quartet)

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■曲名:Reap the Wild Wind
■曲名邦題:リープ・ザ・ワイルド・ウインド
■アルバム名:Quartet
■アルバム名邦題:カルテット
■動画リンク:「Reap the Wild Wind」

このアルバムからプロデューサーがビートルズ(The Beatles)で知られるジョージ・マーティン(George Martin)に変わりました。

そのせいかサウンドが売れ線寄りにシフトしたように思います。

初期とは違うタイプの音楽だと思えば、この曲も名曲の部類です。

シリアスな路線で評価されたバンドがポップになった場合、酷評されるケースは少なくありません。

私はそうした風潮について少し思うところがあります。

キリング・ジョーク(Killing Joke)もセカンド以降、正当に評価されていないように思いますし。

ウルトラヴォックスは「Vienna」以降も良い作品を連発しています

この記事では曲数の関係上、この「Quartet」までを対象としました。

しかし次作の「Lament」も良い出来でした。

このアルバムが一番好きな人がいても、なんら不思議はありません。

 

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