今回はランシドのランキングを作成しました。
彼らはオリジナル・パンク以降で、最も刺激的なパンク・バンドの1つです。
エッジの鋭さと音楽性を両立した稀有なバンドだと思います。
パンク好きはもちろん、普段パンクを聞かない人にもおすすめいたします。
- 1 1位「Ruby Soho」(アルバム:…And Out Come The Wolves)
- 2 2位「Time Bomb」(アルバム:…And Out Come The Wolves)
- 3 3位「Radio」(アルバム:Let’s Go)
- 4 4位「Fall Back Down」(アルバム:Indestructible)
- 5 5位「Bloodclot」(アルバム:Life Won’t Wait)
- 6 6位「Life Won’t Wait」(アルバム:Life Won’t Wait)
- 7 7位「Disgruntled」(アルバム:Rancid)
- 8 8位「Hyena」(アルバム:Rancid)
- 9 9位「Salvation」(アルバム:Let’s Go)
- 10 10位「Tropical London」(アルバム:Indestructible)
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1位「Ruby Soho」(アルバム:…And Out Come The Wolves)
■曲名:Ruby Soho
■曲名邦題:ルビー・ソーホー
■アルバム名:…And Out Come The Wolves
■アルバム名邦題:…アンド・アウト・カム・ジ・ウルブス
■動画リンク:「Ruby Soho」
彼らの中でも屈指の有名曲ですが、このアルバムには同格といえる曲が他に2曲あります。
それは2位の「Time Bomb」、そして以下の「ルーツ・ラディカルス(Roots Radicals)」。
今回1位に推した「Ruby Soho」は、特に楽曲の魅力を感じます。
彼らは演奏もすばらしいですが、充実した楽曲なくしてパンク王座に君臨できなかったと思われます。
この曲を書いたティム・アームストロング(Tim Armstrong)は、彼がプロデュースしたジミー・クリフ(Jimmy Cliff)のアルバムでも、この曲を取り上げました。
カバー曲と合わせて聞くと、より楽曲の魅力をご理解いただけるかもしれません。
2位「Time Bomb」(アルバム:…And Out Come The Wolves)
■曲名:Time Bomb
■曲名邦題:タイム・ボム
■アルバム名:…And Out Come The Wolves
■アルバム名邦題:…アンド・アウト・カム・ジ・ウルブス
■動画リンク:「Time Bomb」
パンクとレゲエは、当初から親和性の高い組み合わせでした。
特に昔のレゲエはレベル・ミュージック、つまり反逆の音楽と呼ばれていたものも多く、パンクのアティチュードと一致していました。
しかしこのバンドほど効果的にレゲエを取り入れたパンク・バンドは稀です。
他にはクラッシュ(The Clash)ぐらいでしょうか。
ちなみにパンク・バンドのレゲエ、特にスカの場合は「スカコア」とか「スカパンク」などと呼ばれます。
具体的にはこの曲をお聞きいただければと思います。
別のバンドですが、もう1曲スカコアの曲をご紹介しておきましょう。
パンクのライブでこういう曲があると踊れますし、とても楽しい気分になります。
ランシドはパンクとレゲエ、どちらの曲も最強でした。
3位「Radio」(アルバム:Let’s Go)
■曲名:Radio
■曲名邦題:レイディオ
■アルバム名:Let’s Go
■アルバム名邦題:レッツ・ゴー
■動画リンク:「Radio」
この曲はグリーン・デイ(Green Day)のビリー・ジョー・アームストロング(Billie Joe Armstrong)が曲づくりに参加しています。
ちなみにビリージョーは、一時期ランシドでギターを弾いていました。
仲間内の関係にあったのでしょう。
ティム・アームストロングとのダブル・アームストロング態勢のこの曲は、とてもキャッチーな人気曲です。
しかしこの曲の歌詞はシリアスです。
アルコールにおぼれている父親より、ラジオから流れる音楽が心の支えだったという内容ですから。
当時ラジオから流れてきた曲とは、クラッシュの「ディス・イズ・レディオ・クラッシュ(The This Is Radio Clash)」「7人の偉人(The Magnificent Seven)」など。
曲の終わり際では、音楽がありさえすれば、俺には向かうべき場所があると締めくくられています。
4位「Fall Back Down」(アルバム:Indestructible)
■曲名:Fall Back Down
■曲名邦題:フォール・バック・ダウン
■アルバム名:Indestructible
■アルバム名邦題:インデストラクティブル
■動画リンク:「Fall Back Down」
この曲のテーマは友情です。
「Fall Back Down」という曲名は「ひっくり返って倒れても」という意味。
このアルバムの前ティム・アームストロングは、妻ブロディ・ドール(Brody Dalle)と離婚していました。
ブロンディは、ザ・ディスティラーズ(The Distillers)のボーカルとギターとして知られています。
この曲はティムが仲間に向かって、俺がぶっ倒れたらお前は助けてくれるよな、お前は友達でいてくれるよなと懇願しています。
相当ボロボロだったのでしょう。
ちなみにブロンディは、16歳の時ティムに一目ぼれしたのだそうです。
当時ティムは30歳でしたのでかなり年の差がありますが、ブロンディは19歳と偽っていたとのこと。
その後ティムは彼女が他の男性とキスしている写真を目撃し、結果的にブロンディはティムから去りました。
お気の毒としか言いようがありません。
5位「Bloodclot」(アルバム:Life Won’t Wait)
■曲名:Bloodclot
■曲名邦題:ブラッドクロット
■アルバム名:Life Won’t Wait
■アルバム名邦題:ライフ・ウォウント・ウェイト
■動画リンク:「Bloodclot」
彼らの最高傑作は、一般的に「…And Out Come The Wolves」だと言われています。
有名曲が入っていることが大きいかもしれません。
しかし私は違和感があります。
アルバム全体を比べると、他の作品も劣っていないように感じますから。
私は今回取り上げたアルバムは、ほぼどれも同等だと思っています。
ただポップで多彩な音楽を好む人ならば、このアルバムが一番かもしれません。
他にも以下のような人気曲も収録されています。
さて今回選んだ「Bloodclot」は、ティム・アームストロングとラーズ・フレデリクセン(Lars Frederiksen)のツイン・ボーカルが超強力です。
ビートルズ(The Beatles)の「ツイスト・アンド・シャウト(Twist And Shout)」の発展形といえる曲です。
6位「Life Won’t Wait」(アルバム:Life Won’t Wait)
■曲名:Life Won’t Wait
■曲名邦題:ライフ・ウォウント・ウェイト
■アルバム名:Life Won’t Wait
■アルバム名邦題:ライフ・ウォウント・ウェイト
■動画リンク:「Life Won’t Wait」
通常パンク・バンドは初期衝動をそのまま音にして、その初速と突破力でファンを獲得します。
しかし時間が経過するにつれ初期衝動は弱まることが多いかもしれません。
ただ依然としてファンは刺激を求めていることが多く、バンドの変化との間にギャップが生まれがちです。
このバンドも例外ではありませんでしたが、彼らの変化は成功の部類と言えます。
勝因は楽曲の充実かもしれません。
彼らは当初からクラッシュに似ていると言われてきましたが、この変貌によって更に似ているという声が増えました。
この曲は「サンディニスタ! (Sandinista!)」の頃のクラッシュや「モア・スペシャルズ(More Specials)」の頃のスペシャルズっぽいかもしれません。
私は「人生は待ってくれない」というアルバム名も好きです。
7位「Disgruntled」(アルバム:Rancid)
■曲名:Disgruntled
■曲名邦題:ディスグラントルド
■アルバム名:Rancid
■アルバム名邦題:ランシドV
■動画リンク:「Disgruntled」
彼らは一時期パンク好きの心の支えみたいな存在でした。
パンクを好きな人には様々なタイプがいて、ポップ・パンクが好きな人が多数派かもしれません。
しかしコアなパンク・ファンは、甘さ控え目の曲を評価しがちです。
その点このバンドの立ち位置は絶妙で、どちらのタイプにも人気がありました。
このアルバムは、パンクに原点回帰した作品です。
パンクは贅肉が厳禁ですが、この曲は1分という短さ。
古き良きパンクを愛する人には、特におすすめしたい曲です。
曲は似ていませんが、なぜか私はこのアルバムを聞くとラフィン・ノーズが聞きたくなります。
8位「Hyena」(アルバム:Rancid)
■曲名:Hyena
■曲名邦題:ハイエナ
■アルバム名:Rancid
■アルバム名邦題:ランシドV
■動画リンク:「Hyena」
バンドの中心人物ティムは、このバンドの前に2つのバンドを経験しています。
彼は10代で伝説のバンド、オペレーション・アイヴィー(Operation Ivy)を結成しています。
次に彼が結成したのがダンス・ホール・クラッシャーズ(Dance Hall Crashers)。
その後ランシドを結成しました。
「Hyena」はファースト・アルバムからの曲です。
この曲はオペレーション・アイヴィー時代からティムと行動を共にしてきた相棒、マット・フリーマン(Matt Freeman)と共作した曲です。
マットはパンク・バンドのベーシストとしては異例の技巧派でした。
2:15からのマットのベース・プレイにご注目ください。
9位「Salvation」(アルバム:Let’s Go)
■曲名:Salvation
■曲名邦題:サルベイション
■アルバム名:Let’s Go
■アルバム名邦題:レッツ・ゴー
■動画リンク:「Salvation」
彼らが所属するエピタフ・レコード(Epitaph Records)というインディ・レーベルついても触れておきましょう。
「エピタフ」という名前は、キング・クリムゾン(King Crimson)の曲名が由来ですが、パンク・バンドの総本山みたいなレーベルです。
レーベル名より「パンク・オー・ラマ(PUNK-O-RAMA)」というコンピレーション・アルバムの方が有名かもしれませんが。
後にランシドは、ヘルキャット・レコード(Hellcat Records)に移籍しました。
しかしそのヘルキャットはエピタフの関連レーベルです。
彼らはインディ・レーベルという制約の少ない環境下で、思う存分実力を発揮することができました。
ちなみに彼らのバンド名Rancidとは「腐った」とか「悪臭を放つ」という意味です。
この曲を聞くと、メジャー・デビューしたら売れたかもしれないと思います。
ただバンド名的には、メジャー・レーベル向きではないかもしれませんが(笑)
10位「Tropical London」(アルバム:Indestructible)
■曲名:Tropical London
■曲名邦題:トロピカル・ロンドン
■アルバム名:Indestructible
■アルバム名邦題:インデストラクティブル
■動画リンク:「Tropical London」
最後に少し軽めの曲で締めたいと思います。
今回はデビュー作からこのアルバムまでを対象にしました。
彼らはこの後「レット・ザ・ドミノズ・フォール(Let The Dominoes Fall)」「…オナー・イズ・オール・ウィー・ノウ(…Honor Is All We Know)」「トラブル・メーカー(Trouble Maker)」をリリースしています。
それらのアルバムも悪い出来ではありませんが、ここまでを一区切りとさせていただきました。
このブログで取り上げるアーティストの多くには、手が付けられない乗りに乗った時期があるもの。
この曲にも全盛期ならではの輝きが感じられます。
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