今回はザ・ポリスのランキングを作成しました。
この記事では「シンクロニシティー(Synchronicity)」の曲を除外して選曲しました。
あのアルバムは数曲抜き出すのではなく、通して聞いた方がいいと思ったからです。
ただそれ以外の4枚のアルバムから、選りすぐりの曲をかき集めています。
- 1 1位「Message in a Bottle」(アルバム:Reggatta de Blanc)
- 2 2位「Every Little Thing She Does Is Magic」(アルバム:Ghost in the Machine)
- 3 3位「Don’t Stand So Close to Me」(アルバム:Zenyatta Mondatta)
- 4 4位「Spirits in the Material World」(アルバム:Ghost in the Machine)
- 5 5位「Can’t Stand Losing You」(アルバム:Outlandos d’Amour)
- 6 6位「The Bed’s Too Big Without You」(アルバム:Reggatta de Blanc)
- 7 7位「De Do Do Do, De Da Da Da」(アルバム:Zenyatta Mondatta)
- 8 8位「Omegaman」(アルバム:Ghost in the Machine)
- 9 9位「Reggatta de Blan」(アルバム:Reggatta de Blan)
- 10 10位「Roxanne」(アルバム:Outlandos d’Amour)
- 11 11位「Next to You」(アルバム:Outlandos d’Amour)
- 12 12位「Walking on the Moon」(アルバム:Reggatta de Blanc)
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1位「Message in a Bottle」(アルバム:Reggatta de Blanc)
■曲名:Message in a Bottle
■曲名邦題:孤独のメッセージ
■アルバム名:Reggatta de Blanc(1979年)
■アルバム名邦題:白いレガッタ
■動画リンク:Message in a Bottle
まずイントロがすばらしいですね。
アンディ・サマーズ(Andy Summers)は珍しくロックっぽいギターを弾いています。
スチュワートのドラムはよく前ノリだと言われていますが、この曲を聞くとスティング(Sting)のベースもかなり前ノリかもしれません。
全体的に前がかりに攻めている感じがする演奏です。
この曲の主人公は遭難して、SOSのメッセージを入れた瓶を海に流し助けを求めています。
しかし海辺には彼の瓶だけでなく、無数の瓶が打ち上げられているという歌詞です。
つまり誰もがみんな孤独で助けを求めているというメッセージなのでしょう。
硬派なメッセージ、エッジの立った演奏が融合した名曲です。
2位「Every Little Thing She Does Is Magic」(アルバム:Ghost in the Machine)
■曲名:Every Little Thing She Does Is Magic
■曲名邦題:マジック
■アルバム名:Ghost in the Machine(1981年)
■アルバム名邦題:ゴースト・イン・ザ・マシーン
■動画リンク:Every Little Thing She Does Is Magic
彼らは1枚目と2枚目では、あまり音楽性が変わっていません。
しいて言えばファースト・アルバムの方が、少しパンクっぽいぐらい。
その後サード・アルバムぐらいから、少しずつ音楽性が変わってきました。
音数が増えて音が分厚くなってきましたが、それが頂点に達したのがこのアルバムです。
彼らは3人組(ギター、ベース、ドラム)というスリーピースのバンド。
しかしこのアルバムでは、3人で表現できる範囲を超えようとしています。
この曲にはシンセサイザーだけでなく、ピアノも入っています。
ピアノはジーン・ルーセル(Jean Roussel)ですが、曲に躍動感を加えていて影のMVPといえる貢献をしています。
3位「Don’t Stand So Close to Me」(アルバム:Zenyatta Mondatta)
■曲名:Don’t Stand So Close to Me
■曲名邦題:高校教師
■アルバム名:Zenyatta Mondatta(1980年)
■アルバム名邦題:ゼニヤッタ・モンダッタ
■動画リンク:Don’t Stand So Close to Me
曲名を直訳すると「そんなに近くに寄らないで」、邦題は「高校教師」。
歌詞を読むと、若い男の先生が女子高生たちの妄想の対象になっているという内容です。
歌詞にウラジーミル・ナボコフの名作小説「ロリータ」が引用されていますが、おそらく種明かしのつもりなのでしょう。
若い先生が女子生徒に対して、そんなに近くに寄らないでと訴えていますが、PVでもスティングが神経質そうな先生役を演じています。
実はスティングは、ミュージシャンの前に教師の仕事をしていました。
5歳から9歳までの児童を担当していたようですが、教育実習では15歳までの生徒を受け持っていたとのこと。
その時の経験を元につくられた曲かもしれません。
若い頃のスティングはかなりのイケメンでしたから、おそらく相当もてたのでしょう。
4位「Spirits in the Material World」(アルバム:Ghost in the Machine)
■曲名:Spirits in the Material World
■曲名邦題:マテリアル・ワールド
■アルバム名:Ghost in the Machine(1981年)
■アルバム名邦題:ゴースト・イン・ザ・マシーン
■動画リンク:Spirits in the Material World
彼らは以前から政治的なメッセージを発信していました。
しかしこのアルバムでは更にそういう傾向が強まっています。
アルバム名を直訳すると「機械の中の幽霊」です。
文明批判っぽい感じがしないでしょうか。
またこの曲のタイトルは「物質世界の精霊」という意味で、我々は進化の行き止まり段階にあるのではないかと警鐘を鳴らしています。
ただ進化の行方を憂いている一方で、シンセサイザーなどテクノロジー色を強めたサウンドとは、皮肉な感じがしてしまいます。
ちなみにジャケットは3桁の数字みたいに見えますが、これはメンバーの顔をデジタル化したもの。
私の感じだと、アンディ →スティング →スチュワートの順だと思います。
5位「Can’t Stand Losing You」(アルバム:Outlandos d’Amour)
■曲名:Can’t Stand Losing You
■曲名邦題:キャント・スタンド・ルージング・ユー
■アルバム名:Outlandos d’Amour(1978年)
■アルバム名邦題:アウトランドス・ダムール
■動画リンク:Can’t Stand Losing You
「Can’t Stand Losing You」という曲名は「君を失うのは耐えられない」という意味です。
珍しくラブソングかと思って歌詞を読むと、恋愛ではなく自殺がテーマの曲でした。
自殺を助長しかねないとしてBBCが放送禁止にした、いわくつきの曲です。
歌詞を読むと、一応は自殺を考えている友人を引き留めようとしています。
しかし一方でたぶんこれが最後のお別れになるだろうが、俺はあまり気にしないし、泣きもしないよと歌っています。
自殺を推奨せずとも突き放したことには、いささか倫理的な問題があったかもしれません。
6位「The Bed’s Too Big Without You」(アルバム:Reggatta de Blanc)
■曲名:The Bed’s Too Big Without You
■曲名邦題:ひとりぼっちの夜
■アルバム名:Reggatta de Blanc(1979年)
■アルバム名邦題:白いレガッタ
■動画リンク:The Bed’s Too Big Without You
この曲はアンディ・サマーズのギターに注目です。
アンディは元々ロック畑の人ではありません。
デビュー前には既にジャズ界隈で活躍していましたし、デビュー時は35歳で完成されたプレイヤーでした。
彼は前面に出てけん引するタイプではありませんし、典型的なロック・ギターを弾く人でもありません。
地味なプレイヤーいってもいいでしょう。
もちろん地味なだけではありません。
「見つめていたい(Every Breath You Take)」でのミュートをかけたアルペジオの演奏は、ロック史上に残る名演です。
The Police – Every Breath You Take
彼は玄人受けするギタリストだと思います。
7位「De Do Do Do, De Da Da Da」(アルバム:Zenyatta Mondatta)
■曲名:De Do Do Do, De Da Da Da
■曲名邦題:ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ
■アルバム名:Zenyatta Mondatta(1980年)
■アルバム名邦題:ゼニヤッタ・モンダッタ
■動画リンク:De Do Do Do, De Da Da Da
このバンドの言葉のセンスは、最初からどこか変だったように思います。
そもそもの話、普通は「警察」というバンド名を付けませんよね。
ファースト・アルバムのタイトル「Outlandos d’Amour」は「無法者」と「特殊部隊」とフランス語の「愛」という言葉を組み合わせた造語です。
セカンド・アルバムの「Reggatta de Blanc」は「白いレゲエ」という意味なのだそうです。
そしてこのサード・アルバムにいたっては、ますます意味が分かりません。
「Zenyatta Mondatta」は日本語で「銭やったもんだった」と読めますが、アルバム名の意味についてはメンバーがそれぞれ違うことを言っていて、今だに判明していません。
さてこの曲は、日本語バージョンがあることをご存知でしょうか。
The Police – De Do Do Do, de Da Da Da (Japanese version)
難しい造語を考えたかと思えば、この曲では擬音だけの曲名です。両極端すぎるかもしれません。
8位「Omegaman」(アルバム:Ghost in the Machine)
■曲名:Omegaman
■曲名邦題:オメガマン
■アルバム名:Ghost in the Machine(1981年)
■アルバム名邦題:ゴースト・イン・ザ・マシーン
■動画リンク:Omegaman
このブログではシングルや有名曲など関係なく、良い曲をご紹介したいと思っています。
よく知られていない未シングル曲、無名曲をご紹介することに、いつも私は執念を燃やしています。
シングルだけで良い曲をご紹介するのは簡単ですが、それだったらベスト盤で事足りてしまいますし。
今回ご紹介した中で、無名曲の筆頭といえるのがこの曲。
このバンドはシングルの選択が的確で、良い曲はほぼシングルカットされています。
しかしこの曲は数少ないその例外。
シングルカットしていないのが不思議に思えるほどキャッチーな隠れ名曲だと思います。
9位「Reggatta de Blan」(アルバム:Reggatta de Blan)
■曲名:Reggatta de Blan
■曲名邦題:白いレガッタ
■アルバム名:Reggatta de Blan(1979年)
■アルバム名邦題:白いレガッタ
■動画リンク:Reggatta de Blan
スチュワート・コープランドのドラムを堪能したい曲です。
名ドラマーは沢山いますが、この人は頂点に君臨する1人といえるでしょう。
この人のドラムには出足が鋭くて、手数が多いという特徴があります。
R&Bによくある特別なことは一切やっていないのに、リズムのキープだけでいい感じにする後ノリ系のドラマーとは正反対の人です。
前ノリ気味の演奏ですし、様々な小技を繰り出しています。
この曲でもまずイントロからして、耳をそばだてる引っかかりがないでしょうか。
アンディのギターが地味で変なのに対して、スチュワートのドラムはシャープで耳を惹き付けます。
ただ曲の解釈に優れているせいか、決してうるさい演奏にはなりません。
10位「Roxanne」(アルバム:Outlandos d’Amour)
■曲名:Roxanne
■曲名邦題:ロクサーヌ
■アルバム名:Outlandos d’Amour(1978年)
■アルバム名邦題:アウトランドス・ダムール
■動画リンク:Roxanne
彼らは当初から演奏力が秀でていました。
アンディとスティングはジャズ畑、スチュワートはプログレ出身です。
つまり基本的に演奏だけで勝負してきた人たちですから、演奏力があって当たり前かもしれません。
また一方で彼らはレゲエを研究し、かなり本格的にレゲエを演奏できる数少ない存在でした。
ただ本場とは少し違う部分があって、本場のレゲエに比べるとタメが軽めで、いささか硬めの演奏をします
レゲエと尖ったニューウェーヴとのハイブリッドといえるユニークな音楽が誕生しました。
また彼らはレゲエのリズムで始まっても、サビではロックになる曲が多いのですが、それも偶然ではないはず。
彼らは意識的にロックとレゲエを融合した音楽をやろうとしていたように思います。
ちなみにこの曲は、売春婦に恋をする男性の話です。
「俺はお前を見下して話したりしないよ」とか「俺は初めて会った時からお前が好きだった」などと歌われています。
11位「Next to You」(アルバム:Outlandos d’Amour)
■曲名:Next to You
■曲名邦題:ネクスト・トゥ・ユー
■アルバム名:Outlandos d’Amour(1978年)
■アルバム名邦題:アウトランドス・ダムール
■動画リンク:Next to You
彼らは元々パンクっぽい演奏をしていました。
ちなみに彼らのデビュー・シングルは「Roxanne」ではなく、以下の曲です。
この頃はもっとストレートにパンキッシュな曲をやっていました。
翌1978年にデビュー・アルバムがリリースされましたが、この曲にはまだ少しパンクっぽいところが残っています。
後の洗練されたポリスしか知らない方は、こんなに荒い曲をやっていたのかと驚かれるかもしれません。
ドラムはタイム感覚こそスチュワートっぽいですが、パンク色の強い演奏をしています。
ちなみにアンディ・サマーズ(Andy Summers)は、いい年になっていたせいか、それほどパンクっぽい演奏でありません。
その代わりに1:06ぐらいから一風変わったギターを弾いています。
12位「Walking on the Moon」(アルバム:Reggatta de Blanc)
■曲名:Walking on the Moon
■曲名邦題:ウォーキング・オン・ザ・ムーン
■アルバム名:Reggatta de Blanc(1979年)
■アルバム名邦題:白いレガッタ
■動画リンク:Walking on the Moon
ウィキペディアを読んでいたら、以下のような発言がありました。
デビュー時の発言だったようです。
当時の彼らは「あと3年くらいのうちにビートルズが作った世界的記録をすべて塗り替える」と豪語する。
かなりの野心家だったのですね。
ただファースト・アルバムが6位で、その後のアルバムは全て1位を獲得していますから、ビートルズには及ばなくとも大成功の部類といえるでしょう。
ちなみにこの曲は、人は俺を現実を見ず夢ばかり見ていると言うけれど、俺は気にしないという歌詞の曲。
地面に足が付いているか分からないぐらいふわふわ歩いているけれど、このままどこまでも歩いて行けそうな気がすると歌われています。
しかし「Synchronicity」の後、メンバーの不仲もあって彼らは解散することになりました。
どうやら月の上を歩くのは「Synchronicity」までにしたようです。
ただ2007年には再結成してツアーをしたそうですから、気が向いたらまた月の上を歩いてもらいたいものです。
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