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ジョージ・デューク(George Duke)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はジョージ・デュークのランキングを作成しました。

この人には様々な側面があります。

・スピリチュアル・ジャズ
・フュージョン
・ブラジル音楽
・ファンク
・ディスコ
・ブラック・コンテンポラリー(ブラコン)

ただし一貫して質の高いアルバムをリリースしています。

今回はその多彩な魅力を堪能していただけるよう選曲してみました。

インストとボーカル・ナンバー、どちもすばらしい曲ばかりです。

 

1位「Overture~Light」(アルバム:Guardian of the Light)

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■曲名:Overture~Light
■曲名邦題:オーヴァーチュア~ライト
■アルバム名:Guardian of the Light
■アルバム名邦題:ライト・メッセージ
■動画リンク:「Overture~Light」

上で引用した動画は、アルバムの最初の3曲が繋がっています。

冒頭を飾るインスト「Overture」から、2曲目「Light」につなぎ目なしで繋がっています。

1曲目から2曲目へと切り替わる瞬間が聞きどころですので、1:36のあたりにご注目ください。

4:59から3曲目「Shane」が始まりますが、そちらもすばらしい曲であるものの、時間のある方だけで結構です。

まず冒頭の「Overture」は、とてもドラマティックな曲ですが、大げさなストリングスは人によって好みが分かれるかもしれません。

ジュリアナ東京的なアゲアゲ感と、昔のアニメのオープニングのような感じが融合した感じでしょうか。

その後のルイス・ジョンソン(Louis Johnson)によるゴリゴリしたベースが聞きどころです。

またマイケル・センベロ(Michael Sembello)のギター・カッティングもすばらしい。

次の「Light」の冒頭、ジョン・ロビンソン(John Robinson)のバウンスするビートと、ここでもやはりルイス・ジョンソンのベースがただ事ではありません。

その後4:38からは大勢のバイオリン奏者がクローズアップされますが、このアウトロも感動的です。

 

2位「Say That You Will」(アルバム:Follow the Rainbow)

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■曲名:Say That You Will
■曲名邦題:セイ・ザット・ユー・ウィル
■アルバム名:Follow the Rainbow
■アルバム名邦題:フォロー・ザ・レインボー
■動画リンク:「Say That You Will」

このアルバムでは、アース・ウィンド & アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)化が進みました。

前作「Don’t Let Go」の「イェー,ウィ・ゴーイング(Yeah, We Going)」という曲で、既にその影響は表面化しつつありましたが、このアルバムでは更にその傾向を強めてきました。

この曲以外では「ストレート・フロム・ザ・ハート(Straight from the Heart)」なども同系統の曲です。

すぐれたアーティストの中には、確固たる個性を持っている人がいます。

他では代替不可能で、真似ようとしても真似られないような個性が。

しかしこの人については、演奏面の個性はあっても、音楽性そのものには個性は感じられません。

どこからからスタイルを借りてきて、借り物のスタイルで高品質の作品をつくりあげるタイプの人だと思います。

そもそも、それが悪いとは思いません。

もし常にユニークでなければいけないとしたら、すぐれたハードバップやB級パンクなども、全部つまらないということになりますから。

既存のスタイルでいかにリスナーをうならせるか、それが非個性派アーティストの戦い方。

この曲のボーカルや36秒のコーラスの重ね方も、明らかにアース・ウィンド & アンド・ファイアーの影響が感じられます。

また「アイ・アム・フォー・リアル (I Am for Real (May the Funk Be with You)」という曲では、あからさまにPファンクの影響が感じられます。

しかしどちらもすばらしい曲ではないでしょうか。

ジャケットのドヤ顔はダテではありません。

 

3位「Hot Fire」(アルバム:Reach for It)

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■曲名:Hot Fire
■曲名邦題:ホット・ファイヤー
■アルバム名:Reach for It
■アルバム名邦題:リーチ・フォー・イット
■動画リンク:「Hot Fire」

彼の出世作です。

前作「From Me to You」は最高位192位でしたが、このアルバムでは25位とブレイクしました。

実際このアルバムあたりから、現在の彼へと繋がる核が固まってきたように思いますし。

この曲を一言でいうと「フュージョン」といえるでしょう。

この作品がリリースされた1977年の時点で、フュージョンの人気グループは多数存在していました。

彼も時流に乗っかった感じがしないでもありません。

しかしこの人の場合、流行に合わせられる柔軟性を持っています。

先程個性が足りないみたいなことを書きましたが、その分様々なスタイルに順応しやすいといえるでしょう。

時代に迎合したように見えても、音楽に重量感があるせいか、軽薄なイメージにはなりません。

全然関係ありませんが、顔もパパイヤ鈴木みたいですし。

 

4位「Starting Again」(アルバム:Don’t Let Go)

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■曲名:Starting Again
■曲名邦題:スターティング・アゲイン
■アルバム名:Don’t Let Go
■アルバム名邦題:ドント・レット・ゴー
■動画リンク:「Starting Again」

彼はスローにも良い曲が多く、ほぼハズレがありません。

しかし誰もが納得する絶対エースといえるスローもありません。

ここでは私の好みからこの曲を選んでみました。

ジョージ・デュークは演奏面だけでなく、ボーカルでも才能を発揮しました。

フィリップ・ベイリー(Philip Bailey)の影響が強いように感じられますが、同じファルセットでもベイリーより少し声が低めかもしれません。

彼のボーカル曲を聞いていて、時々思うことがあります。

ボーカル入りの曲でも演奏が主張しすぎていて、じっくり聞かせる感じになっていないと。

歌を聞かせる時ぐらいバックもシンプルでいいような気がするのですが。

その点この曲は演奏が厚化粧すぎませんし、ボーカリストとしての実力を堪能できます。

 

5位「Au Right」(アルバム:The Inner Source)

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■曲名:Au Right
■アルバム名:The Inner Source
■アルバム名邦題:インナー・ソース
■動画リンク:「Au Right」

この人は元々ジャズ・プレイヤーとしてデビューしました。

ただデビュー5年目のこの時点で、既にフュージョン路線に近い曲をやっています。

私は割とこの頃の曲が好きで、他にもスピリチュアル・ジャズっぽい曲にも良曲が多いように感じます。

この時期の曲をもう1曲ご紹介しましょう。

10分と長い曲なので選外にした曲です。お時間のある方だけどうぞ。

George Duke – Solus

3作目「Save The Country」までは、まだ普通のジャズっぽいところが残っていましたが、当時はまだやりたいことがはっきりしていない感じがします。

この人は下積みが長く、この頃は全然売れていませんでした。

しかしその間に実力を蓄えて、やりたい音楽が明確になり飛躍の時を迎えました。

音楽業界が売れないミュージシャンを育てる余裕があった、幸せな時代だったかもしれません。

 

6位「Positive Energy」(アルバム:Dream On)

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■曲名:Positive Energy
■曲名邦題:ポジティヴ・エナジー
■アルバム名:Dream On
■アルバム名邦題:ドリーム・オン
■動画リンク:「Positive Energy」

ジャケットを見ると、ショルダー・キーボードが描かれています。

この人についてはキーボードを肩に掛けているイメージをお持ちの方が多いかもしれません。

たとえばこんな感じです。

George-duke-keyboard

この人のプレイスタイルを私なりに表現すると、弾きまくり系のフュージョン・ギターみたいな演奏をするキーボード奏者です。

たとえばこの曲などは、最良のサンプルかもしれません。

2:10ぐらいからのキーボードの演奏は、いかにもギターっぽい感じではないでしょうか。

ギターのチョーキングみたいな箇所もありますし。

この人は、デイヴ・グルーシン(Dave Grusin)のように、粋で軽快なセンスで勝負するタイプではありません。

少し濃いめのフレーズを弾きまくるフュージョン・ギタリストっぽいと思います。

音楽そのものも少し濃いめですし。

その濃いめの演奏スタイルは、彼の躍動する楽曲と親和性が高いように思います。

 

7位「I Love You More」(アルバム:Master of the Game)

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■曲名:I Love You More
■曲名邦題:アイ・ラヴ・ユー・モア
■アルバム名:Master of the Game
■アルバム名邦題:マスター・オブ・ザ・ゲーム
■動画リンク:「I Love You More」

このアルバムはあまり話題になることはありませんが、他の名盤に比べても出来は劣っていません。

一般的には「アイ・ウォント・ユー・フォー・マイセルフ(I Want You for Myself)」のヒットで知られているアルバムです。

前後のアルバムに比べると、少しアーバン・ソウル色が強めかもしれません。

この曲もアーバン・ソウル系という印象を受けます。

しかしセールス的には伸び悩み、次作の「A Brazilian Love Affair」では、また演奏主体のアルバムに回帰しました。

この人の最大のヒット・アルバムは、フュージョン色の強い「Reach for It」です。

当時の彼のファンは、ポップ路線やアーバン・ソウル路線を望んでいなかったのかもしれません。

さてこの曲は、ダフト・パンク(Daft Punk)が「デジタル・ラブ(Digital Love)」でサンプリングしたことで知られています。

冒頭のギターのカッティングに聞き覚えはないでしょうか。

しかしこの人は本当にギターのカッティングが好きなのですね。

 

8位「Brazilian Love Affair」(アルバム:Brazilian Love Affair)

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■曲名:Brazilian Love Affair
■曲名邦題:ブラジリアン・ラヴ・アフェア
■アルバム名:Brazilian Love Affair
■アルバム名邦題:ブラジリアン・ラヴ・アフェア
■動画リンク:「Brazilian Love Affair」

「Brazilian Love Affair」というタイトルから、ブラジル色の強いアルバムだと思われるかもしれません。

彼は以前からブラジル音楽に取り組んでいましたが、確かに他のアルバムよりブラジル色が強めの仕上がりになっています。

それもそのはず、以下の参加メンバーをご覧ください。

ブラジル音楽ファンは、即買いと思うことでしょう。

・フローラ・プリム(Flora Purim)
・ミルトン・ナシメント(Milton Nascimento)
・シモーネ(Simone)
・トニーニョ・オルタ(Toninho Horta)
・アイアート・モレイラ(Airto Moreira)

特に最終曲「アオ・ケ・ヴァイ・ナセール(Ao Que Vai Nascer)」を聞いていると、ミルトンの主役感が半端ありません。

この曲はアメリカ録音ですので、ブラジル系ミュージシャンとは共演していません。

しかし典型的なブラジリアン・フュージョンといった曲に仕上がっています。

少し中だるみしているのでこの順位にしましたが、前半の歌の部分までは上位にしたいほど魅力的です。

 

9位「Reach Out」(アルバム:Guardian of the Light)

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■曲名:Reach Out
■曲名邦題:リーチ・アウト
■アルバム名:Guardian of the Light
■アルバム名邦題:ライト・メッセージ
■動画リンク:「Reach Out」

私はこのアルバムが彼の最高傑作だと思っています。

彼には楽曲重視と演奏重視と2つの方向性がありますが、このアルバムではそのバランスがいいように思います。

この曲もポップな曲ですが、同様に演奏面も拮抗しているかもしれません。

彼はバランス感覚にすぐれた人だと思います。

この時期彼は、ゼネラリストとして才能が開花したかもしれません。

以前からマルチな才能を持った人でしたが、このアルバムでは全体を統括する立場としてすぐれた手腕を発揮しています。

この作品の参加プレイヤーは100人近くになりましたが、曲に合わせてベストな人員を配置しています。

大勢参加させて適材適所に配置する手腕については、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)に似ているかもしれません。

ちなみにこのアルバムのキー・プレイヤーは、ギターのマイケル・センベロと、ベースのルイス・ジョンソンです。

ルイス・ジョンソンは、クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子で、ブラザーズ・ジョンソン(The Brothers Johnson)として活躍していました。

それ以外の人脈も少なからず被っています。

ちなみにこの作品はコンセプト・アルバムです。

どういう物語か気になる方は、和訳の付きのアルバムでチェックしてみてください。

 

10位「Shine On」(アルバム:Dream On)

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■曲名:Shine On
■曲名邦題:シャイン・オン
■アルバム名:Dream On
■アルバム名邦題:ドリーム・オン
■動画リンク:「Shine On」

先程この人は時流に乗っかるのが上手いと書きました。

その割には大ヒット手前ぐらいが多いようですが。

ただ生き残るためには、適度に時流を意識するのも有効な方法だと思います。

この曲はディスコでよくかかっていたようですし、それを狙ったのかもしれません。

実際この曲は彼のキャリアの中で3曲しかない、シングル・チャートにランクインした曲です。

一番売れたのはスタンリー・クラーク(Stanley Clarke)とコラボの曲、次にミディアム・ファンク「Reach for It」もチャートインしています。

この曲はソロ名義では最大のヒット曲で、記録上では彼の代表作といえるかもしれません。

しかしディスコ寄りになっても、品質をキープしているのはさすがです。

誰とは言いませんが、ディスコにすり寄り添った曲が黒歴史になっている人もいますから。

この曲にはディスコを意識しつつも下世話にならない、彼のバランス感覚がよく表れています。

 

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