今回はジューダス・プリーストのランキングを作成しました。
このバンドはヘヴィメタルの原点にして最高峰のバンドといえるかもしれません。
ロブ・ハルフォード(Rob Halford)のハイトーンボーカル、グレン・ティプトン(Glenn Tipton)とK・K・ダウニング(K. K. Downing)のツインギターなど、どれをとってもメタルそのものです。
ちなみに彼らのバンド名を直訳すると「裏切者の司祭」という意味です。
いい具合にメタル的で背徳の香りがしますね。
彼らはイメージを含めて、メタルバンドとしての純度の高さから「メタル・ゴッド」と呼ばれています。
この10曲を聞けば、彼らがなぜそう呼ばれているか、理由が分かっていただけると思います。
- 1 1位「Painkiller」(アルバム:Painkiller)
- 2 2位「The Hellion~Electric Eye」(アルバム:Screaming for Vengeance)
- 3 3位「Rock Hard Ride Free」(アルバム:Defenders of the Faith)
- 4 4位「Exciter」(アルバム:Unleashed In the East)
- 5 5位「Freewheel Burning」(アルバム:Defenders of the Faith)
- 6 6位「Breaking the Law」(アルバム:British Steel)
- 7 7位「Locked in」(アルバム:Turbo)
- 8 8位「Hell Bent for Leather」(アルバム:Killing Machine)
- 9 9位「Hard as Iron」(アルバム:Ram It Down)
- 10 10位「Hot Rockin’」(アルバム:Point of Entry)
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1位「Painkiller」(アルバム:Painkiller)
■曲名:Painkiller
■曲名邦題:ペインキラー
■アルバム名:Painkiller
■アルバム名邦題:ペインキラー
■動画リンク:「Painkiller」
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ヘヴィ・メタルとは何か。
言葉で説明するよりも、この曲を聞いていただいた方が手っ取り早いかもしれません。
ちなみにこの時期彼らは、ある裁判に巻き込まれていました。
彼らの音楽を聞いたから息子が自殺したのだという、お気の毒とは思いますが、あまり根拠のない訴えだったようです。
なんでも彼らのある曲を逆再生すると、自殺を誘発するメッセージが流れるのだとか。
しかし裁判では逆再生してもそのようなメッセージを確認することができず、バンド側が勝訴しました。
誤解するといけないのでご説明しておくと、彼らはそういうキャラをバンドイメージにしているだけです。
映画「エルム街の悪夢」の監督や俳優が病んでいたり、殺人鬼ではないのと同じです。
後で述べますが、彼らのイメージは試行錯誤した上でつくりあげたもので、ファンからもその芸風は愛されています。
ただこのアルバムはそうしたいざこざに意気消沈することなく、逆に自分たちのイメージを鮮明にしているのは、さすがはメタル・ゴッドです。
このアルバムからは、レーサーX(Racer X)のスコット・トラヴィス(Scott Travis)が加入しました。
彼によるイントロのドラムは、これぞメタルのドラムで、聞いていて血が沸騰します。
その後のロブ・ハルフォードのボーカルも、すさまじくぶちぎれていますね。
裁判のフラストレーションがたまっていたのかもしれません。
2位「The Hellion~Electric Eye」(アルバム:Screaming for Vengeance)
■曲名:The Hellion~Electric Eye
■曲名邦題:ヘリオン~エレクトリック・アイ
■アルバム名:Screaming for Vengeance
■アルバム名邦題:復讐の叫び
■動画リンク:「The Hellion~Electric Eye」
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「The Hellion」と「Electric Eye」という別々の2曲をまとめて取り上げました。
しかしこの2曲は合わせて聞くことに意義があります。
メタルは緩急が命です。
曲の構成やギター演奏でもそうですが、ただスピードを競っているのではありません。
まず「The Hellion」でギターが高らかに鳴り響き、次なるドラマティックな展開を予感させてくれます。
最初は1本のギターで、その後もう1本のギターの音が重なります。
そこから少しブレイクがあって、「Electric Eye」が始まり、いきなり早い展開に早変わりです。
この展開のスリルを味わうには、2曲続けて聞いていただくしかありません。
よくアルバムの1曲目に短いインストが入っていることがあります。
私は必要ないんじゃないかと思うことが、少なくありません。というよりも多いぐらいです。
しかし時には「The Hellion」のように、前段階としてすばらしく機能するケースもあります。
このバンドは、この頃比較的エレクトリックなイメージで自分たちを売ることを考えていたようです。
アルバムジャケットもそうですが、特にこの曲ではその方向性で大きな成果を挙げています。
長年私が大切に聞いてきた2曲です。
3位「Rock Hard Ride Free」(アルバム:Defenders of the Faith)
■曲名:Rock Hard Ride Free
■曲名邦題:鋼鉄の魂
■アルバム名:Defenders of the Faith
■アルバム名邦題:背徳の掟
■動画リンク:「Rock Hard Ride Free」
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このバンドの全盛期は1980年代だと言われています。
私もその意見に異存はありません。
特に「Screaming for Vengeance」「Defenders of the Faith」の2枚が強力すぎます。
私も若い頃、激しい喉の乾きをうるおすかのように、この2枚を聞いていました。
この時期の何がそれほどすごいのでしょうか。
それはドラマ性です。曲がドラマティックだということです。
おそらく曲の出来などは、「Painkiller」の方が上かもしれません。
先程挙げた2枚は、後半少し勢いが落ちるところがあります。
しかしそれを補ってあまりあるのは、ドラマティックな曲の展開、ドラマを演出するロブのハイトーンのボーカル、狂おしく歌うツインギターです。
この曲などはその最良の一例だと思います。
歌詞はタフな世界で生きる人の世界で「曲がらない心を手に入れた」という歌詞がかっこいいです。
4位「Exciter」(アルバム:Unleashed In the East)
■曲名:Exciter
■曲名邦題:エキサイター
■アルバム名:Unleashed In the East
■アルバム名邦題:イン・ジ・イースト
■動画リンク:「Exciter」
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この曲のオリジナルは、初期の最高傑作として誉れ高い「ステンド・クラス(Stained Class)」に収録されています。
「Stained Class」というアルバムは、年季の入ったファンがベストに選ぶことが多い作品です。
ただ一方で、録音がしょぼいという欠点があります。
私がこのバンドを聞く時は、メタリックな音の手触りを楽しみたいと思うところがあります。
しかしオリジナルでは、録音によって曲のポテンシャルが損なわれていると思いました。
そこでより迫力のあるライブバージョンの方を取り上げてみました。
彼らは少しずつ売れ始めてきていましたが、「Stained Class」の時点では、まだブレイクしたとはいえない状態でした。
しかしこのライブアルバムが発売され、初めて英国チャートのトップ10に入ったことで、彼らは大きく飛躍しました。
「Stained Class」とこのライブアルバムどちらも、この曲は1曲目に配置されています。
よほど曲に自信があったのでしょう。
初期の彼らは少し叙情的なアートロックといった感じの音楽をやっていましたが、この曲は後の彼らに近い作風です。
後の彼らの方向性を予言した曲といえるかもしれません。
5位「Freewheel Burning」(アルバム:Defenders of the Faith)
■曲名:Freewheel Burning
■曲名邦題:フリーホイール・バーニング
■アルバム名:Defenders of the Faith
■アルバム名邦題:背徳の掟
■動画リンク:「Freewheel Burning」
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彼らのアルバムは、1曲目にすばらしい曲が入っています。
ちなみにその唯一の例外が「ターボ(Turbo)」に収録された「ターボ・ラヴァー(Turbo Lover)」です。
それ以外では失望することはありません。この曲も1曲目です。
最初の聞きどころは1:52ぐらいから、ロブがギターに合わせて早口で歌っている箇所です。
次の聞きどころは、2:49から始まるグレン・ティプトンとK・K・ダウニングのツインギターです。
あまりに分かりやすい見せ場であるがゆえに、一部の音楽ファンから「様式美」などと揶揄されることもあります。
私は長年音楽を聞いてきて、時には芸術性が高かったり、小難しい音楽を聞くこともあります。
しかしこの曲のキメの箇所ではいつも、いつも感動してしまいます。
部屋で聞いていても、汗だくで音楽を聞いているような気にさせてくれる曲です。
6位「Breaking the Law」(アルバム:British Steel)
■曲名:Breaking the Law
■曲名邦題:ブレイキング・ザ・ロウ
■アルバム名:British Steel
■アルバム名邦題:ブリティッシュ・スティール
■動画リンク:「Breaking the Law」
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ライブアルバムのヒットで、ようやく彼らの人気が上向いてきました。
このアルバムは、その次作としてリリースされました。
このアルバムは更にヒットして、全英チャートで4位を記録していますが、内容も大変充実しています。
ローリング・ストーン誌の「最も偉大なメタル・アルバム TOP100」で、このアルバムは第3位を獲得しています。
ちなみに彼らの愛称である「メタル・ゴッド」という名前は、このアルバムの収録曲「メタル・ゴッズ(Metal Gods)」から取られています。
彼らには「ヘヴィメタル(Heavy Metal)」という曲もあって、彼らが積極的に自分たちのイメージづくりをしようとしていることが伺えますね。
この曲はドライヴするギターから始まります。
この時期の彼らの魅力はまとまりの良いことで、この曲などは2分台です。
あとこの曲については、ぜひ上に挙げた動画を見ていただきたいと思います。
銀行強盗役をノリノリで演じる彼らの楽しげな姿を見ることができます。
銀行を守るはずの警備員も、なぜか彼らの曲でノリノリになっていて、とても笑えます。
7位「Locked in」(アルバム:Turbo)
■曲名:Locked in
■曲名邦題:ロックド・イン
■アルバム名:Turbo
■アルバム名邦題:ターボ
■動画リンク:「Locked in」
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彼らは時々似合わないポップな曲をやって、冷ややかな視線を浴びることがあります。
このアルバムが出た時、1曲目の「Turbo Lover」で、失望した人も多かったようです。
というより、豪快なコケ方ゆえ伝説になっている感があります。
ヴァン・ヘイレン(Van Halen)がシンセサイザーを大胆に導入した「ジャンプ(Jump)」で成功したのを、参考にしたのかもしれません。
しかし派手にコケた後の、2曲目がこの曲だったことで救われた人も多いと思います。
私もその1人です。
この曲は前作での好調そのままに、いかにも彼ららしいメタルな曲に仕上がっています。
ファンが彼らに求めているのは、この曲みたいなハードな路線なのでしょう。
先程の「エルム街の悪夢」でいうと、誰もフレディのヒューマンドラマを期待していないみたいなものです。
この曲はサビがとてもかっこいいですし、彼らの看板であるツインギターも冴えています。
8位「Hell Bent for Leather」(アルバム:Killing Machine)
■曲名:Hell Bent for Leather
■曲名邦題:殺戮の聖典
■アルバム名:Killing Machine
■アルバム名邦題:殺人機械
■動画リンク:「Hell Bent for Leather」
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今回取り上げた中で一番古い曲で、1978年のアルバムからの選曲です。
この頃の彼らの魅力はタイトな曲づくりで、聞きようによってはポップだとさえ感じられます。
先程取り上げた「Breaking the Law」と同じく、この曲も2分台です。
この頃は楽曲に魅力はありますが、ツインギターの活躍時間が少ないのが、すこし不満といえるかもしれません。
ただこの曲では健闘しています。
1:36から、まるでリッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)かと思うようなギターソロが入っています。
短い時間でもしっかり仕事をしていますね。
またこの頃の彼らは音楽だけでなく、自分たちのイメージづくりについても試行錯誤していました。
後に彼らのトレードマークになるレザーファッションを取り入れたのは、このアルバムあたりからです。
この曲名にも「Leather」つまり「革」というキーワードが入っていますしね。
それ以前の彼らのファッションは、あまり一貫していなくて、時にはアイドルバンドかと思うようなキラキラした服を着ていた時もあります。
しかしこのアルバムぐらいからは腹が決まったようですね。
ジャケットからも強面イメージで行くと決めた決意が伺えます。
9位「Hard as Iron」(アルバム:Ram It Down)
■曲名:Hard as Iron
■曲名邦題:ハード・アズ・アイアン
■アルバム名:Ram It Down
■アルバム名邦題:ラム・イット・ダウン
■動画リンク:「Hard as Iron」
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このアルバムも一般的には不評です。
もしかしたら「ジョニー・B.グッド(Johnny B. Goode)」をカバーしたことが、ファンの不評を買ったのかもしれません。
しかしこの曲などはいかがでしょうか。
この曲とアルバムタイトル曲と、どちらにしようか最後まで迷いました。
どちらか1曲だけでも、買って良かったと思えるぐらいの出来です。
この曲はディオ(Dio)の「ウィ・ロック(We Roc)」みたいなイントロからして、とてもすばらしいと思います。
ちなみにウィキペディアで、このアルバムのドラムは打ち込みではないかと書かれています。
確かにこの曲では、少し機械的な印象を受けなくもありません。
それに人が叩くにしては無理とはいえないにしても、少し速すぎるかもしれません。
ちなみにその後彼らはライブアルバムを4枚リリースしていますが、この曲はどれにも入っていません。
生ドラムでは再現が難しい曲なのかもしれませんね。
10位「Hot Rockin’」(アルバム:Point of Entry)
■曲名:Hot Rockin’
■曲名邦題:ホット・ロッキン
■アルバム名:Point of Entry
■アルバム名邦題:黄金のスペクトル
■動画リンク:「Hot Rockin’」
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このアルバムは「ターボ(Turbo)」以上の問題作です。
アメリカという巨大マーケットを狙う為に、聞きやすいサウンドに移行しています。
中にはジャーニー(Journey)ではないかと思えるぐらい、アメリカンロックっぽい曲があります。
当時このアルバムはファンから受けが悪く、イギリスとアメリカどちらもセールスが前作より落ちています。
売れ線を狙ってセールスが落ちるというのは、少し悲しい結果です。
ただアメリカで売れたいという気持ちは分かりますけどね。
しかし中にはこの曲のように、いかにもおもねったような曲とは違って、以前と一貫性が感じられる曲も入っています。
ただそれよりもオフィシャルビデオが問題かもしれません。
上に挙げた動画では、スポーツジムみたいなところで、メンバーが上半身裸で運動しているシーンから始まります。
これは誰得かと思いました。あまりビジュアル的によろしくありません。
ただ最後の方で、マイクや楽器に火が点いた状態で熱演しているシーンは、少しおもしろいですけどね。
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