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ジューダス・プリースト(Judas Priest)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はジューダス・プリーストのランキングを作成しました。

彼らはヘヴィメタルの原点にして最高峰のバンドです。

ロブ・ハルフォード(Rob Halford)のボーカルと、グレン・ティプトン(Glenn Tipton)とK・K・ダウニング(K. K. Downing)のツインギターがそろった時、メタルのマジックが生まれました。

ヘヴィー・メタルに迷い、メタルが何か分からなくなったら、この記事の5位までの曲を聞けば、必ずや原点に立ち還ることができます。

1位「Painkiller」(アルバム:Painkiller)

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■曲名:Painkiller
■曲名邦題:ペインキラー
■アルバム名:Painkiller(1990年)
■アルバム名邦題:ペインキラー
■動画リンク:「Painkiller」

この時期彼らは裁判に巻き込まれていました。

ある日彼らの音楽を聞いた男性が自殺したのだそうです。

お気の毒とは思いますが、根拠が薄い訴えだったかもしれません。

なんでも彼らのある曲を逆再生すると、自殺を誘発するメッセージが流れるのだとか。

しかし裁判では逆再生してもメッセージを確認できず、結果バンド側が勝訴しました。

映画「エルム街の悪夢」の監督や俳優が殺人鬼ではないのと同じく、彼らはこういうキャラのイメージを打ち出しているだけです。

彼らのこのイメージは試行錯誤した上でつくり上げたもので、その芸風はファンからも愛されています。

ただこの作品ではそうしたいざこざに意気消沈することなく、逆に自分たちのイメージを尖らせているあたり、さすがはメタル・ゴッドです。

このアルバムからは、レーサーX(Racer X)のスコット・トラヴィス(Scott Travis)が加入しました。

彼によるイントロのドラムは、これぞメタルのドラムそのもので、聞いていて血が沸騰します。

その後ロブ・ハルフォードのボーカルも、すさまじくブチ切れていますね。

裁判でフラストレーションがたまっていたかもしれません。

 

2位「The Hellion~Electric Eye」(アルバム:Screaming for Vengeance)

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■曲名:The Hellion~Electric Eye
■曲名邦題:ヘリオン~エレクトリック・アイ
■アルバム名:Screaming for Vengeance(1982年)
■アルバム名邦題:復讐の叫び
■動画リンク:「The Hellion~Electric Eye」

2位には「The Hellion」と「Electric Eye」の2曲をセットで選出しました。

この2曲は続けて聞くことに意義があります。

メタルは構成と緩急が命。

まず「The Hellion」で高らかにギターが鳴り響き、次なるドラマティックな展開を予感させてくれます。

最初は1本のギターだけの演奏で、その後もう1本のギターが重なっていますね。

そこから少しブレイクがあって「Electric Eye」が始まり、早い展開になだれ込みます。

この展開のスリルを味わうには、2曲続けて聞いていただくしかありません。

こうした展開は、後に様式美と呼ばれるようになりました。

かつて一部の洋楽誌では、メタルの様式美をやゆする風潮がありましたが、この曲を聞いてもそう言えるのかと思ってしまいます。

 

3位「Rock Hard Ride Free」(アルバム:Defenders of the Faith)

■曲名:Rock Hard Ride Free
■曲名邦題:鋼鉄の魂
■アルバム名:Defenders of the Faith(1984年)
■アルバム名邦題:背徳の掟
■動画リンク:「Rock Hard Ride Free」

このバンドの全盛期は1980年代だと言われています。

特に「Screaming for Vengeance」「Defenders of the Faith」の2枚が強力すぎます。

私も若い頃、激しい喉の乾きをうるおすようにこの2枚を浴びていました。

この時期の彼らのどこが、それほどすごいのでしょうか。

それはドラマ性。つまり曲がドラマティックだということです。

さてこの曲には元になった曲があります。

Judas Priest – Fight for Your Life

聞き比べると「Rock Hard Ride Free」では、曲がドラマティックに生まれ変わっていることが確認できます。

様式美を追求した結果、ドラマティックな傑作が爆誕しました。

この曲には「曲がらない心を手に入れた」という一節があります。

そしてアルバム名は「信念の守護者」。

アルバム・ジャケットに描かれている機械獣メタリアン(Metallian)は、信念を持たない人間に激しくお怒りです。

 

4位「Exciter」(アルバム:Unleashed In the East)

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■曲名:Exciter
■曲名邦題:エキサイター
■アルバム名:Unleashed In the East(1979年)
■アルバム名邦題:イン・ジ・イースト
■動画リンク:「Exciter」

この曲のオリジナルは、初期の最高傑作との誉れ高い「ステンド・クラス(Stained Class)」に収録されています。

「Stained Class」は、古参ファンが最高傑作に選ぶことの多い傑作です。

ただ一方で、いささか録音が残念かもしれません。

私は録音のせいでオリジナルでは、曲のポテンシャルが発揮できていないと感じます。

そこでここではライブ・バージョンの方を取り上げてみました。

彼らは少しずつ売れ始めてきていましたが「Stained Class」の時点では、まだ充分ブレイクしたとはいえません。

しかしこのライブ・アルバムが発売され英国チャートのトップ10に入ったことで、彼らは飛躍の時を迎えました。

初期の彼らは叙情的なアートロックといった感じの音楽をやっていました。

しかしこの曲は後の彼らに近い作風です。

この曲で彼らは自分たちに合ったスタイルを見つけました。

 

5位「Freewheel Burning」(アルバム:Defenders of the Faith)

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■曲名:Freewheel Burning
■曲名邦題:フリーホイール・バーニング
■アルバム名:Defenders of the Faith(1984年)
■アルバム名邦題:背徳の掟
■動画リンク:「Freewheel Burning」

彼らのアルバムは1曲目にすばらしい曲が入っています。

「ターボ(Turbo)」に収録された「ターボ・ラヴァー(Turbo Lover)」は少し微妙でしたが。

この曲も1曲目です。

最初の聞きどころは1:52ぐらいから、ロブがギターに合わせて早口で歌っている箇所です。

次の聞きどころは、2:49からうなりを上げるグレン・ティプトンとK・K・ダウニングのツイン・ギター。

どちらも脳汁がドバドバあふれ出てきます。

今回は幅広い時期から曲を選びたいので、アルバム1枚につき1曲に制限しました。

しかしこのアルバムからは、どうしても2曲選ばなければいけませんでした。

ここまでの5曲は、私にとって特別な曲ばかりですから。

どれもメタルという枠を超えて、全人類お宝崇拝必聴曲です。

 

6位「Breaking the Law」(アルバム:British Steel)

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■曲名:Breaking the Law
■曲名邦題:ブレイキング・ザ・ロウ
■アルバム名:British Steel(1980年)
■アルバム名邦題:ブリティッシュ・スティール
■動画リンク:「Breaking the Law」

ライブ・アルバムのヒットによって、ようやく彼らの人気は上向いてきました。

今作その次作としてリリースされました。

このアルバムは更にヒットし全英チャート4位を記録していますが、内容的にも大変充実しています。

ちなみにローリング・ストーン誌の「最も偉大なメタル・アルバム TOP100」で、このアルバムは第3位を獲得しています。

ちなみに彼らの愛称である「メタル・ゴッド」という名前は、このアルバムの収録曲「メタル・ゴッズ(Metal Gods)」が由来。

彼らには「ヘヴィメタル(Heavy Metal)」という曲もあって、彼らが自分たちのイメージを確立したことがうかがえますね。

あとこの曲については、上に挙げた動画を見てみてください。

銀行強盗役をノリノリで演じる楽しげなメンバーを目撃できます。

銀行を守るはずの警備員もなぜかノリノリになって、かなり笑わせてくれるMVです。

 

7位「Locked in」(アルバム:Turbo)

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■曲名:Locked in
■曲名邦題:ロックド・イン
■アルバム名:Turbo(1986年)
■アルバム名邦題:ターボ
■動画リンク:「Locked in」

彼らは時々似合わないポップな曲をやって、ファンの不評を買うことがあります。

このアルバムが出た時、1曲目の「Turbo Lover」で、失望した人も多かったようです。

Judas Priest – Turbo Lover

もしかしたらヴァン・ヘイレン(Van Halen)の「ジャンプ(Jump)」を参考にしたのかもしれません。

しかしこの2曲目で救われたと感じた人も多いはず。

こうした変化の背景には、アメリカで成功したいというバンド側の思惑があったと思われます。

このアルバムは前作と比較すると、イギリスでは19位→33位と下落し、アメリカでは18位→17位と微増しました。

 

8位「Hell Bent for Leather」(アルバム:Killing Machine)

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■曲名:Hell Bent for Leather
■曲名邦題:殺戮の聖典
■アルバム名:Killing Machine(1978年)
■アルバム名邦題:殺人機械
■動画リンク:「Hell Bent for Leather」

この頃の彼らの曲は短くてタイトでした。

楽曲は魅力的でも、ギターに割り振られる時間が少ないのが難点でした。

ただこの曲では健闘しています。

1:36から、まるでリッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)かと思うようなギターソロが入っています。

短い時間でもしっかり仕事をしていますね。

またこの頃の彼らはイメージ面で試行錯誤していました。

彼らのトレードマークであるレザー・ファッションを取り入れたのは、このアルバムあたりからです。

この曲名にも「Leather」つまり「革」というキーワードが入っていますしね。

それ以前の彼らのファッションは一貫していなくて、時にはアイドル・バンドのようなキラキラした衣装を着ていた時も。

しかしこのアルバムあたりから、この路線で行くと決めたようですね。

 

9位「Hard as Iron」(アルバム:Ram It Down)

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■曲名:Hard as Iron
■曲名邦題:ハード・アズ・アイアン
■アルバム名:Ram It Down(1988年)
■アルバム名邦題:ラム・イット・ダウン
■動画リンク:「Hard as Iron」

このアルバムも一般的には不評です。

もしかしたら「ジョニー・B.グッド(Johnny B. Goode)」をカバーしたことが、ファンの不評を買ったのかもしれません。

Judas Priest – Johnny B. Goode

意外と悪くありませんが、ニーズに合っていないような気がします。

しかしこの「Hard as Iron」はいかがでしょうか。

このアルバムからもう1曲、リンクを貼っておきましょう。

Judas Priest – Ram It Down

「Hard as Iron」はディオ(Dio)の「ウィ・ロック(We Roc)」みたいなイントロからしてすばらしいです。

ちなみにウィキペディアで、このアルバムのドラムは打ち込みではないかと書かれていました。

ちなみにその後彼らはライブを4枚リリースしていますが、どれにもこの曲は入っていません。

生ドラムでは再現が難しかったのかもしれませんね。

 

10位「Hot Rockin’」(アルバム:Point of Entry)

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■曲名:Hot Rockin’
■曲名邦題:ホット・ロッキン
■アルバム名:Point of Entry(1981年)
■アルバム名邦題:黄金のスペクトル
■動画リンク:「Hot Rockin’」

このアルバムは「ターボ(Turbo)」と似たポップ路線の問題作です。

当時このアルバムはファンの受けが悪く、イギリスとアメリカどちらも前作よりセールスが落ちています。

売れ線を狙ってセールスが落ちるのは、少し悲しい事態かもしれません。

しかし中にはこの曲のように、聞き逃せない曲も入っています。

ただMVの演出はツッコミどころ満載ですが。

上に挙げた動画では、メンバーがスポーツジムで上半身裸を鍛えているシーンから始まります。

この演出は誰得かと思わないでもありません。

しかし彼らはこの後「Screaming for Vengeance」「Defenders of the Faith」という空前絶後の傑作を立て続けに発表しました。

この曲は彼らがメタル・ゴッドになる手前の時期の佳曲です。

 

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