今回はタワー・オブ・パワーのランキングを作成しました。
このバンドは凄腕ぞろいです。
特にリズムのキレっぷりは、クイックネス系のスポーツに近いものがあるかもしれません。
それに加えて歌ものにもすばらしい曲が多いです。
この記事ではその両面を軸に、彼らの魅力をご紹介してみました。
- 1 1位「Only So Much Oil in the Ground」(アルバム:Urban Renewal)
- 2 2位「You Ought to Be Havin’ Fun」(アルバム:Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now)
- 3 3位「You’re So Wonderful, So Marvelous」(アルバム:In The Slot)
- 4 4位「Can’t You See (You Doin’ Me Wrong)」(アルバム:Back to Oakland)
- 5 5位「So Very Hard to Go」(アルバム:Tower of Power)
- 6 6位「What Happened To The World That Day?」(アルバム:Bump City)
- 7 7位「Heaven Must Have Made You」(アルバム:Back on the Streets)
- 8 8位「It’s So Nice」(アルバム:Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now)
- 9 9位「We Came to Play!」(アルバム:We Came to Play!)
- 10 10位「Through Lovers’ Eyes」(アルバム:Power)
- 11 番外編「Oakland Stroke」(アルバム:Back to Oakland)
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- 14 他ブログ・SNS等
1位「Only So Much Oil in the Ground」(アルバム:Urban Renewal)

■曲名:Only So Much Oil in the Ground
■曲名邦題:限りある世界
■アルバム名:Urban Renewal(1975年)
■アルバム名邦題:オークランド・ストリート
■動画リンク:「Only So Much Oil in the Ground」
彼らの全盛期は「Bump City」からこの「Urban Renewal」までの時期だと言われています。
人によっては「In The Slot」まで含めるかもしれません。
演奏の充実がそのままセールスに直結していた、とても幸せなハネムーン期でした。
ただ彼らはこの曲で石油の枯渇危機を訴えています。
すぐにでも石油は無くなってしまうのだと。
1975年の曲ですから既に50年経過していますが、今はどのぐらい危機的なのでしょうか。
さてこの頃のボーカルは3枚目から全盛期を支えた、レニー・ウィリアムズ(Lenny Williams)です。
塩辛い声はこのメッセージ色の強い曲によく合っていますね。
そして3:08からのオルガン・ソロのグルーヴィーなこと!
2位「You Ought to Be Havin’ Fun」(アルバム:Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now)

■曲名:You Ought to Be Havin’ Fun
■曲名邦題:ユー・オートゥ・ビー・ハヴィン・ファン
■アルバム名:Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now(1976年)
■アルバム名邦題:夜の賭博師
■動画リンク:「You Ought to Be Havin’ Fun」
彼らの最高傑作としてよく挙げられるのは「Back to Oakland」ばかりかもしれません。
実際私が所有するディスクガイドでは、どれもこれも「Back to Oakland」が挙げられていますし。
しかし彼らのアルバムは高水準で安定していて、そのアルバムだけが突出している印象はありません。
その後彼らはコロンビア・レコード(Columbia Records)に移籍し、このアルバムを発表しました。
そしてこの曲は移籍後ファースト・シングル。
いかにもヒットしそうな曲ですが、シングルチャートでは最高位68位とやや振るいませんでした。
とはいえアルバムは最高の出来で、私はこのアルバムが彼らの最高傑作だと思っています。
3位「You’re So Wonderful, So Marvelous」(アルバム:In The Slot)

■曲名:You’re So Wonderful, So Marvelous
■曲名邦題:ソー・ワンダフル・ソー・マーヴェラス
■アルバム名:In The Slot(1975年)
■アルバム名邦題:イン・ザ・スロット
■動画リンク:「You’re So Wonderful, So Marvelous」
この曲はヒューバート・タブス(Hubert Tubbs)のボーカルが良いですね。
彼らはメンバーの入れ替えがかなり頻繁です。
通常ボーカルは過去の曲をライブでやる関係で、過去のシンガーに似たタイプを起用するものです。
しかし彼らはそんなこと全く考えていなかったかもしれません。
実際ファースト・アルバムから、毎回違った特徴のシンガーに交代しています。
更に言えば、メンバー交代が激しいのはボーカルだけではありません。
現在までのメンバーの累積人数を数えてみたところ、なんと54人でした。
それでも音楽的な一貫性を感じるのは、一度に大幅なメンバーチェンジがなかったせいかもしれません。
うなぎのタレ方式ですね。
また一度脱退したメンバーが復帰することも多く、こうしたメンバーの流動性はドゥービー・ブラザーズ(The Doobie Brothers)に少し似ています。
4位「Can’t You See (You Doin’ Me Wrong)」(アルバム:Back to Oakland)

■曲名:Can’t You See (You Doin’ Me Wrong)
■曲名邦題:キャント・ユー・シー
■アルバム名:Back to Oakland(1974年)
■アルバム名邦題:バック・トゥ・オークランド
■動画リンク:「Can’t You See (You Doin’ Me Wrong)」
このアルバムが彼らの代表作と言われるのには理由があります。
まずベースがフランシス・ロッコ・プレスシャ(Francis “Rocco” Prestia)とデイビット・ガリバルディ(David Garibaldi)いう鉄壁の布陣。
それに加えてボーカルは歴代で最も人気があるレニー・ウィリアムズです。
楽曲も良い曲もそろっています。
このアルバムからもう1曲ご紹介しておきましょう。
さてこのアルバム名は「オークランドに帰る」という意味です。
オークランドとは、カルフォルニア州の都市の名前で彼らの出身地です。
最強のメンバーと良い楽曲、初心に帰るというコンセプト。
このアルバムが人気なのも分かる気がします。
5位「So Very Hard to Go」(アルバム:Tower of Power)

■曲名:So Very Hard to Go
■曲名邦題:ソー・ベリー・ハード・トゥ・ゴー
■アルバム名:Tower of Power(1973年)
■アルバム名邦題:タワー・オブ・パワー
■動画リンク:「So Very Hard to Go」
サード・アルバムからのバラードです。
この頃はまだ少しやぼったいところが残っていました。
この曲が発表された1973年は、サザン・ソウルがヒットチャートで評価される時代でした。
同年O.V.ライト(O. V. Wright)が「Memphis Unlimited」をリリースし、アン・ピーブルズ(Ann Peebles)が「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン(I Can’t Stand The Rain)」をヒットさせています。
こういうディープな曲がヒットしやすい時代だったのですね。
そうした背景のせいかこの曲は彼らの最大のヒット曲となり、シングル・チャートで17位を記録しました。
サビでホーンが盛り立てる中、女性コーラスと交互に歌い上げるレニー・ウィリアムズのボーカルが絶品です。
6位「What Happened To The World That Day?」(アルバム:Bump City)

■曲名:What Happened To The World That Day?
■曲名邦題:ホワット・ハップンド・トゥ・ザ・ワールド
■アルバム名:Bump City(1972年)
■アルバム名邦題:バンプ・シティ
■動画リンク:「What Happened To The World That Day?」
この記事ではファースト・アルバムの「イースト・ベイ・グリース(East Bay Grease)」から選曲していません。
この曲は彼らのセカンド・アルバム「Bump City」から選びました。
彼らはこのセカンド・アルバムから、自分たちのスタイルを確立した感じがします。
それは小刻みに躍動するファンクと、ボーカル・メインのメロウな曲という二本柱。
この曲では前作のボーカル、ルーファス・ミラー(Rufus Miller)から、リック・スティーブンス(Rick Stevens)に変わりました。
日本ではベースのロッコとドラムのガリバルディばかり言及されがちかもしれません。
しかし海外で彼らはホーンセクションも高く評価されています。
彼らは売れない時代に、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース(Huey Lewis & The News)のホーンセクションを務めていたのは有名な話です。
彼らは不遇な時期をホーンセクションの副業で乗り切りました。
この曲ではそのホーン・セクションの魅力を堪能できます。
7位「Heaven Must Have Made You」(アルバム:Back on the Streets)

■曲名:Heaven Must Have Made You
■曲名邦題:ヘヴン・マスト・ハヴ・メイド・ユー
■アルバム名:Back on the Streets(1979年)
■アルバム名邦題:バック・オン・ザ・ストリート
■動画リンク:「Heaven Must Have Made You」
大きな節目となったアルバムです
まずコロンビア・レコードでのラスト・アルバムになりました。
当時彼らには一部に熱狂的な支持者がいましたが、セールス的には振るいませんでした。
しかしその間彼らは試行錯誤していました。
より歌もの重視へとシフトしていきましたが、私はその方向性が間違いではなかったと思います。
この曲などは「オフ・ザ・ウォール(Off The Wall)」の頃のマイケル・ジャクソン(MichaelJackson)を思わせます。
この曲は熱心なAORファンには聞き覚えがあるかもしれません。
作曲者はピーセス(Pieces)のジェフリー・レイブ(Geoffrey Leib)で、AOR名盤との誉れ高いピーセスのアルバムにも収録されています。
8位「It’s So Nice」(アルバム:Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now)

■曲名:It’s So Nice
■曲名邦題:イッツ・ソー・ナイス
■アルバム名:Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now(1976年)
■アルバム名邦題:夜の賭博師
■動画リンク:「It’s So Nice」
このアルバムは魅力的な楽曲が多く、この記事で最も選曲に悩みました。
このブログではレコードやCDを売る邪魔にならないよう、1枚のアルバムから4曲までしかリンクを貼らないようにしています。
もう1曲このアルバムからリンクを貼って、上限までの枠を活用しましょう。
Tower Of Power – Because I Think The World Of You
このアルバムでは他にも、以下の曲がおすすめです。
「ワイル・ウィ・ウェント・トゥ・ザ・ムーン(While We Went to the Moon)」
「エイント・ナッシン・ストッピン・アス・ナウ(Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now)」
これらの曲は従来のように演奏力にものをいわせた曲ではありません。
その代わりに洗練されたアレンジと、気分を高揚させるポップな魅力を獲得しました。
彼らの演奏の魅力は否定しません。
しかしこの記事では楽曲志向を強めた曲もご紹介したいと思いました。
9位「We Came to Play!」(アルバム:We Came to Play!)

■曲名:We Came to Play!
■曲名邦題:ウィ・ケイム・トゥ・プレイ
■アルバム名:We Came to Play!(1978年)
■アルバム名邦題:ウィ・ケイム・トゥ・プレイ
■動画リンク:「We Came to Play!」
低迷期といわれるコロンビア時代の曲です。
この時期人気がないのは、全盛期に活躍したベースとドラムの2人が同時にそろわなかったからかもしれません。
コロンビア時代の3枚でベースのロッコとドラムのガリバルディ、2人共そろったアルバムは1枚もありません。
「Ain’t Nothin’ Stoppin’ Us Now」ではロッコだけ、「Back on the Streets」ではガリバルディだけ、三部作の真ん中にあたるこのアルバムには2人共いません。
その上このアルバムは、前作ほど楽曲に魅力がありませんでしたし。
しかしそれにもかかわらずこの曲を選んだのは、演奏のすばらしさゆえです。
最初は平凡なファンク路線ですが、ぜひ1:21からをお聞きになってください。
ベースとドラムがブレイクビーツみたいな、風変りなリズムを刻んでいます。
私はこの演奏でベースのビクター・コンテ(Victor Conte)とドラムのロニー・ベック(Ronnie Beck)を見直しました。
10位「Through Lovers’ Eyes」(アルバム:Power)

■曲名:Through Lovers’ Eyes
■曲名邦題:スルー・ラバーズ・アイズ
■アルバム名:Power(1987年)
■アルバム名邦題:パワー
■動画リンク:「Through Lovers’ Eyes」
長い不遇期の後リリースされたアルバムの曲です。
ヒューイ・ルイスのおかげもあって、彼らは1986年に久しぶりにアルバムをリリースすることができました。
1986年にリリースされたのは「T.O.P.」というアルバムでしたが、その作品はヨーロッパのみのリリースでした。
翌年一部の曲を入れ替えて「パワー(Power)」というタイトルでリリースされたのが、このアルバムです。
1980年代風の産業ロックっぽい曲ですから、古参ファンが失望したことは想像に難くありません。
しかしこの曲などはいかがでしょうか。
もちろんこれが名曲だと言い張るつもりはありません。
しかし長年の不遇期を経験していた彼らが、久々に巡ってきたチャンスをものにしようしたことがうかがえる曲です。
最後に私はこの曲をご紹介しておきたいと思いました。
番外編「Oakland Stroke」(アルバム:Back to Oakland)

■曲名:Oakland Stroke
■曲名邦題:オークランド・ストローク
■アルバム名:Back to Oakland(1974年)
■アルバム名邦題:バック・トゥ・オークランド
■動画リンク:「Oakland Stroke」
何か忘れていませんかと言われた気がしたので、アンコールとして最後にもう1曲取り上げます。
この曲は多くの人にとって、タワー・オブ・パワーの代名詞といえる曲だと思います。
余談ですが、バンド名がサーカス・オブ・パワー(Circus Of Power)とまぎわらしいかもしれませんね。
それはともかく、この曲はリズムをお聞きください。
先程から何度もロッコとガリバルディのリズム陣が人気だと書いていますが、この曲を聞くとその理由が分かります。
加えてギターもホーンも、オルガンでさえ全員キレッキレです。
バンド全体まるごとキレの塊ですね。
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