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ナンバーガール(NUMBER GIRL)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はナンバーガールのランキングを作成しました。

彼らは邦楽オルタナ・ロックの金字塔です。

日本においてごく自然にオルタナティヴ・ロックを表現できる稀有な存在でした。

 

1位「透明少女」(アルバム:SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT)

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■曲名:透明少女
■アルバム名:SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT
■動画リンク:「透明少女」

この曲は1999年5月26日発売されたメジャーでのファースト・シングル。

このアルバムを聞いて誰もが思うことがあります。

それはボーカルがよく聞こえないということ。

この曲は歌詞も印象的ですが、確かに聞き取ることができません。

ボーカルは声を張り上げていますが、ギターが目立ちますしドラムも派手なので、ボーカルがかき消されてしまいます。

ただこれこそが彼らのやりたい音楽だったかもしれません。

つまりボーカルだけでなく、演奏が主体であること。

各楽器の音を分離し音の輪郭を明確ににして、ボーカルの音量を上げたら、もっと聞きやすくなると思います。

しかし全員一丸で団子状態時の迫力は薄れるかもしれません。

ボーカルが聞き取れない問題は、爆音で聞けば問題なくなります。

もし環境が許せば、ボリュームを上げて聞いてみてください。

 

2位「Num-Ami-Dabutz」(アルバム:NUM-HEAVYMETALLIC)

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■曲名:Num-Ami-Dabutz
■アルバム名:NUM-HEAVYMETALLIC
■動画リンク:「Num-Ami-Dabutz」

彼らはこのアルバムを最後に一度解散しています。

解散理由を引用します。

ベースの中尾がナンバーガールからの脱退を希望。メンバー及びスタッフで話した結果、中尾、田渕、イナザワ、向井の4人でナンバーガールである、という共通の意思が強かったから

ナンバーガール ウィキペディア

その後彼らは2019年に再結成し、再度2022年に解散を宣言しました。

どちらも人間関係の悪化による解散ではないので、再々結成があるかもしれません。

このバンドで特徴的なのは「少女」と「ガール」が付く曲が多いこと、そして仏教的なモチーフです。

後に向井秀徳が結成したバンドもZAZEN BOYS(座禅ボーイズ)でしたし。

そしてこの曲は「Num-Ami-Dabutz」ですから、つまり「南無阿弥陀仏」。

念のため「南無阿弥陀仏」の意味を調べてみました。

我々には量り知ることができないブッダに帰依します

南無阿弥陀仏の意味とお唱えする宗派について

それをふまえて歌詞を読み直してみましたが、やはり意味が理解できません(笑)

 

3位「IGGY POP FAN CLUB」(アルバム:SCHOOL GIRL BYE BYE)

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■曲名:IGGY POP FAN CLUB
■アルバム名:SCHOOL GIRL BYE BYE
■動画リンク:「IGGY POP FAN CLUB」

メジャーデビュー前に発表されたインディーズ時代の曲です。

このアルバムには、後にライブのハイライトとなる「omoide in my head」のオリジナル・バージョンが含まれています。

もう1曲初期らしい曲をご紹介しておきましょう。

NUMBER GIRL – 水色革命

さてこの曲はイギー・ポップの名前を冠しています。

しかしこの曲に登場する女性は、イギーポップがお好きではないようですが(笑)

彼らにしては明快なギターのリフが心地よいですね。

この曲は少し青くさいですが、古いロックへのピュアな憧れを感じます。

 

4位「鉄風 鋭くなって」(アルバム:サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態)

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■曲名:鉄風 鋭くなって
■アルバム名:サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態
■動画リンク:「鉄風 鋭くなって」

彼らの歌詞は文学的で、音楽と切り離しても充分楽しめます。

この曲名も「鉄風」という語感からして、日常の言葉ではありません。

出だしの歌詞を引用しましょう。

発狂した飼い猫を
川に捨てに行って
念仏を唱えてさようなら
中古の戦車を拾って帰る

鉄風 鋭くなって(作詞:向井秀徳)

上の歌詞から分かる通り、向井秀徳の感覚は、合理性や一貫性の枠組みでは捕捉できないように思います。

意味がないことを自覚させるために、壮大で意味ありげな物語をでっちあげたフランク・ザッパみたいなものかもしれません。

そこに意味はない。しかし意味がないと思うことによって、たどり着ける感覚がある。

したがって我々リスナーは、まず意味を求めるという煩悩を捨てなければいけない。

仏教的な傾向をふまえると、そんな感じかもしれません(笑)

 

5位「日常に生きる少女」(アルバム:SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT)

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■曲名:日常に生きる少女
■アルバム名:SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT
■動画リンク:「日常に生きる少女」

彼らは「少女」と「ガール」が付く曲が多いです。

試しにリストアップしてみましたが、漏れている曲もあるかもしれません。

「NEW GIRL(mono dead)」「透明少女」「真っ昼間ガール」「TUESDAY GIRL」「透明少女」「BRUTAL NUMBER GIRL」「TRAMPOLINE GIRL」「性的少女」「黒目がちな少女」

そしてこの「日常に生きる少女」

アルバム・ジャケットを見ると、どんな日常だという感じがしますが(笑)

どうやら「少女」という言葉をラジカルな意味で使用しているように思います。

そもそもバンド名からして「ガール」が付きますし。

この曲は伸びやかな田渕ひさ子のギターが、とても心地良いですね。

彼女は刀で切り合うようなスリリングなプレイもすばらしいですし、とても刺激的なギタリストだと思います。

 

6位「ZEGEN VS UNDERCOVER」(アルバム:SAPPUKEI)

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■曲名:ZEGEN VS UNDERCOVER
■アルバム名:SAPPUKEI
■動画リンク:「ZEGEN VS UNDERCOVER」

彼らはロキノン系とカテゴライズされることがあります。

ロキノン系という言葉は、洋楽ロック雑誌、ロッキング・オンが推奨しているバンドを指す言い方。

ただ元々このバンドは、同誌が強く押すピクシーズ(Pixies)やニルヴァーナ(Nirvana)の影響を受けています。

ちなみにニルヴァーナは、特に「イン・ユーテロ(In Utero)」の方だと思います。

彼ら自身もその影響を隠そうとしていません。

ピクシーズの「ウェイヴ・オブ・ミューティレイション(Wave Of Mutilation)」をカバーしていますし「PIXIE DU」という曲もあります。

共通点を挙げると、ギター中心の鋭角なバンド・サウンド、壊れたまま突っ走る感覚、ルーツ音楽との断絶、メタリックな質感。

私はナンバーガールを初めて聞いた時、こんな自然体でオルタナティヴを表現できるバンドが出てきたことをうれしく思いました。

彼らは無理してオルタナをやっている感じがしません。

ロッキング・オンが注目するのも、うなづけるというものです。

 

7位「BRUTAL MAN」(アルバム:SAPPUKEI)

number-girl-sappukei

■曲名:BRUTAL MAN
■アルバム名:SAPPUKEI
■動画リンク:「BRUTAL MAN」

ゴリゴリ押してくる感じがたまらないバースト・ナンバーです。

この曲はベースの中尾憲太郎が聞きものです。

彼を中心にして重低音でグイグイ押してきますね。

そこに切り込む田渕ひさ子のギターと野蛮なドラム

このバンドはギター2本、ベース、ドラムというシンプルなメンバー構成です。

しかし全ての楽器で存在感があるせいか、その編成以上に音が分厚く感じられます。

彼らは博多出身ですが、めんたいロックらしい熱気もありますね。

このアルバムは最高傑作と言われていますが、私も同じ意見です。

 

8位「TATTOOあり」(アルバム:SAPPUKEI)

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■曲名:TATTOOあり
■アルバム名:SAPPUKEI
■動画リンク:「TATTOOあり」

このアルバムと次作はデイヴ・フリッドマン(Dave Fridmann)がプロデュースしています。

彼はマーキュリー・レヴ(Mercury Rev)のメンバーで、ザ・フレーミング・リップス(The Flaming Lips)やウィーザー(Weezer)などのプロデューサーとして知られています。

ナンバーガールとも相性が良さそうな感じがしますね。

デイヴ・フリッドマンの特徴は、ストリングスなどを効果的に使った大きなサウンド・スケープです。

またドラムにおいては、ステディなリズム・キープより、ドカドカ野蛮に響かせることで、ダイナミズムを生み出す使い方を好む人です。

そんなふてぶてしく野太いドラムでないと、重めの上物を受け止めきれないからかもしれません。

念のため申し上げておくと、アヒト・イナザワのドラムは元々そういう傾向がありました。

このアルバムでは、彼の特徴が更に強調されているように感じます。

この曲のシンプルにして野蛮なドラムは、エモいこの曲によく合っています。

相性の良いブロデューサーを得たことで、更にバンドは飛躍することができました。

 

9位「Num-Heavymetallic」(アルバム:NUM-HEAVYMETALLIC)

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■曲名:Num-Heavymetallic
■アルバム名:NUM-HEAVYMETALLIC
■動画リンク:「Num-Heavymetallic」

チェンジ・オブ・ペースとして選んだ曲です。

彼らにはバラードらしき曲もありますが、そもそも歌い上げるバラードで感動させるタイプのバンドではありません。

この曲はレゲエ、特にダブの手法が取り入れられています。

彼らは「DESTRUCTION BABY」あたりから、音響的な音づくりが目立ち始めました。

エイドリアン・シャーウッド(Adrian Sherwood)のOn-Uサウンドあたりを少し意識していたかもしれません。

しかしここでもやはり田渕ひさ子のギターが聞きものです。

全編に渡って浮遊するギターが、とても心地良いですね。

彼女は椎名林檎の曲にも参加していますが、日本のオルタナ・シーンを代表するギタリストだと思います。

 

10位「OMOIDE IN MY HEAD」(アルバム:サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態)

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■曲名:OMOIDE IN MY HEAD
■アルバム名:サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態
■動画リンク:「OMOIDE IN MY HEAD」

この曲は「シブヤROCKTRANSFORMED状態」など、様々なライブ・アルバムでも演奏されています。

しかしその中でもこのライブ・バージョンは、特に忘れがたく感じます。

再結成前の解散ライブという事情のせいかもしれません。

「OMOIDE IN MY HEAD」とは「頭の中の思い出」のこと。

彼らはこの時最後の思い出づくりとして、完全燃焼しようとしていました。

もしかしたら今後彼らは再々始動するかもしれません。

しかしこの時これが最後だと思ったファンの思いは、音源として残されたことで永遠のものとなりました。

私はこの場にいた人をうやましく感じます。

もし私がこの場にいたら、まばたきすることを自分に禁じたでしょう。

この曲の映像に記録されているファンの表情が、このバンドがどういう存在だったか何よりも物語っています。

 

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