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ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はナイン・インチ・ネイルズのランキングを作成しました。

現在彼らは2人組です。

トレント・レズナー(Trent Reznor)
アッティカス・ロス(Atticus Ross)

しかし今回ご紹介する曲の多くは、トレント・レズナー1人時代の曲が多く、実質彼のソロ・ユニットと考えてもいいかもしれません。

彼らの音楽は、好き嫌いが分かれるかもしれません。

しかし一度魅力に開眼すると、良し悪しを超えてどうしても必要な音楽になります。

 

1位「Starfuckers, Inc.」(アルバム:The Fragile)

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■曲名:Starfuckers, Inc.
■曲名邦題:スターファッカーズ、INC.
■アルバム名:The Fragile
■アルバム名邦題:ザ・フラジャイル
■動画リンク:「Starfuckers, Inc.」

私はずっと「Starfucker」という曲名だと思っていました。

改めて曲名を見たら「Starfuckers, Inc.」なのですね。

訳すと「人気者クソ野郎株式会社」みたいな感じでしょうか。

何のことだろうと思い歌詞を読んでみたところ、誰かをディスっているようです。

一説によるとコートニー・ラブ(Courtney Love)とマリリン・マンソン(Marilyn Manson)のことだとか。

MVを見るとリムジンに乗っているトレント・レズナーは、マリリン・マンソンに似たメイクをしています。

マリリン・マンソンのCDをゴミ箱に捨てているシーンもありますね。

ウィキペディアを見ると、こう記載されていました。

マリリン・マンソンは『ザ・フラジャイル』がリリースされた際に批判的なコメントを出しており、トレント・レズナーとマリリン・マンソンの不仲は続いているものと思われていた。

しかし“スターファッカーズ・インク”のビデオ・クリップにマリリン・マンソンが出演したことで和解が表明された。

ナイン・インチ・ネイルズ ウィキペディア

本当にこのMVで仲直りしたのか、私にはよく分かりません(笑)

 

2位「Mr. Self Destruct」(アルバム:The Downward Spiral)

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■曲名:Mr. Self Destruct
■曲名邦題:ミスター セルフ ディストラクト
■アルバム名:The Downward Spiral
■アルバム名邦題:ザ・ダウンワード・スパイラル
■動画リンク:「Mr. Self Destruct」

この曲はインダストリアル・ロックの最高峰といえる1曲ではないでしょうか。

ただ負の感情が充満している感じがありますが。

アルバム・タイトルの「The Downward Spiral」とは「下方向スパイラル」という意味です。

どこまでも落ちていくようなイメージかもしれません。

そして冒頭の曲名は「Mr. Self Destruct」ですから「ミスター・自己破壊」。

この作品はコンセプト・アルバムです。

主人公は誰かに頭の中を支配されていて、破滅的な生き方をするようささやかれています。

ちなみにこのアルバムの製作時期には、メンバーのジェフ・ワード(Jeff Ward)が自殺していますし、トレント・レズナー自身も病んでいました。

余談ですがこの曲名は、ソフト・セル(Soft Cell)の同名曲を参考にしたそうです。

参考にまで、そちらのリンクも貼っておきましょう。

Soft Cell – Mr.Self Destruct

 

3位「We’re In This Together」(アルバム:The Fragile)

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■曲名:We’re In This Together
■曲名邦題:ウィ・アー・イン・ディス・トゥゲザー
■アルバム名:The Fragile
■アルバム名邦題:ザ・フラジャイル
■動画リンク:「We’re In This Together」

このアルバムは、前作から5年後にリリースされました。

その間トレント・レズナーは映画「ナチュラル・ボーン・キラーズ(Natural Born Killers)」、「ロスト・ハイウェイ(Lost Highway)」のサントラをプロデュースし、後者には「パーフェクト・ドラッグ(The Perfect Drug)」という楽曲を提供しました。

さてこのアルバムは、二枚組としてリリースされました。

しかし楽曲はどれも練り込まれたものばかりで、100分超という長さでも退屈しません。

ただずっと聞いていると内圧が高まってくる曲が多く、長いのに密度が濃いという、リスナーの負担がとても大きい作品です(笑)

緊張感をほぐす目的なのか、ピアノのインストをうまく活用しているのもこのアルバムの特徴です。

1曲リンクを貼っておきましょう。

Nine Inch Naild – The Frail

坂本龍一を思わせる曲ですね。

確かにこの人の曲は、ノイズ・インダストリアルやダークなニューウェーヴ系サウンドが多いかもしれません。

しかしその根本には、独特の美意識があるように思います。

私はこの曲のダークな音像に透徹した美を感じます。

 

4位「Wish」(EP:Broken)

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■曲名:Wish
■曲名邦題:ウイッシュ
■EP名:Broken
■EP名邦題:ブロークン
■動画リンク:「Wish」

この曲は8曲入りのEPから選びました。

ただ収録時間が30分を超えていますし、他のアルバムとも曲が被っていませんから、ほぼオリジナル・アルバムと考えてもいいかもしれません。

時期的には1枚目と2枚目の間に発売されています。

このアルバムは、彼らのアルバムで最もメタル色が強いかもしれません。

このEPが発売された1992年は、メタルの変革期でした。

あのパンテラ(Pantera)の「俗悪(Vulgar Display of Power)」がシーンに衝撃を与えた年ですから。

その頃からメタル、パンク、アメリカン・オルタナティヴ、ラウド・ロックなどが、混然一体となったメタルが増えてきました。

ただナイン・インチ・ネイルズは、その後また違う路線に向いましたが。

さて私はトレントの声がレニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)と似ていると感じる時があります。

私はこの曲を聞くといつもレニーを思い出してしまいます。

 

5位「Something I Can Never Have」(アルバム:Still)

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■曲名:Something I Can Never Have
■曲名邦題:サムシング・アイ・キャン・ネヴァー・ハヴ
■アルバム名:Still
■アルバム名邦題:スティル
■動画リンク:「Something I Can Never Have」

激しい曲が続きましたから、静かな曲もご紹介しておきましょう。

まずこのアルバムをご存知ない方も多いかもしれません。

元々は「And All That Could Have Been」の初回限定盤に付属していたボーナスCDで、後に単独アルバムとして発売されています。

このCDはあなどれません。

彼らの耽美的な側面を知るには、これ以上最適なアルバムは他にありませんから。

既発表曲を静かめにセルフ・カバーしている曲も収録されています。

コクトー・ツインズ(Cocteau Twins)などが在籍していた4ADあたりの音がお好きな方に、特におすすめいたします。

 

6位「March of the Pigs」(アルバム:The Downward Spiral)

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■曲名:March of the Pigs
■曲名邦題:マーチ・オブ・ザ・ピッグス
■アルバム名:The Downward Spiral
■アルバム名邦題:ザ・ダウンワード・スパイラル
■動画リンク:「March of the Pigs」

私はこのアルバムがアメリカで売れたと知った時、とても驚きました。

全く万人向けの音楽ではないと思いましたから。

それにもかかわらずこのアルバムは、アルバムチャートで全米2位を獲得しています。

アメリカのリスナーは耳が肥えていると思う以上に、アメリカ人のメンタルは大丈夫なのだろうかと心配になりました。

ただこういうことは、ロックの歴史で時々あります。

このアルバムは、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の「ロウ(Low)」やピンク・フロイド(Pink Floyd)の「ザ・ウォール(The Wall)」に影響を受けているそうです。

どちらの作品も極めてダウナーで一般向けではありませんが、大ヒットしました。

音楽の力でメインストリームの壁を越えたかもしれません。

当時のトレント・レズナーには、それと同じ圧倒的なアーティスト・パワーがありました。

 

7位「Head Like a Hole」(アルバム:Pretty Hate Machine)

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■曲名:Head Like a Hole
■曲名邦題:ヘッド・ライク・ア・ホール
■アルバム名:Pretty Hate Machine
■アルバム名邦題:プリティ・ヘイト・マシーン
■動画リンク:「Head Like a Hole」

デビュー・アルバムからの選曲です。

実はトレント・レズナーにはもっと初期の録音があって、後年「Purest Feeling」という海賊版として出回りました。

アルバム・タイトル曲だけ、リンクを貼っておきましょう。

Nine Inch Nails – Purest Feeling

デビュー・アルバムとかなり収録曲が重複していますが、サウンド的には全く異なっています。

私は上の曲を聞いて、チープなサウンドに肩すかしをくらいました。

正直デビュー・アルバムの曲と比べると、かなり出来が落ちるのではないかと。

彼らは1989年にデビューしていますから、おそらくその頃の録音だと思われます。

しかし1年ほどでこのデビュー・アルバムの水準まで持ってくるとは、かなり著しい進歩だったといえるかもしれません。

さて「Head Like a Hole」は初期を代表する曲で、まだ後のような漆黒の深みはありませんが、充分すばらしい曲だと思います。

 

8位「Only」(アルバム:With Teeth)

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■曲名:Only
■曲名邦題:オンリー
■アルバム名:With Teeth
■アルバム名邦題:ウィズ・ティース
■動画リンク:「Only」

このアルバムから彼の音楽は大きく変わりました。

軽くポップな曲が増えてきました。

この曲は新しい路線を代表する曲です。

もう1曲同系統の曲のリンクを貼っておきましょう。

Nine Inch Nails – The Hand That Feeds

この時前作から6年もの月日が経過していましたが、その間トレント・レズナーは、アルコールと薬物の依存症を克服しようとしていました。

彼は治療が終わってから、前作のプロデューサーであるアラン・モルダー(Alan Moulder)と一緒に、このアルバムを製作しました。

困難を克服した後のせいか、内面にも変化が表れているかもしれません。

いくぶん表情が明るい感じがします。

たとえばこの曲の歌詞は、以下のような内容です。

私は自分を傷つけるためにあなたをつくり、それはうまくいった。

しかしもう自分を罵る必要はないと。

 

9位「Copy of a」(アルバム:Hesitation Marks)

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■曲名:Copy of a
■曲名邦題:コピー・オブ・ア
■アルバム名:Hesitation Marks
■アルバム名邦題:ヘジテイション・マークス
■動画リンク:「Copy of a」

今回は初期の曲に偏ったかもしれません。

彼は「The Fragile」以降も「イヤー・ゼロ〜零原点…(Year Zero)」などの充実作をリリースしています。

次第にポップな曲が多くなりましたが、その路線もすばらしい曲が多く、人によってはその時期の方がいいと考える人がいてもおかしくありません。

私は「With Teeth」以降では、2013年のこのアルバムが最も気に入っています。

昔の激しくヘヴィーな作風とは異なりますが、質の高い楽曲がそろっていて、より音楽的に成熟しているように感じます。

彼の本質である美意識も健在ですし。

この曲はエレポップっぽい曲で、キュアー(The Cure)やデペッシュ・モード(Depeche Mode)あたりがお好きな方におすすめです。

またこの頃彼は、数多くの映画音楽を手がけていました。

有名なのは「ソーシャル・ネットワーク」ですが、このアルバムと同年「ドラゴン・タトゥーの女」で、グラミー賞を受賞しています。

彼はまだまだこれからの人のようです。

 

10位「Hurt」(アルバム:The Downward Spiral)

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■曲名:Hurt
■曲名邦題:ハート
■アルバム名:The Downward Spiral
■アルバム名邦題:ザ・ダウンワード・スパイラル
■動画リンク:「Hurt」

やはりラストはこの曲しかありません。

先程ご紹介したこのアルバムの1曲目「Mr. Self Destruct」は曲名通り、自分への破壊衝動がテーマの曲です。

その後彼の怒りや悲しみは、自己の内面の中で乱反射し、ついにこの曲へとたどり着きました。

この曲は「今日、自分を傷つけた」という歌詞で始まっています。

「まだ感覚があるのか確かめるために」と。

彼は自傷行為によって、痛みがリアルかどうか確認していたようです。

この曲の主人公はかろうじて生に踏みとどまっていますが、友人たちは次々に彼の元から立ち去っています。

そしてまだ残っている友に対して、彼はこう言い放ちました。

「俺は君を傷つけるだろう」と。

ただこの曲は、以下のような歌詞で終わっています。

もしもう一度やり直せるなら

100万マイル離れていたとしても

自分を維持し

道を探すことだろう

現在トレント・レズナーは危機的な状況を脱して、多方面に活躍の場を広げています。

このアルバムに出会った時、彼がそういうハッピーエンドを迎えることを想像できませんでした。

バッドエンドの可能性の方が、はるかに高かったように思います。

今辛い思いをしている人がいたら、この曲を聞いてしのいでください。

「The Downward Spiral」というアルバム名のように、どこまでも落ちていくように感じたとしても、今が一番底かもしれません。

そのどん底を起点として、これから上向く可能性は本人であっても否定できませんから。

 

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