今回はシュープリームスのランキングを作成しました。
彼女たちが所属していたモータウンは、ビートルズ(The Beatles)などのブリティッシュ・インヴェイジョンに、唯一対抗できた存在だと言われています。
この記事ではその最も輝かしい時期に焦点を当てています。
彼女たちのサクセス・ストーリーは、映画「ドリームガールズ(Dreamgirls)」のモデルになっています。
心弾む名曲の数々をご堪能ください。
- 1 1位「You Can’t Hurry Love」(アルバム:The Supremes A’ Go-Go)
- 2 2位「Baby Love」(アルバム:Where Did Our Love Go)
- 3 3位「Ask Any Girl」(アルバム:Where Did Our Love Go)
- 4 4位「He’s My Sunny Boy」(アルバム:Love Child)
- 5 5位「Where Did Our Love Go」(アルバム:Where Did Our Love Go)
- 6 6位「When the Lovelight Starts Shining Through His Eyes」(アルバム:Where Did Our Love Go)
- 7 7位「I Hear a Symphony」(アルバム:I Hear a Symphony)
- 8 8位「Stop! In the Name of Love」(アルバム:More Hits by The Supremes)
- 9 9位「All I Know About You」(アルバム:Reflections)
- 10 10位「Someday We’ll Be Together」(アルバム:Cream of the Crop)
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1位「You Can’t Hurry Love」(アルバム:The Supremes A’ Go-Go)
■曲名:You Can’t Hurry Love
■曲名邦題:恋はあせらず
■アルバム名:The Supremes A’ Go-Go
■アルバム名邦題:シュープリームス・ア・ゴーゴー
■動画リンク:「You Can’t Hurry Love」
この曲はフィル・コリンズ(Phil Collins)やHi-Standardのカバーで知った人も多いかもしれません。
ここではストレイ・キャッツ(Stray Cats)のカバーをご紹介しておきましょう。
Stray Cats- -You Can’t Hurry Love
意外と良いカバーではないでしょうか。
さてこの曲はほとんどの人が聞いたことがあると思います。
シングル・チャートの1位を記録していますが、それだけではありません。
この作品は、初めてガールズ・グループが1位を記録したアルバムなのだそうです。
この曲の歌詞は良い恋愛をするには、待たないとダメという内容です。
ママは言った。
良い恋愛をするのは、簡単なことではないと。
まず相手に与えて、それから待って、受け取るのはその後。
待つのは、簡単なことではないけれど。
そんな感じの歌詞です。
2位「Baby Love」(アルバム:Where Did Our Love Go)
■曲名:Baby Love
■曲名邦題:ベイビー・ラヴ
■アルバム名:Where Did Our Love Go
■アルバム名邦題:愛はどこへ行ったの
■動画リンク:「Baby Love」
もし「You Can’t Hurry Love」がなかったら、この曲が彼女たちの代表曲になっていたはずです。
この曲は『ローリング・ストーン』誌の「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」324位にランキングされている[6]。
しかし意外なことに、この曲はアルバムから5枚目のシングル・カットでした。
つまりこのアルバムには、他にも同じぐらい良い曲が沢山あるということ。
このアルバムには、全米1位を獲得したシングルが3曲も収録されています。
今回このアルバムだけで4曲も選びましたが、それでも「カム・シー・アバウト・ミー(Come See About Me)」を選外にせざるを得ませんでした。
私は彼女たちの最高傑作だと思います。
このアルバムが傑作すぎて、名作「シング・ホランド・ドジャー・ホランド(Sing Holland–Dozier–Holland)」から選曲する枠がなくなってしまいました。
3位「Ask Any Girl」(アルバム:Where Did Our Love Go)
■曲名:Ask Any Girl
■曲名邦題:アスク・エニイ・ガール
■アルバム名:Where Did Our Love Go
■アルバム名邦題:愛はどこへ行ったの
■動画リンク:「Ask Any Girl」
彼女たちの曲は、女心を歌った歌詞も人気の秘密でした。
モータウンの曲は大衆向けのポップ・ソングが多いので、他愛ない歌詞ばかりだろうと思われるかもしれません。
しかしあのボブ・ディラン(Bob Dylan)が尊敬する作詞家は、モータウンのスモーキー・ロビンソン(Smokey Robinson)であることは、とても有名な話です。
この曲の歌詞も愛する男性に傷つけられる女の子の気持ちがどういうものか、他の女の子に聞いてみるといいわというものです。
さてモータウン(Motown Records)の曲は、本当によくできています。
基本的に分業制で、最高のソングライティング・チームがいて、ファンク・ブラザース(The Funk Brothers)という最高のバンドを抱え、実力とルックスの両方を兼ね備えた歌手に歌わせました。
またヒット曲を生み出すマーケティング力も、他の追従を許さないものがありました。
アーティストの自由意志など入り込む余地がないぐらい、合理的だったといえるかもしれません。
ほとんど大衆向けの製品みたいなものです。
しかしそれにもかかわらず、モータウンの音楽は、時間の経過に耐える曲が多いのが不思議です。
事実この曲がリリースされたのも1964年。
もう半世紀以上前の曲ですが、いまだに魅力的なのは驚異的かもしれません。
4位「He’s My Sunny Boy」(アルバム:Love Child)
■曲名:He’s My Sunny Boy
■曲名邦題:彼は私の太陽
■アルバム名:Love Child
■アルバム名邦題:ラブ・チャイルド
■動画リンク:「He’s My Sunny Boy」
このブログのランキングは、ベスト盤とは性質が異なります。
シングル曲や有名曲だけでなく、良い曲であればただのアルバム収録曲でも取り上げています。
この曲も埋もれがちな曲の1つ。
シングル「Someday We’ll Be Together」のB面ですが、曲数の少ないベストではまず見かけない曲です。
彼女たちの全盛期は意外と短く、1964年から1968年の4-5年といえるでしょう。
この曲が入っている「Love Child」は、1968年にリリースされています。
当時破竹の勢いだった彼女たちも、売れっ子ならではの悩みを抱えていました。
売れている分、同じような曲やイメージだと飽きられるのも早いという問題です。
モータウンの商売人ベリー・ゴーディー・ジュニア(Berry Gordy, Jr.)は、人気が落ちることを恐れて、予め手を打ちました。
これまではホーランド=ドジャー=ホーランド(Holland-Dozier-Holland)が曲を提供していましたが、このアルバムではアシュフォード&シンプソン(Ashford & Simpson)を製作チームに加えています。
またメンバーチェンジもありました。
1967年、ベリーのダイアナだけを前面に押し出した売り方に不満を募らせ、アルコール中毒に陥ったフローレンスが解雇され、シンディ・バードソングが加入。
グループ名も、ダイアナ・ロス&ザ・スプリームス(Diana Ross & the Supremes)となった。
更にはイメージ戦略も変えています。
アルバム・ジャケットをご覧ください。
かわいこちゃん路線から、ストリート路線にイメージチェンジしています。
アレンジも従来とホーンの使い方が少し違っていますが、これはこれで魅力的ですね。
5位「Where Did Our Love Go」(アルバム:Where Did Our Love Go)
■曲名:Where Did Our Love Go
■曲名邦題:愛はどこへ行ったの
■アルバム名:Where Did Our Love Go
■アルバム名邦題:愛はどこへ行ったの
■動画リンク:「Where Did Our Love Go」
彼女たちは1959年に結成されています。
当時はザ・プライメッツ(The Primettes)という名前で活動していました。
その頃の曲をご紹介しておきましょう。
The Primettes – The Beginning.
彼女たちはその後モータウンと契約し「ミート・ザ・シュープリームス(Meet the Supremes)」をリリースしました。
しかし当時はまだ古い音楽性を引きずっていて、全面開花とはいえませんでした。
彼女たちが本領を発揮し始めたのは、このアルバムからです。
当時モータウンの社長ベリー・ゴーディは、独特の嗅覚で彼女たちの可能性を見抜きました。
彼はホーランド=ドジャー=ホーランドの曲を、彼女たちにコーディネートしました。
彼らの心弾む曲の数々は、キュートな彼女たちに合っていたように思います。
彼女たちはこの曲で初めてシングル・チャート1位を獲得しました。
6位「When the Lovelight Starts Shining Through His Eyes」(アルバム:Where Did Our Love Go)
■曲名:When the Lovelight Starts Shining Through His Eyes
■曲名邦題:恋のキラキラ星
■アルバム名:Where Did Our Love Go
■アルバム名邦題:愛はどこへ行ったの
■動画リンク:「When the Lovelight Starts Shining Through His Eyes」
モータウンの曲は、当時ダンス・パーティでよく使われていたようです。
この曲も当時ヘビーローテーションだったことでしょう。
ダンスナンバーは、演奏が命です。
モータウンの強みの1つは、強力なハウス・バンドの存在でした。
特に有名なメンバーは、ベースのジェームス・ジェマーソン(James Jamerson)ですが、私はバリントン・サックスのマイク・テリー(Mike Terry)の貢献も大きいと思います。
「恋のキラキラ星」という曲名邦題は直訳すると「彼の目から愛の光が輝き始めた時」と少し意味が分かりませんが。
当時モータウンには、マーサ&ザ・ヴァンデラス(Martha and the Vandellas)というダイナマイト娘たちがいました。
両者の差別化をしようとしたのか、その後はイケイケな曲が少なくなったように思います。
7位「I Hear a Symphony」(アルバム:I Hear a Symphony)
■曲名:I Hear a Symphony
■曲名邦題:ひとりぼっちのシンフォニー
■アルバム名:I Hear a Symphony
■アルバム名邦題:ひとりぼっちのシンフォニー
■動画リンク:「I Hear a Symphony」
「Where Did Our Love Go」の大ヒットの後、彼女たちは様々な企画アルバムをリリースしました。
「A Bit of Liverpool」:ビートルズなどのカバー曲集
「The Supremes Sing Country, Western and Pop」:カントリー&ウェスタンのカバー曲集
「We Remember Sam Cooke」:サム・クックのカバー曲集
「Merry Christmas」:クリスマス・アルバム
上記のアルバムは、2年ぐらいの短期間に発売されています。
おそらく彼女たちの人気を、様々な層に浸透させるのが目的だと思われます。
しかし上記の作品はセールス的にも内容的にも、微妙な結果に終わりました。
実はこのアルバムの前も「There’s a Place for Us」というスタンダード曲集を録音しましたが、ベリー・ゴーディの鶴の一声でお蔵入りになっています。
先程の企画アルバムは、人気の裾野を広げるための宣伝広告費みたいなものだったかもしれません。
しかし切れ者ベリー・ゴーディは、ここでその投資を回収することにしたようです。
録音済みのスタンダード曲集をお蔵入りにして、このアルバムを製作することにしました。
ヒット間違いなしのホーランド=ドジャー=ホーランド体制に戻しました。
中でも白眉といえるのが「マイ・ワールド・イズ・エンプティ・ウィズアウト・ユー(My World Is Empty Without You)」とこの曲です。
彼女たちはこの後、このキラー路線で全盛期を迎えました。
8位「Stop! In the Name of Love」(アルバム:More Hits by The Supremes)
■曲名:Stop! In the Name of Love
■曲名邦題:ストップ・イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ
■アルバム名:More Hits by The Supremes
■アルバム名邦題:モア・ヒッツ・バイ・ザ・シュープリームス
■動画リンク:「Stop! In the Name of Love」
この作品は過去のヒット曲と新曲が同居している、意図がよく分からない編集盤です。
とはいえ内容はすばらしく、この定番曲が入っていることで知られています。
改めてこの時点でのメンバー構成を、ご紹介をしておきましょう。
・ダイアナ・ロス(Diana Ross)
・メアリー・ウィルソン(Mary Wilson)
・フローレンス・バラード(Florence Ballard)
この3人が黄金期のメンバーです。
ダイアナ・ロスが突出して有名ですが、それはベリー・ゴーディの意向によるものです。
以前の彼女たちは、そこまでダイアナ中心のグループではありませんでした。
上の写真を見ても全員美人で華もありますし。
特にフローレンスの人気は、ダイアナに迫るものがあったようです。
しかしフローレンスはダイアナ中心の路線に反発し、1967年グループを脱退することになりました。
彼女はただのバックコーラス要員ではいたくなかったようですね。
脱退後のフローレンスはアルコール依存症などで苦しんだ末、32歳の若さで心臓発作で亡くなっています。
さてこの曲のバック・ボーカルは、メアリーとフローレンスだけではありません。
アンダンテス(Andantes)という女性コーラスグループを加えて、コーラスにボリュームを加えています。
ただのコーラス要員でいたくなかったフローレンスはこの時どのような気持ちで歌っていたのでしょうか。
9位「All I Know About You」(アルバム:Reflections)
■曲名:All I Know About You
■曲名邦題:オール・アイ・ノウ・アバウト・ユー
■アルバム名:Reflections
■アルバム名邦題:リフレクションズ
■動画リンク:「All I Know About You」
今回は選曲に制約を設けました。
当時はどのグループもそうでしたが、モータウンもカバー曲が多く、彼女たちも他の人のヒット曲を歌っています。
しかし今回は、他の人のイメージが強い曲は選外にしました。
また彼女たちはダイアナ・ロスが脱退してからも音楽的には充実していますが、その時期の曲も外しています。
彼女たちはシングルチャート1位を記録した曲が、12曲あります。
ヒット曲ばかりで埋めるのは簡単ですが、そればかりだと新しい発見がありません。
この曲は、隠れ名曲として選出しました。
確かに派手な曲ではないかもしれません。
しかし個人的に偏愛している曲で、小粒ですがキラリと光る曲だと思っています。
10位「Someday We’ll Be Together」(アルバム:Cream of the Crop)
■曲名:Someday We’ll Be Together
■曲名邦題:またいつの日にか
■アルバム名:Cream of the Crop
■アルバム名邦題:またいつの日にか
■動画リンク:「Someday We’ll Be Together」
このグループの魅力は、ダイアナ・ロスのボーカルに負うところが大きいと思います。
それはベリー・ゴーディの方針でしたが、彼の判断は正しかったかもしれません。
実際彼女の甘い歌声は、今もなお色あせていませんから。
しかしダイアナをごり押しした背景には、2人が恋人関係だったことが影響していたと言われています。
1969年当時、彼女たちは人気が低迷していました。
新メンバー、シンディ・バードソング(Cindy Birdsong)を迎えた「Love Child」は、内容こそ良かったものの、セールス的には苦戦しました。
次作の「レット・ザ・サンシャイン・イン(Let the Sunshine In)」では、更に順位が落ちています。
ベリーは人気グループテンプテーションズ(The Temptations)と共演させた「Together(with The Temptations)」でテコ入れを図りましたが、それでも低迷に歯止めはかかりませんでした。
その後リリースされたのが、このアルバムです。
そしてついにベリー・ゴーディは、ダイアナ・ロスを卒業させようと決心したようです。
この曲のタイトルは「Someday We’ll Be Together」つまり「いつか私たちは一緒に」。
ダイアナが他のメンバーに、お別れを告げている内容と思われます。
リリースされたのは1969年11月という時代の変わり目でした。
ベリーの執念が実ったせいか、この曲は全米1位を獲得し、有終の美を飾ることができました。
その後ダイアナ・ロスはソロで大活躍しています。
残されたメンバーは、1970年代ヒット曲は減りましたが、すばらしい楽曲を残しています。
1970年代のシュープリームスの曲を、1曲だけご紹介しておきましょう。
1970年代だけのベスト盤も出ていますので、上の曲が気に入ったら、ぜひチェックしてみてください。
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