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U2の名曲名盤14選【代表曲・隠れた名曲】

今回はU2のランキングを作成しました。

彼らは愚直に理想を追い求めることの大切さを教えてくれます。

今回はデビューから「Pop」までの時期を対象に、ロック寄りの選曲をしてみました。

 

1位「With or Without You」(アルバム:The Joshua Tree)

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■曲名:With or Without You
■曲名邦題:ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー
■アルバム名:The Joshua Tree(1987年)
■アルバム名邦題:ヨシュア・トゥリー
■動画リンク:「With or Without You」

このアルバムの3曲目までは、どれもシングルカットされ1位を獲得しています。

ロック史上に残る冒頭の3曲かもしれません。

この曲では「君がいてもいなくても、僕は生きていくことができない」と歌われています。

この曲の解釈については、宗教的な背景を持っているなど諸説あるようですが、確かに意味が分かりにくいかもしれません。

このアルバムには政治的な内容の曲が数多く収録されています。

アメリカの外交政策への批判、過酷な労働環境の問題、不自然な失踪者の問題など。

彼らは様々なチャリティ・イベントに参加し、様々な問題対してにコミットしようとしていました。

それを踏まえて私は以下のように解釈しています。

たとえ恋愛で個人的な満足を得ていたとしても、問題が山積するこの世界でどう生きていけばいいのか。

 

2位「New Year’s Day」(アルバム:War)

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■曲名:New Year’s Day
■曲名邦題:ニュー・イヤーズ・デイ
■アルバム名:War(1983年)
■アルバム名邦題:WAR(闘)
■動画リンク:「New Year’s Day」

彼らはこの曲で初めて、イギリスのシングル・チャートでトップ10に入りました。

この曲は後にポーランド大統領となったワレサ議長の労働組合「連帯」を支援する目的で書かれています。

当時社会主義国だったポーランドにも、民主化の波が押し寄せていました。

U2はこの曲で民主化運動を支持する姿勢を表明しています。

このアルバムがレコーディングされた1982年、ポーランドでは戒厳令が施行されていました。

そういう中でも「連帯」は勢力を伸ばしましたが、すると今度は「連帯」のメンバーが次々と当局に拘束されてしまいました。

この曲ではそういう弾圧に対して、抗議の意思を示しています。

新年が始まっても何一つ状況は変わらないように見える。しかし俺たちはこの状況を打破できるはずだと。

この曲のヒットによって「連帯」のメンバーは随分励まされたことでしょう。

 

3位「I Still Haven’t Found What I’m Looking for」(アルバム:The Joshua Tree)

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■曲名:I Still Haven’t Found What I’m Looking for
■曲名邦題:アイ・スティル・ハヴント・ファウンド・ホワット・アイム・ルッキング・フォー (終りなき旅)
■アルバム名:The Joshua Tree(1987年)
■アルバム名邦題:ヨシュア・トゥリー
■動画リンク:「I Still Haven’t Found What I’m Looking for」

アルバム名の「The Joshua Tree」とはどういう意味か調べてみました。

アメリカのカルフォルニア南東部に「ジョシュア・ツリー国立公園」という場所がありますが、そこで生息している木のことなのだそうです。

国立公園なので緑豊かな場所かと思いきや、写真の通り砂漠に近い場所のようですね。

しかしそうした土地にありながら、木々は意外なほど太く枝や幹も立派です。

彼らの言わんとしていることが理解できる気がしないでしょうか。

この曲は「I Still Haven’t Found What I’m Looking for」という曲名ですが、直訳すると「俺はまだ探し物を見つけられていない」という意味です。

彼らはこの砂漠のような場所で、何を探そうとしているのでしょうか。

 

4位「Pride (In The Name Of Love)」(アルバム:The Unforgettable Fire)

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■曲名:Pride (In The Name Of Love)
■曲名邦題:プライド
■アルバム名:The Unforgettable Fire(1984年)
■アルバム名邦題:焔
■動画リンク:「Pride (In The Name Of Love)」

この曲はアメリカの公民権運動の指導者、キング牧師に捧げられています。

キング牧師は肌の色に関係なく、人々が平等に暮らせる社会の実現を訴えていました。

キング牧師には「私には夢がある(I Have a Dream)」という有名な演説があって、私は英語の勉強でお世話になりました。

さて彼らは前作「War」で人気バンドの仲間入りをはたしましたが、このアルバムで彼らはプロデューサーを変更するという賭けに出ています。

前作のスティーヴ・リリーホワイト(Stephen Lillywhite)から、ブライアン・イーノ(Brian Eno)とダニエル・ラノワ(Daniel Lanois)のコンビに替わりました。

この件に限らず彼らは成功した後に、プロデューサーを交代する傾向があります。

実際「The Joshua Tree」の後にも、プロデューサーと作風を変えています。

彼らは成功すると続編をつくるより、新たな挑戦を選んできました。

 

5位「Where the Streets Have No Name」(アルバム:The Joshua Tree)

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■曲名:Where the Streets Have No Name
■曲名邦題:ホエア・ザ・ストリーツ・ハヴ・ノー・ネイム(約束の地)
■アルバム名:The Joshua Tree(1987年)
■アルバム名邦題:ヨシュア・トゥリー
■動画リンク:「Where the Streets Have No Name」

この曲は「僕は逃げ出したい、僕は隠れたい、僕を閉じ込めているこの壁を壊したい」という歌詞から始まります。

では彼らは壁を壊してどこに向かおうとしているのでしょうか。

彼らは曲名にもなっている「名前のない場所」に向かおうとしているようです。

「ここでないどこかに行きたい」というフワっとした逃避願望は、誰の心の中にもあるかもしれません。

この曲ではジ・エッジ(The Edge)のギターのカッティングが、愚直なほど繰り返されています。

この曲の最後は「僕にできるのはそれだけ」という言葉で締めくくられています。

愚直に理想を追い求める彼らの姿勢がよく表れている曲だと思います。

 

6位「One」(アルバム:Achtung Baby)

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■曲名:One
■曲名邦題:ワン
■アルバム名:Achtung Baby(1991年)
■アルバム名邦題:アクトン・ベイビー
■動画リンク:「One」

彼らの最高傑作は「The Joshua Tree」という意見が多いかもしれません。

しかし「War」とこのアルバムという人も意外と多いように思います。

かくいう私もこの3枚がほぼ同率首位ですし。

次点は今回対象期間外となった「オール・ザット・ユー・キャント・リーヴ・ビハインド(All That You Can’t Leave Behind)」でしょうか。

この曲で父親は自分が同性愛者であることを打ち明けた息子に対して、こう言い聞かせました。

我々は同じではないが一体なのだ。

父親としての複雑な心境を表した言い方かもしれません。

この歌詞を書いたボノ(Bono)が求める理想の一端がうかがえる曲です。

 

7位「Gloria」(アルバム:October)

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■曲名:Gloria
■曲名邦題:グロリア
■アルバム名:October(1981年)
■アルバム名邦題:アイリッシュ・オクトーバー
■動画リンク:「Gloria」

このアルバムはウィキペディアで人気がないと書かれていました。

私の周辺では評価する人も少なくありませんが、確かにこのアルバムは地味です。

このアルバムは宗教的な葛藤がテーマの曲が多く、日本人には主張が伝わりにくいところがあるかもしれません。

ちなみにメンバーは敬虔で生真面目なクリスチャンばかり。

ただベースのアダム・クレイトン(Adam Clayton)だけは1人、全く違うタイプのようです。

アダムはU2のメンバーの中で最も外向的な人のようですが、スキャンダルも多く、いわゆるロック・スター気質の人のようです。

上のアルバムジャケットでは、一番左の金髪がアダム。

他の3人が悩める青年みたいな感じなのに対して、アダムだけ少しやんちゃな感じがしないでしょうか。

 

8位「Sunday Bloody Sunday」(アルバム:War)

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■曲名:Sunday Bloody Sunday
■曲名邦題:ブラディ・サンデー
■アルバム名:War(1983年)
■アルバム名邦題:WAR(闘)
■動画リンク:「Sunday Bloody Sunday」

この曲ではイギリス陸軍が非武装の市民に向けて発砲し死者を出した「血の日曜日事件」を取り上げています。

彼らは「多くの命が失われた。教えてほしい。誰が勝利したというのだ」と言いたいようです。

しかし彼らは背景にあるアイルランドの反イギリス運動を擁護しているわけではなく、武力行使を非難しているにすぎません。

ライブでこの曲が演奏される時には、非暴力を示す白旗を掲げられています。

上に挙げた動画でも3:01から白旗が登場しますが、その際にマーチのリズムを刻むラリー・マレン・ジュニア(Larry Mullen, Jrの)ドラムが印象的です。

ラリーはマーチング・バンド経験のある人ですが、その経験が活きているかもしれません。

 

9位「Wire」(アルバム:The Unforgettable Fire)

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■曲名:Wire
■曲名邦題:ワイヤー
■アルバム名:The Unforgettable Fire(1984年)
■アルバム名邦題:焔
■動画リンク:「Wire」

このアルバムからブライアン・イーノとダニエル・ラノワのプロデュースに変わりました。

このアルバムについては、音響の変化ばかりが言及されがちです。

ただ「New Year’s Day」などのように、以前からエッジのギターは、独特の音響処理が特徴でした。

カミソリのようなギターのカッティング、そしてディレイやエコーなどを駆使した音響は、スティーヴ・リリーホワイトとエッジがつくり上げました。

ただブライアン・イーノとダニエル・ラノワは、熱い部分はより熱く鋭く、クールなところはよりクールにメリハリをつけたかもしれません。

たとえばこの曲です。

エッジの特徴を抜き出して、それだけを徹底的に強調しています。

 

10位「Desire」(アルバム:Rattle and Hum)

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■曲名:Desire
■曲名邦題:ディザイアー
■アルバム名:Rattle and Hum(1988年)
■アルバム名邦題:魂の叫び
■動画リンク:「Desire」

同名のライブ・ドキュメンタリー映画のサントラの曲です。

彼らはデビュー時、それほど音楽の造詣が深くありませんでした。

昔読んだインタビューで、誰もが知っている有名アーティストすら知らず恥ずかしい思いをしたと言っていました。

デビュー時彼らは20歳ぐらいでしたから、詳しくなくても仕方ありません。

しかしその後彼らは、様々な音楽を貪欲に吸収していきました。

彼らは様々な音楽を知る過程で、それらを消化し血肉化していきました。

このアルバムではその成果が表れています。

さてこの曲は、そのアルバムからのファースト・シングル。

この曲にもエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)など、古き良きアメリカ音楽の影響を感じます。

 

11位「The Fly」(アルバム:Achtung Baby)

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■曲名:The Fly
■曲名邦題:ザ・フライ
■アルバム名:Achtung Baby(1991年)
■アルバム名邦題:アクトン・ベイビー
■動画リンク:「The Fly」

彼らはアメリカの単独公演のライブ動員数記録で、上位3位までを独占しています。

本当の意味で彼らがモンスター・バンドになったのは、このあたりからかもしれません。

彼らはルーツ巡礼と言われた前作「Rattle and Hum」から、ガラリと音楽性を変えてきました。

それは打ち込みの導入です。

当然のごとく賛否両論ありましたが、当時は賛が3割、否が7割ぐらいだったかもしれません。

今ではほとんどの人が認めていると思います。

ファンの期待を裏切るリスクを背負って変化し、最終的にはしっかりファンを納得させてきました。

ここ20-30年で類似の例は他にレディオヘッド(Radiohead)ぐらいしか思い出せません。

 

12位「Two Hearts Beat as One」(アルバム:War)

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■曲名:Two Hearts Beat as One
■曲名邦題:トゥー・ハーツ・ビート・アズ・ワン
■アルバム名:War(1983年)
■アルバム名邦題:WAR(闘)
■動画リンク:「Two Hearts Beat as One」

このアルバム・ジャケットはとても有名ですが、モデルはボノの友人の弟です。

この少年はこのサード・アルバムのジャケットに再登場しました。

ファーストの頃はまだ子供っぽかったのですが、それから3年が経過して、この頃は眼光鋭い少年へと成長しています。

その変化はバンドの成長と社会派な姿勢を強めたことを、そのまま表しているかのようです。

ちなみに上に引用した動画では、47秒のところで少年が登場していています。

少年はピーター・ローウェン(Peter Rowen)という名前で、後に俳優や写真家として活躍しました。

 

13位「I Will Follow」(アルバム:Boy)

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■曲名:I Will Follow
■曲名邦題:アイ・ウィル・フォロー
■アルバム名:Boy(1980年)
■アルバム名邦題:ボーイ
■動画リンク:「I Will Follow」

ファースト・アルバムの曲です。

MVで確認できるメンバーの姿はとても初々しいですね。

ボノは毛先を遊ばせていて、デュラン・デュラン(Duran Duran)のメンバーと言われても不思議はありません。

ボノは子供の頃に母親を亡くしていますが、この曲は母親に対する思慕がテーマの曲です。

彼は空想の中で母親に出会いますが、母親はボノがこちらの世界に来てはいけないと言い、その場を立ち去ろうとしています。

しかし子供のボノは母親に付いていこうとする。

とても切ない歌詞ですね。

アルバム・ジャケットではこの曲を念頭に置いているのか、無垢な少年が掲載されています。

 

14位「Staring At The Sun」(アルバム:Pop)

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■曲名:Staring At The Sun
■曲名邦題:ステアリング・アット・ザ・サン
■アルバム名:Pop(1997年)
■アルバム名邦題:ポップ
■動画リンク:「Staring At The Sun」

私は流行の音楽や時にはチープな音楽も聞くタイプのリスナーです。

私が若い頃、本物の音楽を聞いた方がいいと年配のロックファンから言われたことがあります。

しかし自分が人にアドバイスする側になると、そういうことを言う気にはなりません。

ただそう言いたくさせる、本物の音楽は存在するとは思います。

U2もそういうバンドの1つ。

彼らは打ち込みを導入しても、人間くさく肉体性を感じさせてくれました。

この曲には、焦燥感と陶酔感が入り混じった人間らしい感情を感じます。

 

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