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ザ・キュアー(The Cure)の名曲名盤12選【代表曲・隠れた名曲】

今回はザ・キュアーのランキングを作成しました。

このバンドは、ダークでモノクロームな面とポップでカラフルな面という二面性があります。

この記事ではポップな曲を多めに選びましたが、このランキングが気に入ったら、ぜひアルバム単位で聞いてみてください。

ダークな曲は、アルバムの文脈の中でこそ輝きます。

このランキングが、彼らの音楽を聞くきっかけになれば幸いです。

 

1位「Just Like Heaven」(アルバム:Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me)

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■曲名:Just Like Heaven
■曲名邦題:ジャスト・ライク・ヘヴン
■アルバム名:Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me
■アルバム名邦題:キス・ミー、キス・ミー、キス・ミー
■動画リンク:「Just Like Heaven」

このアルバムは、アナログ2枚組としてリリースされました。

通常2枚組アルバムは、創作意欲が高まっている時にリリースされるものです。

単純にそれだけ良い曲が必要になりますし、レコード会社にも2枚組でいけることを認めさせなければいけません。

彼らはこのアルバムの前、イギリスでは3作連続でトップテン・ヒットを飛ばし、アメリカでも前作で初めてトップ100入りを果たしました。

そうして満を持してリリースされたのが、このアルバムです。

このアルバムは2枚組ですが、良い曲をそろえることができたようですね。

この曲以外では「ハウ・ビューティフル・ユー・アー(How Beautiful You Are…)」がおすすめです。

The Cure – How Beautiful You Are

「Just Like Heaven」は、ダイナソーJr.(Dinosaur Jr.)にもカバーされている、彼らを代表するにふさわしい曲です。

この曲は、ロバート・スミス(Robert Smith)が、ビーチー岬に旅行した時の思い出を元に書いた曲とのこと。

ただビーチー岬は、いわくつきの場所です。

年に20人もの自殺者が出る自殺の名所ですから。

それを考えると「Just Like Heaven」という曲名も、意味深に思えてなりません。

 

2位「Lovesong」(アルバム:Disintegration)

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■曲名:Lovesong
■曲名邦題:ラヴソング
■アルバム名:Disintegration
■アルバム名邦題:ディスインテグレーション
■動画リンク:「Lovesong」

ロバート・スミスは、シンプルなタイトルを好むようです。

この曲も「Lovesong」ですし。

「愛の歌」とは、かなりド直球なタイトルです。

1年前彼は自殺の名所ビーチー岬に一緒に行ったメアリー・プールと結婚しました。

つまり当時彼は新婚さんだったのですね。

そこで歌詞を読んでみましたが、愛の言葉で満ちあふれていました。

彼女と一緒にいるのはどんなにすばらしいことか、言葉の限りを尽くして表現しています。

彼のように成功したミュージシャンは結婚と離婚を繰り返すのが常ですが、今も2人は仲良く暮らしているようです。

ただアルバム名の「Disintegration」は「崩壊」という意味ですが。。。

 

3位「Close to Me(Closer Mix)」(アルバム:Mixed Up)

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■曲名:Close to Me(Closer Mix)
■曲名邦題:クロース・トゥ・ミー(クローサー・ミックス)
■アルバム名:Mixed Up
■アルバム名邦題:ミックスト・アップ
■動画リンク:「Close to Me(Closer Mix)」

「The Head on the Door」に入っている同名曲のリミックス・バージョンです。

原曲とリミックスどちらもシングルカットされていますが、こちらのリミックス・バージョンの方がヒットしています。

このアルバムはリミックス・アルバムなのですが、すばらしいリミックスが多くて聞き逃せません。

この曲のリミックスを担当したのは、ポール・オーケンフォールド(Paul Oakenfold)。

ポール・オーケンフォールドといえば、U2やニュー・オーダー(New Order)などのリミックスを手がけたプロデューサー兼DJです。

この曲でもオリジナルのリズムをガラリと変えて、キュートな曲に仕上げました。

ただ原曲もすばらしいので、一応リンクを貼っておきます。

The Cure – Close To Me

キュートでポップなリミックス・バージョンとハンド・クラッピングがかっこいいオリジナル・バージョン。

どちらをご紹介するか、かなり迷いました。

 

4位「Play for Today」(アルバム:Seventeen Seconds)

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■曲名:Play for Today
■曲名邦題:プレイ・フォー・トゥデイ
■アルバム名:Seventeen Seconds
■アルバム名邦題:セブンティーン・セコンズ
■動画リンク:「Play for Today」

彼らはニューウェーブとポスト・パンクから出てきたバンドです。

ファースト・アルバムの「スリー・イマジナリー・ボーイズ(Three Imaginary Boys)」は、当時はまだ方向性を模索中という感じがします。

しかしこのセカンド・アルバムでは、モノクロームでゴシックな個性を見えてきました。

今作と次作「フェイス(Faith)」は、キャッチーな曲がありません。

しいていえば、他には以下の曲ぐらいでしょうか。

The Cure – A Forest

この時期の曲が少なくなってしまったので「Faith」からもう1曲ご紹介しておきましょう。

The Cure – Doubt

この頃はダークでダウナーな名曲が多いのですが、アルバムの流れで聞かないと良さが伝わりにくいかもしれません。

 

5位「Boys Don’t Cry」(アルバム:Boys Don’t Cry)

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■曲名:Boys Don’t Cry
■曲名邦題:ボーイズ・ドント・クライ
■アルバム名:Boys Don’t Cry
■アルバム名邦題:ボーイズ・ドント・クライ
■動画リンク:「Boys Don’t Cry」

この曲はデビュー・アルバムと同年に発売された、アルバム未収録シングルです。

このアルバムは、ファースト・アルバムに当時のシングルを追加した編集盤です。

しかし随分キャッチーな曲ですね。

彼らが他のポスト・パンクやニューウェーブのバンドと違うのは、こういう曲が書けるところでした。

その後彼らはポップな部分を封印して、ジョイ・ディヴィジョン・フォロワーと言われるゴシックな作風になりました。

この曲は交際相手にひどい仕打ちをしてしまった男性が、謝罪しても許してもらえなくて、それでも僕は泣かないぞといった内容の曲です。

ひどいことをした側が被害者ポジションかと思わなくありませんが。

一方この1つ前のファースト・シングルは「アラブ人を殺す(Killing an Arab)」という曲です。

「アラブ人を殺す」の次のシングルが、僕は泣かないぞみたいな曲で、当時のリスナーは少し混乱したかもしれません(笑)

今となればこういう振れ幅の大きさこそが、彼らの個性だと理解できます。

 

6位「In Between Days」(アルバム:The Head On The Door)

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■曲名:In Between Days
■曲名邦題:イン・ビトウィーン・デイズ
■アルバム名:The Head On The Door
■アルバム名邦題:ザ・ヘッド・オン・ザ・ドアー
■動画リンク:「In Between Days」

この曲は聞いたことがあると思ったかもしれません。

元ネタのリンクを貼っておきましょう。

New Order – Dreams Never End

ただ似ていて当然かもしれません。

というのはロバート・スミスは「ドリーム・ネヴァー・エンド(Dreams Never End)」にインスパイアされて、この曲を書いたそうですから。

他にも彼らの曲には、ニュー・オーダー(New Order)やジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)を思わせる曲が数多くあります。

例えば以下の曲は「Blue Monday」だと思われます。

The Cure – The Walk

ただ逆にニュー・オーダーが、キュアーを引用しているケースもあります。

 

7位「Friday I’m in Love」(アルバム:Wish)

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■曲名:Friday I’m in Love
■曲名邦題:フライデー・アイム・イン・ラヴ
■アルバム名:Wish
■アルバム名邦題:ウィッシュ
■動画リンク:「Friday I’m in Love」

この曲は最も有名なヒット曲かもしれません。

またこのアルバムも初の全英1位を獲得し、アメリカでも2位まで上がりました。

私は今だに彼らが世界的に人気なバンドだという実感が湧きません。

初期のイメージを引きずっているせいでしょうか。

ただこの曲などを聞くと、確かに一般的な人気を獲得してもおかしくないとは思います。

この曲やアルバムがヒットしたのは、ポジティヴなメッセージ性にあるかもしれません。

曲名の「Friday I’m in Love」は「金曜日僕は恋をしている」という意味です。

つまり「一週間に金曜日だけ、君に恋をする」という内容で「それを楽しみに過ごせば辛い一週間を乗り越えられる」と歌われています。

月曜日の登校や出社が辛いと感じる方は、この曲を聞いてみるといいかもしれません。

 

8位「Out of This World」(アルバム:Bloodflowers)

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■曲名:Out of This World
■曲名邦題:アウト・オブ・ディス・ワールド
■アルバム名:Bloodflowers
■アルバム名邦題:ブラッドフラワーズ
■動画リンク:「Out of This World」

前作「ワイルド・ムード・スウィングス(Wild Mood Swings)」は大ヒットした「Wish」と同じポップ路線でした。

しかし再度彼らはダークな路線に回帰しました。

このアルバムは暗い色彩の曲が多く、キャッチーな曲がありません。

しかし全体で1つの大曲みたいなところがあって、トータル性ですぐれた作品に仕上がりました。

決して聞きやすくはありませんが、名曲ぞろいですし。

たとえばこの曲をお聞きください。

この曲はアルバムの1曲目なのですが、なかなか歌が始まりません。

彼らは歌が始まるまで長い曲が多いですが、それは「キュアーあるある」といえるでしょう。

この曲でも2分経過後ようやく歌が始まりますが、その時には4ADを思わせる耽美の世界の虜になっています。

また後半のピアノは、美の極みではないでしょうか。

 

9位「A Letter to Elise」(アルバム:Wish)

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■曲名:A Letter to Elise
■曲名邦題:ア・レター・トゥ・エリーズ
■アルバム名:Wish
■アルバム名邦題:ウィッシュ
■動画リンク:「A Letter to Elise」

彼らの最高傑作については意見が分かれます。

「The Head on the Door」「Kiss Me, Kiss Me, Kiss Me」「Disintegration」「Bloodflowers」あたりが候補だと思いますが、最初の1枚であれば、この「Wish」がおすすめです。

このアルバムは、彼らの魅力がとても分かりやすく表現されています。

しかしその一方で魅力は薄められていません。

彼らのメロディには独特の抒情性があります。

ロバート・スミスのボーカルは泣きの要素が強いのですが、それを活かしてリスナーに訴えかけてきます。

この曲は少し地味かもしれません。

しかしロバート・スミスの歌は切々とした哀感を伴っていて、次第にじんわり沁みてきます。

後半のペリー・バモンテ(Perry Bamonte)による情念ギターもジワりますし。

先程ご紹介した「Out of This World」とこの曲は、ポップなだけではない彼らの奥深さを体感できる名曲です。

 

10位「The Caterpillar」(アルバム:The Top)

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■曲名:The Caterpillar
■曲名邦題:ザ・キャタピラー
■アルバム名:The Top
■アルバム名邦題:ザ・トップ
■動画リンク:「The Caterpillar」

先程からロバート・スミスのことばかり書いていますが、彼のソロ・プロジェクト色が強いので仕方ありません。

この曲のPVを見ると、ロバート・スミスが若いなと感じます。

それもそのはず、この頃彼はまだ25歳でした。

しかし彼のトレードマークとなるファッションやメイクは、既に確立していることが見て取れます。

ちなみに映画「シザーハンズ(Edward Scissorhands)」で、ジョニー・デップ(Johnny Depp)が演じる主人公はロバート・スミスに似ていますが、実際にロバート・スミスをモデルにキャラクターが考案されたそうです。

上がジョニー・デップ、下がロバート・スミス。

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Ten Things You Might Not Know About Edward Scissorhands | AnOther

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The Cure’s Robert Smith turns 62 today | Pop Expresso

無造作ヘアー対決は、両者互角でしょうか(笑)

ちなみにロバートはゴス・ファッションにも影響を与えたそうです。

あと個人的な印象としては、彼らは日本のビジュアル系バンドにも影響を与えたように思います。

 

11位「The Hanging Garden」(アルバム:Pornography)

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■曲名:The Hanging Garden
■曲名邦題:首吊りの庭
■アルバム名:Pornography
■アルバム名邦題:ポルノグラフィー
■動画リンク:「The Hanging Garden」

一時期ロバート・スミスは、スージー・アンド・ザ・バンシーズ(Siouxsie And The Banshees)とキュアーのギターを兼任していました。

ギタリストとしてのロバートをどう評価するか、私は判断しかねています。

というのもギターが良い曲もありますが、他のギタリストが弾いていることも多く、ロバート特有の個性が見えにくいからです。

この曲ではロバートがギターを弾いていますが、少し微妙な感じがしますし。

少なくともテクニカルなタイプのギタリストではなさそうです。

一方この曲ではベースのサイモン・ギャロップ(Simon Gallup)が、とてもスリリングな演奏をしています。

サイモンはベースでありながら、サウンドの核といえる存在かもしれません。

さてこの曲は「首吊りの庭」という邦題です。

原題も「The Hanging Garden」と直訳ですから、日本側が作為的に付けた邦題ではありません。

このアルバムには他にも「血ぬられた100年」「殺戮の囁き」などといった、おどろおどろしい名前の曲が収録されています。

彼らは中二病心をくすぐる存在でした。

 

12位「Disintegration」(アルバム:Disintegration)

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■曲名:Disintegration
■曲名邦題:ディスインテグレーション
■アルバム名:Disintegration
■アルバム名邦題:ディスインテグレーション
■動画リンク:「Disintegration」

このバンドの曲は、ギター主体の曲とキーボード主体の曲とに分かれます。

この曲は後者で、やはりニューオーダーを思わせるところがあります。

この曲でもサウンド面のキーマン、サイモン・ギャロップのベースが曲をけん引していますね。

さて最後に近年の活動について触れておきましょう。

今回は「Bloodflowers」までを対象にしましたが、その後も「ザ・キュアー(The Cure)」「4:13 ドリーム(4:13 Dream)」という、2枚のアルバムをリリースしています。

2008年からアルバムは途絶えていますが、解散したわけではないようです。

ファンの方ならご存知だと思いますがこれまでロバート・スミスは、以下のお約束パターンを繰り返してきました。

解散発言 →解散撤回 →傑作をリリース

最近は解散するという発言は聞こえてきませんが、それはそれでさびしいものがありますね。

解散すると言い続けて、既に40周年を迎えていますし。

また解散を匂わす発言をして、その後撤回して傑作を発表してほしいものです。

 

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