今回はクラムボンのランキングを作成しました。
彼らは原田郁子の穏やかで柔らかいイメージと、才気あふれる演奏力が魅力のバンドです。
この記事では聞きやすい曲を中心に選曲してみました。
マジカル・ポップな音楽をご堪能ください。
- 1 1位「サラウンド」(アルバム:ドラマチック)
- 2 2位「adolescence」(アルバム:id)
- 3 3位「Rough & Laugh」(アルバム:triology)
- 4 4位「Our Songs」(アルバム:JP)
- 5 5位「yet」(アルバム:triology)
- 6 6位「Re-雲ゆき」(アルバム:Re-clammbon)
- 7 7位「シカゴ」(アルバム:まちわび まちさび)
- 8 8位「はなれ ばなれ」(アルバム:JP)
- 9 9位「波よせて」(アルバム:LOVER ALBUM)
- 10 10位「tourist on the 未来’n」(アルバム:imagination)
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1位「サラウンド」(アルバム:ドラマチック)
■曲名:サラウンド
■アルバム名:ドラマチック(2001年)
■動画リンク:「サラウンド」
この曲は当時、ボーダフォンのCMに使われました。
6:56からそのCMが始まりますので、興味のある方はご覧になってみてください。
「着うた」のCMに使われたことから、当時彼らはかなり期待されていたと思われます。
「着うた」とはガラケーの機能で、電話が鳴ったらお気に入りの音楽が流れるというものです。
気恥ずかしいので、私は使っていませんでしたが。
さてこの曲は、椎名林檎との仕事で知られている亀田誠治のプロデュースが話題になりました。
そうしたことも影響してか、オリコンチャートで過去最高位の18位を記録しました。
ただその後の彼らは、より実験的な作風に変化しています。
2位「adolescence」(アルバム:id)
■曲名:adolescence
■アルバム名:id(2002年)
■動画リンク:「adolescence」
彼らは前作「ドラマチック」で知名度を上げましたが、このアルバムから路線を変更しました。
共同プロデューサーとしてアダム・ピアース(Adam Pearce)とアンディ・チェイス(Andy Chase)が参加しています。
アダム・ピアーズは、ディラン・グループ(The Dylan Group)、マイス・パレード(Mice Parade)のメンバーで、アンディ・チェイスは、タヒチ80(Tahiti 80)のメンバーです。
両者共とも音響的な音づくりが得意な人かもしれません。
この曲でもアコースティック・ギターのミニマムなループが、いかにも音響的なアプローチです。
またドラムの伊藤大助は、こういう曲でこそ本領発揮できるかもしれません。
彼のドラミングは普通のエイトビートの枠に収まらない、柔軟で自由な表現が魅力です。
この曲の後半でも、意図的にズレを生む演奏を良いですね。
3位「Rough & Laugh」(アルバム:triology)
■曲名:Rough & Laugh
■アルバム名:triology(2015年)
■動画リンク:「Rough & Laugh」
私は「てん 、」「Musical」「2010」はあたりの作品を、あまり聞き返すことがありません。
聞けば良いと思う曲はあります。
しかしアルバム全体では気軽に聞けないような感じがしています。
演奏は良いのに、楽曲に思い入れることができないような。
しかしこのアルバムは、久々にポップで聞きやすい快作でした。
彼らの最高傑作の1つかもしれません。
他にも「Re-ある鼓動」という曲もすばらしく、実験とポップのバランスが良いように思います。
彼らは基本的に作詞が原田郁子、作曲がミト、アレンジは3人です。
ミトはもうポップな曲を書かないのかと思っていた折、さらりとこんな曲を出してきました。
曲名の「Rough & Laugh」は言葉遊びだと思いますが、それも彼ららしくて良いですね。
4位「Our Songs」(アルバム:JP)
■曲名:Our Songs
■アルバム名:JP(1999年)
■動画リンク:「Our Songs」
彼らはトリオ編成です。
メンバーをご紹介しておきましょう。
・原田郁子:ピアノ、ボーカル
・ミト:ベース
・伊藤大助:ドラム
時々ギターが入ることもありますが、基本編成はギターレスのピアノ・トリオです。
男性2人がリズムで、原田郁子がピアノとボーカルを担当しています。
つまり上モノは、ほぼ彼女1人。
この曲でも原田郁子は充分期待に応えていて、小気味良いピアノとふくよかなボーカルを披露しています。
ただ彼らは彼女のワンマン・バンドではありません。
14秒からのドラムの入り方、それを合図に始まるベースの演奏は鳥肌ものです。
1:28からの大人勢によるコーラスもすばらしいですね。
5位「yet」(アルバム:triology)
■曲名:yet
■アルバム名:triology(2015年)
■動画リンク:「yet」
※アルバム・バージョンではありません
彼らは個々の能力が高いので、クラムボン以外でもひっぱりだこです。
ミトは様々な人に楽曲提供していますし、伊藤大助は複数のバンドでドラマーとして活躍しています。
原田郁子は、傑作ソロ・アルバムを連発していますし。
3人ともクラムボンと個人、どちらでも活躍できる人です。
それでも戻れる場所があるのはいいことかもしれません。
このアルバムは2015年のリリースですが、前作と5年ものブランクが空きました。
この曲はアルバムに収録された同曲とはアレンジが違う、弦楽バージョンです。
私はこちらの方が出来が良いと思います。
6位「Re-雲ゆき」(アルバム:Re-clammbon)
■曲名:Re-雲ゆき
■アルバム名:Re-clammbon(2002年)
■動画リンク:「Re-雲ゆき」
この曲は有名曲で、ファンにはおなじみの曲です。
「クラムボン・ベスト」というベスト盤にも入っていますし、てっきり私はシングルだと思っていました。
しかしディスコグラフィを見ると、シングル曲ではないようです。
原曲の「雲ゆき」はアルバム「JP」に入っていますが、今回は別バージョンの「Re-雲ゆき」の方を取り上げてみました。
こちらのバージョンは、音響派経由のブラジル色を感じさせる曲に仕上がっています。
彼らは前作「ドラマチック」でブレイクしました。
その後にリリースされたこのアルバムは、全く違う作風に変化していました。
エレクトロニクスや音響派寄りのアプローチが目立っています。
私はこの時期の作品に、アンビバレントな感情を持っています。
サウンドのアプローチは好きですが、楽曲の親しみやすさが後退したような気がして。
その点初期の曲をリ・アレンジしたこの曲は、初期と中期以降の良いとこ取りした感じがします。
7位「シカゴ」(アルバム:まちわび まちさび)
■曲名:シカゴ
■アルバム名:まちわび まちさび(2000年)
■動画リンク:「シカゴ」
初期を代表する有名曲です。
アルバムには「シカゴ(病み上がり)」という、スロー・バージョンで収録されています。
ボーナストラックとしてシングル・バージョンの「シカゴ」が入っているCDもありますので、これから買う予定の方は事前にご確認ください。
2曲は全く違う曲調ですが、どちらもすばらしいです。
ただ歌詞を読んでも、なぜ「シカゴ」という曲名か全然分かりません。
アルバム名の「まちわび まちさび」も「まちわび」は「待ちわびる」だとして、「まちさび」という言葉はありません。
おそらく「ワビ・サビ」に関係した言葉遊びだと思いますが。
後でご紹介するカバー・アルバム「LOVER ALBUM」も、原田郁子が「COVER ALBUM」を読み間違えたことから名付けられたそうですし。
言葉遊びが好きなだけのような気もします。
ちなみに「クラムボン」というバンド名の由来は、宮沢賢治の小説「やまなし」に出てくる謎の生き物のことです。
8位「はなれ ばなれ」(アルバム:JP)
■曲名:はなれ ばなれ
■アルバム名:JP(1999年)
■動画リンク:「はなれ ばなれ」
彼らの結成の経緯を引用しておきましょう。
尚美ミュージックカレッジ専門学校のジャズ科[2]に通っていたメンバー3人が、授業内の演奏会でキャロル・キングのYou’ve Got a Friendを演奏するために一時的にクラムボンの原型となるバンドを結成。
1995年に結成され、1999年このシングルでデビューしています。
デビュー時から情報感度の高い人から注目されていたらしく、当時のライブには以下のような人が来ていたそうです。
観客にテイ・トウワ、高野寛、キリンジ堀込高樹がいた。
しかしそれにしてもこのデビュー・シングルは鮮烈でした。
まずイントロの段階で、耳が惹きつけられます。
その後原田郁子のスキャットが始まりますが、彼女は既にボーカル・スタイルを確立していたようですね。
9位「波よせて」(アルバム:LOVER ALBUM)
■曲名:波よせて
■アルバム名:LOVER ALBUM(2006年)
■動画リンク:「波よせて」
このアルバムはカバー曲集です。
真心ブラザーズの「サマーヌード」やフィッシュマンズの「ナイトクルージング」、YMOの「以心電信-You’ve Got To Help Yourself-」 などが取り上げられています。
今回ご紹介した「波よせて」は、Small Circle of Friendsがオリジナル。
彼らのルーツがうかがえる興味深いカバーばかりですが、様々なタイプの曲を取り上げたせいか、アルバムの統一感はありません。
ただ個々の楽曲は出来が良く、リスナーを引き込む魅力たっぷりです。
無国籍料理のお店で食材の組み合わせに違和感があっても、味は意外といけるのに近いかもしれません。
中でもこの曲の解釈は絶妙で、本当にカバーかと思えるほど。
原曲もすばらしいので、リンクを貼っておきましょう。
Small Circle of Friends – 波よせて
クラムボン・バージョンでは、原田郁子とミトがデュエットしています。
10位「tourist on the 未来’n」(アルバム:imagination)
■曲名:tourist on the 未来’n
■アルバム名:imagination(2003年)
■動画リンク:「tourist on the 未来’n」
先程私があまり聞き返さないと書いた時期の曲です。
ただ良い曲もたくさんあって、このアルバムでは「Don’t you know」や、以下の曲もおすすめです。
この頃の彼らは急速に音楽的な視野を広げようとしていました。
彼らは実験を試みていましたが、中には成功しているとは言い難い曲もあります。
ただ私はアーティストが成長する上で、こういう試行錯誤することが大切だと思っています。
その結果こういうすばらしい曲が生まれたりもしますし。
この曲の歌詞は、以下のような感じで終わります。
ハピネスをフレーズで
怖がりな僕らでいいよ
すぐに次のテイルランプ
メッセージつなぐ 過去と未来 変わる世界 つなぐtourist on the 未来’n(作詞:mito/daisuke ito/ikuko harada)
歌詞は前向きなままですね。
上の引用部の歌詞は断片的な言葉が多いですが、読み取れるのは未来への期待感です。
未来は変化していくけれど、きっとうまくいくに違いない。
そんなポジティブなイメージを喚起しています。
こうした前向きなメッセージも、彼らの音楽を聞く醍醐味の1つだと思います。
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