今回はパンテラのランキングを作成しました。
このバンドは、ジャンル的にはヘヴィメタルに分類されます。
ただ従来のヘヴィメタルとは違って、モダンなヘヴィネスを備えているため、ラウドロックと呼ぶ人もいます。
初めて聞く方は、音楽観が変わるかもしれない強烈な曲をご紹介しました。
- 1 1位「Mouth for War」(アルバム:Vulgar Display of Power)
- 2 2位「Fucking Hostile」(アルバム:Vulgar Display of Power)
- 3 3位「Cowboys from Hell」(アルバム:Official Live:101 Proof)
- 4 4位「Suicide Note Pt. II」(アルバム:The Great Southern Trendkill)
- 5 5位「Cemetery Gates」(アルバム:Cowboys from Hell)
- 6 6位「The Great Southern Trendkill」(アルバム:The Great Southern Trendkill)
- 7 7位「Strength Beyond Strength」(アルバム:Far Beyond Driven)
- 8 8位「A New Level」(アルバム:Vulgar Display of Power)
- 9 9位「Primal Concrete Sledge」(アルバム:Cowboys from Hell)
- 10 10位「Yesterday Don’t Mean Shit」(アルバム:Reinventing the Steel)
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1位「Mouth for War」(アルバム:Vulgar Display of Power)
■曲名:Mouth for War
■曲名邦題:マウス・フォー・ウォー
■アルバム名:Vulgar Display of Power
■アルバム名邦題:俗悪
■動画リンク:「Mouth for War」
まずは13秒から強烈にドライブするギターをお聞きください。
その後アンセルモが吠えてています。
彼らがこの曲で訴えているのは「人生を変える鉄の意志を持て」ということです。
憎しみを何かを生み出す力に変えろ。成功への道を歩け。現実から逃げるな。
誰もが魂の中に強さを持っている。
そんな感じの歌詞です。
3:10ぐらいからの速い展開もスリリングですが、動画ではここから観客が暴れ出しています。
普段こういう音楽を聞きなれない方は、なぜこんな吼えるような歌い方をするのだろうと、いぶかしく思うかもしれません。
しかしこの最後の方などは、この歌い方がはまっているように感じられないでしょうか。
ボーカルを含めた音の塊をぶつけてくるのが、彼らのやり方です。
2位「Fucking Hostile」(アルバム:Vulgar Display of Power)
■曲名:Fucking Hostile
■曲名邦題:ファッキング・ホスタイル
■アルバム名:Vulgar Display of Power
■アルバム名邦題:俗悪
■動画リンク:「Fucking Hostile」
しかしこのアルバムは強力すぎます。
全曲すばらしいのですが、特に最初の4曲はぐうの音も出ません。
4曲全部取り上げようと思いましたが、他にご紹介したい曲もあり泣く泣く「ウォーク(Walk)」をカットしました。
せめてリンクだけでも貼っておきましょう。
さて「Fucking Hostile」は、彼らを代表するバーストナンバーです。
彼らの功績の一つは、神話などをテーマにすることが多い古き良きメタルに対して、生の感情を重視したことです。
時にリアルすぎるぐらい。
アルバム・タイトルは「Vulgar Display of Power」ですから「下品な力の誇示」、「Fucking Hostile」は「クソ敵対的」という意味でしょうか。
このアルバム・ジャケットも悪趣味ですが迫力がありますね。
彼らの音楽は良し悪しを超えて、がっつり伝わってくるところに魅力があります。
ちなみに上ジャケットは、Sean Crossという人が10ドルでモデルを務めたそうですが、実際には殴られていないそうです。
ジャケットの写真はメンバーの一人かと思って調べていたところ、こんな写真を見つけました。
パンテラ『Vulgar Display of Power』のアルバムカヴァーを小さな女の子が再現、可愛らしい再現写真が話題に
熱演がかわいいですね。
3位「Cowboys from Hell」(アルバム:Official Live:101 Proof)
■曲名:Cowboys from Hell
■曲名邦題:カウボーイズ・フロム・ヘル
■アルバム名:Official Live:101 Proof
■アルバム名邦題:ライヴ~狂獣
■動画リンク:「Cowboys from Hell」
このライブ・アルバムの発売は、多くのファンを喜ばせました。
彼らのライブはすごいと評判でしたから、待ち望んでいたファンも多かったと思います。
また選曲も有名曲が多く、当時はまだベスト盤が発売されていませんでしたから、手っ取り早く彼らの代表曲をチェックできました。
ちなみに私が1番好きなアルバムは「Vulgar Display of Power」ですが、2番目に好きなのはファースト・アルバムです。
しかしファーストがリリースされた1990年の録音は、音が軽くて音圧が物足りません。
このライブでは私のようにファーストの曲を、迫力ある音で聞けることに狂喜した方もいらっしゃると思います。
あと私は彼らの音楽は好きですが、アルバム・ジャケットには引いてしまいます。
インパクトに全振りしすぎていますし。
その点このジャケットは、とてもかっこいいですね。
4位「Suicide Note Pt. II」(アルバム:The Great Southern Trendkill)
■曲名:Suicide Note Pt. II
■曲名邦題:スーサイド・ノート・パート2
■アルバム名:The Great Southern Trendkill
■アルバム名邦題:鎌首
■動画リンク:「Suicide Note Pt. II」
アルバム・タイトルにある「Trendkill」とは「流行殺し」という意味です。
彼らの登場はメタル・シーンを一変させました。
多くのフォロワーが生まれ、音楽面はもちろんのこと、ファッション的にも短髪やスキンヘッドのメタラーが増えました。
「パンテラ以降」いう言葉がありますが、それは彼らが様々な面でメタルの新しい潮流をつくったからです。
ただ彼らはこのアルバムで、そういった流行に対して怒りを表明しています。
そのせいかこのアルバムはこれまでの作品で、最もバラエティに富んでいます。
この曲はパート1とパート2とに分かれていて、今回取り上げたのはパート2の方です。
パート1はテンポを落としたスローな曲ですが、そちらはグラミー賞にノミネートされました。
また「フラッズ(Floods)」という曲では、あやしげでブルージーな魅力を打ち出しています。
彼らは「俺たちは信念に基づいて音楽をやっている。表面だけを真似て満足しているんじゃない」とでも言いたいのかもしれません。
5位「Cemetery Gates」(アルバム:Cowboys from Hell)
■曲名:Cemetery Gates
■曲名邦題:セメトリー・ゲイツ
■アルバム名:Cowboys from Hell
■アルバム名邦題:カウボーイズ・フロム・ヘル
■動画リンク:「Cemetery Gates」
バラード・ナンバーも取り上げておきましょう。
イントロはバラードらしくありませんが、ボーカルが入るとスローに変わります。
これがなかなか悪くありません。
アンセルモの素の歌は新鮮ですね。
4:55からのシャウトなどは、ジューダス・プリースト(Judas Priest)のロブ・ハルフォード(Rob Halford)を彷彿とさせます。
アンセルモはラウドロックの定番ボーカルスタイルを、メタルに持ち込んだ功績も大きかったように思います。
マキシマム ザ ホルモンのダイスケはんにも影響を与えたみたいですし。
このように普通に歌える人が、あえて叫ぶというスタイルを選んでいるのですね。
この曲はギャップ萌えで、実態以上に良い曲に思えてしまいます。
現在アンセルモはダウンというバンドで相変わらずがなり立てていますが、普通に歌うパートが増えています。
パンテラの頃も、もう少しこういうバラードがあっても良かったかもしれません。
6位「The Great Southern Trendkill」(アルバム:The Great Southern Trendkill)
■曲名:The Great Southern Trendkill
■曲名邦題:鎌首
■アルバム名:The Great Southern Trendkill
■アルバム名邦題:鎌首
■動画リンク:「The Great Southern Trendkill」
このアルバムの頃、バンド内では人間関係に悪化していました。
まず改めてメンバーをご紹介しておきましょう。
・フィル・アンセルモ(Phil Anselmo):ボーカル
・ダイムバッグ・ダレル(Dimebag Darrell):ギター
・ヴィニー・ポール(Vinnie Paul):ドラム
・レックス・ブラウン(Rex Brown):ベース
ダイムバッグ・ダレルとヴィニー・ポールは兄弟で、パンテラはこの2人を中心としたバンドといってもいいでしょう。
しかし途中で加入したアンセルモが、カリスマ的な人気を獲得し始めました。
そうしたパワー・バランスの変化を背景に、兄弟とアンセルモの関係が悪化していきます。
当時アンセルモはスーパージョイント・リチュアル(Superjoint Ritual)やダウン(Down)など、複数のソロプロジェクトを抱えていました。
時にはパンテラの活動が後回しになることもあったようです。
その一方で彼はドラッグに溺れ、このアルバム後ヘロインの過剰摂取で一度死にかける事件を引き起こしました。
それら複数の原因から、バンドを解散しようという流れが既定路線になっていったようです。
彼らの音楽は大変クセが強いと思いますが、こういう音楽は強すぎる個性がぶつかった時にしか生まれないものかもしれません。
この曲でも前半はアンセルモ、後半はダレルのギターが見せ場だと思いますが、互いに一歩も譲らず曲の中でバトルしているかのようです。
7位「Strength Beyond Strength」(アルバム:Far Beyond Driven)
■曲名:Strength Beyond Strength
■曲名邦題:ストレングス・ビヨンド・ストレングス
■アルバム名:Far Beyond Driven
■アルバム名邦題:脳殺
■動画リンク:「Strength Beyond Strength」
彼らは速い曲でもチェンジ・オブ・ペースを入れることが多いです。
彼らに影響を与えたと言われるブラック・サバス(Black Sabbath)からの影響もあるかもしれません。
この曲でも最初のバーストもすばらしいですが、1:09からのミディアムテンポに移行する瞬間がたまりませんね。
また2:22ぐらいからの悪夢っぽい展開もいい感じです。
そして最後にまたスラッシュっぽい展開になって終わります。
このアルバムは全米チャート1位を記録し「アイム・ブロークン(I’m Broken)」は、グラミー賞にノミネートされました。
しかしこのアルバム・ジャケットで、全米1位を記録するなんてすごいですね。
先程私は彼らのジャケットが、少し苦手だというようなことを書きました。
中でも特に苦手なのが、このジャケットです。
こんな逸話を見つけました。
オリジナル・ジャケットは、ドリルで肛門を突き刺すというものであったが、規制を受けて頭蓋骨の頭部をやはりドリルが突き刺すというものへと変更された。
ドリルでなければいけないのでしょうか(笑)
8位「A New Level」(アルバム:Vulgar Display of Power)
■曲名:A New Level
■曲名邦題:ア・ニュー・レヴェル
■アルバム名:Vulgar Display of Power
■アルバム名邦題:俗悪
■動画リンク:「A New Level」
このバンドのサウンドの核は、ダイムバッグ・ダレルのギターです。
ダレルは「Floods」の後半でも明らかなように、ギターソロもすばらしいです。
惜しくも選外となりましたが、リンクだけ貼っておきましょう。
しかしやはりこの人の本領は、リフ・メイカーだと思います。
この曲も歌が入る前の段階で、既に名曲確定といった感がありますね。
リフはブラック・サバスのトニー・アイオミ(Tony Iommi)あたりの影響もあると思いますが、より攻撃的なアプローチが魅力的です。
と思っていたら、ウィキペディアにこんなことが書かれていました。
主に影響を受けたギタリストとしては、エドワード・ヴァン・ヘイレンやエース・フレイリー等を挙げていた。
私としてはそれほどピンときませんが。
さてこの曲は、32秒からのリフが最強すぎないでしょうか。
この人のリフはリズム感が魅力で、ファンキーだったり重厚なドライブ感があったり、多彩なアイデアが盛り込まれています。
そういえばリフというのは、ギターのリズム的なアプローチだという事実を、改めて思い起こさせてくれます。
9位「Primal Concrete Sledge」(アルバム:Cowboys from Hell)
■曲名:Primal Concrete Sledge
■曲名邦題:プライマル・コンクリート・スレッジ
■アルバム名:Cowboys from Hell
■アルバム名邦題:カウボーイズ・フロム・ヘル
■動画リンク:「Primal Concrete Sledge」
あまり触れられる機会はありませんが、個人的に大好きな曲です。
ここでもやはりダレルのリフが最強です。
さてこの曲はファースト・アルバムからの曲ですが、実はこの前に4枚ものアルバムをリリースしています。
ただその後とはかなり音楽性が違って、彼らの歴史には存在しないことにされています。
彼らのオフィシャルサイトにも掲載されていませんし、Amazonでもスタジオ・アルバムは売っていません。
そこでこの記事でも、このアルバムをファーストと呼ぶことにしました。
このアルバムを5枚目のアルバムと呼ぶのは、違和感がありますし。
ただ当時の曲は「Before We Were Cowboy」というライブ・アルバムで聞くことができます。
そのライブ・アルバムと、その頃の代表曲「Power Metal」の動画のリンクを貼っておきましょう。
Youtube音源はスタジオ・バージョンです。
ジューダスの影響が顕著すぎて、とてもほほえましいですね。
ジャケットもLAメタルみたいですし。
古き良きメタルが好きな人は、この頃の方がいいじゃないかと思ってもおかしくありません。
10位「Yesterday Don’t Mean Shit」(アルバム:Reinventing the Steel)
■曲名:Yesterday Don’t Mean Shit
■曲名邦題:イエスタディ・ドント・ミーン・シット
■アルバム名:Reinventing the Steel
■アルバム名邦題:激鉄
■動画リンク:「Yesterday Don’t Mean Shit」
彼らはこのアルバム限りで解散しました。
ジャケットは完全燃焼してやるぜという意味かもしれませんが、雑な合成写真っぷりが笑えます。
ただ音楽的には有終の美を飾ったと言っていい出来ではないでしょうか。
次第にポップになっていくバンドが多い中で、彼らは最後まで硬派を貫いてくれました。
このアルバムもいささか決定打に欠けるきらいはありますが、個々の楽曲は粒ぞろいです。
「ヘルバウンド(Hellbound)」あたりも捨てがたいですが、私はこの曲をおすすめいたします。
解散後、彼らはぞれぞれの道に進みました。
アンセルモは自分のサイド・プロジェクトに、ダレルとヴィニー・ポールはダメージプラン(Damageplan)という新バンドを結成しました。
しかしある日悲劇が起こります。
ライブで演奏していたダレルが、観客によって射殺されてしまいました。
どうやらダレルがパンテラ解散の原因だったと恨んでいた男による犯行のようです。
しかしむしろ事実は逆で、ダレルはバンドの存続を模索していたはず。
その後兄のヴィニー・ポールも2018年に亡くなり、パンテラの再結成は完全に不可能になりました。
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