今回はアメリカのランキングを作成しました。
このバンドの魅力は、曲の良さとコーラスの美しさです。
派手な魅力はありませんが、長く聞き続けていける曲ばかりです。
CSN&Yの「僕達の家(Our House)」、ロギンス & メッシーナ(Loggins and Messina)の「プー横丁の家(House at Pooh Corner)」あたりがお好きな方は必聴です。
- 1 1位「You Can Do Magic」(アルバム:View from the Ground)
- 2 2位「Ventura Highway」(アルバム:Homecoming)
- 3 3位「All Around」(アルバム:Silent Letter)
- 4 4位「Early Days」(アルバム:Lost & Found)
- 5 5位「Tin Man」(アルバム:Holiday)
- 6 6位「Rainbow Song」(アルバム:Hat Trick)
- 7 7位「Don’t Let Her Close Your Eyes」(アルバム:Lost & Found)
- 8 8位「A Horse with No Name」(アルバム:America)
- 9 9位「These Brown Eyes」(アルバム:Harbor)
- 10 10位「Watership Down」(アルバム:Hideaway)
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1位「You Can Do Magic」(アルバム:View from the Ground)
■曲名:You Can Do Magic
■曲名邦題:風のマジック
■アルバム名:View from the Ground
■アルバム名邦題:風のマジック
■動画リンク:「You Can Do Magic」
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彼らは1970年代に多くのトップテン・ヒットを生み出しました。
この曲は1980年代で唯一トップテン入りした曲です。
彼らは1970年代に一時代を築いた後、前々作「Silent Letter」は最高位110位、前作の「Alibi」は142位と、セールス的に苦戦していました。
この当時は、俵に足がかかった状態だったと思います。
そこで彼らは大きな決断をしました。
外部ライターから提供された曲を歌おうと決心したのです。
この曲はラス・バラード(Russ Ballard)が提供していますが、以前の彼らにはない売れ線の香りがする曲かもしれません。
また演奏面でも、当時売れっ子だったスティーヴ・ルカサー(Steve Lukather)など、TOTOのメンバーも参加しています。
まさに背水の陣といえる体制で製作されました。
その執念が実り、この曲はシングルチャートの8位を記録しています。
ただ外部ライターの導入は、一時的なカンフル剤となったものの、成功例はこの曲ぐらいだったかもしれません。
元々彼らは自分たちで良い曲を書ける人たちでしたから。
2位「Ventura Highway」(アルバム:Homecoming)
■曲名:Ventura Highway
■曲名邦題:ヴェンチュラ・ハイウェイ
■アルバム名:Homecoming
■アルバム名邦題:ホームカミング
■動画リンク:「Ventura Highway」
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彼らの代表曲としては思い浮かぶ曲は、リスナーの年齢によって異なるかもしれません。
年配の方から順に挙げると「名前のない馬」→「風のマジック」→「ヴェンチュラ・ハイウェイ」でしょうか。
この曲はフリー・ソウルのコンピに収録されていますが、この曲しか知らないという若者に会ったことがあります。
ちなみにもっと若い世代は、このグループの存在自体知りません。
だからこそ取り上げる価値があるというものですが。
1970年代の彼らは、この曲のようにフォーキーで柔らかなグルーヴ感を持った名曲がいくつもあります。
初めて聞く方は、ギターに注目してお聞きください。
こういう曲の方が、若い世代に受け入れられやすいかもしれません。
3位「All Around」(アルバム:Silent Letter)
■曲名:All Around
■曲名邦題:オール・アラウンド
■アルバム名:Silent Letter
■アルバム名邦題:サイレント・レター
■動画リンク:「All Around」
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当時のファンは、アルバム名に驚いたと思います。
彼らのアルバムは、最初に「H」から始まるものが恒例でした。
もちろんそれ自体、音楽には関係ありませんが。
しかしこのアルバムの前に、直接音楽に関わることで大きな変化がありました。
彼らは3人組としてデビューしましたが、ダン・ピーク(Dan Peek)が脱退して、このアルバムから2人組になりました。
アルバム・ジャケットを見ると、残った2人の写真がアップで使われています。
まるでファンに対して、2人になったのだと知らせているかのようです。
先程のアルバム名の話ですが、Hから始まるタイトルにしなかったのは、心機一転の気持ちを表したかったのかもしれません。
4位「Early Days」(アルバム:Lost & Found)
■曲名:Early Days
■アルバム名:Lost & Found
■動画リンク:「Early Days」
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このアルバムはいわゆる未発表曲集です。
レーベルはAmerica Recordsとなっています。
あまり聞いたことがないレーベル名ですが、名前からすると彼らの自主レーベルかもしれません。
しかしとてもすばらしい作品です。
もしかしたら私は全作品の中で、このアルバムが一番好きかもしれません。
今回このアルバムから、唯一2曲を選曲しました。
彼らの曲は良いメロディを持っているけれど、いかにも売れそうな感じではありません。
いま一つ押しが足りないように感じられることが多いです。
しかしそれは同時に、私がこのバンドを好きな理由でもあるのですが。
彼らにも「金色の髪の少女(Sister Golden Hair)」のように売れ線の曲もありますが、私の琴線には触れませんでした。
私が好きなのはこういう曲です。
感傷的な曲ですが、時にはこういう曲を一人で聞いてしんみりするのも乙ではないでしょうか。
5位「Tin Man」(アルバム:Holiday)
■曲名:Tin Man
■曲名邦題:ティン・マン(魔法のロボット)
■アルバム名:Holiday
■アルバム名邦題:ホリデイ
■動画リンク:「Tin Man」
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私はオリジナル・アルバムの中で、この作品が1.2を争う程好きです。
曲の平均レベルが高いですし。
実はこのアルバムからは、もう1曲「ユー(You)」という曲もご紹介したかったのですが、動画が見つかりませんでした。
残念です。
またこのアルバムは、ジョージ・マーティン(George Martin)がプロデュースを手掛けているのもポイントです。
ジョージ・マーティンといえば、ビートルズ(he Beatles)のプロデューサーとして有名な人ですね。
前作「Hat Trick」がセールス的に少し低迷したことから、テコ入れがあったのかもしれません。
なにせジョージ・マーティンがプロデュースしたというだけで、注目を浴びますから。
結果として、このアルバムは大成功でした。
この曲はシングルチャート4位、「ロンリー・ピープル(Lonely People)」は5位を記録し、アルバムも3位を獲得しました。
6位「Rainbow Song」(アルバム:Hat Trick)
■曲名:Rainbow Song
■曲名邦題:レインボウ・ソング
■アルバム名:Hat Trick
■アルバム名邦題:ハット・トリック
■動画リンク:「Rainbow Song」
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様々な歌詞を読んでいると、色々なスタイルがあることに気が付きます。
ストーリー仕立て、内面告白、ラブソング特化、メッセージ重視などです。
彼らの代表曲の多くは、ジェリー・ベックリー(Gerry Beckley)とデューイ・バネル(Dewey Bunnell)が書いています。
私はバネルの曲が一番好きです。
バネルの歌詞は、適度にストーリー性を盛り込みながら、イメージ豊かな曲が多いように思います。
この曲は「Rainbow Song」ですから「虹の歌」という意味です。
この曲の主人公17歳で、歌詞に「Broken Dreams」とありますから、何か挫折を味わったのかもしれません。
しかし希望を捨てず、虹の上で眠っているという内容の歌詞です。
意味はよく分かりませんが、詩的ですてきな雰囲気を持った歌詞だと思いました。
バネルの曲は「名前のない馬」「ヴェンチュラ・ハイウェイ」などのようにイメージ先行型が多く、意味がよく分からない曲も多いです。
ただイメージ喚起力が高く、感傷的で純朴な曲調と親和性が高いように思います。
7位「Don’t Let Her Close Your Eyes」(アルバム:Lost & Found)
■曲名:Don’t Let Her Close Your Eyes
■アルバム名:Lost & Found
■動画リンク:「Don’t Let Her Close Your Eyes」
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再度未発表曲集からご紹介します。
このアルバムは2015年にリリースされていますが、収録曲の多くは2000年から2011年に録音されたものです。
彼らは1980年代にAOR路線に舵を切りましたが、次第に低迷し1984年の「パースペクティブ(Perspective)」を最後に、スタジオ録音が途絶えました。
それからの彼らは、ライブを中心に活動を続けていたようです。
彼らはライブ・アルバムを11枚残していますが、私も調べるまでそんなにあることに気が付きませんでした。
多くは1990年以降にリリースされています。
当時のライブには、懐メロ企画みたいな現役感のない仕事もあったようです。
しかし2005年ぐらいから、風向きが変わり始めてきました。
ファウンテインズ・オブ・ウェイン(Fountains Of Wayne)のアダム・シュレシンジャー(Adam Schlesinger)など、当時の新進気鋭の若手アーティストからラブコールが送られるようになりました。
再評価の機運が高まり、2006年にはVocal Group Hall of Fameで殿堂入りを果たしています。
ライブで生き延びていたら再評価されたというわけですが、地道な活動が報われて良かったと思います。
ただこの曲などを聞くと、とても2000年以降に書かれた曲だとは思えません。
しかし純粋に良い曲ではないでしょうか。
時代とはリンクしていませんが、エバーグリーンな魅力を持った曲だと思います。
8位「A Horse with No Name」(アルバム:America)
■曲名:A Horse with No Name
■曲名邦題:名前のない馬
■アルバム名:America
■アルバム名邦題:名前のない馬
■動画リンク:「A Horse with No Name」
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彼らのデビューシングルです。
彼らはこの曲でいきなりシングルチャートの1位を獲得して、一躍人気グループになりました。
よくこんな地味な曲がヒットしたなと思うかもしれません。
しかし当時は、こういう音楽が受ける時代だったのですね。
この曲がリリースされた1971年は、クロスビー・スティルス・ナッシュ & ヤング(Crosby, Stills, Nash & Young)など、こういう音楽が流行っていました。
実はこの曲はリリース当時、ニール・ヤング(Neil Young)みたいだと揶揄されたんだそうです。
パクリではないけれど、作風は似すぎていると。
曲を書いたバネルも、インスピレーションを受けたことを認めているようですが。
皮肉なことにこの曲は、ニール・ヤングの名曲「孤独の旅路(Heart of Gold)」に取って代わって1位を獲得しています。
実はこのバンドは、ロンドンで結成されています。
彼らはロンドン駐在のアメリカ空軍職員の子弟でしたから、異国の地に住むアメリカ人ということになります。
遠く離れた自国、アメリカの音楽に対するあこがれが強かったのでしょうね。
9位「These Brown Eyes」(アルバム:Harbor)
■曲名:These Brown Eyes
■曲名邦題:ブラウン・アイズ
■アルバム名:Harbor
■アルバム名邦題:ハーバー
■動画リンク:「These Brown Eyes」
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彼らはこのアルバムで、サーフィン文化に接近しています。
実際このアルバムは、ハワイで録音されていますし。
アルバム名やジャケットもそういう感じですが、曲自体もサーファーに気に入られそうな曲が増えました。
当時サーファー御用達の音楽では、パブロ・クルーズ(Pablo Cruise)が代表的な存在でしたが、このアルバムは少し雰囲気が似ています。
またこのアルバムを最後に、ダン・ピークが脱退しました。
この曲はダンが書いた曲です。
その後ダン抜きでグループを継続しましたが、1980年代後半になると彼らはレコード会社との契約を失いました。
その時にダンを復帰させてトリオに戻れば、録音の機会を与えるというオファーがいくつかあったそうです。
しかし2人はそのオファーを拒絶し、あくまで2人で活動することを選択しました。
一方ダンはグループに戻りたかったらしく、1985年のインタビューでは、また一緒にやりたいと語っていたそうです。
その希望は叶えられず、2011年にダンは60歳で亡くなりました。
かわいそうに思いますが、ダンは薬の問題なども抱えていたらしいので、事情が許さなかったのかもしれません。
10位「Watership Down」(アルバム:Hideaway)
■曲名:Watership Down
■曲名邦題:ウォーターシップ・ダウン
■アルバム名:Hideaway
■アルバム名邦題:ハイダウェイ
■動画リンク:「Watership Down」
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彼らの魅力はハーモニーです。
彼らの曲はナイーヴなリードボーカルの後、サビのコーラスで酔わせてくれる必勝パターンがあります。
加えてこの頃は、ジョージ・マーティンというアレンジに卓越した手腕を発揮するプロデューサーが付いていました。
この曲では、その組み合わせのマジックが味わえます。
この曲はバネルと並ぶ大黒柱、デューイ・バネルが書いた曲です。
この人も地味ですが、すばらしい曲を書く人ですね。
ちなみにこの曲は、シングルカットされていません。
ランキング通してシングルカットされていない曲が、10曲中4曲含まれています。
今回のテーマは、地味でも見過ごされがちな曲をご紹介したいということでした。
もちろん彼らには、輝かしいヒット曲もあります。
一方でこういう商業的には評価されにくい地味な曲にも捨てがたい魅力があります。
ベスト盤だけでは、魅力が伝わりにくい人たちかもしれません。
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