今回はラズベリーズのランキングを作成しました。
特にパワーポップ好きにとっては、ぜひ押さえておきたいバンドです。
美しいメロディの結晶のような曲ばかりですから。
普段古いロックを聞かない方も、ぜひこの機会に聞いてみてください。
- 1 1位「Go All the Way」(アルバム:Raspberries)
- 2 2位「I Wanna Be with You」(アルバム:Fresh)
- 3 3位「Tonight」(アルバム:Side 3)
- 4 4位「I Reach For The Light」(アルバム:Fresh)
- 5 5位「Overnight Sensation (Hit Record)」(アルバム:Starting Over)
- 6 6位「Let’s Pretend」(アルバム:Fresh)
- 7 7位「I Saw The Light」(アルバム:Raspberries)
- 8 8位「Nobody Knows」(アルバム:Capitol Collectors Series)
- 9 9位「Ecstasy」(アルバム:Side 3)
- 10 10位「Starting Over」(アルバム:Starting Over)
- 11 関連記事
- 12 記事一覧
- 13 他ブログ・SNS等
1位「Go All the Way」(アルバム:Raspberries)
■曲名:Go All the Way
■曲名邦題:ゴー・オール・ザ・ウェイ
■アルバム名:Raspberries
■アルバム名邦題:ラズベリーズ
■動画リンク:「Go All the Way」
アメリカのシングルチャートで5位を記録した最大のヒット曲です。
「Go All the Way」という曲名には、以下のような意味があります。
行くところまで行く、徹底的にやる、完了する
〈話〉最後までいく〔セックスする〕
・She wouldn’t go all the way. : 彼女は最後までやらせてくれなかった。
つまり交際相手の女性と夜を共にしたい若い男性の気持ちを歌った曲なのですね。
この曲を書いたエリック・カルメン(Eric Carmen)は、ダン・ウェイクフィールド(Dan Wakefield)の同名小説からこの曲名の着想を得たそうです。
また一方でローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の「夜をぶっとばせ(Let’s Spend the Night Together)」からも影響されたのだとか。
それをふまえて聞くと、ギターが少しストーンズらしいと感じられます。
2位「I Wanna Be with You」(アルバム:Fresh)
■曲名:I Wanna Be with You
■曲名邦題:明日を生きよう
■アルバム名:Fresh
■アルバム名邦題:明日を生きよう
■動画リンク:「I Wanna Be with You」
「Go All the Way」と並ぶ有名曲です。
こちらは最高位16位でしたが、充分ヒット曲といえるでしょう。
この曲はセカンド・アルバムの収録曲で、ファーストの「Go All the Way」を踏襲して書かれたと思われます。
なにせ曲名からして「君と一緒にいたい」で、歌詞も「今夜君と一緒にいたい」と、ほぼ同じテーマですし。
それしか頭にないのかという感じがしますね(笑)
ただ前作の「Go All the Way」はイギリスBBCで放送禁止になりましたから、それを教訓に表現を少し穏やかにしたようですが。
「俺は彼女と夜も一緒にいたいだけだし、それ以上でもそれ以下でもない、変な意味で取らないでくれよ」みたいな感じでしょうか(笑)
しかし歌詞を読むと「今夜やるしかないぜ」という圧を感じますが。。。
3位「Tonight」(アルバム:Side 3)
■曲名:Tonight
■曲名邦題:トゥナイト
■アルバム名:Side 3
■アルバム名邦題:サイド 3
■動画リンク:「Tonight」
彼らは最初期のパワーポップ・バンドです。
パワーポップについては、厳密な定義があるわけではありません。
隣接ジャンルであるポップ・ロックとの境界線もあいまいですし。
私の解釈では、甘いメロディとエッジの立ったギターを組み合わせた音楽だと思います。
ギターで少しビターな味付けを施すことにより、ボーカルの甘いメロディがより引き立つような。
その切り口だけで全てを語ることはできませんが、私はおおまかにそういうイメージを持っています。
1990年代以降のパワーポップについては、以前以下の記事でご紹介しました。
さてこの曲は冒頭のギターが印象的ですね。
このギターの尖り方によって、この曲はパワーポップらしい仕上がりとなりました。
4位「I Reach For The Light」(アルバム:Fresh)
■曲名:I Reach For The Light
■曲名邦題:アイ・リーチ・フォー・ザ・ライト
■アルバム名:Fresh
■アルバム名邦題:明日を生きよう
■動画リンク:「I Reach For The Light」
個人的に一番好きな曲です。
彼らは甘めの曲が多いですが、それだけではありません。
この曲や次の曲のように、少し甘さが控えめの曲もまた魅力です。
ただこの時期の彼らは、明らかにアイドル・バンドとして売り出されていました。
それはこのアルバムジャケを見ても一目瞭然。
ベイ・シティ・ローラーズ(Bay City Rollers)あたりと同じ匂いがします。
そもそもバンド名からしてラズベリー、つまり木苺というティーンの女の子受けしそうな甘酸っぱい名前ですし。
ただアイドル・バンドにありがちですが、次第に彼らは本格派に脱皮しようとし始めました。
セカンド・アルバムに収録されたこの曲は、その先駆けだったかもしれません。
曲の最後の方での激しい歌唱に心を打たれます。
5位「Overnight Sensation (Hit Record)」(アルバム:Starting Over)
■曲名:Overnight Sensation (Hit Record)
■曲名邦題:オーバーナイト・センセーション
■アルバム名:Starting Over
■アルバム名邦題:素晴らしき再出発
■動画リンク:「Overnight Sensation (Hit Record)」
彼らのアルバムは1曲目に決定的な曲が置かれています。
この記事では1位2位3位、そして5位のこの曲など、どれもすばらしい曲ぞろい。
彼らは4枚のアルバムを発表しました。
最初の2枚「Raspberries」「Fresh」はヒットしましたが、後半の2枚「Side 3」「Starting Over」は売り上げが低迷しました。
後期になればなるほど、本格派路線にイメージチェンジしようとした形跡があります。
それはラスト・アルバムのこの曲を聞いても分かります。
彼らはどのアルバムも品質が高いのですが、迷ったらファーストから順に買えばいいかもしれません。
ただこの曲が気に入った場合は、このアルバムから入ってもいいでしょう。
しかしスタジオ録音が4枚しかないのに、良い曲が多すぎて多くの名曲が選外になりました。
6位「Let’s Pretend」(アルバム:Fresh)
■曲名:Let’s Pretend
■曲名邦題:レッツ・プリテンド
■アルバム名:Fresh
■アルバム名邦題:明日を生きよう
■動画リンク:「Let’s Pretend」
このバンドのメンバーはエリック・カルメンばかり有名ですが、彼が書いた曲は半分未満から多くて2/3ぐらいです。
他のメンバーも良い曲を書きますしボーカルをとることもあり、決してワンマン・バンドとはいえません。
当初はそういう内容で書こうと思いましたが、今回選んだ曲は全てエリックが書いた曲になりました。
そう意図した訳ではなく、結果的にそうなったのですが。。。
先程書いた私の主張も、説得力がないかもしれません。
彼らはエリック・カルメンだけのバンドではありませんが、やはり頭一つ抜けているかもしれません。
彼はギターとボーカルの貢献に加えて、決定的な曲を書けるソングライターでした。
彼の書くメロディはポール・マッカートニー(Paul McCartney)直系です。
この曲の歌い出しも、いかにもポールが書きそうな感じがしないでしょうか。
7位「I Saw The Light」(アルバム:Raspberries)
■曲名:I Saw The Light
■曲名邦題:アイ・ソー・ザ・ライト
■アルバム名:Raspberries
■アルバム名邦題:ラズベリーズ
■動画リンク:「I Saw The Light」
ファースト・アルバムからの曲です。
このバンドのルーツをたどると、ザ・クワイア(The Choir)とサイラス・エリー(Cyrus Erie)という2つのバンドに行き着きます。
エリック・カルメンが在籍していたのは後者。
その頃の曲をご紹介します。
その後2つのバンドは後にザ・クイック(The Quick)というバンドで合流し、その後現在のバンド名に改名してデビューしました。
デビュー時エリック・カルメンは22歳でしたが、既にある程度キャリアを積んでいたといえるでしょう。
そのせいかこのデビュー・アルバムは、完成度の高い作品に仕上がりました。
充分に成熟して、程よい酸味と甘味を備えた極上のラズベリーになりました。
このアルバムからもう1曲ご紹介しましょう。
8位「Nobody Knows」(アルバム:Capitol Collectors Series)
■曲名:Nobody Knows
■曲名邦題:ノーバディ・ノウズ
■アルバム名:Capitol Collectors Series
■動画リンク:「Nobody Knows」
このバンドはアルバム単位で聞くことをおすすめします。
とはいえ、気軽に聞きたい方もいらっしゃると思います。
そういう方におすすめしたいのが、このベスト・アルバム。
私がこの記事で選んだ10曲中4曲は、シングル以外からの選曲です。
この曲もシングルカットされていませんし。
それにもかかわらず、このベスト盤にはこの記事の1位から10位まで全曲が収録されています。
さてこの曲は、どことなくバッドフィンガー(Badfinger)を思わせます。
ちなみにバッドフィンガーについて興味がある方は、以下のリンクからお聞きください。
ラズベリーズが気に入ったら、きっとご満足いただけると思います。
9位「Ecstasy」(アルバム:Side 3)
■曲名:Ecstasy
■曲名邦題:君に首ったけ
■アルバム名:Side 3
■アルバム名邦題:サイド 3
■動画リンク:「Ecstasy」
バンド名の由来であるラズベリーのアルバム・ジャケットが印象的です。
このジャケから想像するに、まだレコード会社はアイドル路線で売ろうとしていたかもしれません。
しかし音楽的には変化の兆しを感じます。
まず以前のようにティーンを意識した曲がありません。
またエリック・カルメンが書いた曲は9曲中4曲だけで、他のメンバーの提供曲が増えました。
ただし曲の水準は落ちていません。
少しヘヴィーな「I’m a Rocker」をシングルカットしたことから、硬派路線にイメージチェンジしようとしていた様子がうかがえます。
しかしこのアルバムは売れませんでした。
前作「Fresh」は36位でしたが、このアルバムは128位と急落しました。
内容的には悪くなかったことを考えと、メンバーの落胆は想像に難くありません。
10位「Starting Over」(アルバム:Starting Over)
■曲名:Starting Over
■曲名邦題:素晴らしき再出発
■アルバム名:Starting Over
■アルバム名邦題:素晴らしき再出発
■動画リンク:「Starting Over」
この頃彼らは崖っぷちに追い詰められていました。
前作「Side 3」はセールスが大きく下落し、その後ディヴ・スモーリー(Dave Smalley)とジム・ボンファンティ(Jim Bonfanti)が脱退しました。
特にディヴ・スモーリーは作曲面での貢献も大きかったので、かなりの痛手だったに違いありません。
残った2人は新メンバー、スコット・マッカール(Scott McCarl)とマイク・マクブライド(Michael McBride)を迎え、このレコーディングに臨みました。
そして出来上がったのがこのアルバム。
アルバム名の「Starting Over」は「もう一度やり直そう」という意味。
彼らの決意が伝わってこないでしょうか。
しかし背水の陣で臨んだこのアルバムでも、下落傾向に歯止めがかかりませんでした。
このアルバムは1974年9月16日にリリースされ、アルバムチャートの最高位は143位止まりです。
その結果、翌1975年4月にラズベリーズは解散しました。
同年エリック・カルメンは「オール・バイ・マイセルフ(All by Myself)」というヒットを放ちました。
その他のメンバーでは、ウォーリー・ブライソンはフォトメイカー(Fotomaker)に参加しています。
ラズベリーズは当時ヒット曲が多い人気バンドとはいえませんでした。
しかし今では多くの曲が再評価され、多くのミュージシャンからリスペクトされています。
彼らの影響力の大きさは「Raspberries Preserved」というトリビュート・アルバムを聞くとより実感できます。
関連記事
■チープ・トリック(Cheap Trick)の名曲名盤10選
記事一覧
他ブログ・SNS等
■このブログの「トップページ」に戻る
※お気に入りに登録をお願いいたします!
■おとましぐらの音楽ブログ(サブブログ)
※オピニオン記事、企画色の強い記事を連載しています
■note(ジャンル別おすすめ曲一覧)
※選りすぐりの名曲を1曲単位でご紹介しています
■おとましぐらXアカウント
※フォローをお願いいたします!