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ライ・クーダー(Ry Cooder)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はライ・クーダーの名曲ランキングを取り上げます。

この人は世界中のルーツ音楽を探求して、自分の音楽に消化し取り入れました。

彼は偉大な先人との共演が多いですが、まるで直接教えを乞うているような感じがします。

ライ・クーダーの音楽には、先人へのリスペクトが感じられます。

1位「He’ll Have to Go」(アルバム:Chicken Skin Music)

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■曲名:He’ll Have to Go
■曲名邦題:浮気はやめなよ
■アルバム名:Chicken Skin Music(1976年)
■アルバム名邦題:チキン・スキン・ミュージック
■動画リンク:「He’ll Have to Go」

この曲のアルバム名は「Chicken Skin Music」つまり「鳥肌音楽」という意味です。

この曲では、フラコ・ヒメネス(Flaco Jimenez)と共演しています。

私はフラーコ・ヒメネスという発音で呼んでいますが。

この人はテキサスのアコーディオン奏者で、メキシコ国境の音楽テックス・メックス(もしくはテハノ・ミュージック)の人。

この曲はとろけてしまいそうなアコーディオンから始まっています。

全編に渡ってアコーディオンが曲をリードしていますが、その活躍の場と時間を与えたライにフラーコへの敬意がうかがえますね。

この曲はシングルカットされ、オランダでヒットしたのだそうです。

 

2位「Cherry Ball Blues」(アルバム:Boomer’s Story)

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■曲名:Cherry Ball Blues
■曲名邦題:チェリー・ボール・ブルース
■アルバム名:Boomer’s Story(1972年)
■アルバム名邦題:流れ者の物語
■動画リンク:「Cherry Ball Blues」

この曲はギターとドラムのスリリングなからみが聞きものです。

ドラムのジム・ケルトナー(Jim Keltner)は、ルーツ音楽やシンガーソングライターの作品でよく名前を見かける人です。

彼については、当たり前のことを当たり前にこなすような堅実なドラマーといったイメージをお持ちの方が多いかもしれません。

そういう方は、ぜひこの曲の演奏を聞いてみてください。

才気あふれるドラムが、ライのギターと互角に渡り合っている感じがします。

地味で玄人受けするドラマーだと思っていたら、こんなキレッキレの一面もあるのですね。

この曲は、スキップ・ジェイムス(Skip James)というブルース・シンガーがオリジナルです。

私はライ・クーダー経由でフォーキー・ブルースの魅力を知りました。

ミシシッピ・ジョン・ハート(Mississippi John Hurt)など、すばらしい音楽との出会いがありました。

 

3位「Ditty Wah Ditty」(アルバム:Paradise and Lunch)

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■曲名:Ditty Wah Ditty
■曲名邦題:ディティ・ワ・ディティ
■アルバム名:Paradise and Lunch(1974年)
■アルバム名邦題:パラダイス・アンド・ランチ
■動画リンク:「Ditty Wah Ditty」

ジャズ・ピアニスト、アール・ハインズ(Earl Hines)と共演している曲です。

ここでもライは脇役に徹していて、アール・ハインズを支えている感じがしますね。

アール・ハインズはモダンジャズ以前から活躍していた人で、右手のシングル・トーンをジャズに広めたとされています。

私はこの人のスタイルがよく分からない時期がありました。

驚くほど斬新でモダンな演奏をすることもあれば、この曲のように古いスタイルで情感豊かな演奏することもあります。

このオールドタイミーな曲でも、奔放で遊び心たっぷりの演奏をしています。

特に最後の1分間ぐらいは天上の音楽といえそうなほど。

 

4位「Little Sister」(アルバム:Bop till You Drop)

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■曲名:Little Sister
■曲名邦題:リトル・シスター
■アルバム名:Bop till You Drop(1979年)
■アルバム名邦題:バップ・ドロップ・デラックス
■動画リンク:「Little Sister」

この曲はとてもポップです。

確かに表面上はポップですが、ゴスペル的高揚感も感じます。

特にリズムが軽快で楽しいですね。

このアルバムぐらいからライの音楽がポップな色彩を帯びてきた感じがします。

しかしこれがまた悪くありません。

この曲が誰かの曲調に似ているような気がして、この機会に思い出してみようとしました。

その結果デヴィッド・リンドレー(David Lindley)のソロ・アルバムに入っていてもおかしくない曲だと思いました。

しかもデヴィッド・リンドレーはこの曲に参加しています。

デヴィッド・リンドレーについては以下の記事がありますので、興味のある方はぜひどうぞ。

デヴィッド・リンドレー(David Lindley)の名曲名盤10選

 

5位「Alimony」(アルバム:Ry Cooder)

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■曲名:Alimony
■曲名邦題:アリモニー
■アルバム名:Ry Cooder(1970年)
■アルバム名邦題:ライ・クーダー・ファースト
■動画リンク:「Alimony」

ファースト・アルバムの曲です。

ファーストにはこの曲以外にも、ウディ・ガスリー(Woody Guthrie)「ドレミ(Do Re Mi)」のカバーなど、他にも多くの名曲が収録されています。

後に比べると雑食なところは少なく、純粋なアメリカン・ロックといった感じがしますね。

元々アメリカン・ロック自体、雑食な音楽ともいえますが。

少しリトル・フィート(Little Feat)のファーストの印象に似ているかもしれません。

いい感じに力の抜けたボーカルと、そしてやはりギターの存在感が半端ありません。

バックのコーラスもデラニー&ボニー(Delaney & Bonnie)あたりを思い起こさせる、土くさいゴスペルの香りがします。

 

6位「Get Rhythm」(アルバム:Get Rhythm)

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■曲名:Get Rhythm
■曲名邦題:ゲット・リズム
■アルバム名:Get Rhythm(1987年)
■アルバム名邦題:ゲット・リズム
■動画リンク:「Get Rhythm」

ライのアルバムは1曲目に良い曲が多いですが、この曲もその例に漏れません。

イントロのギター、そしてフラーコ・ヒメネスのアコーディオンが始まる箇所が印象的です。

原曲はジョニー・キャッシュで、ガッツのあるオリジナルを明るく伸びやかに解釈しています。

先程私はライのポップ路線は意外と悪くないと書きました。

この曲でも明らかなようにルーツ音楽から離れすぎず、新たにポップな躍動感を獲得していますから。

この曲でも楽しそうなライのギターを聞くと、とても幸せな気持ちになります。

 

7位「Tattler」(アルバム:Paradise and Lunch)

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■曲名:Tattler
■曲名邦題:おしゃべり屋
■アルバム名:Paradise and Lunch(1974年)
■アルバム名邦題:パラダイス・アンド・ランチ
■動画リンク:「Tattler」

ライが音楽の世界を広げようとし始めていた頃の傑作です。

同じアルバムからもう1曲ご紹介しましょう。

Ry Cooder – Tamp ‘Em up Solid

一般的にこの人の最高傑作は、このパラダイス・アンド・ランチ(Paradise and Lunch)か、チキン・スキン・ミュージック(Chicken Skin Music)あたりがよく挙げられます。

人気の秘密は、音の表情が明るくなってきたことにもあるような気がします。

この人はルーツ音楽に対する真摯な姿勢ゆえ、時にきまじめになりがりですから。

この頃から彼の音楽は包容力が感じられるようになってきました。

 

8位「Teardrops Will Fall」(アルバム:Into the Purple Valley)

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■曲名:Teardrops Will Fall
■曲名邦題:ティアドロップス・ウィル・フォール
■アルバム名:Into the Purple Valley(1972年)
■アルバム名邦題:紫の峡谷
■動画リンク:「Teardrops Will Fall」

セカンド・アルバムの曲です。

初期にしては珍しく洗練された曲調です。

楽曲の魅力を活かそうとしたせいか分かりませんが、ギターがややひかえめかもしれません。

楽曲そのものはすばらしいのに、もっとライのギターが活躍してくれればと、個人的には少し残念に思います。

中盤のギターソロも、もっと弾いてくれてもいいのですけどね。

ライは「Show Time」などライブ・アルバムも秀逸ですが、この曲は収録されていません。

そうした不満はありつつも、名曲には違いありませんが。

 

9位「Women Will Rule the World」(アルバム:Get Rhythm)

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■曲名:Women Will Rule the World
■曲名邦題:女が世界を支配する
■アルバム名:Get Rhythm(1987年)
■アルバム名邦題:ゲット・リズム
■動画リンク:「Women Will Rule the World」

この曲でもフラーコ・ヒメネスのアコーディオンが活躍しています。

今回の選曲からも分かる通り、私はライとフラーコの組み合わせが大好物です。

これでも偏らないよう抑えました。

この曲でもイントロからフラーコが大活躍しています。

もはやライ・クーダーを紹介しているのか、フラーコ・ヒメネスを紹介しているのか、自分でも分からなくなりそう。

この曲の歌詞では昔気質の老齢の男性が、女性が力をつけてきた風潮を嘆いています。

「そのうち女に世界を支配されちまうぞ」という内容がユーモラスに語っています。

ただ同時にまんざらでもない感じがしないでもありません。

 

10位「I Think It’s Going to Work Out Fine」(アルバム:Bop till You Drop)

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■曲名:I Think It’s Going to Work Out Fine
■曲名邦題:ワーク・アウト・ファイン
■アルバム名:Bop till You Drop(1979年)
■アルバム名邦題:バップ・ドロップ・デラックス
■動画リンク:「I Think It’s Going to Work Out Fine」

最後に、はし休め的な曲をご紹介します。

極私的な名曲、又は隠れ名曲として選んでみました。

今回の記事はサウンドトラック以外のアルバムから選曲しました。

将来はこの記事を拡張するか別記事で、サントラの曲もご紹介したいと思っています。

それまではサントラから1曲だけご紹介するに留めておきたいと思います。

Ry Cooder – Paris, Texas

取り急ぎこの記事では、1987年ぐらいまでを対象に選曲してみました。

曲を選んでいない「ジャズ(Jazz)」「ボーダーライン(Borderline)」「スライド・エリア(The Slide Area)」を含めて、この時期のオリジナル・アルバムにはどれもすばらしい作品ばかりです。

この記事が彼の音楽を楽しむきっかけになればうれしいです。

 

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