今回はドクター・フィールグッドのランキングを作成しました。
彼らはパブロックを代表するバンドです。
このバンドは多くの名ギタリストを輩出しました。
この記事ではウィルコ・ジョンソンと、彼が残した後任ギタリストへの影響に注目しました。
- 1 1位「She Does It Right」(アルバム:Down By The Jetty)
- 2 2位「Roxette」(アルバム:All Through the City (With Wilko 1974–1977))
- 3 3位「All Through the City」(アルバム:Stupidity)
- 4 4位「Sneakin’ Suspicion」(アルバム:Sneakin’ Suspicion)
- 5 5位「Looking Back」(アルバム:Be Seeing You)
- 6 6位「Another Man」(アルバム:Malpractice)
- 7 7位「Every Kind of Vice」(アルバム:Private Practice)
- 8 8位「Route 66」(アルバム:Complete BBC Sessions 1973-78)
- 9 9位「Tore Down」(アルバム:Mad Man Blues)
- 10 10位「The Walk」(アルバム:Chess Masters)
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1位「She Does It Right」(アルバム:Down By The Jetty)
■曲名:She Does It Right
■曲名邦題:シー・ダズ・イット・ライト
■アルバム名:Down By The Jetty
■アルバム名邦題:ダウン・バイ・ザ・ジェティ
■動画リンク:「She Does It Right」
最大のヒット曲と一番人気の曲が違っていることがあります。
ヒット曲は数値ですから明確なのですが、人気曲の方は少しあいまいかもしれません。
しかしこの曲ぐらいの人気曲だと、おそらく異論はないでしょう。
ちなみに最大のヒット曲は、以下の曲。
Dr. Feelgood – Milk and Alcohol
この記事ではランクインは逃したものの、こちらも良い曲だと思います。
イギリスのシングルチャートでは9位を記録し、2番目にヒットしたのが34位の「She’s a Windup」ですから、唯一のトップテンヒットとなりました。
一方1位に推した「She Does It Right」は、本国イギリスでさえチャートインしていません。
しかしそれにもかかわらず、この曲なくしてこのバンドを語ることはできません。
ドクター・フィールグッドの代表曲といえば、この曲です。
2位「Roxette」(アルバム:All Through the City (With Wilko 1974–1977))
■曲名:Roxette
■曲名邦題:ロクセット
■アルバム名:All Through the City (With Wilko 1974–1977)
■動画リンク:「Roxette」
1位の曲と同じくデビュー・アルバムの収録曲です。
しかしこのアルバム・ジャケットをご紹介したいと思い、あえてボックスセットの曲としてご紹介しました。
ウィルコ・ジョンソンはいつもライブで、こんなステージ・パフォーマンスを披露していたようです。
先程彼らの代表曲は「She Does It Right」だと述べました。
では次に聞くべき曲は何でしょうか。
人によって意見が異なると思いますが、私はこの曲だと思います。
デビュー・アルバムでは、他に以下の曲も好きですが。
「Roxette」は、ふてぶてしいギターとリズムの組み合わせが最高です。
3位「All Through the City」(アルバム:Stupidity)
■曲名:All Through the City
■曲名邦題:オール・スルー・ザ・シティ
■アルバム名:Stupidity
■アルバム名邦題:殺人病棟
■動画リンク:「All Through the City」
このブログでは、ライブ盤から取り上げる曲を少なめにしています。
オリジナルを聞いて、それからライブ・アルバムを聞いた方がいいと思っているからです。
ただこのバンドの場合ライブ・バージョンの名演が多すぎて、ライブの曲も取り上げざるを得ません。
さてこのバンドの最高傑作を決めるのは、意外と難しいかもしれません。
一般的には「Down By The Jetty」か、この「Stupidity」だと言われています。
しかし私はこの記事でご紹介したアルバムは、どれもそれほど差がないように感じます。
どれも必聴の名盤ぞろい。
ご自身の耳を基準に最高傑作を決めていただければと思います。
4位「Sneakin’ Suspicion」(アルバム:Sneakin’ Suspicion)
■曲名:Sneakin’ Suspicion
■曲名邦題:スニーキン・サスピション
■アルバム名:Sneakin’ Suspicion
■アルバム名邦題:スニーキン・サスピション
■動画リンク:「Sneakin’ Suspicion」
この曲のトリッキーなリフは、横ノリでミディアムテンポのこの曲に、とても合っています。
私はウィルコ・ジョンソン(Wilko Johnson)が、カッティングだけの人ではないことを知っています。
しかしそれでもなお、いつも私は彼のカッティングに夢中です。
彼のカッティングは、サッカー選手でいえば予測しても止められないフェイントのようなもの。
ジャンプの漫画では必殺技には名前がありますが、ウィルコ・ジョンソンのギターの場合「カミソリ・カッティング」といえるでしょう。
ジャンプの主人公における必殺技みたいなものかもしれません。
そんな出来レース結末を知りつつ熱狂するジャンプ読者のごとく、私は彼のカッティングをがぶりついて聞いてしまいます。
5位「Looking Back」(アルバム:Be Seeing You)
■曲名:Looking Back
■曲名邦題:ルッキング・バック
■アルバム名:Be Seeing You
■アルバム名邦題:ビー・シーイング・ユー
■動画リンク:「Looking Back」
このアルバムの前、ウィルコ・ジョンソンが脱退しました。
彼はメイン・ソングライターで看板ギタリストでしから、ファンはかなり動揺したと思います。
しかし救世主が現れました。
それは新ギタリスト、ジッピー・メイヨ(Gypie Mayo)。
彼はウィルコ・ジョンソンの後釜という極めて座り心地の悪い場所で、自らの実力を証明してみせました。
実際この曲を聞いて、ウィルコ・ジョンソンの不在を感じるでしょうか。
ジッピー・メイヨはウィルコ・ジョンソンのような分かりやすい特徴を持っていませんが、総合力にすぐれた人でした。
ただバランスがとれているのに、器用貧乏では終わっていません。
同じアルバムからもう1曲ご紹介しておきましょう。
Dr. Feelgood – She’s a Wind Up
私はジッピー・メイヨについて、ウィルコ・ジョンソンと同等の評価をしています。
6位「Another Man」(アルバム:Malpractice)
■曲名:Another Man
■曲名邦題:アナザー・マン
■アルバム名:Malpractice
■アルバム名邦題:不正療法
■動画リンク:「Another Man」
このセカンド・アルバムは玄人好みの作品です。
ファーストのようなスタイリッシュで分かりやすい魅力は減退しましたが、その代わり味わさが増しました。
テレヴィジョン(Television)の「Marquee Moon」と「Adventure」の関係に似ているかもしれません。
このバンドは、パンク・ムーブメントの発火点のような役割を果たしました。
ただその後の音楽は、インパクトに頼らない方向に進んだように思います。
彼らの音楽には、いくつかのジャンルが溶け込んでいます。
たとえば古いロックンロール、ブルース、R&B。
このアルバムでは、後者2つの影響が強まっています。
激しさやキレではなく、コクの深さを感じさせてくれました。
ただここでは記事のテーマに沿って、ファーストと同系統の曲を取り上げました。
7位「Every Kind of Vice」(アルバム:Private Practice)
■曲名:Every Kind of Vice
■曲名邦題:エヴリ・カインド・オブ・ヴァイス
■アルバム名:Private Practice
■アルバム名邦題:プライヴェート・プラクティス
■動画リンク:「Every Kind of Vice」
ジッピー・メイヨが加入して2作目の曲です。
ウィルコ・ジョンソンは作曲面でも貢献していましたが、彼が脱退するとカバー曲が増えました。
以下の曲もミッキー・ジャップ(Mickey Jupp)が書いた曲です。
Dr Feelgood – Down At the Doctors
「Down At the Doctors(ダウン・アット・ザ・ドクターズ)」はリー・ブリロー(Lee Brilleaux)のハープがいいですね。
さて「Every Kind of Vice」の方は、リー・ブリローとジッピー・メイヨが共作した曲です。
この2人は結構良い曲を書くのですが、彼らは自作曲で埋めようとはしませんでした。
無理に自作曲を入れるより、カバー曲を入れる方が得策だと判断したようです。
彼らはカバーの解釈に優れていましたから、その判断は吉と出たかもしれません。
8位「Route 66」(アルバム:Complete BBC Sessions 1973-78)
■曲名:Route 66
■曲名邦題:ルート66
■アルバム名:Complete BBC Sessions 1973-78
■アルバム名邦題:BBCセッションズ73-78
■動画リンク:「Route 66」
ウィルコ・ジョンソンのプレイについて、1つ説明しておきたいことがあります。
彼はピックを使わず、指弾きにこわだっていました。
本来ピック弾きの方がシャープなカッティングに向いているはず。
しかし誰よりも鋭利なウィルコ・ジョンソンは指弾きを選択しました。
ちなみにギター弾きの指の表皮は硬化しますが、爪の固さは鍛えることができません。
当然、演奏中に爪が割れることだってあります。
実際彼は流血しながら演奏することも度々でしたし。
彼は血を目立たなくするために、赤いピックガードのギターを使用していました。
なぜそれにもかかわらずピックを使わないのか。
おそらくそれは右手の5本の指で弦をカッティングした時でしか出せない、ガツンとした音がほしかったから。
爪が割れることを恐れなければ、ピックと同等かそれ以上シャープな音を出せますし。
流血が珍しくなかった彼の右手は、もはや手刀。
こうした頑固でアナログなこだわりは、彼の根幹を成していたように思います。
それはもやはプレイ・スタイルという範疇を超えて、生き様そのものといえるかもしれません。
9位「Tore Down」(アルバム:Mad Man Blues)
■曲名:Tore Down
■曲名邦題:トア・ダウン
■アルバム名:Mad Man Blues
■アルバム名邦題:マッド・マン・ブルース
■動画リンク:「Tore Down」
彼らのバンド名は、以下の曲に由来しています。
Johnny Kidd & The Pirates – Dr. Feelgood
ジョニー・キッド&ザ・パイレーツには、ミック・グリーン(Mick Green)という名ギタリストがいました。
彼はウィルコ・ジョンソンがあこがれる名ギタリストでした。
特にウィルコ・ジョンソンは、以下の曲に影響されたのだそうです。
Johnny Kidd & The Pirates – I’ll Never Get Over You
さてここで改めてボーカルのリー・ブリローについても触れておきましょう。
彼のドスの利いた男くさい歌は、このバンドの魅力の真髄でした。
このバンドがウィルコ・ジョンソン脱退後に人気を維持したのは、彼の貢献なくして語れません。
今回ご紹介したウィルコ・ジョンソン後の名ギタリストたちを起用した目利き力は、このバンドを不動の地位に押し上げました。
長年バンドの格と看板を守ってきた、このバンドのゴッドファーザー。
その功績はあまりに偉大です。
10位「The Walk」(アルバム:Chess Masters)
■曲名:The Walk
■アルバム名:Chess Masters
■動画リンク:「The Walk」
このアルバムは2000年にリリースされました。
既にその頃にはバンドの中心人物リー・ブリローは他界していました。
この作品はオリジナル・メンバー不在のアルバムです。
しかしこれが意外と悪くありません。
この曲を聞くと、彼らがウィルコ・ジョンソンから影響を受けていることが分かります。
ただウィルコ・ジョンソンは脱退後のバンドについて、以下のように語っています。
ウィルコ・ジョンソンは自分が脱退した時点でドクター・フィールグッドは終わったとしており、「今ドクター・フィールグッドと名乗っている人たちは自尊心も羞恥心もないと思うな(笑)」と述べた[1]。
もっと認めてあげてもいいと思いますけどね。
ウィルコ・ジョンソンの脱退後、様々な名ギタリストが参加しました。
ジッピーの後ジョニー・ギター(Johnny Guitar)→ゴードン・ラッセル(Gordon Russell)と続き、このアルバムではスティーヴ・ウォルイン(Steve Walwyn)がギターを弾いています。
今回聞きなおしてみて、どの時期にもウィルコ・ジョンソンの影響が継承されていると感じました。
しかもその影響はこのバンドだけに留まりません。
日本という異国の地でミッシェル・ガン・エレファントのアベフトシに引き継がれ、大輪の花を咲かせています。
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