今回はヴェルヴェット・クラッシュのランキングを作成しました。
彼らはギターポップやパワーポップ界隈では有名ですが、一般的な知名度はありません。
しかし一部の人には熱狂的に支持されています。
今回はその魅力の入り口となる曲をご紹介したいと思います。
- 1 1位「Atmosphere」(アルバム:Teenage Symphonies To God)
- 2 2位「One Thing Two Believe」(アルバム:A Single Odessey)
- 3 3位「Blind Faith」(アルバム:In the Presence of Greatness)
- 4 4位「Melody #1」(アルバム:Free Expression)
- 5 5位「Drive Me Down」(アルバム:In the Presence of Greatness)
- 6 6位「Why Not Your Baby」(アルバム:Teenage Symphonies To God)
- 7 7位「Gentle Breeze」(アルバム:Free Expression)
- 8 8位「Be Someone Tonight」(アルバム:A Single Odessey)
- 9 9位「Hold Me Up」(アルバム:Teenage Symphonies To God)
- 10 10位「Shine On Me」(アルバム:Free Expression)
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1位「Atmosphere」(アルバム:Teenage Symphonies To God)
■曲名:Atmosphere
■曲名邦題:アトモスフィア
■アルバム名:Teenage Symphonies To God
■アルバム名邦題:ティーンエイジ・シンフォニーズ・トゥ・ゴッド
■動画リンク:「Atmosphere」
このバンドを代表させるとしたら、この曲あたりがいいように思います。
こういうバンドの場合、ヒットしたかどうかでは代表曲を決められません。
なにせどの曲もヒットしていませんから(笑)
このバンドを好きな音楽仲間と意見交換をしていく中で、なんとなく分かってくるものです。
みんなこの曲あたりが好きなのだなと。
ギターポップ系のクラブイベントでよくかかっていたとか、自分の主観を加味して選んでみました。
狂おしい歌とギターが胸を打つ名曲です。
2位「One Thing Two Believe」(アルバム:A Single Odessey)
■曲名:One Thing Two Believe
■曲名邦題:ワン・シングス・トゥ・ビリーヴ
■アルバム名:A Single Odessey
■動画リンク:「One Thing Two Believe」
彼らがアルバム・デビューする前のシングルです。
1990年ギターポップの名門レーベル、Bus Stop Recordsからリリースされています。
ちなみに彼らはこのバンド以前に、以下のようなバンド名で活動していました。
Choo Choo Train(チュー・チュー・トレイン)
Bag-O-Shells(バッグ・オー・シェルズ)
The Springfields(スプリングフィールズ)
興味を持った方には他にリック・メンク(Ric Menck)のソロとかハニー・バンチ(Honeybunch)などもあります。
どれか1枚であれば、チュー・チュー・トレインの「Briar High」。
そのアルバムから1曲引用しましょう。
ひかえめに言っても、無形文化遺産に推薦したい奇跡盤です。
彼らは下積み時代が長く、ヴェルヴェット・クラッシュとしてデビューした頃には、もうメンバーは30歳を超えていました。
そろそろラストチャンスだと思ったかもしれません。
そのせいかこのシングルは気合が入った出来です。
ちなみにカップリングもほぼ同等の名曲ですので、リンクを貼っておきましょう。
当時一部の日本のファンは、このカップリングに狂喜乱舞したそうです。
まあこの2曲ですから気持ちは分かります。
3位「Blind Faith」(アルバム:In the Presence of Greatness)
■曲名:Blind Faith
■曲名邦題:ブラインド・フェイス
■アルバム名:In the Presence of Greatness
■アルバム名邦題:イン・ザ・プレゼンス・オブ・グレイトネス
■動画リンク:「Blind Faith」
ファースト・アルバムの欠点は探すまでもありません。
録音が悪く、演奏もヘロヘロなこと。
彼らのセールスポイントはメロディですが、録音のバランスが悪く、ボーカルの声が引っ込み気味です。
肝心のボーカルがよく聞こえません。
しかしそれにも関わらず、ヘッドホンをして聞いていたものでした。
私はリアルタイムではありませんが、当時日本にはチュー・チュー・トレイン時代からの熱狂的なファンがいたそうです。
デビュー後にファンクラブが彼らを日本に招聘したという記事を読んだことがあります。
事実かは分かりませんが、そうだったとしても不思議ではありません。
ちなみに私の友人にも、個人で企画して、自分の好きなインディ・アーティストを日本に呼んでいた人がいました。
ヴェルヴェット・クラッシュとは違うバンドでしたが、仲間内で旅費を出し合い、小さなカフェみたいなライブ会場を手配していました。
友人はホテル代を浮かせようと、アーティストを自分の家に泊めて、フライヤーも手づくりしていました。
その情熱にはほとほと頭が下がります。
そうした例を知っているので、ヴェルヴェット・クラッシュでも充分ありえる話だと思います。
4位「Melody #1」(アルバム:Free Expression)
■曲名:Melody #1
■曲名邦題:メロディー#1
■アルバム名:Free Expression
■アルバム名邦題:フリー・エクスプレッション
■動画リンク:「Melody #1」
彼らは3枚目の「ヘヴィー・チェンジズ(Heavy Changes)」でつまづいたと言われます。
確かにパワフルな曲が増えて、繊細な魅力が希薄になったように思います。
しかしこのアルバムで彼らは完全復活を遂げました。
成功の要因は、メロディの良い曲をずらりとそろえたこと。
この曲の曲名からも、彼らのメロディを意識していることが分かりますね。
個人的には曲の質の高さでは、このアルバムが過去最高だと思います。
初期の激しさこそ減退したものの、この曲を始めソフトロックっぽい路線も合っています。
彼らの最高傑作については、初期2作のどちらかという声が多いかもしれません。
しかし私が一番聞き返すことが多いのはこの作品。
このランキングでどの曲を取り上げるか一番迷ったアルバムです。
5位「Drive Me Down」(アルバム:In the Presence of Greatness)
■曲名:Drive Me Down
■曲名邦題:ドライヴ・ミー・ダウン
■アルバム名:In the Presence of Greatness
■アルバム名邦題:イン・ザ・プレゼンス・オブ・グレイトネス
■動画リンク:「Drive Me Down」
初期の彼らの人気をけん引した曲です。
彼らはヴェルヴェット・クラッシュを結成する時に、メンバーを1人を加えました。
それがギターのジェフリー・ボーチャード (Jeffrey Borchardt) 。
初期は彼の激しいギターがセールスポイントでした。
ちなみにジェフリー・ボーチャードは、現在ジェフリー・アンダーヒル(Jeffrey Underhill)という名前になっています。
特に初期の2作は、キラキラした楽曲とノイジーで激しいギターのギャップが魅力でした。
ギャップ萌えが味わえる曲です。
6位「Why Not Your Baby」(アルバム:Teenage Symphonies To God)
■曲名:Why Not Your Baby
■曲名邦題:ホワイ・ノット・ユア・ベイビー
■アルバム名:Teenage Symphonies To God
■アルバム名邦題:ティーンエイジ・シンフォニーズ・トゥ・ゴッド
■動画リンク:「Why Not Your Baby」
ディラード&クラーク(Dillard & Clark)の曲のカバーです。
ディラード&クラークはザ・バーズ(The Byrds)のジーン・クラーク(Gene Clark)が結成したデュオ。
原曲が収録されている「The Fantastic Expedition of Dillard & Clark」はかなりの名盤です。
オリジナルのリンクも貼っておきましょう。
Dillard & Clark – Why Not Your Baby
この曲が気に入ったら、ディラード & クラークのアルバムもチェックをしてみてください。
彼らはよくバーズの曲をカバーしています。
特に初期はバーズ経由のカントリーの影響が、程好い隠し味になっていました。
この曲は歌い方までジーン・クラーク(Gene Clark)を真似ていて、とてもほほえましいです。
7位「Gentle Breeze」(アルバム:Free Expression)
■曲名:Gentle Breeze
■曲名邦題:ジェントル・ブリーズ
■アルバム名:Free Expression
■アルバム名邦題:フリー・エクスプレッション
■動画リンク:「Gentle Breeze」
このアルバムの前は、バンドにとって苦難の時期でした。
音楽性が変わったことによるファン離れ、本国アメリカでは相変わらず人気が出ず。
ついには所属していたクリエイション・レコーズ (Creation Records)からも解雇されてしまいました。
そうした中、ギターの2人がバンドから脱退してしまいます。
また腐れ縁の2人、ポール・チャスティン(Paul Chastain)とリック・メンク(Ric Menck)の2人組に戻りました。
いやもう1人腐れ縁がいました。
マシュー・スウィート(Matthew Sweet)です。
マシューはデビュー・アルバムでプロデューサーを務めていましたが、彼らとはもっと古くからの付き合いです。
ファースト・アルバムの頃は3人とも素人然としていましたが、その後経験した苦境の中で彼らは成熟しました。
デビュー・アルバムと同じ3人で製作されたこの4枚目は素人くささがなくなり、過去最高の完成度に仕上がっています。
8位「Be Someone Tonight」(アルバム:A Single Odessey)
■曲名:Be Someone Tonight
■曲名邦題:ビー・サムワン・トゥナイト
■アルバム名:A Single Odessey
■動画リンク:「Be Someone Tonight」
彼らにはオリジナル・アルバム未収録の名曲が少なくありません。
このランキングでは「If Not True」「One Thing Two Believe」そしてこの曲も、オリジナルアルバム未収録曲です。
ある程度彼らの音楽を網羅したい方は、このシングル曲集も必須かもしれません。
それでも余力があれば「Melody Freaks」や「Pre-Teen Symphonies」などのコレクターズ・アイテムにも挑戦してみるといいでしょう。
さてこのバンドを取り上げる際、いくつかの切り口があります。
激しい曲がお好きな方、フォーキーでカントリーっぽい曲が好きな方もいらっしゃるでしょう。
私はといえば、この曲のような正統派パワーポップの曲が好みです。
なおこの曲は、PUFFY大貫亜美のソロに提供されたことでも知られています。
9位「Hold Me Up」(アルバム:Teenage Symphonies To God)
■曲名:Hold Me Up
■曲名邦題:ホールド・ミー・アップ
■アルバム名:Teenage Symphonies To God
■アルバム名邦題:ティーンエイジ・シンフォニーズ・トゥ・ゴッド
■動画リンク:「Hold Me Up」
ファースト・アルバムでは彼らの友人、マシュー・スウィートがプロデュースを手掛けていました。
しかしこのセカンド・アルバムでは、ミッチ・イースター(Mitch Easter)がプロデュースを担当しています。
ミッチ・イースターはR.E.M.のデビュー・アルバムを手掛けた、実績のあるプロデューサー。
そのせいかこのアルバムは前作で感じられたアマチュアっぽさが目立たなくなり、この曲もよくまとまっています。
しかしプロのサポートが得られても、彼らの青くささは健在でした。
アルバム・タイトルは「Teenage Symphonies To God」つまり「神への10代の交響曲」という名前。
大人になってからもティーンエイジャーの気持ちを思い出してほしいという願いを込めてつくられたアルバムなのだそうです。
10位「Shine On Me」(アルバム:Free Expression)
■曲名:Shine On Me
■曲名邦題:シャイン・オン・ミー
■アルバム名:Free Expression
■アルバム名邦題:フリー・エクスプレッション
■動画リンク:「Shine On Me」
このアルバム以降彼らは「Soft Sounds」「ステレオ・ブルース(Stereo Blues)」という2枚のアルバムをリリースしています。
今回はそれらのアルバムからは選曲していませんが、どちらもなかなか良い出来です。
しかし2004年を最後にアルバムはリリースされていません。
その後2019年にはオリジナル・メンバーで来日したようですが。
今私は限られた時間をやりくりして、新しい音楽をチェックしています。
個々の曲やアルバムとじっくり付き合うことが難しい状況にあります。
しかし10代の頃は音楽を聞く時間がたっぷりありました。
そんな時親しんだ彼らの音楽は、音楽の良し悪しを超えて身近な存在でした。
私にとって彼らの音楽は、昔よく遊んだ友達のような存在です
そういえば先程彼らの近況を調べていた私は、仲の良かった友達が今どうしているか検索する人みたいだったかもしれません。
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