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ザ・ポウジーズ(The Posies)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はザ・ポウジーズのランキングを作成しました。

このバンドは、とにかく楽曲が魅力的です。

ジャンル的にはパワー・ポップといえますが、時に陰影に富むメロディは、繰り返しの鑑賞に耐えうる魅力を持っています。

今回は彼らの様々な側面に焦点を当ててみました。

 

1位「Solar Sister」(アルバム:Frosting on the Beater)

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■曲名:Solar Sister
■曲名邦題:ソーラー・シスター
■アルバム名:Frosting on the Beater
■アルバム名邦題:フロスティング・オン・ザ・ビーター
■動画リンク:「Solar Sister」

彼らの中で最も有名な曲です。

この曲なしで、このバンドを語ることはできません。

彼らの音楽を気に入るかどうか、リトマス紙になりうる曲だと思います。

とてもポップな曲ですが、その甘味を引き出しているのは、適度に激しいギターかもしれません。

この曲には私の好きなギターソロがあります。

以下のリンクでは、そのギターソロの直前から再生できるようにしました。

Posies – Solar Sister

胸を突く稀代のギター・ソロです。

ジョン・オウアの歪んだギターが、出来すぎ感のあるこの曲をもう一段階引き上げています。

 

2位「Daily Mutilation」(アルバム:Amazing Disgrace)

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■曲名:Daily Mutilation
■アルバム名:Amazing Disgrace
■アルバム名邦題:アメイジング・ディスグレイス
■動画リンク:「Daily Mutilation」

このアルバムについては、ファンの間でも評価が割れているかもしれません。

確かに彼らの魅力はメロディにありますから、激しい楽曲では繊細な持ち味が失われがちかもしれません。

そのご意見には一理あるように思います。

しかしそれでも私がこの曲を推すのは、ドラムの魅力ゆえ。

前作でブレイクした彼らですが、前作からメンバー構成に変化がありました。

ベースとドラムの2人が脱退して、リズム陣が刷新されました。

ただこの変化は吉と出たかもしれません。

特に新しく加入したブライアン・ヤング(Brian Young)の貢献が大きいように思います。

ブライアン・ヤングといえば、後にファウンテインズ・オブ・ウェイン(Fountains of Wayne)のドラムを務めた人です。

ブライアンの加入は、ポウジーズにダイナミズムと躍動感を与えました。

また彼のドラムは、ジョンのギターと相性が良いように思われますし。

ブライアンは他にも「Hate Song」や「Broken Record」でも、すばらしい仕事をしています。

 

3位「I May Hate You Sometimes」(アルバム:Failure)

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■曲名:I May Hate You Sometimes
■アルバム名:Failure
■アルバム名邦題:フェイラー
■動画リンク:「I May Hate You Sometimes」

彼らはバンド形態をとっていますが、中心メンバーは以下の2人です。

・ジョン・オウア(Jon Auer)
・ケン・ストリングフェロウ(Ken Stringfellow)

ベースとドラムのメンバーは、アルバムによって異なります。

このファースト・アルバムでは正規メンバーはこの2人だけで、他のパートはサポート・メンバー扱いです。

2人は高校で出会い、一緒に曲づくりを始めました。

同級生と思いきや、ジョンの方が1学年下とのこと。

その後彼らは他のパートを募集して、この宅録のアルバムをつくり上げました。

宅録なのでプロデューサーは不在で、実質2人の共同プロデュースとなりました。

レーベルはポップラマ・レコード(PopLlama Records)です。

アメリカのインディーズ・レーベルに詳しい方には、ファストバックス(Fastbacks)やザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(The Presidents of the United States of America)が所属していたレーベルとして知られています。

しかし最初から楽曲がこの水準だったのですね。

録音はしょぼいですが、いや録音がしょぼいからこそ曲の魅力が際立っています。

 

4位「Flavor of the Month」(アルバム:Frosting on the Beater)

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■曲名:Flavor of the Month
■曲名邦題:フレイヴァー・オブ・ザ・マンス
■アルバム名:Frosting on the Beater
■アルバム名邦題:フロスティング・オン・ザ・ビーター
■動画リンク:「Flavor of the Month」

彼らの最高傑作として名高いアルバムです。

私もどれか1枚おすすめするとしたら、このアルバムを推します。

特に最初の3曲は最強すぎますから。

このアルバムでは「Solar Sister」がクラブ・ヒットしたと言われていますが、私がクラブで聞いた回数はこの曲も同じぐらいかもしれません。

このアルバムは、前作からサウンドが変化しています。

特にプロデューサーがドン・フレミング(Don Fleming)になったことが大きいように思います。

ドン・フレミングは、ソニック・ユース(Sonic Youth)やダイナソーJr. (Dinosaur Jr.)などのプロデュースを手掛けたことで知られる人。

彼はこのバンドの激しいギターに焦点を当てました。

しかし一方で従来からの強みであるメロディを殺さず、いい塩梅で激しさを加えています。

 

5位「Golden Blunders」(アルバム:Dear 23)

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■曲名:Golden Blunders
■曲名邦題:ゴールデン・ブランダーズ
■アルバム名:Dear 23
■アルバム名邦題:ディア 23
■動画リンク:「Golden Blunders」

このアルバムには熱心なファンが多く「Frosting on the Beater」と最高傑作の評価を二分している感じがします。

支持されている理由ははっきりしています。

とにかくメロディの良い曲がそろっていること。

後年に比べるといささか押しの強さに欠けますが、胸をキュンとさせる曲はこのアルバムが一番多いかもしれません。

ちなみにこの曲は、リンゴ・スター(Ringo Starr)がカバーしています。

Ringo Starr – Golden Blunders

彼らは前作「Failure」が注目を浴び、DGC Recordsに移籍することができました。

DGC Recordsは、メジャーレーベルであるゲフィン・レコード(Geffen Records)傘下です。

このアルバムでは、初めてプロデューサーが付きました。

しかもジョン・レッキー(John Leckie)です。

ジョン・レッキーといえば、ストーン・ローゼズ(The Stone Roses)をプロデュースしたことで知られる名プロデューサー。

激しさオンリーの音づくりに向いている人ではありません。

その代わりに、繊細さやポップなところを活かすにはうってつけの人です。

そのおかげか、この作品は繊細で味わい深い仕上がりになっています。

 

6位「Dream All Day」(アルバム:Frosting on the Beater)

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■曲名:Dream All Day
■曲名邦題:ドリーム・オール・デイ
■アルバム名:Frosting on the Beater
■アルバム名邦題:フロスティング・オン・ザ・ビーター
■動画リンク:「Dream All Day」

このバンドの最大のヒット曲です。

ベスト盤「Dream All Day: The Best of The Posies」のアルバム・タイトルにも使われています。

少しマージー・ビートっぽい哀愁が感じられますね。

ホリーズ(The Hollies)あたりに少し近いテイストかもしれません。

さて2人は共作名義なので、クレジットを見てもどちらがどの曲を書いているか分かりません。

ただ2人ともソロ・アルバムの出来が良く、どちらもすぐれたソングライターであることは間違いありません。

ケンのソロから、特に私が大好きな曲をご紹介しましょう。

Ken Stringfellow – Down Like Me

このランキングに入れたら、1位を争うぐらいの傑作です。

すぐれたソングライターが2人いることもあって、彼らのアルバムには駄曲がありません。

 

7位「Accidental Architecture」(アルバム:Blood/Candy)

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■曲名:Accidental Architecture
■アルバム名:Blood/Candy
■アルバム名邦題:ブラッド/キャンディ
■動画リンク:「Accidental Architecture」

彼らはビートルズの影響を受けていると言われています。

確かに聞いていて、ビートルズを思い出す瞬間が多々あります。

たとえばこの曲などは、ルーツをたどれば「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(Strawberry Fields Forever)」あたりに行き着く音像かもしれません。

さてこの作品は一度解散し、活動を再開してからの2作目です。

活動再開後のアルバムということもあり、躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。

しかしご安心ください。

作品の質は維持されています。

ちなみに活動再開後1作目の「エヴリィ・カインド・オブ・ライト(Every Kind of Light)」にも、こんな曲が入っています。

The Posies – Love Comes

こちらもビートルズっぽい曲かもしれません。

現時点の最新作「ソリッド・ステイツ(Solid States)」も、パワーポップ系の有名サイトで、年間1位の評価を獲得しています。

彼らの場合は、活動再開後のアルバムも要チェックです。

 

8位「Please Return It」(アルバム:Amazing Disgrace)

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■曲名:Please Return It
■アルバム名:Amazing Disgrace
■アルバム名邦題:アメイジング・ディスグレイス
■動画リンク:「Please Return It」

彼らはビッグ・スター(Big Star)から強く影響を受けています。

ちなみに彼らには、ビッグ・スターをカバーしている曲があります。

The Posies – I Am The Cosmos

ベスト盤でしか聞けないオリジナル・アルバム未収録曲ですので、ご存知ない方も多いかもしれません。

実際彼ら2人は、ビッグ・スターが再結成した時メンバーとして参加していますし。

再結成後のビッグ・スターを聞くと、この曲に似たテイストを感じます。

2人はビッグ・スター在籍時に曲を提供していたので当然ですが、どちらも共通して良質なペーソスを持ったメロディが特徴です。

さてこのアルバムは出世作「Frosting on the Beater」の次作ですが、相性が良いと思われたドン・フレミングがプロデュースしていません。

そのせいかセールス面で低迷し、彼らはDGCレコードとの契約を失うことになりました。

 

9位「The Longest Line」(アルバム:Failure)

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■曲名:The Longest Line
■アルバム名:Failure
■アルバム名邦題:フェイラー
■動画リンク:「The Longest Line」

このファースト・アルバムには、捨てがたい魅力があります。

偉大な作品のデモ音源を聞いているような感じといいますか(笑)

私は誰かとこのバンドについて話すと、つい「ファースト・アルバムもいいですよね」と言ってしまいます。

ファースト・アルバムには録音の質以外にも、それ以降とは違った魅力があります。

ジャケットもそうですが、この曲などはネオアコみたいではないでしょうか。

クリエイション・レーベルあたりに近い肌触りがあって、イギリスのバンドみたいだと感じます。

デビュー・アルバムに「Failure」と名付ける皮肉っぽいセンスも、イギリス人みたいですし。

当時の彼らは、まだ二十歳になっていませんでした。

当初から2人の作曲の才能は際立っていたようです。

 

10位「Fall Apart With Me」(アルバム:Success)

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■曲名:Fall Apart With Me
■アルバム名:Success
■アルバム名邦題:サクセス
■動画リンク:「Fall Apart With Me」

彼らはメジャー・レーベルとの契約を維持できず、元在籍していたPopLlama Recordsに戻りました。

ちなみに彼らのファースト・アルバムと、活動停止前のラスト・アルバムのタイトルは、以下の通りです。

・デビューアルバム:Failure →失敗
・第一期のラストアルバム:Success →成功

つまり失敗で始まり、成功で終わっているというわけです。

オチを付けてうまくバンドを完結させた感じがしないでしょうか。

活動停止の理由は明らかにされていませんが、収入を得る手段やアイデンティティの置き場所としてのポウジーズは終わったというような発言がありました。

ここまでが第一期です。

さてこの曲は、第一期最後のアルバム「Success」から選曲しました。

「私はあなたとバラバラになる」と歌われていて、まるで解散を示唆しているかのようです。

更にこの曲では、こう歌われています。

ああ、夏を待っていたけれど

しかしそれが来ることはなかった

第一期の解散後、彼らはそれぞれソロ活動を始めています。

しかしその後彼らはポウジーズを再開することにしました。

また夏を待とうと思ったのかもしれません。

 

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