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ブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はブロッサム・ディアリーのランキングを作成しました。

この記事で彼女の魅力を再確認いただけければ幸いです。

彼女はかわいらしい声が特徴的ですが、それだけの人ではありません。

ジャズ・フィーリングに優れたシンガーだと思います。

 

1位「Just One of Those Things」(アルバム:Give Him the Ooh-La-La)

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■曲名:Just One of Those Things
■曲名邦題:ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングズ
■アルバム名:Give Him the Ooh-La-La
■アルバム名邦題:ギヴ・ヒム・ジ・ウー・ラ・ラ
■動画リンク:「Just One of Those Things」

まずこの曲は冒頭のベースが耳を惹き付けます。

ベースをプレイしているレイ・ブラウン(Ray Brown)が主役かと思えるほど。

そのせいか彼女の歌も普段より緊張感を帯びている感じがします。

そんな張りつめた空気の中、彼女はこの有名なスタンダード・ナンバーを歌いました。

この曲を取り上げているジャズ・シンガーは数え切れません。

日本では土岐麻子も歌っています。

土岐麻子 – Just One Of Those Things

この曲はジャズ・シンガーとしての実力が問われるかもしれません。

彼女には硬派な側面があることをご紹介したいと思い、最初に取り上げてみました。

 

2位「Yesterday When I Was Young」(アルバム:That’s Just the Way I Want to Be)

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■曲名:Yesterday When I Was Young
■曲名邦題:イエスタデイ・ホエン・アイ・ウォズ・ヤング
■アルバム名:That’s Just the Way I Want to Be
■アルバム名邦題:ザッツ・ジャスト・ザ・ウェイ・アイ・ウォント・トゥ・ビー
■動画リンク:「Yesterday When I Was Young」

この記事では1957年から1970年に発表されたこのアルバムまでを対象期間にしました。

この頃彼女はジャズ・シンガーの枠から脱皮しようとしていました。

ただそうした動きは彼女だけではありません。

1970年代は多くのジャズ・シンガーが、ジャズ以外のアルバムをリリースしていました。

このアルバムには、ジョン・レノン(John Lennon)、ジョージィ・フェイム(Georgie Fame)、ダスティ・スプリングフィールド(Dusty Springfield)、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)などの影響がうかがえます。

ジャズ・ボーカルの世界は落語に似ているかもしれません。

伝統的な様式に縛られているがその世界の奥行はかなり深く、高く評価されるには実力がモノをいう。

このアルバムで彼女はジャズ・シンガーでつちかった実力を、ジャズ以外においても証明してみせました。

 

3位「Days of Wine and Roses」(アルバム:Blossom Dearie Sings Rootin’ Songs)

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■曲名:Days of Wine and Roses
■曲名邦題:酒とバラの日々
■アルバム名:Blossom Dearie Sings Rootin’ Songs
■アルバム名邦題:シングス・ルーティン・ソングス
■動画リンク:「Days of Wine and Roses」

このアルバムは今でいうタイアップ曲です。

1962年、飲料会社であるハイヤーズからルートビアのCMソングを歌うよう委嘱されると、ルートビアの愛好者に彼女のレコードを景品に送る企画が持ち上がり[要出典]、アルバム『シングス・ルーティン・ソングス』を録音[注釈 2][5]。この作品は作家の村上春樹が「秘蔵の一枚」にあげている[要出典]。

ブロッサム・ディアリー ウィキペディア

このアルバムで留意したいのは、彼女は歌に専念していてピアノを弾いていないということ。

彼女はニーナ・シモン(Nina Simone)と同じく、歌とピアノの両方が魅力の人。

アルバム・ジャケットで彼女はピアノを弾いていますが、実際はジョセフ・ハーネル(Joe Harnell)ピアノをが弾いています。

彼女はピアニストとしても一流なので、私は少し残念に思います。

ピアニストとしての彼女を期待している方はご注意ください。

とはいえ作品の出来は決して悪くありません。

成功の要因は、ポピュラーな曲を取り上げた選曲にあるかもしれません。

このアルバムからもう1曲ご紹介しましょう。

Blossom Dearie – Fly Me to the Moon

 

4位「Chez Moi」(アルバム:My Gentleman Friend)

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■曲名:Chez Moi
■曲名邦題:シェ・モア
■アルバム名:My Gentleman Friend
■アルバム名邦題:マイ・ジェントルマン・フレンド
■動画リンク:「Chez Moi」

彼女はアメリカ生まれです。

しかし彼女はフランスでブレイクしました。

1952年彼女は単身でフランスに渡り、アニー・ロス(Annie Ross)
、クリスチャンヌ・ルグラン(Christiane Legrand)などとザ・ブルー・スターズを結成し評判を呼びました。

The Blue Stars of France – Mister l’amour

その間彼女はフランスで粋なエスプリを身に付けました。

彼女はフランスで弾き語りのピアニストとしても活躍したようです。

フランスでもカクテル・ピアニストとしての活動を続けており、シャンゼリゼ通りのクラブなどで歌っていた。そこでヴァーヴ・レコードの主宰者、ノーマン・グランツの目にとまり、「アメリカで君の歌を録音したい」と提案を受けた[要出典]。

ブロッサム・ディアリー ウィキペデイア

フランスで得た成果はこの曲にも活きています。

 

5位「Give Him the Ooh-La-La」(アルバム:Give Him the Ooh-La-La)

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■曲名:Give Him the Ooh-La-La
■曲名邦題:ギヴ・ヒム・ジ・ウー・ラ・ラ
■アルバム名:Give Him the Ooh-La-La
■アルバム名邦題:ギヴ・ヒム・ジ・ウー・ラ・ラ
■動画リンク:「Give Him the Ooh-La-La」

彼女の人気作はヴァーヴ時代に集中しています。

「ブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)」「ギヴ・ヒム・ジ・ウー・ラ・ラ(Give Him the Ooh-La-La )」「ワンス・アポン・ア・サマータイム(Once Upon a Summertime)」は、ジャズ・ファンから高く評価されています。

その後の「シングス・ルーティン・ソングス(Blossom Dearie Sings Rootin’ Songs)」や「ザッツ・ジャスト・ザ・ウェイ・アイ・ウォント・トゥ・ビー(That’s Just the Way I Want to Be)」も最高傑作の候補かもしれません。

個人的には「Give Him the Ooh-La-La」を推しますが。

ピアノの演奏と楽曲、ジャズ・フィーリングのバランスが良い作品だと思います。

アルバム・ジャケットの魅力も大きいかもしれません。

彼女はジャズ・シンガー界のオードリー・ヘプバーンと呼びたい人です。

 

6位「Doop-Doo-DE-Doo (A Doodlin’ Song)」(アルバム:Once Upon a Summertime)

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■曲名:Doop-Doo-DE-Doo (A Doodlin’ Song)
■曲名邦題:ドゥープ・ドゥー・ディ・ドゥープ
■アルバム名:Once Upon a Summertime
■アルバム名邦題:ワンス・アポン・ア・サマータイム
■動画リンク:「Doop-Doo-DE-Doo (A Doodlin’ Song)」

私は彼女の声がかわいいとか、あざといとか、下っ足らずとか、そうした表面で評価されることについて疑問に思っています。

この曲にはそうした特徴がよく表れているかもしれません。

アルバム・ジャケットからして、少しあざとい感じがしますし(笑)

ただあざといシンガーなら他にも沢山います。

The Frank Cunimondo Trio – We’ve Only Just Begun

これはこれで私は好きですが。

ただそれはあくまで表面的なスタイルにすぎず、当然ながらあざといだけでは良い音楽にはなりません。

男も女も、それほど単純ではないということではないでしょうか。

 

7位「Long Daddy Green」(アルバム:That’s Just the Way I Want to Be)

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■曲名:Long Daddy Green
■曲名邦題:ロング・ダディ・グリーン
■アルバム名:That’s Just the Way I Want to Be
■アルバム名邦題:ザッツ・ジャスト・ザ・ウェイ・アイ・ウォント・トゥ・ビー
■動画リンク:「Long Daddy Green」

彼女がフリーソウル界隈で人気なのは、このアルバムの存在が大きいかもしれません。

昔は作詞作曲と歌手が分業するのが当たり前でした。

しかしこのアルバムがリリースされた1970年は、大きな転換点がありました。

それはシンガーソングライターの台頭です。

1970年2月ジェームス・テイラー(James Taylor)は「スウィート・ベイビー・ジェイムス(Sweet Baby Jame)」を発表しました。

今でこそ歌が上手いシンガーソングライターは珍しくありません。

しかし当時のシンガーソングライターは、作者本人が歌う代わりに、下手でも歌手専業より味わいがあるというような風潮がありました。

この曲はデイヴ・フリッシュバーグ(Dave Frishberg)とブロッサム・ディアリーが共作した曲です。

彼女はこのアルバムで、シンガーソングライター路線を摸索していたのかもしれません。

 

8位「Boum」(アルバム:My Gentleman Friend)

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■曲名:Boum
■曲名邦題:ブン
■アルバム名:My Gentleman Friend
■アルバム名邦題:マイ・ジェントルマン・フレンド
■動画リンク:「Boum」

先程私は彼女は声がかわいいというだけでは評価していないと書きました。

ここではその続きを述べてみたいと思います。

ジャズ・シンガーは誰も彼もが歌が上手いシンガーばかりです。

その頂点に立つエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)やサラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)などに、歌の上手さだけで太刀打ちするのは困難かもしれません。

歌を評価する際、私は技術とフィーリングを分けて考えることが多いです。

上記頂点の歌手には多少歌が上手いぐらいでは太刀打ちできません。

ただ技術では及ばなくてもフィーリングを磨くことで、存在価値を高める方法もあります。

リスナーは歌の技術というより、良い曲を聞きたいだけですし。

その点ブロッサム・ディアリーは、小粋なフィーリングで勝負していました。

「マルチプリケーション・ロック(Multiplication Rock)」で共演したボブ・ドロー(Bob Dorough)やデイヴ・フリッシュバーグと同じタイプです。

 

9位「You For Me」(アルバム:Blossom Dearie)

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■曲名:You For Me
■曲名邦題:ユー・フォー・ミー
■アルバム名:Blossom Dearie
■アルバム名邦題:ブロッサム・ディアリー
■動画リンク:「You For Me」

彼女に対する評価はジャズ畑とそれ以外では、少し評価の基準が異なります。

ジャズ的な観点からすると、このアルバムが最も評価が高いかもしれません。

純粋にジャズ・ボーカル作品として優れています。

彼女はヴァーヴの創設者、ノーマン・グランツ(Norman Granz)によって発見されました。

フランスでもカクテル・ピアニストとしての活動を続けており、シャンゼリゼ通りのクラブなどで歌っていた。そこでヴァーヴ・レコードの主宰者、ノーマン・グランツの目にとまり、「アメリカで君の歌を録音したい」と提案を受けた[要出典]。

ブロッサム・ディアリー ウィキペディア

この曲はジャズ・シンガーらしい名唱だと思います。

ジャズ・ボーカル・ファンが、このアルバムを高く評価するのも分かる気がします。

ただこの時点ではまだ彼女は全面開花していなかったかもしれません。

 

10位「It’s Love」(アルバム:Blossom Dearie Sings Comden and Green)

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■曲名:It’s Love
■曲名邦題:イッツ・ラヴ
■アルバム名:Blossom Dearie Sings Comden and Green
■アルバム名邦題:シングズ・コムデン・アンド・グリーン
■動画リンク:「It’s Love」

トップクラスのジャズ・シンガーは曲の良し悪し関係なく、歌唱だけで名曲にしてしまう力を持っています。

しかしブロッサム・ディアリーは、そういうタイプではありません。

しかし一方で彼女は良い曲の良さを殺さずに、曲の魅力を表現していました。

ジャズ・シンガーの上位ランカーは、その表現力ゆえ曲よりもシンガーが目立つ懸念があります。

今回は取り上げませんでしたが、ブロッサム・ディアリーはボサノヴァでも多くの名唱を残しています。

ボサノヴァにはブロッサム・ディアリーより下っ足らずなシンガーが沢山いるかもしれません。

ブロッサムはジャズでは圧倒的な実力の持ち主ではいえませんが、多くのボサノヴァ・シンガーより表現力があります。

その中間的な立ち位置でこそ、彼女は一際輝く存在かもしれません。

さて最後に「ブロードウェイ・ヒット・ソングズ(Soubrette Sings Broadway Hit Songs)」から、もう1曲ご紹介してこの記事を終えたいと思います。

Blossom Dearie – Rhode Island Is Famous for You

 

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