今回はヴァン・モリソンのランキングを作成しました。
私はこの人の魅力に開眼するのに、かなり時間がかかりました。
その時の経験をふまえ、初めて聞く人にも楽しんでいただけることを意識して、この記事を書きました。
- 1 1位「Wild Night」(アルバム:Tupelo Honey)
- 2 2位「Jackie Wilson Said (I’m in Heaven When You Smile)」(アルバム:Saint Dominic’s Preview )
- 3 3位「Caravan」(アルバム:The Last Waltz)
- 4 4位「Sweet Thing」(アルバム:Astral Weeks)
- 5 5位「Moondance」(アルバム:Moondance)
- 6 6位「Domino」(アルバム:His Band and the Street Choir)
- 7 7位「Gloria」(アルバム:It’s Too Late to Stop Now)
- 8 8位「Snow in San Anselmo」(アルバム:Hard Nose the Highway)
- 9 9位「Brown Eyed Girl」(アルバム:Bang Masters)
- 10 10位「Naked in the Jungle」(アルバム:The Philosopher’s Stone)
- 11 11位「Linden Arden Stole the Highlights」(アルバム:Veedon Fleece)
- 12 関連記事
- 13 記事一覧
- 14 他ブログ・SNS等
1位「Wild Night」(アルバム:Tupelo Honey)
■曲名:Wild Night
■曲名邦題:ワイルド・ナイト
■アルバム名:Tupelo Honey
■アルバム名邦題:テュペロ・ハニー
■動画リンク:「Wild Night」
私はこの曲を聞くと、いつも細川たかしの「北酒場」を思い出します。
それはともかく、この曲のリード・ギターはモントローズ(Montrose)で知られるロニー・モントローズ(Ronnie Montroseです。
こんなマッスル・ショールズっぽい曲に、ハードロック畑の彼が参加しているとは、場違いに感じられるかもしれません。
ヴァン・モリソンの音楽は、彼の出身国アイルランドのアイリッシュ・ウイスキーみたいものです。
この曲の聞きどころは2:38から。
ホーンセクションと差し込まれるロニー・モントローズによるアルコール濃度の高そうなギター。
その後ジャック・シュローアー(Jack Schroer)のサックスへと続く一連の流れはお見事です。
ただ最大の貢献は前年に彼の子供を生み、一緒に渡米し、彼の創作意欲を高めた妻のジャネット・プラネットかもしれません。
2位「Jackie Wilson Said (I’m in Heaven When You Smile)」(アルバム:Saint Dominic’s Preview )
■曲名:Jackie Wilson Said (I’m in Heaven When You Smile)
■曲名邦題:ジャッキー・ウィルソン・セッド
■アルバム名:Saint Dominic’s Preview
■アルバム名邦題:セント・ドミニクの予言
■動画リンク:「Jackie Wilson Said (I’m in Heaven When You Smile)」
この曲はデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ(Dexys Midnight Runners)のカバーの方が有名かもしれません。
そちらも引用しておきましょう。
Dexys Midnight Runners – Jackie Wilson Said (I’m In Heaven When You Smile)
オリジナルは全米シングルチャート61位でしたが、カバー・バージョンの方は全英チャート5位を記録しました。
ただあまりにもオリジナルに似ているせいで、非難されたそうですが。
さて曲名になっているジャッキー・ウィルソンとは、1960年代に活躍したの黒人R&Bシンガーのこと。
曲名は「ジャッキー・ウィルソンは言った(あなたが微笑む時、私は天国にいます)」という意味です。
一方ヴァン・モリソンは白人ですから、ブルー・アイド・ソウルということになります。
ブルー・アイド・ソウル系のアーティストは、R&Bへの憧れが人一倍強いものですが、この曲にもピュアな憧れを感じますね。
3位「Caravan」(アルバム:The Last Waltz)
■曲名:Caravan
■曲名邦題:キャラヴァン
■アルバム名:The Last Waltz
■アルバム名邦題:ラスト・ワルツ
■動画リンク:「Caravan」
※音量が小さいので少しボリュームを上げてお聞きください
この曲のスタジオ・バージョンは「ムーンダンス(Moondance)」に収録されています。
しかし今回はこの曲の決定版といえる、ザ・バンド(The Band)の解散コンサートのバージョンをご紹介してみました。
この両者は、その前に以下の曲で共演しています。
さて「Caravan」の方は、全身全霊と呼びたくなる名唱です。
ロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)のギターもいいですね。
ヴァン・モリソンは、気難しくシャイな人だと言われています。
以前読んだ記事によると、この時彼はホテルに閉じこもり、出番が近づいてもなかなか出てこなかったのだとか。
この曲の映像を見ると、自分の世界に没入しすぎて、イッてしまっている感じがします(笑)
4位「Sweet Thing」(アルバム:Astral Weeks)
■曲名:Sweet Thing
■曲名邦題:スウィート・シング
■アルバム名:Astral Weeks
■アルバム名邦題:アストラル・ウィークス
■動画リンク:「Sweet Thing」
このアルバムは、オールタイムのロック名盤ランキングで上位の常連です。
『これが最高!(Critic’s Choice Top 200 Albums)』(1979年 クイックフォックス社)英米編では4位、
英国の音楽雑誌『MOJO』が1995年に選んだ「The 100 Greatest Albums Ever Made」では2位、
『ローリング・ストーン』誌が2003年に大規模なアンケートで選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では19位[2]にランクされている。
その一方このアルバムは、ジャズ、フォーク、ロックなどが混然一体になっています。
フルートのジョン・ペイン(John Payne)、ベースのリチャード・デイヴィス(Richard Davis)、ドラムのコニー・ケイ(Connie Kay)などジャズ・プレイヤーが、独特の雰囲気を醸し出していますね。
アコースティック・ギターとストリングスを含めて、ストレンジで美しい世界が繰り広げられています。
このアルバムの雰囲気が好きな方は、ティム・バックリィ(Tim Buckley)の「ハッピー・サッド(Happy Sad)」もおすすめです。
5位「Moondance」(アルバム:Moondance)
■曲名:Moondance
■曲名邦題:ムーンダンス
■アルバム名:Moondance
■アルバム名邦題:ムーンダンス
■動画リンク:「Moondance」
彼の最高傑作といえば、一般的に「アストラル・ウィークス(Astral Weeks)」派か「ムーンダンス(Moondance)」派に分かれる傾向にあります。
ただ私は「ヴィードン・フリース(Veedon Fleece)」と「テュペロ・ハニー』(Tupelo Honey)」も加えたいと思いますが。
後年の「アイリッシュ・ハートビート(Irish Heartbeat)」「アヴァロン・サンセット(Avalon Sunset)」「エンライトンメント(Enlightenment)」あたりも有力候補です。
ただ様々なディスクガイドでは、このアルバムが優勢かもしれません。
他にはリタ・クーリッジ(Rita Coolidge)のカバーで有名な「クレイジー・ラヴ(Crazy Love)」も入っていますし。
私は最高傑作は決められませんが、最初の一枚にはこのアルバムをおすすめします。
6位「Domino」(アルバム:His Band and the Street Choir)
■曲名:Domino
■曲名邦題:ドミノ
■アルバム名:His Band and the Street Choir
■アルバム名邦題:ストリート・クワイア
■動画リンク:「Domino」
ファッツ・ドミノ(Fats Domino)に捧げられた曲です。
シングルチャートでも9位を獲得しており、記録上では彼の代表曲といえるかもしれません。
ここまで書いたところで、私はヴァン・モリソンの伝記本「ヴァン・モリソン―魂の道のり」を買って放置していたことを思い出しました。
読んだら書き直したくなるかもしれませんので、このまま記事を書きますが(笑)
さてこの頃の彼は、自分のやりたい音楽とレコード会社の要望との間で揺れ動いていました。
この曲はレコード会社の要望を受けて書かれたそうです。
普段私はレコード会社がアーティストに口出しをすることを好ましく思いませんが、この時は良い影響を与えたかもしれません。
とかくヴァン・モリソンの音楽はシブいと言われがちです。
私はそういう曲も好きですが、こうしたランキング記事では分かりやすい曲を優先したくなります。
ヤング・アイリッシュ・ソウルと呼びたくなる瑞々しい曲ですね。
7位「Gloria」(アルバム:It’s Too Late to Stop Now)
■曲名:Gloria
■曲名邦題:グローリア
■アルバム名:It’s Too Late to Stop Now
■アルバム名邦題:魂の道のり
■動画リンク:「Gloria」
以前彼が在籍していたゼム(Them)というバンド時代のヒット曲です。
パティ・スミス(Patti Smith)やドアーズ(The Doors)などにカバーされたことでも知られています。
今回はライブ盤からご紹介してみました。
中にはライブ・アルバムを好まない方もいらっしゃると思います。
しかしこの作品は半分ぐらいがカバー曲で、スタジオ・アルバムと曲があまり重複していません。
ちなみに私は既発表曲とカバー曲、それぞれに分けたCD-Rを作成して聞いています。
そうすると、カバー曲だけのCD-Rを独立したカバー・アルバムとして聞くことができます。
ちなみにこのアルバムは4枚組などもありますが、私は2枚組のもので聞いています。
私の持っている2枚組にはボーナストラックが入っていませんが、これから買う方は「Brown Eyed Girl」で終わるCDをおすすします。
8位「Snow in San Anselmo」(アルバム:Hard Nose the Highway)
■曲名:Snow in San Anselmo
■曲名邦題:サン・アンセルモの雪
■アルバム名:Hard Nose the Highway
■アルバム名邦題:苦闘のハイウェイ
■動画リンク:「Snow in San Anselmo」
このアルバムは評価が高くないかもしれません。
ただ他にも「ウォーム・ラヴ(Warm Love)や以下の曲が収録されていて、私は大好きな作品です。
Van Morrison – The Great Deception
ただ今回対象期間外とした「安息への旅(A Period of Transition)」と「ウェイヴレンクス(Wavelength)」はあまり聞きませんが。
この頃彼の音楽は編成が大がかりになってきていました。
この曲には、オークランド交響楽団室内合唱団のコーラスが入っています。
この後彼はザ・カレドニア・ソウル・オーケストラという大所帯のバンドを引き連れて、ツアーに出ました。
その時のレコーディングが、先程ご紹介した「It’s Too Late to Stop Now」です。
9位「Brown Eyed Girl」(アルバム:Bang Masters)
■曲名:Brown Eyed Girl
■曲名邦題:ブラウン・アイド・ガール
■アルバム名:Bang Masters
■アルバム名邦題:バング・マスターズ
■動画リンク:「Brown Eyed Girl」
このアルバムは「Blowin’ Your Mind!」と「T.B. Sheets」を合わせたものです。
実質的にソロ・デビューアルバムといえます。
ヴァン・モリソンは、私が特に好きなアーティストの1人です。
ただ最初から良さが理解できたわけではありません。
最初はクセの強い歌い方が受け付けず、どこが良いか理解できませんでした。
しかし繰り返し聞いている内に、いつの間にか大切なアーティストになっていました。
この曲は特にポップで聞きやすく、彼の魅力に開眼するきっかけになるかもしれません。
10位「Naked in the Jungle」(アルバム:The Philosopher’s Stone)
■曲名:Naked in the Jungle
■曲名邦題:ネイキッド・イン・ザ・ジャングル
■アルバム名:The Philosopher’s Stone
■アルバム名邦題:フィロソファーズ・ストーン〜賢者の石
■動画リンク:「Naked in the Jungle」
1969年から1988年までの未発表曲を集めた2枚組アルバムです。
しかしオリジナル・アルバムの収録曲と比べても遜色ありません。
未発表曲集ですのでコレクターズ・アイテムだと思われがちですが、このぐらい高品質だと必須と言いたくなります。
ちなみにヴァン・モリソン自身も、なぜこれらの曲が収録されなかったか聞かれた時、当時彼が所属していたワーナーブラザーズがミニマリストだったせいと答えています。
ただこの曲はジェームス・ブラウン(James Brown)のようなファンキーな曲で、収録されなかったのもうなづけますが。
私はクラブでもこの曲をかけたことがありますが、普通に機能していました。
クラブ・ユースにもおすすめします。
隠れ名曲枠として、ご紹介してみました。
11位「Linden Arden Stole the Highlights」(アルバム:Veedon Fleece)
■曲名:Linden Arden Stole the Highlights
■曲名邦題:リンデン・アーデン
■アルバム名:Veedon Fleece
■アルバム名邦題:ヴィードン・フリース
■動画リンク:「Linden Arden Stole the Highlights」
このアルバムは異色作です。
R&Bやロック色が弱まり、田園的で落ち着いた曲ばかりです。
同じアルバムからもう1曲、同じぐらい良い曲をご紹介しておきましょう。
上の曲「Cul de Sac」は「行き止まり」という意味です。
実際この頃の彼は離婚したばかりで、失意の真っ只中にありました。
このアルバムは癒し効果が高いですが、それは彼自身癒される必要があったからかもしれません。
今回はバラードが少なめになりましたが、彼のバラードは絶品です。
この記事の曲が気に入ったら、アルバム単位で掘り下げてみてください。
関連記事
■シンガー・ソングライター(Singer-Songwriter)の名曲名盤20選
■スティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)の名曲名盤10選
■ロリー・ギャラガー(Rory Gallagher)の名曲名盤10選
記事一覧
他ブログ・SNS等
■このブログの「トップページ」に戻る
※お気に入りに登録をお願いいたします!
■おとましぐらの音楽ブログ(サブブログ)
※オピニオン記事、企画色の強い記事を連載しています
■note(ジャンル別おすすめ曲一覧)
※選りすぐりの名曲を1曲単位でご紹介しています
■おとましぐらXアカウント
※フォローをお願いいたします!