今回はニール・ヤングのランキング記事です。
この記事は1970年代に限定し選曲しました。
定番曲を多めにしましたが、その分どの曲も必聴の曲ばかり。
初めて聞く方は良い曲が多すぎて驚かれるかもしれません。
- 1 1位 「Only Love Can Break Your Heart」(アルバム:After the Goldrush)
- 2 2位 「Mellow My Mind」(アルバム:Tonight’s the Night)
- 3 3位 「Don’t Cry No Tears」(アルバム:Zuma)
- 4 4位 「Heart of Gold」(アルバム:Harvest)
- 5 5位 「Like a Hurricane」(アルバム:American Stars N’ Bars)
- 6 6位 「Powderfinger」(アルバム:Rust Never Sleeps)
- 7 7位 「Helpless (Live)」(アルバム:Live at Massey Hall 1971)
- 8 8位 「Winterlong (Live)」(アルバム:Live at the Fillmore East)
- 9 9位 「Lotta Love」(アルバム:Comes a Time)
- 10 10位 「Tired Eyes」(アルバム:Tonight’s the Night)
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1位 「Only Love Can Break Your Heart」(アルバム:After the Goldrush)
■曲名:Only Love Can Break Your Heart
■曲名邦題:オンリー・ラヴ・キャン・ブレイク・ユア・ハート
■アルバム名:After the Goldrush(1970年)
■アルバム名邦題:アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ
■動画リンク:「Only Love Can Break Your Heart」
ニール・ヤングの代表曲です。
そしてこの曲は、自分の殻に閉じこもってばかりいる人へのメッセージ・ソング。
この曲で彼はこう問いかけています。
たとえ君がどんなに孤独を愛していたとしても、唯一愛はあなたの心を壊すだろう。
もし心がバラバラになってしまったら、君はどうするのかと。
閉じこもりがちの人をやゆしているように思われるかもしれません。
しかしニール・ヤングは人一倍内向的な人ですから、その言葉にはいくばくかの重みがあります。
彼は内向的な性格で、そのせいかいじめの対象にされ、何度も転校を繰り返した人。
この曲では孤独な境遇に置かれた人を「一度も会ったことのない友人」と表現して寄り添っています。
2位 「Mellow My Mind」(アルバム:Tonight’s the Night)
■曲名:Mellow My Mind
■曲名邦題:メロー・マイ・マインド
■アルバム名:Tonight’s the Night(1975年)
■アルバム名邦題:今宵その夜
■動画リンク:「Mellow My Mind」
このアルバムは、オーバードーズで命を落としたバンド仲間2人に捧げられています。
失意のどん底にあったある夜、突然ニールはアルバムを製作したいと言い出します。
残されたバンドのメンバーと一緒に、彼は演奏ができなくなる寸前までテキーラを飲み、フラフラになりながらこのアルバムを録音しました。
この曲名は「心を成熟させよう」という意味。
ニールは「川でじゃぶじゃぶ水遊びをしていた頃とは違うのだ」と歌っています。
途中でニールは感極まって涙声になっていますが、聞いているこちらまで心が震えそうです。
3位 「Don’t Cry No Tears」(アルバム:Zuma)
■曲名:Don’t Cry No Tears
■曲名邦題:ドント・クライ・ノー・ティアーズ
■アルバム名:Zuma(1975年)
■アルバム名邦題:ズマ
■動画リンク:「Don’t Cry No Tears」
こちらは打って変わって乾いた曲です。
この曲は「メロウ・マイ・マインド(Mellow My Mind)」の次のアルバムの冒頭を飾りました。
この曲で彼は「もう涙は流さない」と歌っています。
とはいえこのアルバムは前作から5か月しか経過していませんから、無理をしている感じがありますね。
この人は良くも悪くも心の状態が音楽に現れやすい人です。
この曲を聞くと、まだ立ち直る途中といった感じがします。
4位 「Heart of Gold」(アルバム:Harvest)
■曲名:Heart of Gold
■曲名邦題:ハート・オブ・ゴールド(孤独の旅路)
■アルバム名:Harvest(1972年)
■アルバム名邦題:ハーヴェスト
■動画リンク:「Heart of Gold」
この曲は1位の曲と並んで、この人の定番といえる曲です。
この曲の主人公はひたすら「黄金の心」を探し求めています。
「俺は生きたいんだ、この身を捧げられる何かを見つけたいのだ」と歌っています。
この頃ニールは26歳でした。
比較的地味な曲だと思いますが、切実に探し求める姿は多くの人の心を打ちました。
その結果この曲はシングルチャート1位を記録しています。
この曲はメロディと歌詞、どちらもかなり刺さりますね。
5位 「Like a Hurricane」(アルバム:American Stars N’ Bars)
■曲名:Like a Hurricane
■曲名邦題:ライク・ア・ハリケーン
■アルバム名:American Stars N’ Bars(1977年)
■アルバム名邦題:アメリカン・スターズン・バーズ
■動画リンク:「Like a Hurricane」
ことインパクトにおいては、この曲に勝る曲は他にありません。
この曲は彼の情念を堪能したい曲です。
しかしそれにしてもこの曲での彼のギターは、テンションがおかしいですし異常です。
感情が極まったフレーズがだだモレで、次から次へ押し寄せる情念を吐き出し続けています。
特に5:17からのメランコリーの奔流は、リスナーの心をとらえて離しません。
暴走するギターが楽曲そのものを飲み込んでいる感じがします。
6位 「Powderfinger」(アルバム:Rust Never Sleeps)
■曲名:Powderfinger
■曲名邦題:パウダーフィンガー
■アルバム名:Powderfinger(1979年)
■アルバム名邦題:ラスト・ネヴァー・スリープス
■動画リンク:「Powderfinger」
この曲を聞くとティーンエイジ・ファンクラブ (Teenage Fanclub)あたりにありそうな曲だと感じます。
彼は鼻にかかったボーカルと勢いまかせのギターが目立ちますが、一転この曲ではリズムが聞きものです。
ミディアム・テンポのリズムが心地良く、それを土台にギターがよく歌っています。
あとこのアルバムは、別の件でも知られています。
さてニルヴァーナ(Nirvana)のカート・コバーン(Kurt Cobain)の遺書には、このアルバムに収録されたある曲の歌詞が書かれていました。
それは「さび尽きるよりも、燃え尽きたい」という言葉。
カート・コバーンは死ぬ間際、ニール・ヤングのこの言葉をもって心の叫びを表現したのですね。
7位 「Helpless (Live)」(アルバム:Live at Massey Hall 1971)
■曲名:Helpless (Live)
■曲名邦題:ヘルプレス(ライブ)
■アルバム名:Live at Massey Hall 1971(2007年)
■アルバム名邦題:ライヴ・アット・マッセイ・ホール 1971
■動画リンク:「Helpless (Live)」
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(Crosby, Stills, Nash & Young)の曲のライブ・バージョンです。
ここでは1971年のライブ盤から取り上げました。
私がまだとても若かった頃、かなり年上の人からロックについて色々と教えてもらっていました。
当時彼らはニール・ヤングは1971年頃のライブがいいと言っていたように記憶しています。
おそらく海賊版のことだと思われます。
その後このライブ・アルバムがリリースされた時に、私はその年のライブだと期待して聞きました。
確かにこのライブ・バージョンは原曲に比べて伸びやかで、開放的な空気感が魅力です。
8位 「Winterlong (Live)」(アルバム:Live at the Fillmore East)
■曲名:Winterlong (Live)
■曲名邦題:ウィンターロング(ライブ)
■アルバム名:Live at the Fillmore East(2006年)
■アルバム名邦題:ライヴ・アット・ザ・フィルモア・イースト
■動画リンク:「Winterlong (Live)」
この曲はオリジナル・アルバムには収録されていません。
スタジオ録音はベスト盤「デケイド:輝ける10年(Decade)」に収録されていますが。
そのためこのライブ・アルバムで初めて聞いた方が多いかもしれません。
しかしビートルズ(The Beatles)の「レイン(Rain)」と同じく、オリジナル・アルバム未収録でも見過ごせない曲です。
さてこの曲はピクシーズ(Pixies)が「コンプリート・Bサイド(Complete B-Sides)」でカバーしています。
9位 「Lotta Love」(アルバム:Comes a Time)
■曲名:Lotta Love
■曲名邦題:溢れる愛
■アルバム名:Comes a Time(1978年)
■アルバム名邦題:カムズ・ア・タイム
■動画リンク:「Lotta Love」
この曲はニコレット・ラーソン(Nicolette Larson)のバージョンが有名です。
先にリリースされたのはニコレットの方。
昔、ニコレットの曲がヒットしたので、ニールはこの曲を自分のアルバムに収録したという文章を読んだことがあります。
しかし両者のリリース時期はあまりに近く、それは事実ではなさそうです。
この曲は現状を変えるにはあふれんばかりの愛が必要だと訴えています。
この曲に登場する男女には何か障壁があるようですね。
ただ裏を返せばあふれんばかりの愛があれば、現状が困難であっても変えられるということ。
私は昔のロックのこういう理想主義的なところが好きです。
10位 「Tired Eyes」(アルバム:Tonight’s the Night)
■曲名:Tired Eyes
■曲名邦題:タイアド・アイズ
■アルバム名:Tonight’s the Night(1975年)
■アルバム名邦題:今宵その夜
■動画リンク:「Tired Eyes」
この曲はあまり知られていませんが、極私的偏愛曲です。
隠れ名曲枠としてご紹介しました。
ニール・ヤングは、カントリー・ミュージックから影響を受けています。
1980年代彼はカントリーのアルバムを発表していますが、それ以前も時々カントリーの影響を感じさせました。
この曲はペダル・スチール・ギターの叙情的な響きがすばらしいですね。
先程述べたように、このアルバムはドラッグで命を落とした仲間に捧げられています。
つまり麻薬によって悲劇的な結末を迎えた友人について。
ニールは「どうか俺の忠告を聞いてくれよ」と繰り返し歌っています。
彼の悲痛な叫びはペダル・スチールに溶け込んで、情感豊かなこの曲を一層味わい深くしています。
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