今回はエンヤのランキングを作成しました。
彼女の音楽はケルト音楽など伝統音楽と、クラシックを融合したところが特徴的です。
その上で独特の美意識に基づいた世界観を表現しています。
私は彼女の音楽を、エレポップやプログレとして聞いているようなところがあります。
癒しという言葉では収まりきらない魅力をご紹介してみました。
- 1 1位「Orinoco Flow」(アルバム:Watermark)
- 2 2位「Book Of Days」(アルバム:Shepherd Moons)
- 3 3位「Wild Child」(アルバム:A Day Without Rain)
- 4 4位「Anywhere is」(アルバム:The Memory of Trees)
- 5 5位「Only Time」(アルバム:A Day Without Rain)
- 6 6位「Flora’s Secret」(アルバム:A Day Without Rain)
- 7 7位「Caribbean Blue」(アルバム:Shepherd Moons)
- 8 8位「Storms in Africa (Part 2)」(アルバム:Watermark)
- 9 9位「Amarantine」(アルバム:Amarantine)
- 10 10位「The Celts」(アルバム:The Celts)
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1位「Orinoco Flow」(アルバム:Watermark)
■曲名:Orinoco Flow
■曲名邦題:オリノコ・フロウ
■アルバム名:Watermark(1988年)
■アルバム名邦題:ウォーターマーク
■動画リンク:「Orinoco Flow」
この曲の歌詞は、世界中を船で旅する様子が描かれています。
訪れた場所には過去の歴史の地名が含まれているので、時空を超えた旅行のようですね。
「Sale Away」という言葉が繰り返されていますが、これは「船で旅立とう」という意味です。
前作の「The Celts」はサウンドトラックでしたので、この作品は実質的にソロ・アルバムの第一作目といえるでしょう。
この曲の歌詞は、本格的にソロ・キャリアをスタートしようとしていた状況を歌った曲かもしれません。
歌詞には「ロブ・ディケンズの舵取りで」とありますが、彼はエンヤに契約をオファーしたワーナーミュージックUKの社長です。
ちなみに「Orinoco Flow」の「Orinoco」とは、レコーディングされたスタジオの名前のこと。
どうやら社長の指揮下でオリノコ・スタジオのみんなと一緒に旅立というということのようです。
その後彼女は世界的なアーティストになりました。
どうやらその旅はとてもすばらしいものになったようですね。
2位「Book Of Days」(アルバム:Shepherd Moons)
■曲名:Book Of Days
■曲名邦題:ブック・オブ・デイズ
■アルバム名:Shepherd Moons(1991年)
■アルバム名邦題:シェパード・ムーン
■動画リンク:「Book Of Days」
この曲は一部をゲール語で歌われています。
エンヤはアイルランド出身の人。
アイルランドというと、英語の国というイメージがあるかもしれません。
ゲール語はケルト語から派生した歴史ある言語ですが、現在はごく一部の保護区域でしか使われていません。
しかしエンヤが生まれたドニゴール県グウィドーは、ゲール語が日常的に使われる地域だったそうです。
エンヤの音楽は神秘的ですがどこかノスタルジックなのは、ゲール語の響きゆえかもしれません。
さてこの曲は、日本のエンヤ人気に火を点けたようです。
日本で爆発的に売れたのは、1992年にトム・クルーズが主演した映画『遥かなる大地へ』のサウンドトラックとして使われた「Book Of Days」からである。
私は当時全く興味がありませんでしたので、いつの間に売れていた印象がありますが。
あと日本では映画「冷静と情熱のあいだ」で知った人が少なくないかもしれません。
3位「Wild Child」(アルバム:A Day Without Rain)
■曲名:Wild Child
■曲名邦題:ワイルド・チャイルド
■アルバム名:A Day Without Rain(2000年)
■アルバム名邦題:ア・デイ・ウィズアウト・レイン
■動画リンク:「Wild Child」
彼女の最高傑作について世評では「Watermark」「Shepherd Moons」あたりがよく挙げられます。
しかし私のイチオシはこの「A Day Without Rain」。
このランキングで唯一3曲選んだぐらいです。
それ以外では、以下の曲もおすすめです。
エンヤの魅力は非日常を感じさせる神秘的なサウンドなど、多岐に渡っています。
しかしメロディメイカーとしての魅力も忘れてはいけません。
今回はいかにも癒し系なインストゥルメンタルや讃美歌のような曲を除いて選曲しました。
ポップ・ミュージックの範囲内で彼女の魅力を再確認しておきたいと思いました。
この曲などは、ドリーム・アカデミー(The Dream Academy)の「ライフ・イン・ア・ノーザン・タウン(Life in A Northern Town)」みたいなところがあります。
4位「Anywhere is」(アルバム:The Memory of Trees)
■曲名:Anywhere is
■曲名邦題:エニウェア・イズ
■アルバム名:The Memory of Trees(1995年)
■アルバム名邦題:メモリー・オブ・トゥリーズ
■動画リンク:「Anywhere is」
彼女はレコーディングにかなり時間をかけることで知られています。
実際「Watermark」でも、同じ曲で自分の声を200回繰り返しダビングしたそうです。
スタジオ録音の鬼といえるでしょう。
通常そうした音楽は、密室感が強くなるものです。
マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)も同じく多重録音を駆使していました。
その結果「チューブラー・ベルズ(Tubular Bells)」という、逆に密室感が魅力の傑作を生み出しています。
しかし彼女は同じく多重録音を駆使しつつも、スケールが大きく解放感あふれる曲に仕上げています。
また彼女はの武器は、多重録音だけではありません。
レコーディングでは、さまざまな楽器を自身で演奏するマルチプレイヤーでもある。これまでに10の言語で歌っている
ちなみに彼女の曲は緻密なスタジオワークを元につくられたため、ライブでは再現できないそうです。
5位「Only Time」(アルバム:A Day Without Rain)
■曲名:Only Time
■曲名邦題:オンリー・タイム
■アルバム名:A Day Without Rain(2000年)
■アルバム名邦題:ア・デイ・ウィズアウト・レイン
■動画リンク:「Only Time」
彼女は完璧主義であることもあって、アルバムのリリース間隔が長くなりがちです。
このアルバムは前作から5年ぶりですし、次作までも5年かかりました。
ミュージシャンには2種類あって、リル・ウェイン(Lil Wayne)やライアン・アダムス(Ryan Adams)のように、短期間に多くの作品を生むタイプもいます。
しかしエンヤはそういうタイプではありません。
それは個人の資質としか言いようがないところがあって、時間をかけて良い仕事をする人もいます。
こうしたスローペースには、彼女を発掘したロブ・ディケンズの言葉が反映されています。
自らエンヤのスタジオを訪ね「制作費は全て出すし、何年かかっても良いから、一枚のアルバムを作って欲しい。シングルヒットを考えなくて良いから、一枚の作品として評価されるアルバムを作ってください」と申し出たのをきっかけに、アルバム『ウォーターマーク』の製作が始まる。
彼の言葉が世界的なスター、エンヤを生んだのかもしれません。
エンヤの音楽は、忙しい日常を忘れさせてくれます。
もしエンヤの音楽が急がされて製作されたなら、これほどの非日常感はなかったと思います。
6位「Flora’s Secret」(アルバム:A Day Without Rain)
■曲名:Flora’s Secret
■曲名邦題:フローラズ・シークレット
■アルバム名:A Day Without Rain(2000年)
■アルバム名邦題:ア・デイ・ウィズアウト・レイン
■動画リンク:「Flora’s Secret」
私は基本的にロック系のリスナーです。
そのせいか癒し系の音楽一般が苦手です。
世間一般で言われるヒーリング・ミュージックを聞くと、逆に癒されないと感じることが少なくありません。
それよりもコーン(Korn)の方がよっぽど癒されるぜゴラァ!と思ってしまいます。
しかしそんな野蛮で無法者の私も、手なずけられたライオンのごとく改心し、今ではエンヤを聞くことができます。
ただ私が聞けるようになったのは結構後の時期で「ペイント・ザ・スカイ〜ザ・ベスト・オブ・エンヤ(Paint the Sky with Stars)」から。
そのベスト・アルバムは1997年にリリースされたのですが、私はリアルタイムで聞いていません。
随分年月が経過してから、捨て値で買ったことがきっかけでした。
2010年とか、そのぐらいだったかもしれません。
とりあえずベストで済ませておけばいいぐらいの感覚だったと思います。
その時に気に入って今に至るというわけです。
最初は私のようにベスト盤から入るのも一つの手かもしれません。
7位「Caribbean Blue」(アルバム:Shepherd Moons)
■曲名:Caribbean Blue
■曲名邦題:カリビアン・ブルー
■アルバム名:Shepherd Moons(1991年)
■アルバム名邦題:シェパード・ムーン
■動画リンク:「Caribbean Blue」
彼女の曲で用いられる言葉のセンスは独特です。
彼女の作詞は、ローマ・ライアン(Roma Ryan)という女性が担当しています。
ローマ・ライアンは彼女の世界観に合った詩を書ける人なのですね。
このアルバム・タイトルの「Shepherd Moons」は「羊飼い衛星」のことです。
「羊飼い衛星」とはある惑星の周りを回ることで、その重力バランスに影響を与えて、惑星の崩壊を防ぐ役割をしている衛星のこと。
とてもエンヤらしい神秘的でスケール感のある言葉ではないでしょうか。
さてこの曲は「Caribbean Blue」という曲名ですが、こちらも語感がいいですね。
直訳すると「カリブ海の青」
歌詞を読むと海の青さではなく、空の青さを指した言葉のようです。
そういえばアルバム・ジャケットにも美しい青色が使われていますし。
この曲は彼女の中でも屈指の有名曲です。
初期の彼女はエレポップと呼べそうな曲が少なくありませんが、この曲などはその路線を代表する曲だと思います。
8位「Storms in Africa (Part 2)」(アルバム:Watermark)
■曲名:Storms in Africa (Part 2)
■曲名邦題:ストームス・イン・アフリカ(パート2)
■アルバム名:Watermark(1988年)
■アルバム名邦題:ウォーターマーク
■動画リンク:「Storms in Africa (Part 2)」
このアルバムには「Storms in Africa」という曲が含まれています。
今回はボーナストラックであるパート2の方を選んでみました。
彼女の曲にはリズムが目立つ曲がほとんどありません。
この曲は珍しくアフリカを意識したリズムが魅力的です。
彼女の音楽は、ヒーリング・ミュージックとかニューエイジ・ミュージックと言われることがあります。
確かにこの曲のシンセサイザーも、そういうところがあるかもしれません。
しかし同種の音楽に比べて、エンヤには音楽的な豊かさに優位性があります。
野蛮きわまりない私がエンヤを聞けるのは、音楽の内実ゆえかもしれません。
彼女のアルバムは全世界で7500万枚という売り上げを記録し、アイルランドではU2と並ぶスーパースターです。
9位「Amarantine」(アルバム:Amarantine)
■曲名:Amarantine
■曲名邦題:アマランタイン
■アルバム名:Amarantine(2005年)
■アルバム名邦題:アマランタイン
■動画リンク:「Amarantine」
今回ご紹介した中で最も新しいアルバムからの選曲です。
といっても2005年ですから随分昔のことですが。
この後も彼女は「雪と氷の旋律(And Winter Came…)」と「ダーク・スカイ・アイランド(Dark Sky Island)」という2枚のアルバムをリリースしています。
この記事ではランク外としましたが、その時期にも以下ような曲良い曲があります。
今回はオフィシャルのプロモーション・ビデオを数多くご紹介しています。
まるで「ロード・オブ・ザ・リング」とか「ナルニア国物語」みたいな世界ですね。
10位「The Celts」(アルバム:The Celts)
■曲名:The Celts
■曲名邦題:ケルツ
■アルバム名:The Celts(1992年)
■アルバム名邦題:ケルツ
■動画リンク:「The Celts」
最後にデビュー・アルバムの曲をご紹介します。
彼女は元々家族で結成したケルト音楽のグループ、クラナド(Clannad)でキーボードを弾いていました。
しかしエンヤが希望していた方向性と違っていたため、彼女は脱退することになりました。
彼女はバンド在籍時に後にチームを組むことになる、プロデューサーのニッキー・ライアンと作詞家のローマ・ライアン夫妻に出会っています。
彼女がクラナドを脱退したのは1981年のこと。
その後このデビュー・アルバムは、1986年にリリースされています。
5年間のブランクが空いているのですね。
その間ライアン夫妻はエンヤにスタジオを開放し、時間をかけて彼女が成長する期間を与えました。
先程ご紹介したように、製作に時間をかけていいと言ってくれたロブ・ディケンズとの出会いも重要でした。
彼女は才能があるだけでなく、周囲の人にも恵まれたようです。
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