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エンヤ(Enya)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】

今回はエンヤのランキングを作成しました。

彼女の音楽は、ケルト音楽などの伝統音楽と、クラシックを融合したところに特徴があります。

その上で独特の美意識に基づいた世界観を表現しています。

私は彼女の音楽を、エレポップやプログレとして聞いているようなところがあります。

癒しという言葉では収まりきらない魅力をご紹介してみました。

 

1位「Orinoco Flow」(アルバム:Watermark)

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■曲名:Orinoco Flow
■曲名邦題:オリノコ・フロウ
■アルバム名:Watermark
■アルバム名邦題:ウォーターマーク
■動画リンク:「Orinoco Flow」

この曲の歌詞は、世界中を船で旅する様子が描かれています。

訪れた場所には過去の地名が含まれているので、時空を超えた旅行のようですね。

「Sale Away」という言葉が繰り返されていますが、これは「船で旅立とう」という意味です。

前作の「The Celts」はサウンドトラックでしたので、この作品は実質的にソロ・アルバムの第一作目といえるでしょう。

この曲の歌詞は、これから本格的にソロ・キャリアをスタートしようとしていた、エンヤの状況を歌った曲だと思われます。

歌詞には「ロブ・ディケンズの舵取りで」とありますが、彼は彼女の才能を認めて契約をオファーしたワーナーミュージックUKの社長です。

ちなみに「Orinoco Flow」の「Orinoco」とは、レコーディングされたスタジオの名前のこと。

どうやらオリノコ・スタジオのみんなと一緒に旅立というということのようですね。

彼女はその後世界的なアーティストになりました。

その旅は、とてもすばらしいものになったようです。

 

2位「Book Of Days」(アルバム:Shepherd Moons)

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■曲名:Book Of Days
■曲名邦題:ブック・オブ・デイズ
■アルバム名:Shepherd Moons
■アルバム名邦題:シェパード・ムーン
■動画リンク:「Book Of Days」

この曲は一部をゲール語で歌われています。

エンヤはアイルランド出身です。

アイルランドというと、英語の国というイメージがあるかもしれません。

ゲール語はケルト語から派生した言語で、歴史ある言語ですが、現在はごく一部の保護区域でしか使われていません。

しかしエンヤが生まれたドニゴール県グウィドーは、ゲール語が日常的に使われる地域だったそうです。

エンヤの音楽は神秘的ですが、どこかノスタルジックな面があるのは、ゲール語の響きゆえかもしれません。

さてこの曲は、日本のエンヤ人気に火を点けたようです。

日本で爆発的に売れたのは、1992年にトム・クルーズが主演した映画『遥かなる大地へ』のサウンドトラックとして使われた「Book Of Days」からである。

エンヤ ウィキペディア

私は当時全く興味がありませんでしたので、いつの間に売れていた感じがしますが。

映画「冷静と情熱のあいだ」でエンヤを知った人も多いかもしれません。

 

3位「Wild Child」(アルバム:A Day Without Rain)

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■曲名:Wild Child
■曲名邦題:ワイルド・チャイルド
■アルバム名:A Day Without Rain
■アルバム名邦題:ア・デイ・ウィズアウト・レイン
■動画リンク:「Wild Child」

一般的な彼女の最高傑作は「Watermark」「Shepherd Moons」あたりだと思われます。

しかし私はこの「A Day Without Rain」を推します。

このランキングで唯一3曲選びました。

それ以外では、以下の曲もおすすめです。

Enya – Lazy Days

エンヤの魅力は美しい歌声や非日常を演出してくれるサウンドなど、多岐に渡っています。

しかしメロディメイカーとしての卓越した才能も忘れてはいけません。

今回はいかにも癒し系みたいなインストゥルメンタルや讃美歌のような曲を除いて選曲しました。

ポップ・ミュージックとしてのエンヤを、再確認しておきたいと思いました。

この曲などは、ドリーム・アカデミー(The Dream Academy)の「ライフ・イン・ア・ノーザン・タウン(Life in A Northern Town)」みたいなところがあります。

 

4位「Anywhere is」(アルバム:The Memory of Trees)

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■曲名:Anywhere is
■曲名邦題:エニウェア・イズ
■アルバム名:The Memory of Trees
■アルバム名邦題:メモリー・オブ・トゥリーズ
■動画リンク:「Anywhere is」

彼女はスタジオ録音に時間をかけることで知られています。

彼女はアルバム「Watermark」でも、同じ曲で自分の声を200回重ね合わせダビングしたのだそうです。

スタジオ録音の鬼といえるでしょう。

通常そうした音楽は、密室感が強くなるものです。

マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield)は、同じく多重録音を駆使していました。

その結果「チューブラー・ベルズ(Tubular Bells)」という、逆に密室感が魅力の傑作を生み出しています。

しかし彼女は同じく多重録音を駆使しつつも、驚くほどのスケール感を持った曲に仕上げています。

また彼女はの武器は、多重録音だけではありません。

レコーディングでは、さまざまな楽器を自身で演奏するマルチプレイヤーでもある。これまでに10の言語で歌っている

エンヤ ウィキペディア

彼女の曲は緻密なスタジオワークの産物であるため、ライブでは再現できないそうです。

 

5位「Only Time」(アルバム:A Day Without Rain)

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■曲名:Only Time
■曲名邦題:オンリー・タイム
■アルバム名:A Day Without Rain
■アルバム名邦題:ア・デイ・ウィズアウト・レイン
■動画リンク:「Only Time」

彼女は完璧主義であることもあって、アルバムのリリース間隔が長くなりがちです。

このアルバムは前作から5年ぶりですし、次作もまた5年かかりました。

ミュージシャンには2種類あって、リル・ウェイン(Lil Wayne)やライアン・アダムス(Ryan Adams)のように、多産なタイプもいます。

しかしエンヤはそういうタイプではありません。

その結果出来上がったアルバムを聞くと、アルバムの構成など、よく練られていることに感心します。

こうしたスローペースのリリース間隔は、彼女を発掘したロブ・ディケンズの言葉から始まっています。

自らエンヤのスタジオを訪ね「制作費は全て出すし、何年かかっても良いから、一枚のアルバムを作って欲しい。シングルヒットを考えなくて良いから、一枚の作品として評価されるアルバムを作ってください」と申し出たのをきっかけに、アルバム『ウォーターマーク』の製作が始まる。

エンヤ ウィキペディア

この言葉が世界的なスター、エンヤを生んだと思います。

エンヤの音楽は、忙しい日常を忘れさせてくれるところがあります。

もしエンヤの音楽が急がされて製作されたものだったら、こんなに非日常感はなかったかもしれません。

 

6位「Flora’s Secret」(アルバム:A Day Without Rain)

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■曲名:Flora’s Secret
■曲名邦題:フローラズ・シークレット
■アルバム名:A Day Without Rain
■アルバム名邦題:ア・デイ・ウィズアウト・レイン
■動画リンク:「Flora’s Secret」

私は基本的にロック系のリスナーです。

そのせいか癒し系の音楽が苦手です。

世間一般で言われるヒーリング・ミュージックを聞くと、逆に癒されないと感じることも少なくありません。

それよりコーン(Korn)の方がよっぽど癒されるぜと思ってしまいます。

しかしそんな野蛮で荒くれ者の私も、エンヤは問題なく聞くことができます。

ただ私が聞くようになったのは結構遅くて、ベスト・アルバム「ペイント・ザ・スカイ〜ザ・ベスト・オブ・エンヤ(Paint the Sky with Stars)」から。

そのベスト盤は1997年にリリースされたのですが、私はリアルタイムで聞いていません。

随分経過してから、捨て値で買ったことがきっかけでした。

2010年とか、そのぐらいだったかもしれません。

とりあえずベストで済ませておくかぐらいの感覚だったと思います。

その時に気に入って今に至るというわけです。

まずは私のようにベスト盤から入るのも一つの手かもしれません。

 

7位「Caribbean Blue」(アルバム:Shepherd Moons)

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■曲名:Caribbean Blue
■曲名邦題:カリビアン・ブルー
■アルバム名:Shepherd Moons
■アルバム名邦題:シェパード・ムーン
■動画リンク:「Caribbean Blue」

彼女の曲で用いられる言葉のセンスは独特です。

彼女の作詞は、ローマ・ライアン(Roma Ryan)という女性が担当しています。

彼女の世界観に合った詩を書ける人なのですね。

このアルバム・タイトルの「Shepherd Moons」は「羊飼い衛星」のことです。

「羊飼い衛星」とは、ある惑星の周りを回ることで、その重力バランスに影響を与えて、惑星の崩壊を防ぐ役割をしている衛星のようです。

とてもエンヤらしい神秘的でスケール感を持った言葉ではないでしょうか。

さてこの曲は「Caribbean Blue」という曲名ですが、こちらも語感がいいですね。

直訳すると「カリブ海の青」

歌詞を読むと海の青さのことではなく、空の青さのことみたいです。

そういえばアルバム・ジャケット美しい青色が使われていますし。

この曲は彼女の中でも屈指の有名曲です。

初期の彼女の曲は、エレポップと呼べそうな曲が少なくありませんが、この曲などはそれを代表する曲だと思います。

 

8位「Storms in Africa (Part 2)」(アルバム:Watermark)

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■曲名:Storms in Africa (Part 2)
■曲名邦題:ストームス・イン・アフリカ(パート2)
■アルバム名:Watermark
■アルバム名邦題:ウォーターマーク
■動画リンク:「Storms in Africa (Part 2)」

このアルバムには「Storms in Africa」という曲が含まれています。

今回はボーナストラックであるパート2の方を選んでみました。

彼女の曲にはリズムが目立つ曲がほとんどありません。

この曲は珍しくアフリカを意識したようなリズムが魅力的です。

彼女の音楽は、ヒーリング・ミュージックとかニューエイジ・ミュージックと言われることがあります。

確かにこの曲のシンセサイザーも、そういうところがあるかもしれません。

しかし同種の音楽に比べて、エンヤには音楽的な優位性があります。

私がエンヤを聞けるのは、その音楽性の豊かさゆえかもしれません。

彼女のアルバムは全世界で7500万枚という売り上げを記録し、アイルランドではU2と並ぶスーパースターです。

私と同じように感じている人が多いということでしょう。

 

9位「Amarantine」(アルバム:Amarantine)

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■曲名:Amarantine
■曲名邦題:アマランタイン
■アルバム名:Amarantine
■アルバム名邦題:アマランタイン
■動画リンク:「Amarantine」

今回ご紹介した中で最も新しいアルバムからの選曲です。

といっても2005年ですから、随分前のことですが。

この後も「雪と氷の旋律(And Winter Came…)」と「ダーク・スカイ・アイランド(Dark Sky Island)」という2枚のアルバムをリリースしています。

ランクインしませんでしたが、その頃にも以下ような曲良い曲があります。

Enya – Echoes In Rain

今回はオフィシャルのプロモーション・ビデオを数多くご紹介しています。

まるで「ロード・オブ・ザ・リング」とか「ナルニア国物語」みたいな世界ですね。

 

10位「The Celts」(アルバム:The Celts)

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■曲名:The Celts
■曲名邦題:ケルツ
■アルバム名:The Celts
■アルバム名邦題:ケルツ
■動画リンク:「The Celts」

最後にデビュー・アルバムの曲をご紹介します。

彼女は元々家族で結成したケルト音楽のグループ、クラナド(Clannad)でキーボードを弾いていました。

しかしエンヤが進みたい方向と音楽性が違っていたこともあって、彼女は脱退することになりました。

彼女はバンド在籍時に、後にチームを組むことになる、プロデューサーのニッキー・ライアンと作詞家のローマ・ライアン夫妻に出会っています。

彼女がクラナドを脱退したのは、1981年のことでした。

その後このデビューアルバムは、1986年にリリースされています。

5年間のブランクが空いています。

その間ライアン夫妻はエンヤにスタジオを開放し、彼女がゆっくり成長する機会を与えました。

先程ご紹介したように、製作に時間をかけていいと言ってくれたロブ・ディケンズとの出会いも重要でした。

彼女は才能があるだけでなく、周囲の人にも恵まれたのですね。

 

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