今回はティナ・ターナーのランキングを作成しました。
彼女は迫力のあるボーカリストだと思われています。
それは間違いありませんが、それだけの人ではありません。
この記事ではパワフルなだけではない彼女の魅力に迫ってみました。
他の記事同様、アルバム・バージョンとは異なる場合がありますので、予めご了承ください。
- 1 1位「Contact High」(アルバム:Come Together)
- 2 2位「I’ve Been Loving You Too Long」(アルバム:Outta Season)
- 3 3位「Workin’ Together」(アルバム:Workin’ Together)
- 4 4位「Everyday People」(アルバム:What You Hear Is What You Get: Live At Carnegie Hall)
- 5 5位「Funkier Than A Mosquita’s Tweeter」(アルバム:Funkier Than A Mosquita’s Tweeter)
- 6 6位「Let’s Stay Together」(アルバム:Private Dancer)
- 7 7位「What’s Love Got to Do with It」(アルバム:Private Dancer)
- 8 8位「Private Dancer」(アルバム:Private Dancer)
- 9 9位「Till the Right Man Comes Along」(アルバム:Break Every Rule)
- 10 10位「I Don’t Wanna Lose You」(アルバム:Foreign Affair)
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1位「Contact High」(アルバム:Come Together)
■アーティスト名:Ike & Tina Turner
■アーティスト名カナ:アイク&ティナ・ターナー
■曲名:Contact High
■曲名邦題:コンタクト・ハイ
■アルバム名:Come Together
■アルバム名邦題:カム・トゥゲザー
■動画リンク:「Contact High」
最初にこの記事の注意点を申し上げます。
今回の記事は1位と2位を入れ替えた以外、リリース順にしました。
便宜上順位は付けましたが、時系列の並び順にすぎません。
最初にアイク&ティナ・ターナー時代の曲、その後ソロ・アルバムの曲をご紹介しています。
また必ずしもを代表曲を重視していません。
特にアイク&ティナ・ターナーの時期は、作品数が膨大すぎてヒット曲、有名曲を網羅しきれません。
そこで私なりに彼女の魅力が伝わるよう意図して選曲してみました。
ただ最低限の代表曲は、文中で補足しています。
たとえば知名度でいえば、以下の曲は外せません。
Ike & Tina Turne – River Deep – Mountain High
上の曲はフィル・スペクター(Phil Spector)がプロデュースしたことで知られています。
2位「I’ve Been Loving You Too Long」(アルバム:Outta Season)
■アーティスト名:Ike & Tina Turner
■アーティスト名カナ:アイク&ティナ・ターナー
■曲名:I’ve Been Loving You Too Long
■曲名邦題:愛しすぎて
■アルバム名:Outta Season
■アルバム名邦題:オウタ・シーズン
■動画リンク:「I’ve Been Loving You Too Long」
この曲はオーティス・レディング(Otis Redding)の名唱で知られています。
しかしティナのバージョンも負けていません。
ティナは迫力のあるボーカリストだと思われていますし、実際その通りだと思います。
ダイナマイト娘だとか、地声が大きいそうだとか、そういうイメージがあります。
しかしこの曲で聞かせてくれる喉のコントロール力、ニューアンスの機微に富んだ歌唱は、とても聞きごたえがありますね。
ただ問題はアルバム・ジャケットです。
彼らは芸人なのでしょうか(苦笑)
食べている果物も謎ですし。
後年の彼女はヤマンバ・ギャル風でしたが、初期のティナはかわいらしい女性でした。
せっかくの美男美女なのに、その路線で売り出すつもりはなかったのですね。
彼らが日本で過小評価されている一因は、こういうキワモノ路線にあるのかもしれません。
3位「Workin’ Together」(アルバム:Workin’ Together)
■アーティスト名:Ike & Tina Turner
■アーティスト名カナ:アイク&ティナ・ターナー
■曲名:Workin’ Together
■曲名邦題:ワーキン・トゥゲザー
■アルバム名:Workin’ Together
■アルバム名邦題:ワーキン・トゥゲザー
■動画リンク:「Workin’ Together」
彼らは夫婦でした。
アイクが曲を書いてサウンド面の主導権を握り、ティナが歌うという役割分担です。
ただアイクも歌うこともあって、以下の代表曲では2人のデュエットを聞くことができます。
ただ残念なことに、アイクはDV男でした。
しかし音楽の才能は間違いなく、特にギタリストとしては高く評価されています。
この曲でも印象的なギターを弾いていますね。
アイクについては、もう少し触れるべきかもしれません。
しかしこの記事はティナの訃報を受けて書いている追悼記事です。
そうしたこともあり私はアイクの功績を充分認めながらも、これ以上書こうという気になりません。
4位「Everyday People」(アルバム:What You Hear Is What You Get: Live At Carnegie Hall)
■アーティスト名:Ike & Tina Turner
■アーティスト名カナ:アイク&ティナ・ターナー
■曲名:Everyday People
■曲名邦題:エヴリデイ・ピープル
■アルバム名:カーネギー・ホールのアイク・アンド・ティナ・ターナー(ライブ)
■アルバム名邦題:What You Hear Is What You Get: Live At Carnegie Hall
■動画リンク:「Everyday People」
※音が小さいので少しボリュームを上げてお聞きください
ライブ盤からの選曲です。
アイク&ティナ・ターナーはかなり多作なグループでした。
ウィキペディアのディスコグラフィを数えてみたところ、スタジオ・アルバムとライブ・アルバムを合わせて31枚ありました。
彼らの活動期間は1960年から1976年ですから、1年あたり平均約2枚リリースされた計算になります。
ただジャズと違って、ロックやソウルは新曲を書かなければいけません。
彼らはそのハイペースを維持するため、有名曲をカバーして問題を解決しました。
この曲はスライ&ザ・ファミリー・ストーン(Sly & the Family Stone)のカバーです。
また先程ご紹介した「プラウド・メアリー(Proud Mary)」も、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Creedence Clearwater Revival)の曲。
更にこのアルバムでは、ジャニス・ジョップリン(Janis Joplin)の以下の曲をカバーしています。
Ike & Tina Turne – Piece Of My Heart
彼らはカバー曲の選択と解釈、どちらもすぐれていました。
5位「Funkier Than A Mosquita’s Tweeter」(アルバム:Funkier Than A Mosquita’s Tweeter)
■アーティスト名:Ike & Tina Turner
■アーティスト名カナ:アイク&ティナ・ターナー
■曲名:Funkier Than A Mosquita’s Tweeter
■曲名邦題:蚊の鳴き声よりもファンキー
■アルバム名:Funkier Than A Mosquita’s Tweeter
■動画リンク:「Funkier Than A Mosquita’s Tweeter」
日本人の感覚からすると、ティナの歌は出力が大きすぎるかもしれません。
この記事では表現力が過剰すぎると思われないよう、コテコテすぎる曲を外してみました。
またキャラも濃いです。
時にはバッドテイスト寸前のあけすけなセクシー・アピールも、キャラ設定にすぎません。
濃いめのサウンドに濃いめの歌を乗せて、全体に濃いめの音楽になっている曲は少なくありません。
ただ私はそういう曲も嫌いではありません。
そもそもティナの魅力は野性味にあります。
彼女は地声が大きいせいか、普通に歌っているだけでシャウトに聞こえますが(笑)
この曲はカーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)の「スーパーフライSuperfly)」のようなストリート感覚が魅力です。
もっと迫力がある歌を聞きたい方には「デライラズ・パワー(Delilah’s Power)」に収録されている以下の曲もおすすめです。
Ike & Tina Turne – Trying To Find My Mind
食べているものが違うのか、がっつり肉を食べているなと感じる声です。
6位「Let’s Stay Together」(アルバム:Private Dancer)
■アーティスト名:Tina Turner
■アーティスト名カナ:ティナ・ターナー
■曲名:Let’s Stay Together
■曲名邦題:レッツ・ステイ・トゥギャザー
■アルバム名:Private Dancer
■アルバム名邦題:プライヴェート・ダンサー
■動画リンク:「Let’s Stay Together」
この記事では彼女の魅力は迫力だけではないとお伝えしたいと思い、バラードを多めにしてみました。
ただ彼女の歌は存在感がありすぎて、バラードに聞こえない問題はありますが(笑)
彼女はアイクと離婚して、ソロ活動に移行しました。
しかしソロではなかなか芽が出ず、当初はかなり苦戦しました。
そもそもアイク&ティナ・ターナー後期は人気が低迷していましたから、その人気を引き継げなかったも大きかったかもしれません。
しかし彼女には地力がありました。
アル・グリーン(Al Green)のこの曲は、多くの人にカバーされている有名曲。
この曲をカバーする場合は、原曲に忠実にカバーするのがセオリーです。
しかしティナにそんなセオリーは通用しません。
この曲をワイルドな自分に寄せて、ここまでの出来にするティナ恐るべしです。
7位「What’s Love Got to Do with It」(アルバム:Private Dancer)
■アーティスト名:Tina Turner
■アーティスト名カナ:ティナ・ターナー
■曲名:What’s Love Got to Do with It
■曲名邦題:愛の魔力
■アルバム名:Private Dancer
■アルバム名邦題:プライヴェート・ダンサー
■動画リンク:「What’s Love Got to Do with It」
アイクとの離婚した後どん底にいたティナには、様々なアーティストが手を貸しました。
当時スーパースターだったロッド・スチュワート(Rod Stewart)は、彼女をライブの前座に起用しています。
またローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)は、三度に渡って彼女を前座に起用しました。
キース・リチャーズ(Keith Richards)はティナとこんな感じですし。
そうした仲間の手助けと地道な努力は、ついにこのアルバムの大ヒットとして実を結びました。
ターナーの復活は1985年初頭に最高潮を迎え、グラミー賞4つを獲得することとなった(中略)
ティナ・ターナーは、「最も成功した女性ロック・アーティスト」と呼ばれてきた[10]。8度のグラミー賞に輝き、歴史上の他のどのソロ・ミュージシャンよりも多くのコンサート・チケットを売り上げてきた[11]。
人一倍苦労した彼女は、ついにソロでも大輪の花を咲かせました。
彼女はアイクなしでも自分が成功できることを証明しようと、かなり必死だったようです。
8位「Private Dancer」(アルバム:Private Dancer)
■アーティスト名:Tina Turner
■アーティスト名カナ:ティナ・ターナー
■曲名:Private Dancer
■曲名邦題:プライヴェート・ダンサー
■アルバム名:Private Dancer
■アルバム名邦題:プライヴェート・ダンサー
■動画リンク:「Private Dancer」
ソロになってから、彼女のボーカル・スタイルには変化がみられました。
それは落ち着いた大人の魅力を打ち出したこと。
たとえばこの曲をお聞きください。
もしかしたら彼女の最大の魅力は、低音部にあるかもしれません。
抑え気味でも彼女の歌にはゾクゾクします。
しかしそこは彼女のこと、そのままこじんまり小さくまとまった歌に収まりきるはずもありません。
サビでは従来同様、迫力のある歌を聞かせてくれています。
彼女は自分のボーカルが持つレンジの広さ、ダイナミズムを活かそうとしていたように思います。
派手なのはここぞという時だけで充分だといわんばかりに。
9位「Till the Right Man Comes Along」(アルバム:Break Every Rule)
■アーティスト名:Tina Turner
■アーティスト名カナ:ティナ・ターナー
■曲名:Till the Right Man Comes Along
■曲名邦題:ティル・ザ・ライト・マン・カムズ・アロング
■アルバム名:Break Every Rule
■アルバム名邦題:ブレイク・エヴリ・ルール
■動画リンク:「Till the Right Man Comes Along」
このアルバムは前作「Private Dancer」同様に大ヒットしています。
その間に彼女は映画「マッドマックス/サンダードーム」に出演し、女優としても活躍していました。
もはや彼女はアメリカ人にとって、ある種のアイコンといえる存在です。
しかも滅法歌が上手いときていますし。
ティナは不思議な存在です。
彼女は「ロックンロールの女王」と呼ばれていますが、元々はR&B出身のシンガーです。
本来はブルー・アイド・ソウルといえる人かもしれません。
しかし彼女の場合は、ロック、R&B、ブルー・アイド・ソウル、どれに分類してもその枠組みからはみ出てしまいます。
どんな曲を歌っても彼女の色に染めてしまいますし。
このような強烈な個性を持ったシンガーは、そうそういるものではありません。
とてもスケールの大きな歌手だったと思います。
10位「I Don’t Wanna Lose You」(アルバム:Foreign Affair)
■アーティスト名:Tina Turner
■アーティスト名カナ:ティナ・ターナー
■曲名:I Don’t Wanna Lose You
■曲名邦題:アイ・ドント・ワナ・ルーズ・ユー
■アルバム名:Foreign Affair
■アルバム名邦題:フォーリン・アフェア
■動画リンク:「I Don’t Wanna Lose You」
さて最後に彼女が後続シンガーに与えた影響について少し述べてみたいと思います。
ボニー・タイラー(Bonnie Tyler)、葛城ユキなどは直系といえるかもしれません。
私はアニー・レノックス(Annie Lennox)にも、ティナの影響を感じることがあります。
彼女はタフな女性シンガーのロールモデルになりました。
これまで述べてきたように、彼女の歌は派手な一面だけで語ることはできません。
後年彼女は余裕を持って歌うことが増えました。
私は曲としてはアイク時代の方が好みです。
しかし歌そのものは、円熟の境地に達したソロ時代の方がすばらしいと思っています。
もしかしたら彼女の歌は濃すぎるがゆえに、少し力を抜いて歌った方が伝わりやすいかもしれません。
しかしどんなに軽めに歌っても、やはり彼女の歌は濃厚です。
とても存在感のあるシンガーだったと思います。
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