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マット・ビアンコ(Matt Bianco)の名曲名盤10選【私的名曲と代表曲を少々】

今回はマット・ビアンコのランキングを作成しました。

熱心なファンの方は、代表曲や人気曲が少ないと思われるかもしれません。

それもそのはず、この記事は既発ベスト盤がもの足りないという問題意識から選曲しました。

代替案として、私なりのベスト盤的な選曲をしています。

その他の制約としては、インストとカバー曲も選んでいません。

 

1位「Half a Minute」(アルバム:Whose Side Are You On?)

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■曲名:Half a Minute
■曲名邦題:30秒の奇跡
■アルバム名:Whose Side Are You On?(1984年)
■アルバム名邦題:探偵物語
■動画リンク:「Half a Minute」

デビュー・アルバムの曲です。

PVを見ると、メンバーが3人いることが分かります。

当時このバンドはマーク・ライリー(Mark Reilly)、ダニー・ホワイト(Danny White)、バーシア(Basia)の3人グループでした。

ただダニーとバーシアは、このアルバム限りで脱退しています。

その後のマット・ビアンコは、マーク・ライリーのソロ・プロジェクトになりました。

当時はヘアカット100(Haircut 100)など、ファンカラティーナというラテンを取り入れた音楽が人気でした。

彼らもそのムーブメント出身で、このアルバムから5枚シングルカットされて、そこそこのヒットを記録しています。

ちなみにアルバム名原題の「Whose Side Are You On?」は「あなたは誰の味方なの?」という意味。

アルバム邦題の「探偵物語」は、1983年に公開された薬師丸ひろ子主演の映画タイトルと同じです。

このアルバムは翌1984年リリースされており、よく同じタイトルを採用したなと思わないでもありません。

ただ今となっては映画っぽいジャケットもあって、なかなか良い邦題のような気がします。

 

2位「Altozano」(アルバム:World Go Round)

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■曲名:Altozano
■曲名邦題:アルトザノ
■アルバム名:World Go Round(1997年)
■アルバム名邦題:ワールド・ゴー・ラウンド
■動画リンク:「Altozano」

最初このアルバムを聞いた時、かなり驚きました。

スペインのフラメンコ音楽を大胆に取り入れていましたから。

ちなみに「Altozano」もスペインの地名ですし。

まずイントロからフラメンコ風の高速ハンド・クラッピングが鳴りまくっています。

フラメンコ・ギターもいい感じで絡んでいますが、その後曲は次第にハウスっぽくなっていきます。

女性コーラスのメロディは、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)に似た曲がありますね。

2:21からのパーカッションや、3:26からのベース・ソロも聞きものです。

スパニッシュ・モードをうまく料理して取り入れています。

 

3位「Love Life」(アルバム:Gran Via)

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■曲名:Love Life
■曲名邦題:ラヴ・ライフ
■アルバム名:Gran Via(1995年)
■アルバム名邦題:グラン・ヴィア
■動画リンク:「Love Life」

この曲ではマーク・ライリーが、リンダ・ルイスみたいな女性ボーカルとデュエットしています。

彼らはおしゃれなバンドですが、それほど流行に左右されるタイプではなさそうです。

このアルバムが発売された1995年は、ドラムンベースがシーンを席巻していました。

当時一部でドラムンベースは、新しいボサノヴァと呼ばれていました。

彼らと同じくおしゃれ系の代表格、エヴリシング・バット・ザ・ガール(Everything But the Girl)もドラムンベースを取り入れています。

しかし私が知る限りマット・ビアンコは、ドラムンベースをやっていません。

彼らはナチュラルな音づくりにこだわりを持っているように感じます。

現時点の最新作「Gravity」では、ジャズをやっているほどですし。

私はドラムンベースに抵抗ありませんが、こういうアナログなこだわりには好感を持っています。

 

4位「Samba in Your Casa」(アルバム:Samba in Your Casa)

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■曲名:Samba in Your Casa
■曲名邦題:サンバ・イン・ユア・カーサ
■アルバム名:Samba in Your Casa(1991年)
■アルバム名邦題:サンバ・イン・ユア・カーサ
■動画リンク:「Samba in Your Casa」

彼らは様々なラテン音楽を取り入れています。

ファンカラティーナから始まり、ボサノヴァ、スペイン音楽、ブーガルーなどをうまく消化しています。

この曲などは曲名に「Samba」とありますが、純正のサンバという感じはしません。

リズムは基本ラテン・ハウスですが、ピアノはむしろサルサ寄りの演奏です。

イントロと2:50ぐらいから唐突にサンバっぽくなりますが。

様々なラテン系音楽を、じっくりコトコト煮込んだ音楽といえるかもしれません。

おしゃれ系のグループはラテンを取り入れがちですが、彼らは特に使い方が大胆で上手だと思います。

 

5位「Could You Be?」(アルバム:Rico)

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■曲名:Could You Be?
■曲名邦題:クッド・ユー・ビー?
■アルバム名:Rico(2000年)
■アルバム名邦題:リコ
■動画リンク:「Could You Be?」

アルバム・ジャケットに、2人の男性が描かれています。

ファースト・アルバム以降、マーク・ライリーはゲストを迎えて活動していました。

その後キーボード奏者のマーク・フィッシャーが加入し、2人組で活動することになりました。

マーク・フィッシャーは、昔マーク・ライリーと組んでいたブルー・ロンド・ア・ラ・ターク(Blue Rondo A La Turk)というバンドの同僚です。

他にもワム!(Wham!)のキーボードも担当していたようですね。

ただマット・ビアンコでの役割は、いま一つ見えにくいところがあります。

時々曲を提供しているものの、スタイル・カウンシル(The Style Council)におけるミック・タルボット(Mick Talbot)ほど、サウンド面の中心になっていません。

このジャケットはシルエットから、手前がマーク・ライリーで、奥がマーク・フィッシャーだと思われます。

ジャケットにそれぞれの立ち位置が表れているようで、少し興味深いです。

 

6位「Our Love」(アルバム:Another Time Another Place)

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■曲名:Our Love
■曲名邦題:アワ・ラヴ
■アルバム名:Another Time Another Place(1993年)
■アルバム名邦題:アナザー・タイム・アナザー・プレイス
■動画リンク:「Our Love」

この曲が発売される前、彼らは困難な時期を迎えていました。

当時彼らは所属していたワーナー・ブラザーズから離れて、新しいレコード会社を探していました。

前作ではドゥービー・ブラザーズ(The Doobie Brothers)の「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」をカバーして、一部の国でヒットしていました。

Matt Bianco – What a Fool Believes

そのヒットが有利に働くと思いきや現実は厳しく、彼らが契約できたレコード会社は、日本のJVC-Victorと、ドイツのZYX Musicというローカルのレコード会社のみ。

そのためこのアルバムは、日本とドイツでしか売れませんでした。

それ以降は日本限定のシングルをリリースしていましたが、2002年以降は日本でもシングル発売が途絶えました。

今回の選曲も当初は「World Go Round」の「アイ・サレンダー(I Surrender)」や、「ハイダウェイ(Hideaway)」に入っている「ユール・ネヴァー・ノウ(You’ll Never Know)」も取り上げる予定でしたが、Youtubeに動画がありません。

それでも彼らには良い曲が多いので、選ぶ曲には困りませんが。

海外での不振は、そういうところにも表れているかもしれません。

 

7位「Ordinary Day」(アルバム:Matt’s Mood)

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■曲名:Ordinary Day
■曲名邦題:オーディナリー・デイ
■アルバム名:Matt’s Mood(2004年)
■アルバム名邦題:マッツ・ムード
■動画リンク:「Ordinary Day」

このアルバムでは1984年以来久々に、バーシアとダニー・ホワイトが参加しています。

ちょうど20年ぶりということになりますが、待ち望んでいた人も多いはず。

メンバーの変化は音楽にも影響しています。

ファースト・アルバムはネオアコとラテンが出会ったような音楽でしたが、このアルバムでは初期の雰囲気が戻ってきています。

前作までは少し肩の力が入り過ぎていましたから、こういう聞きやすい路線への変化は大歓迎です。

なにせこの曲名は「Ordinary Day」つまり「普通の日」という意味ですし。

 

8位「Always on My Mind」(アルバム:Hifi Bossanova)

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■曲名:Always on My Mind
■曲名邦題:オールウェイズ・オン・マイ・マインド
■アルバム名:Hifi Bossanova(2009年)
■アルバム名邦題:ハイファイ・ボサノヴァ
■動画リンク:「Always on My Mind」

「Matt’s Mood」ではオリジナルメンバーの2人が復帰しましたが、このアルバムではマーク・フィッシャーとの2人組に戻っています。

前作から5年以上経過していましたから、ファンは心配したかもしれません。

しかしその間に曲やアレンジを練り込んだらしく、すばらしい曲がそろいました。

この曲はジョイス(Joyce)やマリーザ・モンチ(Marisa Monte)あたりを彷彿とさせます。

ちなみにこのアルバム・ジャケットを見て、私はマーク=アーモンド(Mark Almond)の「アザー・ピープルズ・ルーム(Other Peoples Rooms)」を思い出しました。

mark-almond-some

少し似ている程度ですので、私の連想にすぎませんが。

ただ音楽に共通点がないわけではないので、オマージュなのかもしれません。

 

9位「Hanging On」(アルバム:Indigo)

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■曲名:Hanging On
■曲名邦題:ハンギング・オン
■アルバム名:Indigo(1988年)
■アルバム名邦題:インディゴ
■動画リンク:「Hanging On」

今回のランキングには、1つ特徴があります。

一般的な人気曲とかシングル曲が、あまり多くないということです。

私は彼らのベスト・アルバムを聞くと、いつも感じることがありました。

確かにすばらしいけれど、どれか1枚オリジナル・アルバムを聞き通した時と同じ程度ではないかと。

そこで今回は自分の好みに全振りして、バランスやヒット曲を考えず選曲してみました。

ベスト盤とこの記事の曲が、どの程度重複しているか調べてみました。

・The Best of Matt Bianco:16曲中1曲一致
・Sunshine Days – The Official Greatest Hits by Matt Bianco:17曲中2曲一致
・フリー・ソウル~ドライヴ・ウィズ・マット・ビアンコ:18曲中4曲一致

やはりあまり被っていませんね。

もちろん私が選んでいない中にも、良い曲がたくさんあると思います。

 

10位「Natural」(アルバム:Hifi Bossanova)

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■曲名:Natural
■曲名邦題:ナチュラル
■アルバム名:Hifi Bossanova(2009年)
■アルバム名邦題:ハイファイ・ボサノヴァ
■動画リンク:「Natural」

前作「Matt’s Mood」で一時的にバーシアが復帰し、久しぶりにマット・ビアンコで歌を披露しました。

マット・ビアンコは主にマーク・ライリー1人か、マーク・フィッシャーとの2人組で活動しています。

それ以外のメンバーは、その時々で異なります。

ただ彼らのアルバムには、ほぼいつも女性ボーカルが参加しています。

ゲスト・ボーカルの中には、バーシアに似たタイプの女性シンガーが散見されます。

たとえばこの曲で歌っているヘイゼル・シム(Hazel Sim)もその1人。

この曲を聞くと、まるでバーシアが歌っているみたいではないでしょうか。

もちろん注意して聞けば違いますが、ボーカルがバーシアだと勘違いする人がいてもおかしくありません。

マーク・ライリーは、今でもバーシア的なものを求めているのかもしれません。

 

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