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スーパートランプ(Supertramp)の名曲名盤10選【代表曲・隠れた名曲】【ロジャー・ホジソンのボーカル曲限定】

今回はスーパートランプのランキングを作成しました。

この記事は以下のような条件で選曲しています。

・プログレ曲なし
・ポップな曲又は美しい曲のみ
・ロジャー・ホジソン(Roger Hodgson)のボーカル曲

彼らの音楽は思いの外、様々な要素を含んでいます。

フォーク、ニッチポップ、AOR、プログレ、ジャズ、ソウルなど、個々の曲調にもかなりバラツキがあります。

それにリード・ボーカルの2人の声質も、かなり異なりますし。

そこで条件を絞って、彼らの特徴を明確にしてご紹介してみました。

 

1位「Goodbye Stranger」(アルバム:Breakfast in America)

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■曲名:Goodbye Stranger
■曲名邦題:グッドバイ・ストレンジャー
■アルバム名:Breakfast in America(1979年)
■アルバム名邦題:ブレックファスト・イン・アメリカ
■動画リンク:「Goodbye Stranger」

とはいえ、リック・デイヴィス(Rick Davies)の才能を認めていないわけではありません。

リックはロジャーと並ぶメイン・ソングライターで、ボーカルも2人で分け合っています。

ロジャーは「Famous Last Words…」を最後に脱退しましたが、「フロンティアへの旅立ち(Brother Where You Bound)」からは、リックがバンドの屋台骨を支えました。

この曲もリックが書いています。

最初にリックのボーカルから始まりますが、サビではロジャーに交代しています。

両者の声質の違いを活かした、すばらしいツインボーカルのリレーですね。

美味しいところをロジャーが持っていきがちなこのバンドを象徴する曲かもしれません。

せめてリックのボーカル曲を2曲だけご紹介しましょう。

「ダウンストリーム(Downstream)」アルバム:「蒼い序曲(Even In The Quietest Moments)」より(1977年)

「イッツ・オーライ(It’s Alright)アルバム:「フリー・アズ・ア・バード(Free As A Bird)」より(1987年)

特に後者はスタイル・カウンシル(The Style Council)を思わせるなかなかの佳曲です。

 

2位「The Logical Song」(アルバム:Breakfast in America)

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■曲名:The Logical Song
■曲名邦題:ロジカル・ソング
■アルバム名:Breakfast in America(1979年)
■アルバム名邦題:ブレックファスト・イン・アメリカ
■動画リンク:「The Logical Song」

この曲は1位と並んで彼らの代表曲といってもいいでしょう。

以前の彼らはアルバム・アーティストで、たまたま少ヒットをしても、シングル向きとはいい難いバンドでした。

しかしこの曲で初のトップテン入りをはたすと、一躍人気バンドの仲間入りとなりました。

リアルタイムで聞いていた古参のファンは、さぞかし驚いたことでしょう。

ただこの曲の歌詞を読むかぎり、中身はそれほど変わっていないようですが。

子供の頃は奇跡に満ちていたけれど、大人になってから自分が何者か分からなくなった。

誰か僕に教えてほしい。

そんな内容の曲を「論理的な歌」という曲名にしてしまうあたり、実にロジャーらしいセンスです。

 

3位「Hide in Your Shell」(アルバム:Crime Of The Century)

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■曲名:Hide in Your Shell
■曲名邦題:貝殻のひとりごと
■アルバム名:Crime Of The Century(1974年)
■アルバム名邦題:クライム・オブ・センチュリー
■動画リンク:「Hide in Your Shell」

このアルバムでは「School」とアルバム・タイトル曲が人気曲です。

実際どちらもの曲もすばらしく、アルバム自体も傑作といえる出来かもしれません。

しかしこのブログは入門者を想定して選曲しています。

その観点からすると、このアルバムではこの曲がイチオシで、私が偏愛している曲でもあります。

この曲はご紹介した全曲の中で、最も魅力的なサビを持った曲かもしれません。

サビは1:38からです。

途中テルミンみたいな音が入っているのが、おもしろい効果を生んでいますね。

7分近くと長い曲ですが、演奏の魅力とメリハリのある構成で、最後まで一気に聞かせてくれます。

 

4位「Don’t Leave Me Now」(アルバム:Famous Last Words…)

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■曲名:Don’t Leave Me Now
■曲名邦題:狂気の世界
■アルバム名:Famous Last Words…(1982年)
■アルバム名邦題:フェイマス・ラスト・ワーズ
■動画リンク:「Don’t Leave Me Now」

ロジャー特有のこじらせた感じの曲です。

彼は孤独でクレイジーなこの世界に、僕を置いていかないでと訴えています。

私が考えるロジャーっぽさとは、こういう部分かもしれません。

リックも時々こういう歌詞を書きますが、ロジャーの場合はデフォルトがこういう悲観的な世界観です。

ちなみにロジャーはこのアルバムを最後にバンドを去り、ソロ活動に移行しました。

ツアー続きの生活から離れて、家族と一緒に落ち着いた生活に戻りたかったようですね。

彼のような人が、音楽業界の第一線にいるのはさぞかし辛かったのかもしれません。

現在ロジャーは執筆活動もしているようですが、精神的で哲学的な内容の文章が多いそうです。

この曲などは確かに悲観的ですが、同時に曲に深みを与えているかもしれません。

またこの曲では、ロジャーのギター、ジョン・ヘリウェル(John Helliwell)のサックスも活躍しています。

 

5位「Sister Moonshine」(アルバム:Crisis? What’s Crisis?)

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■曲名:Sister Moonshine
■曲名邦題:シスター・ムーンシャイン
■アルバム名:Crisis? What’s Crisis?(1975年)
■アルバム名邦題:危機への招待
■動画リンク:「Sister Moonshine」

このバンドの初期はかなり迷走していました。

最初の2枚「スーパートランプ・ファースト(Supertramp)」と「消えない封印(Indelibly Stamped)」は、正直何をやりたいのか分かりません。

その後彼らは「Crime Of The Century」で、ポップなプログレ路線に落ち着きました。

しかしせっかく前作が売れたのに、このアルバムでは違う方向性を打ち出しました。

この「Crisis? What’s Crisis?」は、一筋縄ではいかないストレンジ・ポップの曲が目立っています。

素直な曲はこの曲ぐらいですが、私は結構好きな作品です。

このバンドは「Crime Of The Century」と「Breakfast in America」が2大名盤と言われますが、私からするとこのアルバムを含めた3大名盤です。

病みつき度は一番高い作品だと思いますが。

 

6位「Lord Is It Mine」(アルバム:Breakfast in America)

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■曲名:Lord Is It Mine
■曲名邦題:すべては闇の中
■アルバム名:Breakfast in America(1979年)
■アルバム名邦題:ブレックファスト・イン・アメリカ
■動画リンク:「Lord Is It Mine」

以前の彼らは、商業音楽として何かが決定的に欠けているバンドでした。

しかし同時にそれが魅力でもありました。

しかしこのアルバムでは、「ロング・ウェイ・ホーム(Take the Long Way Home)」「チャイルド・オブ・ヴィジョン(Child of Vision)」など、完璧な商業ポップスがずらりとそろっています。

こうした変化の背景には、一体何があったのでしょうか。

私はこのアルバムの成功の要因は、リックの決断だったと思います。

このアルバムでリックの書いた曲は、10曲中6曲を占めています。

リックはこのレコーディング時、ロジャーと仲良くやろうとしていたようです。

その結果リックは自分が推すアルバム・タイトル案「Hello Stranger」を取り下げ、更には自分の書いた曲のリード・ボーカルをロジャーに譲りました。

シングルカットも、ロジャーのボーカルが目立つ曲ばかりです。

おいしいところをロジャーに譲ったのは、バンド全体のことを考えたからかもしれません。

リックの大人の対応によって、このアルバムは全世界で1800万枚以上を記録するモンスター・ヒットになりました。

 

7位「Dreamer」(アルバム:Paris)

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■曲名:Dreamer
■曲名邦題:ドリーマー
■アルバム名:Paris(1980年)
■アルバム名邦題:ライヴ・イン・パリ
■動画リンク:「Dreamer」

彼らは前作「Breakfast in America」の大ヒットで、一躍スターの仲間入りをはたしました。

するとレコード会社は、次の新作までその人気を維持しようとするものです。

そうした場合の常套手段としては、過去の曲を含めたベスト盤かライブ盤のリリースあたりでしょうか。

このアルバムではその折衷案が採用されました。

過去の小ヒット曲を含めたベスト盤的なライブ・アルバムという形でリリースされています。

そのアルバムからシングル・カットされたのがこの曲。

この曲は彼らがブレイクする前最も売れたシングルですから、レコード会社は次作までの繋ぎに最適と判断したのかもしれません。

アルバム・ジャケットも良いですね。

 

8位「Breakfast in America」(アルバム:Breakfast in America)

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■曲名:Breakfast in America
■曲名邦題:ブレックファスト・イン・アメリカ
■アルバム名:Breakfast in America(1979年)
■アルバム名邦題:ブレックファスト・イン・アメリカ
■動画リンク:「Breakfast in America」

クレジットではリックが書いた曲だと記載されています。

しかしロジャーがこの曲を書いたという説や共作だという異説もあり、実際のところはっきりしません。

私はそれらの異説にはある程度うなづける部分があると思っています。

まずロジャーは当初から「Breakfast in America」というアルバム・タイトル案を推していたこと。

そして自虐的でトラジコメディな歌詞が、いかにもロジャーの作風だと感じるからです。

この曲の歌詞では、アメリカに対して複雑な感情が歌われています。

僕はぱっとしない男で、手に入れたのはぱっとしない彼女だけ。

でもカルフォルニアの女の子は魅力的で、アメリカは億万長者だらけなのだろうね。

アメリカに行ってみたいけれど、その機会もまずないだろう。

そんな内容の曲です。

確かに当時の彼らはある程度人気はありましたが、アメリカでは他の国ほどの人気はありませんでした。

しかしこのアルバムでは、初めてアメリカのアルバムチャートで1位を獲得しています。

おそらくその成功の要因の1つは、アルバム・ジャケットではないでしょうか。

マンハッタンっぽい食器の山を背後に、ふくよかなウェイトレスが自由の女神のポーズで微笑んでいます。

ジャケットのモデルは、アメリカ人の女優、ケイト・ムルタ(Kate Murtagh)。

歌詞に「カルフォルニアの女の子を見てみたいものだ」という箇所がありますが、彼女は正真正銘カルフォルニア出身の女性です。

 

9位「It’s Raining Again」(アルバム:Famous Last Words…)

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■曲名:It’s Raining Again
■曲名邦題:イッツ・レイニング・アゲイン
■アルバム名:Famous Last Words…(1982年)
■アルバム名邦題:フェイマス・ラスト・ワーズ
■動画リンク:「It’s Raining Again」

この曲は昔ながらのファンには評判が悪いようです。

この曲を書いたのはロジャーです。

ロジャーは「クレイジー(Crazy)」や「Don’t Leave Me Now」のような暗い歌詞を書いたかと思ったら、こんな明るくポップな曲を書いたり、少し分裂気味なところがあるかもしれません。

歌詞の内容も、ロジャーの曲の中ではかなり異色です。

恋愛が終わった。友達を失った。雨も降っている。

しかし再び立ち上がろうよという内容です。

いや本当ですかと思ってしまいますね。

私はロジャーのダークサイドが生み出す美しい曲や、少しいびつでポップな曲が好んでいます。

正直この曲は好みではありませんが、初めてこのバンドを聞く方にはおすすめできる曲です。

 

10位「A Soapbox Opera」(Youtubeオンリー)

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■曲名:A Soapbox Opera
■曲名邦題:街頭オペラの歌
■動画リンク:「A Soapbox Opera」

最初はスタジオ・バージョンの方でご紹介しようとしていました。

そこで動画を探している時、このライブ・バージョンを見つけて、急遽差し替えることにしました。

映像を見ると、ロジャーはもう既にかなり年を取っていますが、美しいハイトーン・ボーカルは健在です。

この曲ではオーケストラと共演していて、後半はとても感動的な演奏を聞かせてくれます。

さて「Famous Last Words…」を最後に脱退したロジャーは、ソロ・アルバムを数枚リリースしました。

特にソロの第一弾「愛なき嵐に向かって(In the Eye of the Storm)」は良い出来で、このランキングの暗め曲を気に入った方は聞いて損はありません。

一時彼は両手を骨折する事故に見舞われ、音楽生命を危ぶまれました。

しかしこのライブを見る限り、無事復活しているようですね。

一方残されたバンドは、リックを中心に存続しました。

しかしセールスが低迷して解散すると、再結成と解散を繰り返しています。

再結成の噂が出る度にロジャーの参加が注目されますが、今のところ実現はしていません。

 

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